【おとなのソロ部】南青山「ARTQ ORGANICS」で自分に向き合い、自分だけのルームスプレー作り
リラックスしたいとき、リフレッシュしたいとき、リセットしたいとき。そんなとき、取り入れたいのが香りです。しかも、自分だけのオリジナルの香りを作れるとしたら素敵ですよね。そこで今回は、国内自社製造のオーガニック認証を受けた精油や化粧品を扱う「ARTQ ORGANICS(あろまてぃーく おーがにくす)」で、オリジナルのルームスプレー作りを体験してきました。どんな香りを作ろう、とわくわくしながらチャレンジです!
種類豊富な質の高い精油の香りを体験し、自分好みを見つける
「心に深くふれる香りが、心身を変える」というコンセプトのもと、こだわりのオーガニック原料による香りの製品を展開している「ARTQ ORGANICS」。南青山のメイン通りを入った閑静な場所にたたずむショップでは、精油・植物油などの販売のほか、イベントやワークショップ、セミナーなども開催しています。ショップのドアを開けてお店に入ると精油の香りが漂い、心や体がすうっと癒やしモードに切り替わります。
店内には、日本における精油ブレンディングの第一人者といわれる、アネルズあづさ氏が監修した品質にこだわった香りの商品が並びます。「ARTQ ORGANICS」で扱う精油は、世界中の契約農家から買い付けた原料を使い、オーガニックコスメの世界基準である「コスモス認証(COSMOS認証) 」を受けた良質なもの。
香りは生もの。気候や環境によって左右されるため、厳密にいうと毎年違った香りになります。「ARTQ ORGANICS」では、ありのままの香りと色を届けるために香りの鮮度と品質保持にこだわっているため、そのときだけの香りに出合えます。
約80種類ずらりと並ぶ精油はすべて、実際に香りを試すことができます。ひとり参加だと自分のペースでゆっくりと試すことができるのがいいところ。とはいえ、全部の香りを試すのはなかなか至難の技。選ぶのに迷ったときは、愛用の香水をベースに選んだり、好きな香りの雰囲気をスタッフに伝えておすすめを紹介してもらったりする人が多いとか。
1つの原料だけでできているシングルオリジンの精油のほかにも、お店のオリジナルブレンドの香りが月替わりで登場。「ブレンドオイルは、既に調理されたおいしい料理のようなもの。使いやすく、香りにふれる入口としてはおすすめですよ」とスタッフさん。
どの香りが好きかいろいろ試すことは、自分の気持ちと向き合うことにつながるのかもしれません。
いざルームスプレー作り!数種類の精油をブレンド
今回は、いろいろなシーンで気軽にシュッと使えるルームスプレー(30ml)作り(約60分間の体験で3300円)に挑戦!店内には4人掛けのテーブルが2つあり、最大8人までが同時に体験できますが、圧倒的におひとりさま参加が多いそう。営業時間内であれば、どの枠でも予約が可能です(予約は電話かメールにて)。
まずは、「香りとは?」についてスタッフさんによる説明を受けます。「香り」とひと言で言っても、今回取り扱う精油は香水や化粧品などとは少し違い、ひとつひとつの香りにそれぞれの機能性がある「芳香療法(アロマテラピー)」という位置づけになるとか。「ARTQ ORGANICS」では、特に香りを「呼吸を整える」ものとして考えているそう。疲れや忙しさから起こる自律神経の乱れに対して、唯一、自分でコントロールできる術が鼻からの深呼吸。だからこそ香りに力を借りると、より自然に深い呼吸を促すことができるというわけです。
精油をブレンドするにあたり、大切なのは香りにおける「ノート」の考え方。ノートは5つに分類され、「トップノート」「トップ・ミドルノート」「ミドルノート」「ミドル・ベースノート」「ベースノート」の順で、香りが移り変わっていく性質があります。それぞれの精油は、もっているノートの性質が異なります。例えば、柑橘系の精油はトップノート、爽快感のある精油はトップ・ミドルノート、木や根から抽出される精油はベースノートに分類されます。
「ARTQ ORGANICS」の精油は、この5つの分類を瓶のラベルの色で分けています。ブレンドをする際は、できるだけ5つ全部を使うと、いい香りのブレンドになるとか。トップノートの精油ばかりで作ると香りが持続しない、ベースノートの精油ばかりで作ると重たい香りになってしまうなど、ノートのバランスがカギにもなるそうです。
気になる精油をピックアップしたら、実際に香りを試してブレンドに使うかどうかを決めていきます。「瓶の溝に試香紙(しこうし)を入れて傾けると精油が出過ぎないですよ」とアドバイスをもらいました。
いろいろな種類があって迷いますが、スタッフさんにおすすめを聞きながら選べるので知識がなくても安心。今回は、湿気のあるじめじめした季節にさわやか気分になれるようなルームスプレーにトライ!
