• るるぶ&more.
  • エリア一覧
  • 日本でも人気のポーランド食器はこうして造られる! 現地ボレスワヴィエツの工場から詳しくレポートしてみた
ポーランド食器はこうして造られる

日本でも人気のポーランド食器はこうして造られる! 現地ボレスワヴィエツの工場から詳しくレポートしてみた

るるぶ&more.編集部 るるぶ情報版(海外)編集部 雑貨 生活雑貨 工場見学 豆皿
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

東欧の国・ポーランド。あまりなじみがないという人も多いかもしれませんが、実はとっても魅力的な国なんです! なかでも、日本にも輸入されて人気と知名度が高まっているのが、ポーランド食器。その魅力は、なんといっても深い色合いと手描き感あふれる絵柄! 今回はポーランドの陶器工場を訪れ、ポーランド食器の良さや造られ方を深掘りしていきます。

Summary

「ポーリッシュ・ポタリー」そして「ボレスワヴィエツ陶器」

「ポーリッシュ・ポタリー」そして「ボレスワヴィエツ陶器」
手作業による絵柄の温かみとかわいさがたまらない。
ポーランド食器のなかでも有名どころと言えるのが、「ポーリッシュ・ポタリー」と総称される陶器です。ポーランドで造られる陶器の多くは、ボレスワヴィエツという、ポーランドとドイツ、チェコの国境近くにある街で製造されています。近郊で粘土が採れたことにより、何世紀も前から陶器が造られ発展してきたボレスワヴィエツ。ここで作られる陶器は品質が高く、「ボレスワヴィエツ陶器」としてブランド的な扱いになっています。
柄付きの器が造られるようになったのは、1980年代後半から
現在のようにかわいい柄付きの器が造られるようになったのは、1980年代後半からだそう。こういった花柄のお皿もあったり…。
現代的な絵柄
現代的な絵柄もあったりします。
今回お邪魔したのが、そんなボレスワヴィエツ陶器を作る、その名も「ボレスワヴィエツ社」。土地の名前を冠する、この街有数の工場です。原材料の粘土の状態から陶器として完成に至るまで、全工程をひとつの工場で完結して作っています。

ポーランド食器はこうして作られている! ~絵付け前まで~

日々たくさんの陶器を製造
早朝~昼過ぎと昼過ぎ~夜までの二交代制を敷いて、日々たくさんの陶器を製造しています。
ここからは、陶器がどのように造られているかを紹介します。
まずは、皿や器の形にする成形です。ふたつの方法があり、ひとつはカットした粘土を機械式のろくろで成形する方法、もうひとつは水分を含んだ粘土を型に流し込んでから乾燥させる方法です。
ザワークラウトを漬ける壺
型に流し込んで乾燥させた粘土を型から外した状態。こちらはザワークラウトを漬ける壺です。
検品が終わったものは青いマークで区別される
検品が終わったものは青いマークで区別されています。
カップの耳をつける工程は手作業
カップの耳をつける工程は手作業です。
乾燥させたら800℃・8時間の素焼きをして、絵付けができる状態にします。たくさんストックを作っておき、注文に合わせて絵付けをするそう。
絵付け前の淡い色の状態
こちらが絵付け前の淡い色の状態。すごい量の器に圧倒!


ポーランド食器はこうして作られている! ~絵付けから本焼き~

素焼きした器への絵付けは筆とスタンプで行う
素焼きした器への絵付けは筆とスタンプで行っていきます。
絵付けは一つ一つが手作業で、細かな職人技を要します。3カ月の研修、1年の見習いを経て、ようやく絵付けの仕事に入れるそう。自然光での作業が必須だそうです。
タブレットで絵柄の見本を眺めつつ、手作業
タブレットで絵柄の見本を眺めつつ、手で作業していきます。
細かい柄はスポンジでできたスタンプでつけていきます。陶器のデザインは取材時で1800種類以上もあり、それらに柄をつけるスタンプは2000種類はあるそう。ひとつの皿・器にはおおよそ6~7種類のスタンプで柄をつけています。
クジャクの羽にある目玉模様のような、“ピーコック・アイ”と呼ばれる特徴的な模様
目玉のようになっているのが“ピーコック・アイ”。
クジャクの羽にある目玉模様のような、“ピーコック・アイ”とよばれる特徴的な模様も、スタンプで描きます。
絵付けに使う道具のうち、スポンジでできたスタンプ
スタンプ。細かい部分はレーザーで成形しているそう。
こちらが絵付けに使う道具のうち、スポンジでできたスタンプ。自動車の座席も使われているウレタン系の素材でできています。
絵付けの技術と同じくらい大事なのが染料
絵付けの技術と同じくらい大事なのが染料です。
染料はワルシャワの研究所で研究されていて、染料同士の組み合わせで色を作っていきます。染料は基本的には鉱物が原料になっているとのことですが、その内訳・ブレンドは企業秘密。
絵付けが終わったら、焼き上がりにつるんとした質感を出すための釉薬をつけます。釉薬をつけると見た目では柄がすべて隠れますが、本焼きをすると柄が浮き出てくるとのこと。それが終わったら本焼きをして完成です!
オーブンで1200℃・16時間も焼く
オーブンで1200℃・16時間も焼きます。
焼くと絵柄が出てくる
焼くと絵柄が出てきます。中には日本に出荷されるものもあるのでしょう…。


ボレスワヴィエツ陶器、購入や見学もできます!

ピッチャーや大皿、四角くて大きな器
ピッチャーや大皿、四角くて大きな器も。
こうして作られる陶器ですが、工場に併設する直営ショップで買うことができます。価格はデザインによって異なりますが、小皿20zł~、カップ30zł~程度から並んでいました(1złはレートによりますが、2023年現在は約30円)。
器だけでなく、キーホルダーやオーナメントなどさまざま
器だけでなく、キーホルダーやオーナメントなどさまざま。
工場では、絵付け体験もさせてもらいました。公式から予約すれば、一般来訪者も工場見学ができるそうです(料金は依頼内容に応じて有料)。予約はちょっとハードルが高い…という人には、8月に開かれる陶器祭りの時期は、無料で見学を解放しているそうですよ。
体験の感想としては難しい
体験の感想としては難しい、やっぱり職人さんの技術はすごいです。

ボレスワヴィエツ陶器祭り2023(ポーランド語のみ)
https://swietoceramiki.pl/

以上、日本でも人気のポーランド食器の造られ方をがっつり紹介してみました。ポーランド食器が気になった、実は前から気になっていたという方は、ぜひいつかポーランドを訪れてみることをおすすめします。素敵な品物がたくさんあるので、スーツケースはぜひ大きめで…!


■ボレスワヴィエツ社(直営ショップ)
Zakłady Ceramiczne "BOLESŁAWIEC"
住所:ul. Kościuszki 11, Bolesławiec
TEL:+48 75 732 27 36(ショップ)
営業時間:9~17時(土曜は8~16時)
定休日:日曜


●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください