【おとなのソロ部】手ぶら・都度払いOKのソロ書道体験!「広尾五丁目のお寺の書道教室」で、ひとり静かに筆を走らせてみた
子どものころに書道教室に通っていた!という人は多いのでは?集中力が鍛えられたり、マインドフルネスの効果も期待できたり、書道は大人の習い事としても人気があります。でも、社会人にとっては仕事との兼ね合いで、定期的に通えるか不安もつきもの。そこでおすすめなのが、今回ソロ体験してきた大人のための書道教室です。手ぶらOKで月謝制をとらない理由は?どんな書が学べるの?など詳しくレポートします。
通えるか不安…。そんな人にこそ試してほしいお手軽書道教室
地下鉄広尾駅から徒歩4分の場所にあるのが、大人が通う書道教室「広尾五丁目のお寺の書道教室」。広尾橋交差点から西へ延びる商店街を歩けば到着という好立地で、仕事終わりにも通いやすいと人気です。教室はお寺の境内にある施設内にあります。住所や行き方、教室開催有無についてはメール(本記事下部に記載あり)で先生に直接、ご確認ください。
書道教室がある建物に入ったら、靴を脱いで教室へ。細長い空間にテーブルが並び、席が用意されています。予約名を先生に伝えたら、好きな席に座ってレッスン開始。お寺の境内にあるためか、いい気が流れているような、清々しい気持ちになります。
先生は室内を歩きながら生徒さんたちの書きぶりをチェック。指導はもちろんしてくれますが、極力自由に書いてもらうのが信条。必要があれば、いつでも先生に質問ができます。
こちらの書道教室は、“手ぶらで楽しめる大人の書道教室”がコンセプトなだけあり、申込みや料金設定がとてもシンプル。申込みは先生の公式サイト(「shiroki 書道」で検索)にあるメールアドレス宛に送信(本記事下部のデータ欄参照)、支払いは1回につき3500円の現金払い。行けるときにメールで申し込んで、行ったときに支払って終わりという手軽さが好評で、長年通う社会人も多いそう。
入会費や月謝をとらず、手ぶらでOK!という驚きのシステムで10年以上続く、こちらの書道教室。書道を始めようと思うと道具や月謝が必要で、通えなくても月謝は払うことになる…。そのハードルを少しでも下げて、多くの人に書道にふれて、続けてもらいたいという先生の思いが込められています。
楷書だけじゃない!大人がハマる書道が習える
書道教室は、先生の手本を見ながらまねすることから始まるので、先生や先生が書く書との相性も重要です。こちらでは、書家という枠を飛び越え、インクアーティストとして国内外で勢力的に活動している書家の塩川素子さんに習うことができます。
アーティストである塩川さんから、創造性が高い「デザイン書道」が習えるのも魅力の一つ。デザイン書道が習える教室は少なく、さらに塩川さんのようにバリエーション豊富に書ける先生は少ないそう。
木曜の夕方〜夜開催のため、生徒さんの多くは、仕事帰りに立ち寄る都心で働く女性ワーカーが多いとか。もちろん広尾在住のシニアも多く、一度に同席する生徒数は、5〜7名程度。長年通う生徒さん同士が居合わせると書いたものを見せ合って盛り上がる瞬間もありますが、基本はみなひとり静かに書に集中していることが多いそうです。
書道教師の資格認定試験のために通う人、仕事で礼状などの実用書道を行う人、純粋に趣味やリフレッシュに通う人など目的はさまざま。一人ひとりの目的に合わせて、セミマンツーマンで指導してくれるのがうれしいポイントです。
大人の書道教室なので、習える書もさまざま。書道と聞いて思い浮かべるのが「楷書」ですよね。久しぶりに書道を始めたい!という人が、まず書いてみたいのが「楷書」ではないでしょうか。“とめ・はね・はらい”が気持ちいい文字を選んで、まずは書いてみると、懐かしい気持ちを思い出させてくれます。
続いて、“大人の書道”のイメージが強い「かな」。小筆を使って数行にわたって書けるので、好きな万葉集の一句を書いてみたり、好きな小説や詩の一文を書いてみたり。社会人のたしなみとして、礼状や手紙の文面や宛名書きを習うのも素敵です。
ここ数年で習いたい人が急増しているという「デザイン書道」。まるでアート作品のように文字を自由にデザインしていきます。季節にちなんだ言葉を選んだり、自分の名前をデザインしたり。先生になんの文字を書いてみたいか相談して手本を書いてもらい、まねをすることで筆使いを学んでいきます。
この感じ、懐かしすぎる♪数十年ぶりの書道にトライ
それでは、早速、書道にトライしてみましょう!道具は一式揃っているので本当に手ぶらでOKで、着席後すぐに書き始められます。楷書、かな、デザイン書道など、どの書道でどんな文字を書きたいか先生に伝えれば、筆と先生の手本を用意してくれます。
まずは、書いてみたかった「デザイン書道」からトライ!先生のおすすめで「花」の文字を書いてみます。まずは、先生の手本を見ながら、忠実にまねることからスタート。
先生の手本と並べると違いは歴然…。「デザイン書道」に正解はないのですが、やはり先生が書いた「花」は飾りたくなる字です。幼いころに楷書を習った経験があるだけに、筆に力が入り過ぎているなぁと自己分析しつつ、先生からも「線にメリハリを」「筆は柔らかく、軽く走らせて」とアドバイスをいただきました。
デザイン書道でもうひと文字、「月」にトライ!三日月をイメージしたという先生の手本を見ながら、書き順や線のメリハリを頭の中で予習してから書き始めます。1回目に書いた「花」よりは、一画一画、迷いなく書けました。「デザイン書道」は、次にどんな文字をどう書こうかなぁとワクワクさせてくれる書道ですね。
「デザイン書道」は初めてだったので、続いて懐かしの「楷書」にトライ!どんな文字を書こうか悩んでいると、先生に「今、行きたい場所を書いてみたら?」とヒントをいただき、「京都」と書いてみました。
先生の指導を受けて、楷書の「京都」に再度挑戦してみます!2文字だけですが、半紙全体のバランス、“へん”と“つくり”のバランス、“とめ・はね・はらい”の具合など、1分ほどの間に全神経を集中させます。「2回目でここまで直せたら、すごい、すごい!」と先生に誉めていただき、子どもに戻ったようにうれしくなりました。
自分で書いた書はもちろん、先生の朱書きの手本も持ち帰れるので、自宅で自主練習することも可能です。何度も何度も書くことが、上達への近道なのだろうと実感する書道体験でした。
失敗しても消せないからこそ集中する、何度も何度もうまく書けるまで書いてみる…。デジタルな世界で失われた感覚を、少し取り戻せたような気がする書道教室体験。ひとりで通う大人の習い事にぴったりでした!
■広尾五丁目のお寺の書道教室(ひろおごちょうめのおてらのしょどうきょうしつ)
住所:東京都渋谷区広尾5 ※詳しい住所はメールで要確認
TEL:なし
開催時間:17〜21時の間1時間30分受講可(最終入場は19時30分)
開催日:毎月第1・2・3木曜
※会場や講師の都合により開催日に変動あり(メールで要確認)
受講料:1回3500円(教材費、道具込み)※入会費・月謝不要
※申込み・問合わせは、メール(info@shiroki.net)にて
■おすすめの利用シーン:ひとりで書道を楽しみたいとき、ひとりで習い事を始めたいとき、ひとりで仕事終わりの時間を有意義に使いたいとき
Text:山田裕子(editorial team Flone)
Photo:斉藤純平
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