【青森県 弘前】りんごの街・弘前が作り出す「極上シードル」飲み比べ<全12種>
青森県弘前市はりんごの生産量日本一を誇る“りんごの街”。弘前でりんごといえばアップルパイが有名ですが、最近人気なのがリンゴを発酵させて作られたお酒「シードル」です。ここでは、おみやげ選びの参考にしたいおすすめのシードル12種をご紹介します♪
Summary
なぜ弘前でシードルなの? 作り方もチェック
■なぜ弘前でシードルなの?
弘前市はりんごの一大産地ですが、実は「日本シードル発祥の地」。日本初のシードル会社として戦後弘前に設立された「朝日シードル 株式会社」の製造技術を、「ニッカウヰスキー」が引き継ぎ、「ニッカウヰスキー株式会社 弘前工場」でシードル製造を行ってきました。その後、平成26年4月に弘前市が「ハウスワイン・シードル特区」に認定されたことで、弘前ではシードル作りが盛んに。今では市内6カ所のシードル醸造所があります。
■りんごからシードルになるまで
りんごの収穫時期は8月上旬~11月中旬。この間に収穫されたりんごは醸造所に運ばれ、果汁を搾り、酵母を入れた醸造タンクへ。タンクの中では少しずつ発酵が進み、りんご汁からシードルへと変化します。発酵したシードルはタンク内でそのまま熟成させ、透き通った見た目にするため“ろ過”。できあがったシードルを瓶に詰めて完成です!(発酵の回数、期間、ろ過の有無は醸造所・シードルの種類による)何年も発酵させるワインと比べて、最低3カ月~と短期間で完成するのもシードルならでは。りんごの品種や酵母の種類、作り方によって、甘口から辛口まで様々な味わいがあります。りんごを丸々使ったシードルは、グルテンフリーでポリフェノールが豊富なのがうれしいポイント!
醸造所&店舗別!担当者おすすめシードルテイスティング♪<全12種>
今回は4つの醸造所と、弘前の銘酒を販売する「弘前銘醸」へ行ってきました! シードルはスイーツのような甘いものからキリっと辛口のものもあり、りんごの風味も醸造所によって異なるので、飲み比べをして好みの1本を見つけてみてくださいね!1.【ニッカウヰスキー株式会社 弘前工場】日本シードルの発祥の醸造所が誇る生シードル
アサヒビール株式会社のグループ会社である「ニッカウヰスキー株式会社 弘前工場」は日本シードルの発祥。ここでは全国に展開するニッカシードルを製造しています。アルコール度数:4%
特徴:発泡性。華やかな香りとすっきりとした後味。ロゼのピンクはりんごから色付けしている
合う料理:揚げ物
ニッカ弘前 生シードル・スイート
アルコール度数:3%
特徴:発泡性。りんご本来の自然な甘さでお酒が苦手な人でも飲みやすい味!
