【鶴来】金沢から約40分の観光地“ご加護のある街”でパワーをもらう旅
石川県白山市にある鶴来(つるぎ)という街をご存じですか?古くから霊峰信仰の聖地として崇められてきた白山のお膝元にあることから、「ご加護のある街」として知られています。パワースポットを探索したり、ここにしかないグルメを堪能したり、昔から続く文化を体験したりと、ご加護のある街へパワーをもらいに行きましょう!
Summary
金沢から行く鶴来。恋のしらやまさんきっぷを使おう
鶴来へ行くには、JR金沢駅からひと駅のJR西金沢駅で北陸鉄道石川線に乗り換え、新西金沢駅から約30分の鶴来駅が最寄り駅です。
電車でも行けますが、オススメはバスと電車の周遊切符「恋のしらやまさんきっぷ」を使う行き方。こちらは金沢駅から60分かかりますが、バス乗車券、電車乗車券に加え、和菓子券、辻占券(伝統和菓子をモチーフにした恋みくじ)、レンタサイクル券(または鶴来から一の宮までの北鉄白山バスの片道乗車券)、「恋のしらやまさん」公式ガイドマップ、白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)に奉納することができる「奉納恋文」もセットになって2000円です。
白山比咩神社で恋文奉納ができるのはこの切符のみ!さらにガイドマップには、散策に便利な「鶴来 開運散策マップ」もついているので、切符を買うだけで旅の準備は万全です。
※電車乗車券は1日のみの有効期限のため、翌日以降は無効になります。
編集部が鶴来に行ってきました!
今回は、その鶴来へ「恋のしらやまさんきっぷ」を使って実際に行ってみました。まず金沢駅に到着したら、バス乗車券を使って野町駅に。野町駅からは電車乗車券を使って、北陸鉄道石川線・野町駅から「恋のしらやまさん号」に乗車します。のんびりローカル線に揺られて非日常の世界へ♪
駅を背にしてみると、自然豊かな景色が広がっています。金沢からわずか40分で、この自然豊かな鶴来に来れるんですよ。
この後、鶴来のオススメスポットをたくさん紹介していくので、気になったスポットを是非チェックしてみてくださいね。
編集部オススメ鶴来スポット9選
獅子吼高原から白山手取川ジオパークの手取川扇状地を一望
鶴来駅から見えていた山の向こう側にあるのが「獅子吼高原(ししくこうげん)」です。獅子吼高原の麓にある施設「パーク獅子吼」にはゴンドラ乗り場があるので、まずはゴンドラに乗って獅子吼高原に向かいましょう。ゴンドラは大人往復710円(片道500円)、ワンちゃんは無料です。
ゴンドラに乗っていると、特別仕様のゴンドラを発見!通常は白色のゴンドラですが、一機だけ黄色にラッピングされているんです。見つけられればラッキーなことが起きるかも?! 是非、黄色にラッピングされたゴンドラを探してみてくださいね。
標高650mの獅子吼高原の頂上からは、高原を見渡す大パノラマが!獅子吼高原には獅子吼白山比咩神社や恋人の聖地、ドッグラン、眺めのいいカフェなどもありますが、特に有名なのはパラグライダー。取材した日もパラグライダーをしている方をたくさん見つけました。天気が良い日は空にたくさんのパラグライダーが見られるそうで、地元の方は「今日は何人かな…」と数を数えることもあるんだとか。金沢から40分でパラグライダーができるのも嬉しいですよね。はじめての方でもできるので、気になる方は是非体験してみてくださいね。
獅子吼高原からゴンドラを使って「パーク獅子吼」に戻ると、無料スポット「獅子ワールド館」があります。
ここでは江戸時代からこの地に伝承されてきた加賀獅子頭をはじめ、日本各地の獅子頭と、アジアを中心に世界の獅子頭約150点を見ることができます。地元名工による夫婦獅子頭は日本一の大きさで、大迫力!正面から見て左側が雄、右側が雌の夫婦獅子頭の前で写真を撮るのもいいかも。
「獅子ワールド館」から歩いて約3分の場所には「造り物の館(つくりもののやかた)」という無料スポットもありますよ。鶴来では「ほうらい祭り」という、約800年の歴史があるといわれる祭りが、毎年10月初旬の土・日曜に開催され、お神輿を先頭に獅子方と造り物が随行して歩き回ります。この「ほうらい祭り」で使われる造り物が「造り物の館」に展示されているんです。毎年こんなに大きい造り物を作っているというから驚きです!
