【奈良市】古民家宿の「西村邸」は、ゆるりとくつろげる「おばあちゃんち」のよう

【奈良市】古民家宿の「西村邸」は、ゆるりとくつろげる「おばあちゃんち」のよう

奈良県 食・グルメ カフェ スイーツ るるぶ&more.編集部
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

奈良市にある「西村邸(にしむらてい)」は、カフェやレンタルスペースも備えた古民家宿です。築100年を超える奈良町家をリノベーションした空間は、もともと主宰する杉本雄太さんの「おばあちゃんち」でした。宿泊する人も、ふらりとカフェに訪れた人も、穏やかに流れるぜいたくな時間を満喫できると評判。「奈良町」地区の住宅街に静かにたたずむ西村邸を訪ねました。

Summary

暖簾の先にある「ほっ」とする空間

西村邸は、JR桜井線(万葉まほろば線)京終(きょうばて)駅から北に9分ほどの場所。奈良町の一角にあります。歴史ある奈良町地区は、現在「きたまち」「ならまち」「高畑」「京終・紀寺」という4つのエリアで構成されています。西村邸があるのはガイドブックなどで目にする「ならまち」の南の端で、ならまち西端のJR奈良駅や北端の近鉄奈良駅からブラブラ街歩きをして一休みするのにちょうどいいあたりです。

暖簾をくぐると、まっすぐに延びた通り土間。左側には「おばあちゃん。来たよ~」と言いながら靴を脱いで上がりたくなるような板敷の部屋。ここが西村邸のフロントです。

ショップも兼ねたこの部屋には、宿泊者用に用意されたグッズや本が並びます。
本は購入するだけではなく、譲れる本を1冊持参してその本のおすすめ文を所定の用紙に書いて杉本さんに渡すとコーヒーを1杯いただける「ブック・トレード・コーヒー」も行っていますよ。

通り土間を挟んだショップの反対側には、土間をリノベーションしたカフェ。古い梁や重厚な壁はそのままに、ゆったりと5人のお客様をおもてなしする明るい空間です。

蔵の壁を抜いた大きな窓から見えるのは、趣ある坪庭と奥の茶室です。

坪庭へは通り土間の戸口から出入りします。戸口の横にしつらえた窓には、今では手に入らない複数の飾りガラスを使ったステンドグラスがはめられていて素敵。これは改修の際に外した古いガラスを再利用して、作家さんが作ったものだそう。

坪庭は、家をリノベーションするにあたり、かつてあった景色を再現したそうですが、しっくりと馴染み、昔からの時が繋がっているように思えます。

お茶会の時はこちらから上がります
お茶会の時はこちらから上がります

坪庭からも上がれる茶室(5畳和室)は、レンタルスペース(2200円/1時間)として活用されています。成人式や結婚式の前撮りや、コスプレ撮影など、利用方法はさまざま。カフェメニューと併せて縁側体験をできたり…。もちろん、お茶会も開けます。

レトロな雰囲気を残しつつ使い勝手のよい設備が揃う

OMOYAからHanareを望む
OMOYAからHanareを望む

宿泊は、1日最大2組。「OMOYA(おもや)」と「Hanare(はなれ)」それぞれ1棟貸しです。気の合う仲間とお泊りするもよし、一人で静かな時の流れを満喫するもよし。
少しだけ、お部屋を紹介しましょう。

こちらはOMOYAの2階。階段を上がったリビングスペースです。この部屋を挟んで両サイドにツインのベッドルームがあり、最大4名まで宿泊できます。

階段は建てられた当時のまま。落下防止の柵の色褪せ具合も味わい深く、ツルンとした感触が手になじみます。

大きな引き戸を開けると階段があります!
大きな引き戸を開けると階段があります!