合う料理:スイーツ
ニッカ弘前 生シードル・ドライ
アルコール度数:5%
特徴:発泡性。すっきりとしたキレのある味わい
合う料理:肉料理
「ニッカウヰスキー株式会社 弘前工場」でおすすめのシードルはこちら。「ニッカ弘前 生シードル」は、国産りんごを100%使用し、生のりんごを丸ごと搾った果汁を、熱を加えず発酵させることで、りんごのみずみずしい味わいが楽しめるのが特徴です。
スイートとドライは使用しているりんごは同じで、どれくらい甘さを残すかで種類が変わってくるそう。ロゼは皮の赤みが強い紅玉など、特殊なリンゴからピンク色を実現しています。現在定番の3種類は全国のコンビニエンスストアで販売しています。
■ニッカウヰスキー株式会社 弘前工場(にっかういすきーかぶしきがいしゃ ひろさきこうじょう)
住所:弘前市栄町2-1-1
TEL:0172-35-2511(工場見学受付なし)
2.【タムラファーム】りんごの品種別シードルを製造
次に訪れたのは「より健康的でおいしいりんごを皆様にお届けしたい…」がコンセプトの「タムラファーム」。りんごのもつ自然な力を導き出すため、健康的な土づくりや採光空間にこだわり、りんごにあった環境を作り出すことを第一にしています。ここで取扱われる商品のりんごは100%青森県産。シードルのほか、紅玉を使用したアップルパイも大人気です。
甘口 アルコール度数:4%
特徴:発泡性。りんごの甘みを感じる、優しい酸味
合う料理:ドライフルーツ、シードル自体が食後のデザートにも
TAMURA CIDRE SEC シナノゴールド
中口 アルコール度数:5%
特徴:発泡性。りんご本来の自然な甘さ
合う料理:何にでも合う
TAMURA CIDRE Brut ジョナゴールド(数量限定販売)
辛口 アルコール度数:6%
特徴:発泡性。しっかりとした酸味、爽快な後味。
合う料理:魚のバターソテー
そんな「タムラファーム」で今イチオシのシードルがこちら。TAMURA CIDREの特徴はなんといってもりんごの品種別で製造されていること。通常いくつかの品種をブレンドして製造するシードルを、品種ごとに製造・展開しているのは全国で「タムラファーム」のTAMURA CIDREだけ、「りんごを品種ごとに味わってほしい」という思いが造ったこだわりのシードルです。購入場所は工場の直売所ほか、「弘前銘醸」や「りんご公園」などの県内のシードルを扱うお店や道の駅などでも販売しています。
■タムラファーム(たむらふぁーむ)
住所:弘前市青樹町18-28
TEL:0172-88-3836(店舗訪問の場合、要電話)
営業時間:8時30分~17時
定休日:日曜、祝日
3.【弘前シードル工房 kimori】りんご畑に立つ気軽に楽しめるシードルスポット
「弘前シードル工房 kimori」は、弘前市りんご公園内にある工房。誰もが気軽に訪れてシードルを楽しめる場所を作り、美しい景色やおいしいものを地域の人たちと分かち合いたいという願いから2014年に生まれました。工房では、イートインスペースやテラス席でりんご畑を見ながら、1グラス500円でシードルを飲むことができます。
甘口 アルコール度数:3%
特徴:発泡性。お酒が苦手でも飲みやすく、りんごの果実感が強い
合う料理:スイーツ
kimoricidre DRY
辛口 アルコール度数:6%
特徴:発泡性。スカッと爽やかな後味、酸味が強い
合う料理:肉・魚など料理全般
「弘前シードル工房 kimori」ではkimoricidreを常時3種類(ドライ、スイート、ドライ&スイート)ほか、季節限定のシードルも扱っています。kimoricidreは、人工的に炭酸を充填せず、タンクを密閉して二次発酵させることにより、発酵時に発生する炭酸をそのまま果汁に溶け込ませる自然な製法で、舌触りの良い優しい炭酸が特徴。原料は主に、酸味と甘みのバランスがよいサンふじを使用。さらに、「無ろ過製法」のため、りんごの色味そのまま、手作りりんごジュースのような果実感を楽しむことができます。今回は特に定番のスイートとドライをおすすめしてもらいました。シードルは弘前市りんご公園内「りんごの家」で販売しています。
■弘前シードル工房 kimori(ひろさきしーどるこうぼう きもり)
住所:弘前市清水富田字寺沢125 弘前市りんご公園内
TEL:0172-88-8936
営業時間:9~17時
定休日:水曜
4.【A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房】美術館併設の醸造場&レストラン
「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」は、「弘前れんが倉庫美術館」カフェ・ショップ棟にある「CAFE & RESTAURANT BRICK」に併設された、A-FACTORYの新しいシードル工房です。製造方法やりんごにこだわり、りんごの芳醇な香りを活かした新たなシードルを醸造しています。
