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城下町や貝塚を、そぞろ歩き。そば打ちや収穫体験など里山風情を満喫して【古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる(宮城県 柴田町)】

城下町や貝塚を、そぞろ歩き。そば打ちや収穫体験など里山風情を満喫して【古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる(宮城県 柴田町)】

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城下町や奥州街道の宿場町など、エリアごとに歴史・文化が感じられる風景が今も残る宮城県柴田町。縄文時代の遺跡である貝塚など、古代の息吹を感じるスポットも少なくありません。田園と森に囲まれた「古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる」に宿泊すれば、古きよき日本の里山での生活を体験することも。地元食材を使った夕食や、生産者とのふれあいも楽しい収穫体験、町の文化にゆったりとふれて歩く散策など、町のあちらこちらで里山風情を感じる体験ができます。

Summary


竹林にたたずむ一棟貸しの古民家で
静かな里山時間に浸る旅

古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる(宿泊)

柴田町の北部、里山風景に囲まれた入間田(いりまだ)地区にある「古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる」。築約170年の古民家を改築した1日1組限定の一棟貸しスタイルの宿です。「雨乞」とはこの地域の名称。宿の近くには、かつて、雨乞いの祈りを捧げたと伝わる宮城県の指定文化財天然記念物のイチョウの木があります。また、宿の北側には、柴田町のブランド柚子「雨乞の柚子」の栽培地が広がっています。宿の周りを竹林が囲み、縁側に座って虫の声を聴いたり、散策したりするだけでも、心癒やされる時間を過ごせます。

建物の中に一歩入ると、広々とした土間、囲炉裏といった古民家ならではのしつらえが目に飛び込みます。太い柱や梁が醸し出すのは近代建築ではなかなか出合えない重厚感。土間で履物を脱ぎ深呼吸をすれば、ノスタルジックな世界へと引き込まれていきます。宿のスタッフが建物内にいるのはチェックイン・チェックアウト、朝食の提供時のみ。それ以外の時間は自分たちだけの貸切り。祖父母の家に遊びに来たかのようなワクワク感に胸がおどります。

1階は座敷やテーブルのある板の間など、開放感のある造り。自然の中でゆったりとした時間の流れを楽しんでもらいたいと、テレビは置いていません。室内は柔らかい風合いの照明のみで、昼は自然光、夜はほのかな明かりという自然に近い状態。縁側に座って空を見上げれば、四季折々の山の景色と風、野鳥のさえずりなど、全身で自然の豊かさを感じることができます。

2階と3階の広々とした空間ももちろん自由に利用OK。もともとは養蚕農家だった名残で少し天井が低く、落ち着いた雰囲気が漂います。階段を上っていくだけでも、秘密基地へ行くような高揚感に包まれます。開放的な1階、おこもり感のある2階、3階を気ままに行き来して、自由なスタイルで1日を過ごせます。

夕食は別途予約すれば、地場野菜をたっぷり使った「豆乳鍋」を味わうことができます。コクのある豆乳出汁に豚肉と野菜のうま味が加わり、濃厚な味わいが自慢。隣町で作られている特製ラー油や、青のり、すりごま、サクラエビの3種の薬味で味の変化を楽しむのもおすすめです。しょうゆと出汁を使った焼きおにぎりを軽く炙ると、部屋が香ばしい香りに包まれます。

「炙り焼き」タイプの夕食を選ぶことも可能です。肉は豚肉と鶏肉の2種類。しょうゆダレ、塩ダレの2種と宮城県産の藻塩を付けていただきます。室内の炭火焼きができるテーブルでいただくので、天候を気にせず、バーベキュースタイルで味わえます。

朝は、地元の方が作るやさしい味わいの和定食。煮物や焼き物など、その時期にとれる野菜をふんだんに使ったおかずが並びます。この日はタケノコの煮物やきんぴら、ヒジキ、ニンジンのグリル。大きめにカットして豪快に焼いたニンジンは、やさしい甘みと風味が口いっぱいに広がり、なんとも贅沢な気持ちになりました。朝から地元の味をしっかりいただけば、元気いっぱい、旅を満喫できそうです。

