【京都】車折神社|芸能人も訪れる芸能神社やパワーストーンのお守り、アートスポットも盛りだくさん!
観光スポットが集中する嵐山・嵯峨エリアにある「車折神社(くるまざきじんじゃ)」。京都屈指のパワースポットとして知られ、芸能人も参拝する末社「芸能神社」などが人気を集めています。今回は、車折神社の歴史やみどころ、アクセス方法など、参拝がもっと楽しくなる情報をたっぷりお届けします。
Summary
祭神は平安時代の儒学者。学問や商売にもご利益が!
車折神社の祭神は、平安後期の儒学者・清原頼業(きよはらのよりなり)。清原家といえば、三十六歌仙の一人・清原元輔(きよはらのもとすけ)などを輩出し、学問や文芸の分野に功績を残した一族です。頼業自身も大変博学だったそうで、学問の神様として信仰されています。さらに、「よりなり」という響きが「(商売が)より成る」に通じることから、商売繁盛を願う人もあとが絶えません。
頼業が亡くなったのは文治5年(1189)。清原家の領地内に建てられた彼の墓が後に寺院となり、境内の社が「車折社」として信仰を集めるようになりました。
独特な響きの社名は、後嵯峨天皇が大堰川へ行幸した際、神社の門前の石に当たって牛車の轅(ながえ)が折れたことから。神社の由緒を知った天皇は、「ご祭神に呼び止められたのだ」と考え、門前の石を「車折石」と名付けて「正一位車折大明神」の神階・神号を贈ったと伝わります。
祈念神石に立砂…ふしぎな“石”からパワーをもらおう
石と縁の深い車折神社。本殿にお参りする際は、願いが叶うパワーストーンとして人気の「祈念神石のおまもり」700円を授かるのがおすすめです。お守りを両手にはさみ、願いごとを強く念じながら参拝した後、財布やかばんなどに入れて肌身離さず持ち歩きます。
願いごとが叶ったら、海や山、川などで石を一つ拾い、お礼の言葉を書いて神社に納めます。本殿前には、参拝者が奉納した大小さまざまな石の山が!「ありがとう」「御礼」「おかげさまで願いが叶いました!」。あたたかい言葉の数々を見ているだけで元気が湧いてきそうですね。
裏参道に面した「清めの社」も有名なパワースポットの一つ。石をモチーフにした円錐形の立砂は、悪縁や悪い因縁を断ち切り、心身を清めてくれるそう。
立砂を撮影してスマホやパソコンの待ち受け画面にすると、運気が上がるという噂も!取材時もたくさんの参拝者がカメラを向けていました。
推し活も楽しめる芸能神社や、清少納言ゆかりの末社に注目!
境内にある15の末社のうち、最も広く知られているのは、芸能の神様・天宇受売命(あめのうずめのみこと)をまつる「芸能神社」でしょう。太秦の撮影所で働く映画関係者らの要請で昭和30年代に社殿が建立され、現在もさまざまな分野のアーティストから信仰を集めています。
社殿の周りや参道に並ぶ朱色の玉垣には、誰もが知る俳優やアイドル、お笑い芸人などはもちろん、アニメの登場人物の名前まで!参拝の後はぜひ“推し”の名前を探してみて。
芸能神社の向かいにあるのが、『枕草子』の作者としておなじみの清少納言をまつる「清少納言社」。祭神と同じ清原家の出身というご縁から、この地にまつられています。
中宮定子に仕えるエリート女性で、ドラマで話題の紫式部とはライバル関係だったという話も残る清少納言。そんな彼女にあやかり、美しさと才能を願う女性も少なくありません。2024年のドラマの行く末と合わせて、今後ますます注目が集まりそうなスポットです。
あふれる才能に感動!アート好き必見の隠れスポット
学問や芸能、芸術など、才能を高めたいと願う人が集う神社だけあって、境内にはアートなスポットも多数!本殿の前に立つ拝殿の天井画は、そんな隠れたみどころの一つです。作者は大正~昭和期の日本画家で、京都小御所の襖絵などを手掛けた山口玲熙(れいき)。いきいきと描かれた草花や野菜に、思わず見とれてしまいます。
芸能神社の社殿装飾は、社寺建築の各分野の若手職人らが2007年に制作したもの。漆や丹(に)の塗装、欄干の金具、極彩色の壁画など、伝統技術の粋を集めた繊細な仕上がりに注目です。
表参道の脇にひっそりとたたずむ「筆塚」は、日本画ファン必見のスポット。近代日本画の巨匠として知られ、車折神社の宮司でもあった富岡鉄斎が、生前使っていた筆2000本を納めた場所です。
明治21年(1888)~26年(1893)に宮司を務めた鉄斎は、自身の作品の売上金を投じ、荒れ果てていた神社を復興。彼が揮毫(きごう)した扁額や社号標などが今も残されています。
古式ゆかしい年中行事
車折神社の行事で有名なのは、無病息災や長寿を祈って9月9日に行われる重陽祭(ちょうようさい)。江戸時代の末頃から途絶えていた祭を1997年に復活させ、古くからの形式を守って盛大に斎行しています。菊の花の髪飾りを付けた舞人による優雅な舞は必見。参拝者には菊酒(数量限定)が振る舞われるほか、限定のお守りなどもあるので、行事に合わせて参拝プランを立てるのも◎。
11月23日に行われる火焚祭(ひたきまつり)は、かまどの神様に秋の実りを感謝し、厄除けや心願成就を祈願する古式ゆかしい神事。参拝者が収めた火焚串(護摩木)をかまどの形に組み上げ、四方から火を着けて焚き上げる「かまど祓」がハイライト。うず高く積まれた数千本の護摩木が炎に包まれる様子は圧巻です。
車折神社へのアクセスは?
神社へのアクセスは、電車やバスが便利です。
- 京都駅からは、JR山陰本線の園部・亀岡方面行きで約20分、嵯峨嵐山駅で下車。駅から徒歩10分ほどで到着します。バスを利用する場合は、京都市バス停京都駅前から76系統で約40分、車折神社前で下車すぐ。バス停は神社の目の前にあるので、徒歩での移動を減らしたい場合はこちらがおすすめです。
- 河原町方面からは、阪急京都河原町駅で大阪梅田方面行きに乗車して約5分、西院(さいいん)駅で下車。徒歩2分ほどの距離にある西院(さい)駅で京福電鉄(嵐電)の嵐山行きに乗り換え、約15分で車折神社駅に到着。神社の裏参道まで徒歩すぐです。
嵐電を使えば、天龍寺や渡月橋のある嵐山エリアや、東映太秦映画村などがある太秦エリアにも電車1本でアクセス可能。嵐山本線・北野線が1日乗り放題となる「嵐電1日フリーきっぷ」700円や、観光スポットの入場・拝観チケットとセットになったお得なきっぷも活用してみて。
アクセス良好でみどころいっぱいの車折神社を、嵐山・嵯峨観光のコースに加えてみてはいかが?
■車折神社(くるまざきじんじゃ)住所:京都府京都市右京区嵯峨朝日町23
TEL:075-861-0039
参拝時間:境内自由(社務所は9時30分~17時 ※正月期間は異なる)
参拝料:参拝無料
駐車場:10台(参拝者は無料)
Photo:櫛ビキチエ
Text:安岡遥(エディットプラス)
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