京都のヴィーガン料理店「菜食光兎舎」で、生命力溢れる野菜たちにパワーをいただく

京都のヴィーガン料理店「菜食光兎舎」で、生命力溢れる野菜たちにパワーをいただく

京都府 食・グルメ ヴィーガン ランチ るるぶ&more.編集部
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弟が1階でギャラリーを、兄は2階でカフェを営む「菜食光兎舎(さいしょくこうさぎしゃ)」。職人気質な農家さんが育てる無農薬の野菜を中心に何種類の野菜を使っているのかわからないぐらい具沢山のワンプレートランチが楽しめます。野菜たっぷりのヴィーガンランチで、デトックスの1日を!

Summary

知る人ぞ知る、隠れ家ヴィーガン料理店

京都市左京区浄土寺、白川通沿いでバス停の目の前にある「菜食光兎舎」。ただし、看板が控えめで、何度か前を通っても気づかないくらいです。少し遠目に見た方がわかりやすく、外壁に木の板を貼った特徴的な4階建ての建物の2階がカフェ「菜食光兎舎」のある場所です。

知る人ぞ知る隠れ家的な雰囲気が魅力的。しかし、入ってしまえば「一見さんお断り」なんてことはなく、店主の加藤祐基さんをはじめスタッフのみなさんが温かく迎えてくれます。内装には色味を抑えた床や壁に土や木、石などの天然素材を使い、さりげなく上品。

店の中央にどしっと構えられた一枚板のテーブルは、木工作家 川合優氏(SOMA主宰)によるもの。立派な一枚板のわずかな節穴に三角の楔を打ち、ワンポイントにされています。

東の隅に土壁で囲われた部分が厨房。実家から運んできたという大きな古い木の水屋がぴったりと収まるサイズに設計して、数奇屋大工さんにしつらえてもらったそう。

中をのぞくと、さまざまな調理器具の数々がおのおのの場所に収まり、使い勝手がよさそうな厨房。日々のランチプレートにのる小鉢の数はゆうに10をこえますが、テンポ良く調理できるよう機能的に道具が並べられています。

こちらが、加藤さんが実家から運んできたという水屋。手触りのよさそうな器の隙間を縫うように味わいのある雑貨たちが顔を出します。見回すと店のここかしこに素朴な草花や石などが飾られており、店主の人柄があらわれているようで、気持ちが和みます。

無農薬や減農薬、育て方にもこだわった生命にあふれる野菜たち

さて、「菜食光兎舎」といえば野菜。ということで、今日使う食材を見せていただきました。購入する野菜の生産者さんも信用のできる方ばかり。「無農薬というと葉っぱに虫食いがあるイメージでしょ。この人の作る野菜は、無農薬なのに美しいんですよ」。と力説する店主の加藤祐基さん。はちきれんばかりにみずみずしい野菜たちは生命力に満ち溢れています。

とくに春から夏にかけては野菜の楽しい季節。わらび、ぜんまい、こごみなど短い山菜の季節が終わったら、そらまめや絹さやなど豆が出てきて、夏野菜へ。加藤さんにとっても心浮き立つ季節です。

テーブルが届くのを待っているテラス席で、しいたけが日向ぼっこ。天日干しで、うまみをぐっと増やします。

10種類以上の野菜料理が1プレートに並ぶヴィーガンランチ

菜食光兎舎ごはんプレート 2500円
「菜食光兎舎ごはんプレート」2500円

こちらが完成した菜食光兎舎ごはんプレートです。この日のラインアップは、以下のとおり。
●春キャベツと新じゃがいもの味噌ポタージュ
●黒豆とたけのこのひろうす~わかめと生姜のあんかけ~
●隠岐あらめの五目煮
●新ごぼうとわらびのトマト煮
●よもぎ豆腐の辛子酢みそ
●巻きゆばとふき味噌
●人参のフライ ひじきとくるみペースト
●野菜梅肉のり巻き
●割干し大根のアジア風なます
●ポテトサラダ
●くだもの(日向夏といちご)
●五穀米ごはんとお漬物
これだけの品目があって、魚・肉・卵の類をひとつも使っていない完璧なヴィーガンです。

こちらの一皿はよもぎの若葉から加藤さんが手作りした豆腐。なめらかな食感によもぎの香りがほんのり。山菜のこごみが添えてあります。「旬の野菜や山菜、野草が持つ苦味やえぐみなどの雑味も大切にしたい」と一品ずつ、愛情を込めて丁寧に作られています。

「野菜への愛が伝われば、普段忙しく生活されている方にも、味わって食べる時間を大切にしてもらえるのでは?」そんな気持ちから、年々プレートにのせる料理の種類が増えてきたそう。一体何品目の食材が使われているのかわかりませんが、確実に1日に必要な量の野菜摂取量の目標はクリアできそう。

隠岐あらめの五目煮。「あらめ」は海藻の一種で、養殖ができないのですべてが天然物。旅先で出会った隠岐のあらめが気に入って、積極的に料理に取り入れているのだとか。カルシウムやヨウ素、鉄を豊富に含む、ミネラルの宝庫ともいわれる海藻です。

「ヴィーガンやオーガニックにストイックになりすぎず、おいしい野菜を食べる喜びを感じてほしい」と工夫を凝らします。例えば、野菜梅肉のり巻きは、のりの香ばしさと梅肉の酸っぱさがよいアクセントに。生野菜のシャキシャキとした心地よい食感、春の匂いがする山菜、とろりとしたスープなど野菜の個性をいかした料理に五感が刺激されます。

グラスワイン 600円
「グラスワイン」は600円

通し営業なので、昼飲みを楽しむのもgood。濃い味付けやジャンクフードだとついついお酒を飲みすぎてしまいますが、こちらは食事もお酒も味を楽しめるのがよいところ。植物繊維をたっぷり摂取しているので悪酔いしにくいといわれています。

窓からは五山送り火の「大」の文字も見え、京都気分も満喫できますよ。
ヴィーガンやオーガニック志向の方はもちろんですが、普段の食事で「野菜が足りてないなぁ」と感じている人にはぜひ食べていただきたい一食です。手のかかる料理なので予約必須ですが、京都旅行の楽しみの1つに組み入れてみては?

■菜食光兎舎(さいしょくこうさぎしゃ)
住所:京都府京都市左京区浄土寺上馬場町113(2階)
TEL:075-761-7707(予約制)
kousagisha@gmail.com(予約)
営業時間:11時30分~売り切れ次第終了(15時LO) 
定休日:月・火・日曜
アクセス:市バス浄土寺バス停から徒歩1分


Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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