ゴンドラに乗って頂上の景色を眺めたり、見晴らしのいいカフェで休んだり、パラグライダーを楽しんだり、麓では無料スポットも満喫できて、1日楽しめる獅子吼高原に訪れてみてくださいね。
■獅子吼高原(ししくこうげん)
住所:石川県白山市八幡町リ110
TEL:076-272-0600 (ゴンドラ)
営業時間:10~17時(季節により変動あり)
定休日:火曜、11月中旬~4月中旬はゴンドラ運転休業
人気ご当地グルメのTKGY&カミナリサンドを実食
鶴来のご当地グルメ「TKGY」はご存じですか?TKGYとは、「たまごかけごはんやき」のこと。石川県産米を白山伏流水で研ぎ炊いたもので、鶴来の醸造品(醤油・味噌・酒・酢)を使って調理するというこだわりも。「T」つるぎ「K」から「G」元気と「Y」勇気を発信する気持ちでおいしく焼くといった言葉の意味もあるんだとか。TKGYを提供するお店はたくさんあるのですが、お店によって味が違うのでTKGY巡りも楽しいですね。今回は「旅館・かのや・お昼処」でランチ営業している「ごはん処」で和風オムライス風のTKGYをいただきます。
見てください、これが和風オムライス風のTKGY!早速食べてみると、地元のだし醤油で味付けした、たまごかけごはんがソースに合っていてGOODです♪TKGYの表面はこんがり香ばしく、中はトロッとした味わい。お店によっていろいろアレンジが利いているのもいいですね。
TKGY以外にもこちらのお店では珍しいグルメが食べられます。それは毎週木・金曜数量限定で販売している「かみなりサンド」。かのや特製だし巻きたまごをふわっふわの手作り食パンにはさんだ一品です。食べてみると、竹炭を交ぜている食パンとだし巻きたまごの相性が抜群。特製だし巻きたまごは、一口でほおばるのが難しいくらい大きく、1つ食べただけでもかなりのボリュームで、大満足でした。
■旅館・かのや・お昼処(りょかん・かのや・おひるどころ)
住所:石川県白山市八幡町ヲ72
TEL:076-272-0645
営業時間:11~14時(ランチ)
定休日:月曜、第1・3・5日曜(ランチ)
初めてでも簡単!知田工房で獅子頭根付け絵付け体験
石川県唯一の獅子頭専門工房「知田公房」は、全国の施設や神社、地域の祭礼用獅子舞など500頭以上の獅子頭を制作修理している歴史ある工房。こちらでは加賀獅子頭に絵付けする体験が初心者でも簡単にできちゃうんです。職人の方に丁寧に教えてもらいながら、お土産にもちょうどいい小さいサイズの獅子頭根付を自分で絵付けできます。今回塗り方のコツを3代目獅子頭職人の知田さんとそのお母さんに教えてもらいました。
職人さんが彫った獅子頭の目と歯に、まずは金箔を塗っていきます。
次に赤色で鼻と舌を塗ります。
その後黒色で目を描き、耳と角とたてがみを取り付けます。目は出来栄えに大きく関わるので集中!もうほとんど完成に近づいてきましたね。
最後に鈴がついている紐を通して完成!塗り方も職人さんから丁寧に教えてもらえるので安心して作れました。さらに、はみ出してしまったところも職人さんが少しだけ彫って修正してくれました♪こちらは60分、3000円で体験できるので、是非挑戦してみてください!(※申込みは白山市観光連盟まで。)
■知田工房(ちたこうぼう)
住所:石川県白山市八幡町98
TEL:076-272-1696
(体験に関して予約・問合せは白山市観光連盟TEL076-259-5893まで)
営業時間:9~17時
定休日:不定休
白山比咩神社を参拝して、いっぷく処 おはぎ屋へ
縁結びの神社として親しまれている「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」は鶴来駅から加賀白山バスで5分ほどの場所にあります。表参道は108段ある石段をゆっくりと進みますが、まず緑の美しさに感動。自然を感じながら歩いていきます。
途中、狛犬に注目!にっこりと笑っているように見えます。
拝殿に到着しました。白山比咩神社は全国三千余社の白山神社の総本宮であり、加賀の国の一ノ宮として崇敬を受け、「しらやまさん」とよばれて親しまれています。また、宝物館には重要文化財をはじめとした多くの宝物が保存されています。
