【箱根】「はこにわ/箱根ドールハウス美術館」はお楽しみいっぱいのミュージアムパーク【2024年4月更新】
日本唯一のミニチュア・ドールハウス専門美術館「箱根ドールハウス美術館」が、2023年4月に複合ミュージアムパークとして生まれ変わりました。既存のミュージアムに加え、ミニ機関車やレンタルミニカー、一棟貸しのヴィラなどの新しい施設が登場。大人も童心に返って遊べるスポットです。
Summary
ミニチュア・ドールハウスってどんなもの?
施設の中心である「箱根ドールハウス美術館」は、「芦之湯フラワーセンター」の跡地を利用して2016年にオープンしました。
「ドールハウス」とは、実物の建物を12分の1サイズにしたミニチュア美術工芸品のこと。記録にある最も古いドールハウスは、1558年にドイツ・バイエルン王国の侯爵が愛娘に贈ったものだそうです。その後、オランダやイギリスでも制作されるようになり、世界中に広まりました。貴族のステータスシンボルだったドールハウスは、やがて子どもの知育玩具としての役割も担うようになります。このミュージアムでは、アンティークから現代作家の作品まで、世界各国の100点以上を所蔵しています。
世界の2大プライベートコレクションは必見!
常設展の目玉は、世界の2大プライベートコレクション。その1つが、映画『第三の男』の原作者、グレアム・グリーンの夫人(のちに離別)による「ヴィヴィアン・グリーン・コレクション」です。彼女は1700~1900年代のイギリスのドールハウスの収集に力を入れていました。
なかでも、イギリスの近代バレエの父といわれるアーノルド・ハスケル卿が供与した『ハスケル・ハウス』は、当時のイギリス貴族のライフスタイルを伝える貴重な逸品です。古いドールハウスは持ち主が変わるたびに中の調度品も入れ替わったそうですが、こちらは1920年代半ばに施された装飾がそのまま残されています。家具やカーテンなどの内装はすべて手作りだというから驚きです。
2大プライベートコレクションのもう1つが、「モッツ・コレクション」。アメリカ・アイオア州のモッツ夫妻が集めたり制作したりしたもので、その規模は世界最大級といわれています。モッツ一家が最初に暮らした家を再現した『デモイン・バンガロー』は、四方から鑑賞できる珍しいタイプ。幅193cm、奥行102cm、高さ60cmのドールハウスの中に、リビングやダイニング、サンルームなどが精巧に作られており、いつまでも眺めていたくなります。
ドールハウスの最高峰とうたわれるのが、アイオワ州オコポジ湖畔に実在した店を再現した『モッツ雑貨店』です。当時の雑貨店は、日用品の販売だけでなく、電話をかけたり手紙を出したりする地域のコミュニケーションの場でもありました。
店内には、モッツ一家のミニチュアコレクションや、手作りした小物が所狭しと並んでいます。一部にはアジアの影響が見られ、じっくり観察すると、日本でもおなじみのものを発見できるかも!
ミニチュアのSL機関車やクラシックカーに大興奮!
ここからは、ドールハウス以外のお楽しみをご紹介。
フラワーセンター時代の温室を活用した「ジオラマウンテン」には、箱根登山鉄道のモデルとなったドイツのベルニナ鉄道の赤い客車が走ります。
屋外の「ノームの森」では、ミニ機関車「SLピクシー号」が運行。大人は300円、小学生以下は100円で乗車可能で、入場チケットがあれば無料で利用できます。
車好きなら、1960年代の名車・ACコブラを複製した「ミニコブラ」に注目。施設内なら5分500円で乗車可能です。
カフェでひと休み&ショッピング♪
お腹が空いたら、館内のカフェ「Cha Cha」でランチしましょう。ランチセットはコーヒーまたは紅茶付きで1500円~。「バジルキチンサンド」、「ハッシュドビーフ」、「大豆ミートと7種野菜のキーマカレー」から選べます。おすすめは、牛肉&香味野菜を特製デミグラスソースとトマトペーストで煮込んだ「ハッシュドビーフ」。
スイーツは「箱根ホームメイドアップルパイ」や、2種の「日替わりケーキ」など。コーヒーまたは紅茶付きのセットで1200円~です。
入り口のそばにあるミュージアムショップでは、ドールハウスの制作キットをはじめ、オリジナルグッズや箱根ゆかりの木工作家の作品を販売しています。ワークショップや演奏会が行われることも。
「はこヴィラ」に別荘感覚で泊まる
敷地内には、なんと一棟貸しのコンドミニアム「はこヴィラ」があります。自炊可能なキッチン家電やシャワー室などを完備し、最大5名まで宿泊が可能です。宿泊は平日1万9600円~、土・日曜、祝日2万4000円~(宿泊は2名より)。宿泊人数分の「はこにわチケット」と、近隣の老舗旅館「きのくにや」での日帰り入浴料が宿泊料金に含まれています。
展示内容がパワーアップしたミュージアムだけでなく、楽しい施設が増えた「はこにわ/箱根ドールハウス美術館」。屋外の駅舎テラスや停車場ステージでは、イベントが行われることもあるそうです。
箱根小涌園や芦ノ湖へも車で10分足らずの距離なので、箱根の観光プランに加えてみてはいかがでしょうか。
■はこにわ/箱根ドールハウス美術館(はこにわ/はこねどーるはうすびじゅつかん)
住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯84-55
TEL:0460-85-1321
営業時間:11時~17時30分(11~3月は~17時)。最終入館は閉館の30分前まで
定休日:火曜(祝日の場合は営業。8月は無休)
料金:入場大人1800円、中学生・高校生・大学生1500円、小学生1200円。小学生未満は無料
text:ウランティア(永田晶子)
photo:西村光司
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