【京都】「TORIBA COFFEE KYOTO」歴史を感じる空間で楽しむ、自家焙煎コーヒーとヴィーガンフード
京都の鴨川にかかる二条大橋からほど近く、川端通から二条通を少し東へ入ったところに「TORIBA COFFEE KYOTO(トリバコーヒーキョウト)」はあります。東京銀座からスタートした人気の自家焙煎コーヒー豆専門店の京都店で、コーヒーはもちろん、ヴィーガンのフードのおいしさも評判です。もとは老舗和菓子店だった歴史ある建物を生かした、落ち着いたおしゃれな空間も魅力です。
元老舗和菓子店の歴史ある店舗を生かしたコーヒー店
「TORIBA COFFEE KYOTO」(以下、トリバコーヒー)があるのは、京阪三条駅から徒歩約7分の場所。落ち着いた京町家の建物に、「ト」の字が染め抜かれたシンプルな黒いのれん、ガラス戸には達筆な毛筆で書かれた貼り紙が貼られていて、長くそこにあり続けているような趣があります。
2022年に惜しまれつつ閉店した老舗和菓子店「京華堂」の100年以上の歴史をもつ建物を生かして、トリバコーヒーがオープンしたのは2023年2月。外壁にも、建物の歴史を物語る看板が残っています。月・水曜はドリンクのみ、木~日曜はフードも楽しめるカフェ、というスタイルのコーヒー豆専門店&喫茶です。
「歴史ある建物を、いかに生かすかを一番に考えた」とオーナーの鳥羽さん。店内のショーケースは、和菓子店で使われていたものをそのまま利用。後ろの棚は、なんと和菓子店になる前の呉服屋さん時代から伝わっているものだそう。新旧の出合いで化学反応を起こしたような、すてきな空間が広がっています。
店内に入って正面にある「花灯窓」も、もとの障子紙ではなく、海外の壁紙を合わせてポップなイメージに。鮮やかな花柄が、不思議と和の花灯窓にマッチしていておしゃれです。花灯窓の上の日本画は、オーナーがこの場所にぴったり合うものを探し求めた大正時代のもの。漫画家のほしよりこさんに依頼して、うさぎの芸妓さんを描き足してもらったという、思い入れのある一枚だそうです。
壁側のソファは、オーナーがコレクションしていたイスラエルのカーペットでつくったオーダーメイド。重みがある質感、少し異国を感じる色合いや文様が、店内の和の雰囲気にしっくり溶け込んでいます。
2階を取り払った開放感のある高い天井には、銀座トリバコーヒーで使っていたシャンデリアを設置。土壁に色を塗ったり、壁に金箔や銀箔を貼ったりと、オーナーやスタッフ自らが古くて新しい、シックですてきな空間を造り上げました。
奥のテーブル席には、床に青森のヒバの木のチップが敷き詰められています。ほのかな木の香りがして、チップの上を歩くときに、ちょっとした浮遊感と重力を同時に感じられるのが新鮮。奥の坪庭には小便小僧がたたずんでいたりして、くすっと笑えます。
また、7月に新しくできた「エスプレッソバー」スペースも、注目の大人空間。アンティークのエスプレッソマシンが鎮座し、古い欄間や、塗りのお椀を使ったルイポールセンの照明など、みどころ満載です。
コーヒーはもちろん、京番茶などのドリンクも魅力!
安定感のあるイタリア製のカップで提供される「100%ピュアハワイ・コナ」1000円は、ハワイ島の自家農園から届く、自慢の一品。香り高く、芳醇な深みが魅力です。ほかには、京都の水に合わせた「マイルドブレンド」や、「浅煎りブレンド」「深煎りブレンド」「軽い口当たりなのにコクがあるブレンド」「ハワイ・コナブレンド」などのブレンドコーヒーがラインアップ。トリバコーヒーのコーヒーは、苦みを感じない、飲みやすくておいしいコーヒーです。いろんなシチュエーションに合わせて楽しめます。
コーヒーなどのドリンクはテイクアウトOK。コーヒー豆、アイスコーヒーやミルクコーヒーのリキッドなどの販売もしています。
また、ひときわ目を引くメニューのひとつが、「本物の京番茶」800円~。オーナーが京都ではじめて番茶を飲んだときに、「コーヒーと同じぐらい愛せる飲み物になるのでは」と思ったことから商品になったもの。昔ながらの本物の番茶は、ウイスキーのようなスモーキーな香り、葉巻を吸っているような豊潤さがあると、外国人にも人気です。ノンカフェインで、妊娠中・授乳中のお母さんにも安心なのがうれしいところ。コーヒー屋さんと京番茶の粋な出合いです。
冷たいスペシャルドリンクの、「ソーダ」1000円や、「本日のフローズン(アイスラテやマンゴーなど)」1200円もおすすめです。
ヴィーガン、グルテンフリーのフードもぜひ味わいたい
木~日曜に楽しめる軽いお食事メニューは、すべてヴィーガンフードです。サンドイッチは4種類で、「たまごサンドのようなサンドイッチ」「ロイヤルスタイルきゅうりサンド」「フレッシュマッシュルームとオニオンのサンドイッチ」「カツサンドのようなサンドイッチ」各1000円。サンドイッチ用のパンも自家製で、店内で焼きあげたものを使っています。
写真の「ロイヤルスタイルきゅうりサンド」は、オーナーの鳥羽さんがイギリス留学時代によく食べた、大好きだった味を再現したという一品。シンプルで滋味深いおいしさは、クセになりそうです。
コーヒーのおともにびったりの「カヌレ」600円。食感も味も絶品で、もちろんヴィーガン、グルテンフリーです。
特にヴィーガンに興味がない人も、きっとここはヴィーガンメニューのおいしさに出合う入口になりそう。歴史を感じる空間でコーヒーを飲みながら、古いもの、新しいもの、おいしいもの、おしゃれなもの、いろいろなものが詰まった魅力的な世界観を、じっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。
■TORIBA COFFEE KYOTO(とりばこーひーきょうと)
住所:京都府京都市左京区難波町226
営業時間:11~18時 ※フードメニューは木~日曜
電話番号:非公開
定休日:火曜
Text:砂野加代子(ウエストプラン)
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。