【おとなのソロ部】カウンターの目の前で職人さんが和菓子を手作り!老舗和菓子店の味を楽しむ 日本橋「鶴屋吉信 TOKYO MISE」
京都の老舗和菓子店「鶴屋吉信」が、東京メトロ三越前駅直結のCOREDO室町3に出店した「鶴屋吉信 TOKYO MISE(つるやよしのぶ とうきょう みせ)」。職人さんが目の前で和菓子を手作りしてくれる「菓遊茶屋(かゆうぢゃや)」を併設するのは、首都圏ではこちらのお店だけ!全席7席のカウンターに座り、職人さんの美しい手さばきとおいしいお菓子や抹茶が楽しめる「季節の生菓子とお抹茶」が大人気です。気さくな職人さんは質問にも快く答えてくれるので、ひとりでも和菓子の奥深い世界にどっぷり浸れますよ。
京都の老舗和菓子店の味を日本橋で楽しむ
東京メトロ半蔵門線・銀座線の三越前駅から直結のCOREDO室町3にある「鶴屋吉信 TOKYO MISE」にやってきました。
享和3年(1803)、京都市上京区に創業した、和菓子店「京菓匠 鶴屋吉信(きょうかしょう つるやよしのぶ)」。昭和50年(1975)に「東京店」を開店し、それをCOREDO室町3に移転してリニューアルオープンしたのが「鶴屋吉信 TOKYO MISE」です。
前店舗の「東京店」から引き継いだという「鶴屋吉信」の店名看板も飾られており、歴史の長さを感じますね。
今回は、「鶴屋吉信 TOKYO MISE」の一角にある「菓遊茶屋」で、「季節の生菓子とお抹茶」1430円を注文。専用のカウンター席に座り、熟練した和菓子職人さんに目の前でお菓子を手作りてしもらえるて、なんともぜいたくなコースです。
「鶴屋吉信」の職人さんが生菓子を作るところを常設で楽しめるのは、首都圏ではここだけなんだそう!
「菓遊茶屋」では、お菓子を3種類から、ひとつ選ぶことができます。取材時は写真左から、「さつき花」、「あじさいきんとん」、「長春(ちょうしゅん)」のラインアップでした。この3種類は、時期やタイミングによって変更されます。訪れる時期によって新しいお菓子に出合えるのが魅力的です。
悩みに悩んで、今回はブルーが美しい「あじさいきんとん」をお願いしました。
お菓子の中核となる小倉餡と、青、紫、白に色付けした餡を用意したら和菓子作りがスタート!
青、紫、白の3色の餡をこすための道具に押し付けると、そぼろ状になった粒が!
このようにこされた食材を「きんとん」とよぶため、今回注文したお菓子も「あじさいきんとん」という名前になっています。「きんとん」という言葉はよく耳にしますが、定義を聞かれるとなかなか答えられないもの。職人さんに作業工程や由来などをじっくり聞きながら、和菓子の世界に浸れるのもおひとりさまならではの楽しみ方ですね!
3色の餡をこし終えたら、細い箸を使って、色や大きさのバランスに気をつけながら小倉餡に付けていきます。色が偏ったり、餡がつぶれたり、全体の量が偏ったりすると美しくなくなってしまうので、職人さんの腕の見せどころです。
最後に、寒天でできた雨粒のような「琥珀」をバランスを見て配置していきます。作業をじっと見つめていると、職人さんが「この琥珀は、きれいなキラキラ感を出せるように、裏ごしではなく、ひとつずつ手作業でカットしているんですよ」と裏話を教えてくれました。
職人さんがお菓子を作っていた時間は2分弱。美しい所作にうっとりしていると、あっという間に完成です。
できあがった「あじさいきんとん」は、繊細な色味のなかに琥珀が光り輝き、本物の紫陽花にも劣らない美しさ!崩すのがもったいないように感じてしまいます。
ひと口いただくと、餡の上品な甘さが広がります。中核の小倉餡は、最初はこし餡風に作り、最後に小豆を追加しているんだそう。そのひと手間のおかげで、豆の食感を楽しむことができます。きんとんや琥珀の食感もアクセントになっています。
お菓子とセットになっている抹茶は、お菓子に合うよう選定した特別なブレンド。宇治産の抹茶を使用しており、豊かな風味と苦味が楽しめます。
今回は注文しなかった2つのお菓子も目に鮮やか!「さつき花」はその名のとおり、さつきの花を模した、ピンク色が美しいお菓子。クレープのような生地で餡を包み込んだひと品です。注文をすると、目の前のカウンターで皮を焼いてくれます!
「長春」は、小麦粉をつなぎに使った「こなし」という素材で作られた、白餡の入ったお菓子。中国原産で、咲いている期間が長く、長寿のお祝いなどにも用いられる縁起のよい花「コウシンバラ」がモチーフとなっています。繊細に入れられた切れ込みで、バラの花びらが開いている様を表しています。
こだわりの「まめかん露」などのおみやげも!
「鶴屋吉信 TOKYO MISE」では、和菓子を購入することも可能です。夏季に人気なのは、冷やしていただく「まめかん露」!北海道産の小豆をふっくらと炊いた「小倉餡」712円と、沖縄県産の風味豊かな黒糖を使った「黒蜜」648円からお好みの味を選ぶことができます。
「菓遊茶屋」でお茶を楽しんだ後に、おみやげとしておうちにお持ち帰りするのもオススメです。
また、「鶴屋吉信 TOKYO MISE」には、「菓遊茶屋」のほかにもお休み処を備えた「茶房」も!モダンでありながら和の雰囲気が感じられる空間が広がります。こちらでは「鶴屋吉信」自慢の、あんみつやかき氷などの季節の甘味を楽しむことができます。取材時は、「柏餅とお抹茶」1320円などがありました。「菓遊茶屋」で大満足したら、次回は友達を誘って茶房を楽しむ…というのもアリですね!
職人さんの繊細な作業と美しい和菓子を思う存分楽しむことができる「鶴屋吉信 TOKYO MISE」の「菓遊茶屋」。ひとりで訪れ、和菓子の奥深い世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
■おすすめの利用シーン:ひとりでお茶を楽しみたいとき、季節を感じるお菓子を味わいたいとき
■鶴屋吉信 TOKYO MISE(つるやよしのぶ とうきょう みせ)
住所:東京都中央区日本橋室町1-5-5 COREDO室町3 1F
TEL:03-3243-0551
営業時間:11~20時 ※菓遊茶屋は12~18時(土・日曜、祝日は11~18時)※7月〜時間変更予定。詳細は公式サイトをご確認ください
アクセス:東京メトロ三越前駅A6出口から駅直結
定休日:無休
Text&Photo:市川みさき(エフェクト)
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。