階下には、掘りごたつを備えた和室が2部屋とトイレ、通り土間に設置されたミニキッチンも自由に使えます。ミニキッチンがあるのは、もと台所でかまどもあった場所。天井を見上げると吹き抜けの高い位置に換気用の窓がそのまま残されています。

■OMOYA:1泊6600円~(4名利用時1名あたり/朝食付き)

使ってはいませんが、今も水がわく井戸
使ってはいませんが、今も水がわく井戸

Hanareへは、通り土間を出て左側に井戸を眺めながら渡り廊下を進みます。手前右側にはトイレとシャワールーム(共用)。

左端のガラス戸に透けて見えるのは洗濯機
左端のガラス戸に透けて見えるのは洗濯機

縁側から部屋に上がると、床の間や鴨井はそのままに最新設備が整ったゆとりのダイニングキッチン。洗濯機もあるので長期滞在にも向いています。こちらのHanareに約1か月半滞在し、ずっと部屋で仕事をされていた海外からのお客さんもいたそう!

階段の入口を見つけるのも楽しい
階段の入口を見つけるのも楽しい

2階は和室で布団を敷くタイプ。最大3名まで宿泊可能です。縁側の窓からは庭や茶室が見渡せ、気分はとっても穏やかに。

■Hanare:1泊7700円~(3名利用時1名あたり/朝食付き)

ぜひ入ってほしい!西村邸の斜め向かいにある銭湯
ぜひ入ってほしい!西村邸の斜め向かいにある銭湯

OMOYA、Hanare共に、近隣の銭湯入浴券がついています。

春や秋といった行楽シーズンはすぐに予約が一杯になります。宿泊を希望される方は早めの予約がおすすめです。
予約や問い合わせは、公式サイトや各種SNSメッセージからどうぞ。

ほっこりごはんにおやつでココロもほんわか

「毎日の茶飯膳(ちゃめしぜん)」880円はカフェメニューでもあり、宿泊者の朝食としても提供されるもの。地元奈良産のほうじ茶で炊き込んだご飯に味噌汁、その時季の旬の素材を料理した小鉢、奈良漬けと共に季節の香の物が並びます。ベジタリアン、ヴィーガンの方もOKなお料理ですよ。

「毎日の茶飯膳」で物足りない方は「おかんの玉子焼き」330円を追加して
「毎日の茶飯膳」で物足りない方は「おかんの玉子焼き」330円を追加して

西村邸で出される料理のコンセプトは「毎日食べても飽きないもの、体に負担がないもの、どこか懐かしいもの」。おばあちゃんちで食べるようなごはんって、カラダにもココロにも優しいことを思い出させてくれます。

毎日の茶飯膳は、全て手作りなのでたくさん用意ができません。カフェで是が非でも食べたい方は、お早めに。

©西村邸
©西村邸

おやつタイムにおすすめしたい「えんがわ火鉢」。朝晩が少し涼しくなり始めたらお目見えする人気のカフェメニューです。今年は10月中旬から始まりました。坪庭を挟んだ向かいにある茶室で、自家製パンやおもちなどを網で焼いていただけるんです。友達と一緒なら「自家製パンセット」(ハードパン2切、塩バター)400円や、「おもちセット」(おもち2個、しょうゆ)400円をシェアしても◎。

©西村邸
©西村邸

自家製パンは、卵もミルクも使っていないハード系のパン。火鉢で一緒に温めたあんこや塩バターと一緒にいただくと、口の中が幸せでいっぱいに。

©西村邸
©西村邸

「自家製パン」に「おもち」や「干しいも」330円の焼ける香ばしい匂いは、食欲をそそります。そのままいただくのもおいしいけれど、「トッピング」(「おさとうきなこ」50円など)も複数あるので楽しんでみて。
ほかにも、クッキーや、おすすめできる奈良のお店から仕入れたケーキなどもご用意。気になったものがあれば杉本さんにお声がけしてみましょう。気軽にいろいろお話していただけますよ。

東京で大学を卒業後、グラフィックデザイン会社で商業デザインの仕事を経て地元へ戻り、飲食店関連の仕事に携わってきた杉本さん。「おばあちゃんちを残したい」という思いから、古民家宿開業へと舵を切りました。センスが光るリノベーションに優しいごはん、杉本さんの経験が一つの線上で繋がっているような「西村邸」。ゆるりとくつろぎに、「奈良町」の「ならまち」へ出かけてみませんか。

■西村邸(にしむらてい)
住所:奈良県奈良市花園町20
営業時間:宿泊チェックイン14~20時/チェックアウト~10時、カフェ11~17時、レンタルスペース11~17時
定休日:木曜(カフェ) ※SNSを要確認


Text:都志リサ(ウエストプラン)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください