メキシコのリゾート島、イスラ・ムヘーレスの歩き方
カンクンのホテルゾーンの北、とてつもなく美しいカリビアンブルーの海に浮かぶイスラ・ムヘーレス。南北約8kmの細長くて小さな島だけに半日、日帰りでも十分楽しめます。カンクンから高速フェリーで約20分、イスラ・ムヘーレスへGO!
Summary
ゴルフカートで島をドライブ
マヤの女神の聖地、イスラ・ムヘーレス
ユカタン半島北部のカンクンから北へ約11kmに浮かぶイスラ・ムヘーレスは、古くからマヤの聖地として崇められてきた大切な島です。イスラ(isla)は「島」、ムヘーレス(mujeres)は「女性」という意味ですが、これは約1500年前に月、幸福、医療、豊穣の女神として知られるマヤの女神イクシェル(Ixchel)の聖地であったことから名づけられたものと考えられています。島の南端にはイクシェルを祭る神殿が存在し、また灯台の役割を果たしていたともいわれます。1517年にフランシスコ・エルナンデス・デ・コルドバによって発見されるまで、この島はマヤの聖域であり続けました。
カンクンのホテルゾーンから高速フェリーで約20分ととても近いこともあり、現在はターコイズブルーの海に囲まれた美しい島として、世界中から観光客が訪れるユカタンエリア屈指の観光スポットになっています。
右側通行、運転には要注意!
レンタサイクルなどもありますが、島は陽射しがとても強く、坂も多いのであまりオススメしません。ゴルフカートなら屋根つき!坂もラクラク登れるのが嬉しいところ。何よりも気持ちいい風を感じられて、スピードがあまり出ないため周囲がよく見える…カートドライブが病みつきになりそうです。ただし道路にはメキシコならではの“トッペ”と呼ばれるスピード制限用の小さな盛り上がりがありますので、見えてきたら減速して乗り越えましょう。
港から島で最も美しいといわれるビーチ、プラヤ・ノルテへはゴルフカートで約5分、島の南端のプンタ・スールへは約30分と、島を一周しても1時間くらい。ドライブの途中、カリブ海ならではの美しい景観が目に飛び込んでくるので、安全な場所にカートを停めて堪能してみてください。映えスポットを撮影して島を回ったとしても、半日あれば十分。Wi-Fiが使える方はGoogleマップ、そうでない方は島のマップなどを入手して目的地を目指しましょう。
プラヤ・ノルテは島で最も人気のビーチで、海岸線はとても長いのですが、周辺に駐車場がほとんどないので、路上駐車をしている人がほとんど。駐車しているカートが多いので、自分が停めた場所だけでなく、カートナンバーを控えておきましょう。
■ゴルフカート・レンタルフィー
◎レギュラー・ゴルフカート(4シート)
1時間:US$15、2時間:US$30、1日(3~9時間):US$48
◎ラージ・ゴルフカート(6シート)
1時間:US$20、2時間:US$40、1日(3~9時間):US$53
ローカルもツーリストも集まるビーチ、プラヤ・ノルテ
イスラ・ムヘーレスのビーチは、海水浴を楽しむ地元客、観光客で賑やか。なかでもフェリー発着所から500mほど北にあるプラヤ・ノルテ(プラヤは「海岸」、ノルテは「北」という意味)は1km以上続く白砂の海岸で、沖に向かって変化していく青のグラデーションの美しさは、カンクン以上といわれるほど。遠浅の海は波があまり立たずのんびり浸かっていられるし、シーカヤックなどのモーターのないマリンレジャーもたっぷり楽しめます。
ただし日陰があまりないので、ビーチでのんびりしたい方はパラソルやパラパ(ヤシの葉葺きのパラソル)、ビーチチェアを借りて日陰を確保しましょう。
■プラヤ・ノルテ
交通:港から徒歩12分
スノーケリングやマリンアクティビティも盛ん
イスラ・ムヘーレスはマリンレジャーでも人気の島。本格的に楽しむなら、旅行会社が開催しているカンクンからのツアーを利用するのが便利です。カンクン発のツアーで人気なのは、サンゴ礁を泳ぐスノーケリングツアーや、海底アートを見学する水中美術館ツアーなど。ドルフィンスイムツアーも好評です。
プラヤ・ノルテでもスノーケルやマスク、フィンを借りてのスノーケリングは可能ですが、スノーケリングツアーに参加すれば透明度がよく魚影も濃い海域に連れていってもらえます。カリブ海ならではの魚がたくさん見られるので、海岸から自分で行くよりも満足のいくものになるはずです。
■イスラ・ムヘーレス島ベーシックプラン
(スノーケル付き)英語ツアーの目安
料金:一人US$55(往復のホテル送迎、コンチネンタル朝食、スノーケルセットレンタル込み)※料金に含まれないもの…港使用料(一人US$15)、ドライバー、ガイドへのチップ(それぞれUS$10ほど)など
海が格別に美しいプンタ・スール
イスラ・ムヘーレスの南の岬プンタ・スールも足を延ばしたい場所。プンタは「岬」、スールは「南」という意味で、本当に南端にある岬です。岬の先端には世界的に有名なアーティストの彫像などの作品が点在していて(そのほとんどは有料の公園の中にある)、島の名前、ムヘーレス(女性)をイメージした像や女神の像もあります。
岬の下を覗き込むと、そこには澄んだブルーの海にサンゴ礁が浮かび上がって見えたり、外洋の深い蒼色の海が広がっていたりして、北のプラヤ・ノルテとはまた違った美しさ。一味違うカリビアンブルーを堪能してくださいね。
■プンタ・スール
交通:港からゴルフカートで約30分
時間:7~17時
休業日:なし
料金:Parque Escultorico Punta Surの入園料$100(US$6)
野生のイグアナも生息!
プンタ・スールではイグアナを発見!この岬には2m以上ありそうな巨大なイグアナ像があるのですが、まさか本物のイグアナがそこにいるとは。体長50cmぐらいと、像よりもかなり小ぶりではありますが。でも、柵の向こう側の海岸線では写真以外にも何匹もうごめいています。そんなワイルドな自然が見られるのも島のおもしろさではないでしょうか。周囲の環境に擬態するのが上手な動物ですが、口を開けたり喉を膨らませたりと動いてくれるので、すぐに見つかりますよ。
ところで、カンクンにもイスラ・ムヘーレスにも黒いカラスのような鳥がたくさんいるのですが、カラスより一回りも二回りも小さくて、尾は長く、鳴き声が全然違ってキレイ。これはGreat-tailed Grackle(和名オナガクロムクドリモドキ)で、カラスとは違う種類です。
ショッピングもグルメも楽しいセントロ
フェリーが到着する港から大通りを渡って小路を入ると、碁盤目状に通りが交差しています。すぐに出てくる比較的大きな通りを左に曲がって北西に進むと、小さな通りにびっしりとおみやげ屋さんや飲食店が並ぶエリアが広がります。ここがイスラ・ムヘーレスの中心地、セントロです。
店先にはカラフルなバッグや帽子、サンダル、リゾートウエア、小物などがズラリ。本当にメキシコの人たちは商品の並べ方が魅力的で、彩りが明るく素敵!そのセンスにいつも驚かされます。飲食店はオープンエアが多いのですが、扇風機が回っていて涼しく、島巡りの後にクールダウンするのにぴったりです。看板がとてもカラフルだったり、お店の雰囲気もいろいろあってランチの店を探して歩くだけでも楽しい時間となるでしょう。
壁画に彫像に…アートな島
前にイスラ・ムヘーレスを訪れた時に見たウォールアートを探してみましたが、同じものがほとんどなくて驚いた今回の取材。次々と新たな建物に新たなアートが描かれています!アート魂はこの島では永遠なのでしょう。壁画以外にも石像などのスカルプチャーもとても多いのです。ジンベエザメ、イルカ、イグアナにムヘーレス像…。これらを見るだけでも島を巡る価値はありそうです。
ということで、イスラ・ムヘーレスの旅も時間をかけていただきたい!セントロでも島でも見るものが多すぎて、泊まりがけで出かけても楽しいのかもしれません。ぜひ皆さまも足を延ばしてみてくださいね!
text&photo:後藤ゆかり
photo:仁尾たてわき、石川肇
↓↓↓メキシコの観光情報をもっと知りたい方はこちら!↓↓↓
【最新版】『るるぶメキシコ カンクン』
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。