宿のスタッフに柴田町の魅力やみどころを教えていただくのも、とても楽しい時間。観光スポットの情報だけではなく「歴史のことならここの方が詳しいですよ」など、地域で活動しているさまざまな方の話も聞くことができました。地域の方々が協力しあって活動している様子に、町全体でのつながりを感じ、里山ならではのアットホームな雰囲気に浸れました。

■古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる
住所:宮城県柴田郡柴田町入間田下台26
TEL:0224₋87₋8890
交通:JR槻木駅から車で約15分
チェックイン:15~21時
チェックアウト:10時
料金:1泊素泊まり1名8800円~(2~6名1室利用時)※7名以上は要問合せ、夕食:豆乳鍋2200円、炙り焼き(平日限定)3300円、朝食2200円


畑で季節の農作物を収穫して、
旬の味をその日のうちに

旬野菜の収穫体験(体験)

宿から車で約5分。「古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる」の紹介で訪れた「葉坂構造改善センター」の近くの畑で野菜の収穫に挑戦。この体験は、地元の生産者が開催している地域密着型のイベント。この日は食べ頃を迎えていたトウモロコシ畑に案内してもらいました。「このあたりがおすすめかな。好きなところをもいでいいですよ」と生産者の青柳さんがやさしくとり方を教えてくれます。畑の土や植物の香りに包まれながら、自分でトウモロコシを収穫する時間は、日常では味わえない経験です。畑の奥の方にも入るので、汚れてもいい服装で参加しましょう。

収穫後は近くの集会所で、蒸しトウモロコシをいただきました。「とったら食べたくなるでしょ?」と笑う青柳さんが出してくれたトウモロコシは、実がぷりぷりしていて濃厚な風味。おいしさの秘密は、実が一番水分を蓄えている朝の時間帯に収穫し、その日のうちに調理すること。生産地ならではの新鮮な味わいに思わず顔がほころびます。

野菜の品種や新鮮なものの見分け方など、いろいろな知識も教えてもらいました。春はソラマメ、夏はトウモロコシ、秋はサツマイモなど、時期に応じて一番おいしい農作物の収穫ができます。秋には収穫したサツマイモを焼き芋にすると聞き、また秋に訪れたい気持ちでいっぱいに。干し柿づくり体験、田んぼでの田植えや稲刈りなど農家ならではの体験も予定しているので、季節ごとに訪れても楽しめそうです。

■旬野菜の収穫体験
住所:宮城県柴田郡柴田町葉坂六角16(葉坂構造改善センター)
TEL:0224-87-8890(古民家宿 柚子のあぜ道 雨乞のかえる)
交通:JR槻木駅から車で約10分
料金:1000円~ ※農作物により異なる、1週間前までに要予約

縄文時代に海辺だった名残が目の前に。
町の自然にふれる散策

柴田フットパス「入間田貝塚コース」(体験)

フットパスとは、イギリスが発祥の取り組みで「昔からあるありのままの風景や自然を楽しみながら歩くことができる小径」のこと。柴田町では約10年前にフットパスのコースを作り、町民に大切にされてきました。現在、各コース約4~7km、約16パターンのテーマで設定されており、Webサイトでマップをダウンロードすれば自由に散策を楽しむことができます。

今回は田園に残る縄文時代の海辺の跡をたどる「入間田(いりまだ)貝塚コース」約7kmを体験します。

スタート場所の「農村環境改善センター」から田園風景の中を歩いていくと、美しい蓮田に出合いました。蓮の見頃は7月下旬~8月下旬。桜や紅葉、季節の草花を眺められるのもフットパスの魅力です。各コースでルート設定はあるものの、時間や見るポイントなどは気にし過ぎず、目に入った風景や風の匂いを楽しみながら自分のペースで楽しむことがおすすめです。

柴田町の山間部、入間田地区は縄文時代には海岸線だった場所。小学校や幼稚園などが並ぶ田園風景を歩いていると、その名残である海食崖を見ることができます。「お釜の海食崖(かいしょくがい)」は、数10mにわたって断層が見られるダイナミックな眺めが特徴。近くには縄文人の生活の痕跡である貝塚も数多く遺されており、古代の歴史やロマンにふれられるおもしろいエリアです。