境内には「なんじゃもんじゃの木」という、白い花がたくさん咲いている木がありました。この木は長崎県対馬及び岐阜県瑞浪市に自生している木で、平成4年に奉納されました。取材時の5月は綺麗に咲いていました。
冒頭でご紹介した「恋のしらやまさん」切符を購入した方は、忘れずに白山比咩神社で「奉納恋文」(恋文を書いて奉納すること)をしてみてくださいね。
白山比咩神社の参拝後は、表参道入口前にある「いっぷく処 おはぎ屋」で休憩するのがオススメ。こちらでは周辺の特産物や農産物を販売していて、うどんや笹寿司などの軽食も食べられます。3日前までに予約すれば笹寿司作り体験(所要20~30分、3個入り1800円(持ち帰り木箱込))もやっているので、自分で作って持ち帰りたい方は是非体験してみて。
おはぎ屋で人気のスイーツが「おはぎソフト」です。「ふつうのソフトクリームじゃつまらない、店名にちなんだソフトを」という店主村上さんが開発しました。クリームに名物の手作りおはぎを練り込んでいて、しっかりとおはぎを感じられるソフトになっていました。よく見てみると、つぶつぶがあり、これがおはぎなんです!バニラクリームも濃厚で忘れられない味でした♪
■白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)
住所:石川県白山市三宮町ニ105-1
TEL:076-272-0680
営業時間:宝物館は9~16時(11月は 9時30分~15時30分)
定休日:宝物館は12~3月
■いっぷく処 おはぎ屋(いっぷくどころ おはぎや)
住所:石川県白山市白山町レ122-1
TEL:076-272-5510
営業時間:9~16時
定休日:水曜(1日・祝日以外)
酒肴・づいきで発酵熟成肉を堪能
夕食にオススメなのが「酒肴・づいき」。発酵熟成肉や豊富な地酒で人気のおしゃれ居酒屋です。外観も素敵ですね。
店内も期待を裏切らない素敵な雰囲気の空間になっています。町屋をリノベーションした箱庭のある癒やし空間は、地元の人が集う場所でもあり、旅行に行った際に是非とも訪れたい場所です。
早速、発酵熟成肉をいただきまーす!写真左上がシンタマ、左下がイチボ、右上が外モモ、右下がランプです。素敵な雰囲気の中でおいしい熟成肉が食べられるって、最高!4種ともに口の中でとろける柔らかさで、うま味も豊富です。塩コショウで食べたらほっぺが落ちるほどおいしかったので、オススメします!
熟成肉だけでなく、お酒に合うメニューもたくさんあります。お酒の種類も豊富で、カウンターにはこのようにずらっと並んでいました。お店の方も気さくなので、メニュー選びに迷ったら、気軽に聞いてみてくださいね。
■酒肴・づいき(しゅこう・づいき)
住所:石川県白山市鶴来本町2丁目ワ120
TEL:076-218-9494
営業時間:18~23時
定休日:火曜
横町うらら館で桧細工コースター作り体験
鶴来の街歩きで休憩したいときは「横町うらら館」へ。およそ190年前に建てられた商家で、14代当主が家を離れるにあたって街に寄贈され、現在は無料休憩所として使われています。当時の家財が今も残っているので趣がありますね。
今回はそんな「横町うらら館」で石川県の伝統工芸品である桧細工を使ったコースター作りを体験してきました!こちらの和室で体験します。
まずは好きなキットを選びます。私は黄色と青、水色のセットを選んでみました。
桧が濡れるくらい水をかけて編んで行きます。編むやり方が分からなくても、先生が詳しく教えてくれるので問題なく制作できますよ!
編んだ後に余計な部分を切って仕上げれば完成!素敵なデザインのコースターになりました。このキットを買うと500円で、キットをこの場で体験すると700円。+200円しただけで先生に丁寧に教えてもらえるので、体験がオススメです!
そしてなんと、嬉しい出来事が!余った桧を先生が小さい手裏剣にしてくれました。桧が余ったらこういったものを作るのもアリですね。
「横町うらら館」では他にもいろいろな体験が用意されているので、他の体験もチェックしてみてくださいね!