「サンダルウッドが好きなので使いたいです」「スペアミントやペパーミントも爽快感があっていいですね」「ティーツリーの香りも好みなんです」……と、いろいろとお伝えしつつ、気が付くとこんなにも多くの香りを試していました。
アドバイスを受けながらもいろいろと迷い、こちらの4つに絞りました。トップノートは柑橘系のなかで自分が一番「好き!」と思えた、ベルガモットの精油に。トップ・ミドルノートはすっきりとするユーカリに。ウッディな香りが好きと伝えるとスタッフさんがおすすめしてくれたのが、ミドルノートの「クロモジ」とベースノートの「ヒバ」。実際に嗅いでみると、本当だ、好きな香り。クロモジは、高級な爪楊枝に使われている木だそう。初めての香りに出合えるのも、この体験の楽しいところです。
試香紙を上(写真手前)から下に、トップノートからベースノートとなるように重ね、人差し指ではじきます。このときの香りが、実際のルームスプレーのイメージと近いのだそう。
少しヒバの香りが強いように感じたのでそれを伝えると、「バランスをとるためにペパーミントを追加しましょう」と提案いただきました。この5種類で決定です! ついたくさんの香りを使ってみたくなりますが、あまり多すぎるといい香りでなくなるとのことです。
使う精油が決まったら、レシピを考えます。まずは、使う精油をメモ。全部で10滴使う場合の割り振りを考えます。「トップノートは香りが消えやすいので2・3滴あってもいいかも」などとアドバイスをいただきながら、考えていきます。少しイメージが違ったら途中で調整もできるので、安心して滴数の割り振りを。
割り振りが決まったら、スポイトで丁寧に別の皿に入れていきます。1滴か2滴かだけで大きく香りの印象が変わるとか。緊張する〜!
すべて入れ終わったら、よく攪拌(かくはん)します。混ぜたときに透明になっているのが、精油と水がしっかり混ざっている状態で、少し濁っているのは混ざっていない状態です。理科の実験みたいで楽しい!
試しに、シュッとひと吹き。自分の好きな香りだけでブレンドした、お気に入りの香りが完成しました。化学的なものはいっさい入っていないので安心。ボディスプレーにしても大丈夫だそうです。もし少しイメージしていた香りと違った……という場合は、相談して作り直しも可能とか。
瓶に付けるラベルに名前と日付を書いていきます。配合や名前、日付のほかにも、「こんな思いでこのブレンドを作った」という思いをしたためる人もいるそう。自分ひとりのこの時間を振り返って記録するのもいいですね。
お店には、プレゼント目的で、贈る人を思い浮かべながら作りにくる方もいるそう。無料でできるプレゼント用のラッピングも、とても素敵です。
次は香水やアロマオイル作り体験もしてみたい
そのほか、香水やアロマオイル、リップ&ボディバームなど、いろいろな香りのグッズを作ることもできます。オーガニック素材が⽣み出す⼿触りや⾹り、保湿⼒を⾃分の⼿で作ることで体感できる⼿作りキットも。香り作りを一度体験した人はリピーターになる率が高く、毎月のように「その月の自分の香り」というテーマで作りに来る人もいるとか。慣れてくると香りの配合の要領もつかめてくるそうです。
「体験1回で終わるのはもったいないので、またぜひ体験に来てください」とスタッフさん。自分で作った香りを実際に生活のさまざまなシーンで使ってみて、時間を経て変化するノートを実感し、「次はこんなのがいいかも」とまた作りに来てみたいと思います。季節ごとに違った印象の香りを作ってみるのも楽しそうですね。
忙しい毎日だと、何かに没頭するという体験がなかなかできないものです。嗅覚や自分の感覚と向き合いながら、作業に没頭していると、時間を忘れてしまいます。さらにいい香りをおみやげに連れて帰れる。それが気軽に体験できる「ARTQ ORGANICS」へ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
■おすすめの利用シーン:自分だけの香りが欲しいとき、自分に集中して深い呼吸で自律神経を整えたいとき
Text:松崎愛香
Photo:日高奈々子
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