■柴田フットパス「入間田貝塚コース」
住所:宮城県柴田群柴田町船岡中央3-7-20(しばたの未来株式会社) ※ガイドブック販売
宮城県柴田郡柴田町大字入間田字外馬場220(農村環境改善センター)
TEL:0224-87-8970(しばたの未来)
交通:JR槻木駅から車で約10分
料金:無料、ガイド付きイベントの場合は有料

石臼挽きのそば粉を使い、
打ちたてにこだわる名店の鴨せいろ

そば日和(食)

ランチは細打ちの江戸前そばが食べられる「そば日和」がおすすめ。

明るく和モダンな店内には、一人客からファミリーまで幅広い人が訪れます。そばは、石臼挽きの宮城県産「秋保在来」、北海道産「キタワセソバ」、青森県産「階上早生」のそば粉をブレンドした二八そば。季節やそば粉の状態によって配合を変え、毎日手打ちをするなど手間暇かけたそばは、豊かな香りと喉ごしのよさが自慢です。

そばつゆは、カツオ節、サバ節、利尻昆布などのうま味を重ねた芳醇な味わいです。「鴨せいろ」1200円は、つけ汁の鴨肉に宮城・蔵王で伸びやかに飼育されたフランス鴨を使用。赤身が多く脂肪が少ない、軟らかい肉質が特徴で、クセが少なくまろやかな味わいは、そばつゆとの相性もぴったりです。卓上には柴田町産の柚子を使用した自家製の柚子胡椒があり、途中で加えるとピリッと辛く、爽やかな風味がそばの新たな味わいを引き出してくれます。一緒に添えられた厚焼き玉子は、じゅわっと出汁が染み出す一品。そばから小鉢まで一口ごとに心がほっとするおいしさです。

食後のスイーツには「そばがき甘味」450円を選んで。店主が注文ごとに練り上げたそばがきに黒蜜、粒あんを合わせた和スイーツです。かなり食べごたえのありそうな大きさですが、そばと黒蜜の香りの相性がよく、するりと食べられます。そばがきは、鴨汁、冬季限定の牡蠣汁などでも楽しむことができるので、そば好きにはたまりません。

■そば日和
住所:宮城県柴田郡柴田町槻木下町3-2-4
TEL:0224-66-3253
交通:JR槻木駅から徒歩約7分
営業時間:11時30分~15時
定休日:月・火曜

町を一望する眺望自慢の産直で
特産品「雨乞の柚子」をおみやげに

柴田町観光物産交流館「さくらの里」(食)

柴田町を一望できる高台の「船岡城址公園」内にあり、新鮮な地場産野菜や特産品を扱う直売所・柴田町観光物産交流館「さくらの里」。ここでは柴田町の特産品「雨乞の柚子」を使った商品が人気です。国内で栽培される自生のものとしては最北限とされる在来種のブランド柚子。町内で栽培されているのは約300本のみという希少さと、香りと味のよさで注目を集めています。

柴田町観光物産交流館「さくらの里」で購入できる柚子商品は、塩や唐辛子から、味噌などの調味料、サイダーなどの飲み物までさまざま。「柴田のゆず酒」1100円は、「雨乞の柚子」をふんだんに使用し、甘く仕上げたフルーティーなリキュールで地元でもファンが多い逸品です。柴田町にある酢の醸造蔵・奥野醸造が作る「スイートビネガー ゆず」1290円は、水や炭酸水で薄めて飲むタイプの酢。日本の伝統製法である、古式静置発酵という方法で、約100日間かけて自然発酵させていくため、まろやかで飲みやすいと評判です。

館内には喫茶スペース「花カフェみのり」も併設されています。ここでは地元生産者の野菜を中心に使用したランチメニューやサンドイッチ、自家製スイーツをいただくことができます。今回は、ゴボウとチキンたっぷりの「ベジサンドとコーヒーのセット」500円をぱくり!桜やあじさい、マンジュシャゲなど、季節の花を窓の外に眺めながらいただくカフェタイムは最高です。

■柴田町観光物産交流館「さくらの里」
住所:宮城県柴田郡柴田町船岡館山95
TEL:022-487-7101
交通:JR船岡駅から徒歩約15分
営業時間:直売所9~17時、喫茶9時30分~15時30分
定休日:月曜 ※祝日の場合は営業、翌日休み。イベント期間中は無休


●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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