■横町うらら館(よこまちうららかん)
住所:石川県白山市鶴来新町タ1
TEL:076-273-5699(加賀白山ようござった)
営業時間:10~16時
定休日:不定休、桧細工体験は水曜日と土曜日のみ開催、要予約
そば処さかいで手作りそばを味わう
さっぱりしたそばに豪華なセットがついたランチが食べられるのは「そば処さかい」。鶴来にある宿(ゲストハウス)ですが、昼はそば処として営業しています。
そば単体ではなく、「そばランチ」というセットを頼んでみたらびっくり!そばの温泉卵、そばどうふ、天ぷら、そば、お漬物、ごはん、甘味が付いて、とても豪華です!そばは冷たいそばと暖かいそばが選べ、今回は冷たいそばにしました。そば自体ものど越しがよく、ツルっと食べられました。
■そば処さかい(そばどころさかい)
住所:石川県白山市八幡町ル110
TEL:076-272-1340
営業時間:11~14時(そば処)
定休日:月・火曜(そば処のみ)
心を落ち着かせる!真宗大谷派 鶴来別院で写経体験
写経体験ができると聞いて、真宗大谷派のお寺「鶴来別院」へ。本堂は明治32年(1899)の建築で白山市の文化財に指定されています。
平日8時30分から16時までは写経体験が可能です。いつのまにか集中していて、とても心が落ち着きました。書いた写経はその場で納めます。終わらなかったものは家に帰ってから書いて、鶴来別院に郵送すれば納めてもらえますよ。さらに写経体験と一緒にバックヤードツアーも可能になっています。
写経以外にも茶道、お寺ヨガ、マルシェなど、いろいろなイベントや教室があるそう。また、御朱印の授与も行っているので、気になった方は寺務所で聞いてみてくださいね。
■真宗大谷派 鶴来別院(しんしゅうおおたには つるぎべついん)
住所:石川県白山市鶴来清沢町ヨ12
TEL:076-272-0144(問い合わせ担当者:山本さん)
営業時間:8時30分~16時(本堂)
料金:無料(法要、葬儀日は体験不可)
定休日:土・日曜、祝日(本堂のみ閉鎖)
泊まるならここ!古民家カフェのお宿たけだ
鶴来で泊まりたい方にオススメなのは「お宿たけだ」。コーヒーや抹茶、お酒を提供するカフェ&バーとしても営業しています。オーナーは笑顔が印象的なたけださんとそのお母さん。たけださんは鶴来の良さを広めるために宿を始めたそうで、鶴来の素敵な場所や情報をたくさん教えてくれます。
客室はたけださんの家族が住んでいたスペースをリニューアルして作られ、築100年以上の建物ならではの良さを生かしながら、昭和の名残と令和の新たな彩りを加えた「和」の空間。部屋は2階にある3部屋のみで最大8名まで泊まることができます。こちらは「藍」というお部屋。窓を開ければ、小さなお庭も見ることができますよ。
こちらは「翠」という部屋で、若草色の優しい色合いの中でゆったり過ごせます。ほうらい祭りの時には、造りもん(造り物)やお神輿を見ることもできますよ!
最後は私が今回泊まったこちらの部屋。建物の北西に位置し、黄色オレンジ基調の「橙」という部屋なので、「金運アップにいいかも!」とたけださんに教えてもらいました。
客室以外に共用スペースとしてキッチン、バスルーム、洗面所があります。キッチンはカフェのスタッフが使用することもありますが、自由に使うことができるので地元の食材を買ってきて料理するのもありですね♪食器もたくさん揃っており、こちらも自由に使っていいそうです。バスルームはシャワーのみですが、少し車を走らせると温泉の公衆浴場がたくさんあるのでそちらを利用してもいいかも。洗面所は2つあります。
今回は朝食ありのプランにしたため、朝からたけださんのおいしいトーストをいただけました。「バタートースト」、「ハムチーズのホットサンド」、「はちみつチーズトースト」、「小倉ホイップトースト」の4種類から1つ、好きなものを選べます。さらに好みのドリンクとヨーグルトが付いて朝食代が500円なんて嬉しいですね♪
今回悩んで選んだのは「小倉ホイップトースト」。トーストにたけださんのお母さんが手作りした小倉あんがたっぷり。ホイップも甘すぎず、朝食にぴったりでした。宿を利用しない方でも、カフェで9~11時の時間、モーニングとして食べられますよ。(宿泊者限定で500円、通常580円~)
落ち着いた和の空間の客室で、たけださんと鶴来の話をして温かい気持ちになりました。鶴来の良さを実感できる、そんなお宿たけだでした。
■お宿たけだ(おやどたけだ)
住所:石川県白山市鶴来日詰町カ176
TEL:076-272-0029
チェックイン:15時
チェックアウト:10時
宿泊料:1人 5000円、2人 4500円(1人分)、3人以上 4000円(1人分)
定休日:不定休(要連絡)
いかがでしたか?鶴来には今回ご紹介したスポット以外にも素敵なスポットがたくさんあります。金沢から40分で行けるので、金沢旅行のついでに鶴来に日帰りで行く予定を立てるのもよし。鶴来に1泊してオススメスポットをゆっくりまわるのもよし。パラグライダーをするついでに連泊して鶴来の良さを知るのもよし。色々なスタイルで鶴来の街を楽しんでみてくださいね。
Photo & Text:土屋香奈
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