食・グルメ
2023.07.06
卵、乳、小麦不使用、お肉、お魚抜き対応でいろんな人においしいを届ける京都「nichi cafe」
食べられるものが制限されていても、食の楽しさを伝えたい。そんな気持ちからオープンさせたカフェが「nichi cafe」です。「この子が生まれてすぐからひどい食物アレルギーで」と、今は美しく成人した娘さんの隣で微笑む店主の由紀子さん。作り出される料理やお菓子の数々には、由紀子さんの愛情とやさしさがあふれています。
アレルギーフレンドリーで、予約がベターな人気カフェ
阪急嵐山線「上桂駅」からは徒歩7分、阪急京都線「桂駅」からは徒歩15分ほどの距離にある「nichi cafe」。駅から歩くには少し距離があるにもかかわらず、予約しておかないと席が確保しにくい人気店です。
外からもおしゃれな雰囲気は伝わってきますが、中に入るとよりセンスのよさを感じることができます。アースカラーのカウンターや壁、床板を剥いでむき出しにした床に木製の家具を配置した、少しヴィンテージ感のあるナチュラルなインテリアが素敵。
テーブルごとの間隔をかなりゆったりととられているのは、ベビーカーでも気にせずに入れるように。隣の席のお客さんをあまり気にせず、おしゃべりできそうです。
食器の配置や照明、枯れ枝のディスプレイなど、どこをとっても絵になる店内。
カウンターに並ぶ焼き菓子のプライスカードには「卵、乳、小麦不使用」の文字と特定原材料等28品目に指定されているアレルギー食品のなかで使われている食材が表記してあります。
丁寧な食品表示の理由は、娘さんが、産まれてすぐの頃から食物アレルギーがあったから。小麦粉、卵、乳、蕎麦、ピーナッツ、ゴマ、エビ……と、数えきれないほどの食べられないものがあり、それでもなんとか食べる楽しみを教えてあげたいと日々創意工夫。少しずつ食べられるものが増えていったときの経験が、このお店の原動力になっているそうです。
食べられない食材がある人も、ない人も、一緒に食卓を囲んで楽しいランチを
同じように食事の悩みを持つご家庭や、食べることを制限されている子どもたちと「おいしい」の喜びを共有したいと、強い思いで一から修行。人気カフェで研鑽を積み、卵・乳・小麦不使用の焼き菓子とお肉やお魚抜きに対応可能な食事を提供するカフェ「nichi cafe」をオープンさせました。
さて、お店の看板メニュー「nichi プレート」は、特に人気。季節の野菜を使ったお惣菜8～10種類を乗せたプレートに、選べるマフィン（orフォカッチャorスコーン）＋本日のスープが付いた充実の内容です。
お皿の上には、白かぶの甘酢和え、揚げ茄子の味噌和え、キュウリのごま油和え、 レンコンのきんぴら、ズッキーニのピクルス、ふかしたさつまいも、赤玉ねぎ のバルサミコ酢、キャロットラペ、桜姫鶏のソテー、ローストビーフ......。とにかくたくさんのお惣菜。ピクルスや甘酢和えなど酢を使ったメニューは多く ても、素材に合わせて酢の種類を使い分けてあるから、ひとつひとつの料理に しっかりと味の輪郭があります。
「食べられない食材がある方も。野菜が好きな方も。肉好きな方も。みんなが一緒に同じ食卓を囲み、みんなで“おいしい”笑顔があふれるお店にしたい」。そんな由紀子さんの気持ちが伝わってくる一皿です。だから、写真のプレートはお肉が入っていますが、お肉を抜くことも可能。
セットに含まれるマフィンorフォカッチャorスコーンを、カウンター上にずらりと並ぶ中から「どれにしようかな～」と1つ選ぶのも楽しみ。
お惣菜と一緒に食べるおかず系にしてもいいですし、料理を食べ終わったあとのデザートにするのもあり。食べきれなければ、お持ち帰りにしてもよいそうです。「家の近くにあったら、毎日…は無理でも週1で来たくなるなぁ…」と思ってしまいます。リピーターも多く、ほとんどの人が事前予約。予約して、ココを目指す価値のあるお店です。
家での食事や行楽にもってこいなお弁当の販売もあります。
どれが人気？ 焼き菓子ベスト3
カウンターやショーケースに並ぶおいしそうな焼き菓子。お持ち帰りもイートインもOKです。季節によってラインアップは変わりますが、定番のなかからみなさんが選んでいる人気ベスト3を教えていただきました。
まずベスト3は、「nichi プレート」のお供にチョイスされることも多いキッシュ。こちらは「たっぷりきのこ＆ベーコンのキッシュ」卵・乳・国産小麦粉使用。
第2位は「爆発 キャラメルバナナマフィン」。卵・乳・国産小麦粉、バナナ使用。型から噴き出したようなフォルム、素朴な味わいと淡い甘さが人気です。
第1位がこちらの「プラントベース マカロン（ショコラ）」。卵、乳、小麦不使用です。マカロンといえば、卵白をしっかりと泡立てたメレンゲで作る焼き菓子。卵不使用とはどういうこと？ なんとひよこ豆の煮汁をひたすら泡立てたメレンゲで作っているそうです。しかもクリームのショコラも、原材料のカカオマスとカカオバターから手作りして、プラントベースにする徹底ぶりです。
テイクアウトして家で楽しむのもいいですし、お店で楽しむなら6種類のお菓子とフルーツを盛り合わせた「Desert set」がお値打ち。いろんな味が試せるので、お気に入りの味を見つけて、お持ち帰りするのも一つの手です。こちらも卵、乳、小麦不使用の焼き菓子の盛り合わせに変更可能。
小麦粉、卵、乳が食べられないお子さんにも華やかな誕生日を体験させてくれるのが、豆乳ホワイトチョコカスタードの季節のフルーツタルトです。お子さんに限らず食物アレルギーのある方にはとっておきのプレゼントになりそうですね。（1週間前までに要予約）
食べると元気になれる「nichi cafe」の料理やお菓子は食物アレルギーのある人にもない人にも、大人気。予約制ではありませんが、予約して訪れたほうが確実です。食物アレルギーのある人がいたら思わず教えてあげたくなるお店です。
■nichi cafe（にちかふぇ）
住所：京都府京都市西京区上桂前田町21−4 1階
TEL：075-950-0671（予約優先）
営業時間：Lunch time 11～15時（14時30分LO）
cafe time 15～18時（17時30分LO）
定休日：月曜・不定休
アクセス：阪急嵐山線上桂駅から徒歩7分
※食物アレルギー特定原材料等不使用商品に関するご注意
他のメニューと同一厨房で調理、また調理器具・洗浄機器についても他のメニューと共通のものを使用しているため、加工または調理の過程においてアレルギー物質が微量に混入する可能性がございます。アレルギー症状の重篤な方、過敏な方はご注意ください。アレルギー症状が発生しないことをお約束する商品ではありません。
Photo： photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text：京都ライター事務所 小西尋子
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
この記事を書いた人
