【編集部レポ】韓国旅行にプラスワン 慶州(キョンジュ)で世界遺産巡り

【編集部レポ】韓国旅行にプラスワン 慶州(キョンジュ)で世界遺産巡り

るるぶ&more.編集部 るるぶ情報版(海外)編集部 韓国 寺社 パワースポット 世界遺産
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韓国の東南に位置する慶州(キョンジュ)は、紀元前57年~紀元935年まで約1000年にわたり、新羅の都として栄えた古都。現在も古墳群や古寺が点在し、街全体が「屋根のない博物館」といわれるほど。歴史地区は世界遺産にも登録されています。そんな慶州で、新羅王朝の栄華を伝える貴重な文化財を巡る旅にでかけましょう。

Summary

韓国で最初に世界遺産として登録された古寺、仏国寺(プルグッサ)

霊山として信仰を集めた吐含(トハム)山の中腹に位置する仏国寺は、751年に当時の宰相・金大成(キム・デソン)が創建したと伝わる仏教寺院です。境内には新羅仏教芸術の傑作と称えられる国宝が点在し、その数は7つも。石造建築の造形美を堪能しましょう。

仏国寺

入口正面の建物に向かって右にあるのが、国宝の青雲橋(下段)、白雲橋(上段)です。橋下の俗世と橋の上にある彼岸の世界をつなぐ役割を果たしているのだとか。橋の上には紫霞門が立っています。

仏国寺

紫霞門の左手には、安養門が立っています。目に入ってくる2つの橋、蓮華橋(下段)と七宝橋(上段)も国宝。こちらも極楽浄土を悟った人だけが行き来できる橋だそう。上記の青雲橋・白雲橋も含めた4つの橋は保護のため、渡ることはできません。

仏国寺

寺域に入るとすぐに大きな塔が見えてきます。3層からなる国宝・多宝塔は1層めが四角、2層めは八角、3層めは円と形の違う石をひとつの石塔に盛り込んだ斬新な構成になっています。ちなみに、この塔は1ウォン硬貨にも描かれています。後ろの建物は、釈迦如来仏を祭る法堂、大雄殿です。

仏国寺

ピンク、黄色、緑、水色と提灯が整列してかかっていました。日本のお寺では見られないカラフルさです。

仏国寺

安養門の先は極楽浄土の世界となります。そこに立つのはすべての人々を極楽浄土へ導く阿弥陀如来像が安置する極楽殿です。

仏国寺

極楽殿の前にキンキラの豚さんがいらっしゃいました。この福豚をなでると、お金持ちになるとか、幸福になるとかといわれています。ぜひなでてみて。

■仏国寺
住所:慶州市仏国路385
TEL:054-746-9913
拝観時間:9~17時(10月は7時~17時30分、11~2月は7時30分~17時)
定休日:無休
料金:6000ウォン

新羅時代の古墳23基がある古墳公園、大陵苑(デヌンウォン)


広さ約40万㎡という広大な敷地内に、緑の芝生がきれいなこんもりした古墳が23基並んでいます。古墳群の規模としては慶州一だそう。公園一帯は慶州歴史遺跡地区で、世界遺産にも登録されています。

大陵苑の中で最も有名な古墳が天馬陵です。薄く切った白樺を6枚重ねた副葬品の馬の泥除けに天馬が描かれていることから名づけられたそうです。直径約50m、高さ約12.7mと大きな古墳で、新羅第22代王の智證王の御陵といわれています。

古墳内は見学ができ、天馬塚から出土した副葬品の複製が展示されています。金銅製品が数多く出土しており、写真は馬につける装飾品です。まぶしいばかりの輝きですね。本物は国立慶州博物館にあるので、こちらも訪れてみてはいかが。

この古墳名の由来となった天馬図。白樺の樹皮に描かれた真っ白な馬は、天高く舞い上がっていくような躍動感がありますね。

丘が二つ連なった古墳は長さ120m、高さ23mの双円墳で、珍しい瓢箪型が特徴の皇南大塚です。5世紀後半ごろの王と王妃の墓が通説でしたが、父と子の墓ではないかという見解もあり、熱い議論が繰り広げられたとか。

インスタグラムの映えスポットとして、行列ができる人気の古墳です。木蓮の木の前で撮るのが定番とのことで、何人もの人が並んでいました。

■大陵苑
住所:慶州市皇南洞
TEL:054-772-6317
入園時間:9~22時
定休日:無休
料金:3000ウォン

東洋最古の天文台、瞻星台(チョムソンデ)でいにしえの夜空に思いをはせる

新羅王27代目の善徳女王(在位632~647年)時代に建設された国宝でもある天文台。花崗岩をレンガのように27段(女王が27代目だったからという説も)積み上げており、高さは約9.1m。外側にはしごを置いて、中腹部分の窓から入り、はしごで頂上に登って、天体観測をしていたそうです。観測をもとに占星術で国の吉凶を占っていたといわれています。

■瞻星台
住所:慶州市仁旺洞839-1
TEL:054-772-5134
見学時間:9~22時
定休日:無休
料金:見学無料

南川(ムンチョン)に掛かる彩鮮やかな橋、月精橋(ウォルジョンギョ)

月精橋(ウォルジョンギョ)は新羅時代(760年に建設)にかけられていましたが、朝鮮時代になくなったもの。ここ10年にわたる工事を経て、2018年に復元されました。全長66.15m、幅13mの木造の橋で、両端にある楼門の高さは6mあります。

日没後から22時までは橋全体がライトアップされ、漆黒の夜空に極彩色豊かな橋が浮かびあがります。

新羅王宮の慶州月城と世界遺産の慶州南山を結ぶ橋。楼門の2階には、工事の際に出土した遺物や、橋の歴史などを紹介するデジタル展示館があります。新羅の歴史にふれてみるのもいいかもしれませんね。

橋脚の内部も公開されているので、歩いて渡ってみましょう。赤いまん丸の柱が立ち並ぶさまは壮観です。

橋の中央からの眺め。穏やかな流れの南川と夕陽に染まる街並みに、心が揺さぶられます。

■月精橋
住所:慶州市仁旺洞921-1
TEL:054-772-3843
見学時間:9~22時
定休日:無休
料金:見学無料

 慶州の名物グルメを味わいましょう

グルメ

悠久の歴史を感じる世界遺産をたっぷり見学した後は、慶州のグルメで締めましょう。ここでぜひいただきたいのは、名物料理の韓牛ユッケムルヘです。最上級の韓国産の牛肉(韓牛)のユッケかたっぷり入った冷たいスープで、ナシやきゅうりなどもトッピング。真っ赤なスープは一見辛そうですが、ご安心を。出汁がきいているので、あっさりとした中にピリッとした辛みが見え隠れする程度。一度口に運ぶと、スッカラ(スプーン)を持つ手が止まりません。

皇南パン

食後のスイーツやおやつとしておすすめなのは、慶州名物の皇南パン。パンといってもブレッドではなく、日本でいうところのおまんじゅうです。薄い皮にたっぷりのあずきのあんこが入っていますが、甘さは控えめ。慶州パンともいわれ、昔から愛されている定番みやげでもあります。

 世界遺産を数多く有する歴史の街、慶州。韓国第2の都市、プサンからも30分ほどで行けます。新羅王朝の栄華を伝える古都で、貴重な史跡や文化財を堪能する旅へ出かけませんか。

 Text:るるぶ情報版編集部(藤崎恵)
Photo:るるぶ情報版編集部、韓国観光公社

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●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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