
新発売!老舗発、京都みやげの新星「SHUKA」の6種の種でつくる種菓子とジェラートがすごい!
昭和元年(1926)から甘納豆一筋に商ってきた「斗六屋(とうろくや)」に新しい風を吹き込み、誕生したのが種と糖だけでつくる新しい種菓子の店「SHUKA(しゅか)」。そして、その「SHUKA」から牛乳などの動物性原料の代わりに種(豆)のみを使用したジェラートが発売になったと聞いて、さっそく食べに伺いました。
種が初めて土から顔を出したときの世界を表現した店舗デザイン
阪急西院駅から歩いて5分ほどの場所にある「SHUKA」。こちらの建物は、金沢・香林坊のホテル「香林居」を手掛けた「ひとともり」による設計。さりげなくも個性的な外観が目を引きます。
種が発芽して、土の中から顔を出す瞬間の生命力あふれるイメージで囲まれた屋号もおしゃれで、お店のメッセージを強く感じます。
「種」の気持ちで作られた店内は、壁だけでなく、床・天井のすべてが京都の土・水・稲藁を使った土壁。細い天窓から差し込む光は、まさに種が割れて芽を出そうとするときに初めて当たる光のよう。
京都みやげの新星! 素材は懐かしいのに、味は新しい「SHUKA」の種菓子
さて、こちらの「SHUKA」は、種に詰まった生命力と豆本来のおいしさをシンプルに生かした上質な種菓子の専門店。1階はお菓子とジェラートのテイクアウトの販売。2階にはイートインスペースがあり、お茶と種菓子の食べ比べや作りたててジェラートがいただけます。
まず、ご紹介したいのが、京都みやげの新定番として食通に注目されている「SHUKA」の種菓子。「自然がもつ生命力をそのままに、種と糖だけでつくるお菓子」をテーマとして、6種類の種(豆)を上品なお菓子に仕立てました。
子どもの頃は、曽祖母が始めた「甘納豆屋」という家業が嫌で仕方なかったという店主。大人になって家で扱う豆のすごさ、"砂糖漬け"とよばれる古来の食品保存技術の伝承を考えるようになり、原点である「種(豆)」に立ち返ったことから「SHUKA」をスタート。
今では店のベランダで育てるほど豆を愛しているのだそう。
白花豆(しろはなまめ)は北海道の北見から、瑞穂大納言小豆は在来品種の地小豆を育てる農家さんから。会って、話をして、「この人の作る豆は本当においしい」と思ったものだけを仕入れます。砂糖は種子島のサトウキビ、和三盆糖は、徳島の在来品種・竹糖(ちくとう)から江戸時代の製法で作られたものを使うなど、シンプルだからこそ上質な材料のみを厳選。
扱う種(豆)は、「斗六豆(とうろくまめ)」「瑞穂大納言小豆」「丹波黒豆」「カシューナッツ」「ピスタチオ」「カカオ」の6種類。種のイメージに合わせた色の、シンプルでスタイリッシュな紙箱は、発送時にコストがかからないように薄めに作ってあります。贈り物にしたいとき、お取り寄せしたいときに発送コストを抑えられるのはうれしいポイントですよね。
容量多めのタイプは自宅用に。たっぷりと楽しむことができますよ。
6種の”種”を感じる、こだわりの作りたてジェラート
さて、そんな店主が種菓子以外にどうしても挑戦したかったというのが、ジェラート。
定番ジェラートは「SHUKA」の種菓子と同様に、種6種類のフレーバーのみというところがこだわりのポイント。今後は季節限定フレーバーも加わるそう。
作り立てジェラートのテクスチャーのなめらかさを感じるうねり。自家製で無駄なものが入っていない素材そのものの色が素敵です。
まずは老舗「斗六屋」の看板商品でもある甘納豆「斗六」と同じ白花豆を使った「SHUKA 斗六豆」。甘納豆とは違うアプローチで作られた次世代の種菓子です。ぷっくりした豆の厚みはそのまま、表面の糖衣はカリッとしていて、甘納豆とはまた違う味わい。ジェラートも白花豆のホクホクとしたふくよかなうま味にバニラの香りが交わって、上品な味わい。
良い意味でもっとも予想を裏切る味の世界を見せてくれたのが、写真手前の豆「SHUKA カカオ」(写真手前の種菓子はイメージ)。カカオ豆本来の酸味やうま味、発酵の芳醇な香りが引き出され、ブランデーやワインのお供にも良さそうな通好みの味わいに。甘さよりもカカオの豆の味わいを求める人に最適で、一番人気を集める商品です。ちょっとほかにはない味わいなので、ぜひ一度お試しを! ジェラートのほうはインドネシア産カカオ豆の酸味をほどよく残しつつ、有機ココナッツシュガーのやさしい甘さがやさしく口の中に広がります。
個人的にジェラートの一推しは、「スーパーグリーンピスタチオ」。上質なピスタチオを育てるイランの中でも、特別に希少な「スーパーグリーン」とよばれるもののみを使用。ピスタチオの味の濃さはピカイチ。粒感を残している食感も珍しく、さすがは上質な種を扱う専門店ならではと感じました。イートインはもちろん、冷凍でのお持ち帰りやオンラインショップでの購入も可能です。
種(豆)の新しい可能性をみせてくれる「SHUKA」。ちょっと珍しい京都みやげ、グルメな人への手みやげを探している人におすすめのお店です。
■SHUKA(しゅか)
住所:京都府京都市中京区壬生西大竹町3-1
TEL:075-841-8844
営業時間:11~17時(日曜は~16時)
定休日:月曜
アクセス:阪急西院駅から徒歩5分
Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子
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