甘口 アルコール度数:3%
特徴:口当たりまろやかで甘味の中に渋みも感じる。りんごの香りが強い
合う料理:スイーツ
アオモリシードル弘前吉野町 2(DRY)
辛口 アルコール度数:6%
特徴:程良いビター感と酸味、渋みを感じる、後味スッキリ
合う料理: 肉料理
A-FACTORYでは「A-FACTORY アオモリシードル」を醸造・販売していますが、「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」では、オリジナルシードルの「A-FACTORY アオモリシードル弘前吉野町」を醸造。ろ過後にもう一度発酵させる方法で、自然発酵由来の炭酸ガスを含んだシードルです。商品名は「21(SWEET)」「2(DRY)」と、製造されたタイミングの数字になっています。
「CAFE & RESTAURANT BRICK」ではA-FACTORYに限らず、他醸造所からも取り寄せた弘前産シードル飲み比べが楽しめます。3種類が同時に味わえるのが◎
■CAFE & RESTAURANT BRICK / museum shop HIROSAKI MOCA(かふぇ あんど れすとらん ぶりっく/みゅーじあむ しょっぷ ひろさき もか)
住所:弘前市吉野町2-11(弘前れんが倉庫美術館カフェ・ショップ棟)
TEL:0172-40-2775(カフェ・ショップ共通)
営業時間:カフェ11~17時LO、ショップ9~18時(弘前れんが倉庫美術館は9~17時)
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
5.【ハチドリ商店】弘前の銘酒が揃うショップもチェック
弘前城しいどる クリア
やや甘口 アルコール度数:4%
特徴:ソメイヨシノの花酵母による「和」の風味
合う料理:焼き鳥(タレ味)など甘辛い料理
テキカカシードル ドルゴ
辛口 アルコール度数:4%
特徴: 程良い酸味と渋み、まるでビールのようなのどごし
合う料理:肉料理
この日の試飲ラインアップはこちら。なかでもイチオシは、弘前銘醸の「弘前城しいどる クリア」。弘前産のフレッシュなりんごと日本最古級のソメイヨシノから採取した酵母を使用しており、和の風味を感じます。シードルとは思えないほど透き通った見た目ですが、りんごの優しい甘さも残っていて、普段お酒を飲まない人でも料理と合わせて飲みやすいシードルでした♪
青森の地酒やシードルを中心に、ビールやワイン、ウィスキーなど様々なブランドのお酒を販売する酒店。店内には “角打ち”(立ち飲みスペース)があり、買ったお酒をその場で飲めるほか、毎月変わるラインアップのなかから試飲もできます。
また、弘前銘醸が運営するオンラインショップ「青森シードル ヨリドリミドリ」では青森県内で製造されているほとんどのシードルを販売しています。現地で買い忘れた人は要チェック。
店の裏手側には、弘前銘醸が運営する赤レンガ倉庫があります。最近は弘前洋館巡りと合わせて写真を撮りに来る人も多いそう!
■ハチドリ酒店(はちどりさけてん)
住所:弘前市富田3-7-10
TEL:0172-39-2525
営業時間:10~20時
帰る直前でも間に合う!弘前駅直結ショップでシードルを
最後にJR弘前駅2階にあるりんごのコンセプトショップ「BRICK A-FACTORY」をご紹介します。ここでは、「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」より蔵出し・直送する「生シードル」や、地元弘前の人気洋菓子店「ボンジュール」監修による店内で焼き上げる「アップルパイ」を味わうことができます。
シードルは常時2種。この日はA-FACTORY 弘前吉野町シードル工房で醸造される「アオモリシードル 弘前吉野町 ドライ」。ビターな味わいのシードルに、優しい甘さのアップルパイが相性抜群!「BRICK A-FACTORY」で購入したものは、隣接する「津軽ラウンジ」で飲食可能です。 帰る前に必ず食べておきたい2品!
■BRICK A-FACTORY(ぶりっく えーふぁくとりー)
住所:弘前市表町1(JR弘前駅2階)
TEL:0172-55-0271
営業時間:8時30分~19時
ここまで、りんごの街・弘前に行ったら絶対飲みたい・買いたい弘前シードルを醸造所・店舗別にご紹介しました。弘前旅のなかであなたに合ったシードルを見つけてみてくださいね♪
Photo: 宮地 工
Text:るるぶ編集部
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