天空の城「竹田城跡」へ。雲海に出合える時期&アクセスを完全ナビ!|兵庫

天空の城「竹田城跡」へ。雲海に出合える時期&アクセスを完全ナビ!|兵庫

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雲海に包まれる幻想的な姿から「日本のマチュピチュ」や「天空の城」と呼ばれる竹田城跡。秋から冬にかけて発生する雲海が生み出す絶景をひと目見ようと、全国からたくさんの人が訪れています。雲海が見られる時期は? 竹田城跡へのアクセスは? 初めてでも気軽に行ける、オススメの絶景スポットを紹介します。

Summary

竹田城跡ってどんなところ?

兵庫県の北部の朝来市にある竹田城跡は、標高353.7mの古城山(こじょうざん)山頂に位置する全国屈指の山城遺構で、播磨・丹波・但馬地方の交通上の要地に築城されました。その歴史は古く、嘉吉年間(1443頃)に当時、但馬地方を治めていた守護大名·山名宗全が配下の太田垣氏に命じて築かせたのが始まりとされています。その後、山名氏の重臣であった太田垣氏が城主となりましたが、天正8年(1580)に織田信長の命により、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)による但馬攻めで竹田城は落城したと考えられています。

現在に残る竹田城跡の石垣遺構は最後の城主・赤松広秀によって、防御性を高めた豪壮な石積みの城郭を整備されたと考えられています。現在は天守などの建物はなくなり、現在の石垣だけが残っていますが、その規模は南北約400m、東西約100mを測ります。今もなお当時の威容を誇ることから、「日本100名城」にも選定されています。

桜や新緑、雪化粧など、四季を通じて美しい姿を見せる竹田城跡ですが、晩秋に見られる雲海に浮かぶ景色が特に有名です。幻想的な姿から「天空の城」や「日本のマチュピチュ」とよばれ、その絶景をひと目見ようと全国からたくさんの人が訪れています。

竹田城跡の雲海のベストビュースポットはココ!

雲海に浮かぶ竹田城跡を楽しむには、主に2つのビュースポットがあります。ひとつは竹田城跡の天守台から石垣や麓を眺める風景。「日本のマチュピチュ」ともよばれる、美しい光景が広がります。

画像提供:兵庫県朝来市
画像提供:兵庫県朝来市

もうひとつは竹田城跡の向かいにある朝来山の中腹にある展望スポット「立雲峡」です。天空の城ブームの火付け役にもなった竹田城が雲海に包まれる光景を見ることができます。3つの展望台やテラスから絶景を楽しむことができます。

雲海を観賞するベストな時期は? どうやって見るの?

雲海は朝来市を流れる円山川から発生する川霧によって生じます。発生するには様々な気候条件がありますが、前日の夜に冷え込み、翌日の朝によく晴れて暖かくなる、寒暖の差が10℃以上と激しいほど出やすくなります。城跡周辺に雲海が発生するのは、9月下旬~4月上旬あたり。時間は日の出から朝の8時頃までが最もキレイに見えます。

画像提供:兵庫県朝来市
画像提供:兵庫県朝来市

雲海は自然が作り出す景色なので毎日見られるわけではありませんが、特に雲海が発生しやすいのが9月下旬~11月末頃といわれています。竹田城跡は毎年1月4日~2月末までは閉山しているので、城跡から雲海を眺めたい人は9月下旬~11月末頃までに訪れるとよいでしょう。

竹田城跡と立雲峡、どちらもフォトジェニックなアングルがあちこちにありますが、絶景スポットに辿り着くには30分~1時間ほどのハイキングが必要となります。登山ルートは複数ありますが、登山初心者でも気軽に楽しむことができるルートもあるので安心です。

ハイシーズンには竹田城跡と立雲峡、どちらも朝4時から開城、開場していますが、朝早い時間は辺りは薄暗く、足元が見えづらいので注意しましょう。

雲海シーズンは気温差が激しいため、防寒具やカイロ、温かい飲み物を持参するなど防寒対策も忘れずに。また、雲海は水蒸気のかたまりなので、雲の中に包まれて服がびしょ濡れになることもあるため、レインコートなどの防水対策も必須です。ほかにも、竹田城跡と立雲峡には電灯が設置されていないため、懐中電灯などもあると便利です。

竹田城跡へのアクセスは?

JR竹田駅
JR竹田駅

竹田城跡へ行くには、いくつかのアクセス方法があります。最寄り駅はJR竹田駅。駅からのアクセスはバスやタクシー、登山で向かいます。

天空バス
天空バス

●バスで

竹田城跡へ向かうのに便利なのが周遊路線バス「天空バス」です。「天空バス」なら一般車両の乗り入れが禁止されている「竹田城跡バス停」までアクセスでき、バス停から竹田城跡までは徒歩で約20分。歩く距離も一番短いので、体力に自信がない人などはこのルートがオススメ。「天空バス」はJR竹田駅や「山城の郷」などから乗り降りすることができます。運行ダイヤは春夏と秋で異なり、12月から2月末まではバスの運行そのものがないため、注意しましょう。

また、11月の土・日曜、祝日には午前4時初発の「早朝雲海バス」が運行し、日の出前の竹田城跡登城にも使えて便利。こちらは日中運行の「天空バス」と運賃や運行経路が異なるので、詳しくは公式サイトをチェック。

●マイカーで

竹田城跡周辺は狭路のため一般車両の乗り入れが禁止されているので注意が必要です。「まちなか駐車場」や「山城の郷」という施設にある駐車場などを使用し、そこからバスまたは登山で登っていきます。竹田城跡の最寄りの駐車場は「山城の郷」にある駐車場。そこから先へはバス、または「西登山道」から登山で向かいます。このルートは舗装されていて歩きやすいので初心者でも安心。バスの運行がない時間帯などは「山城の郷」から徒歩40分で竹田城跡入口まで行くことができます。

●徒歩で

JR竹田駅から歩いて向かう場合、竹田城跡へは「駅裏登山道」「南登山道」「表米神社登山道」「西登山道」など、いくつかの登山ルートがあります。距離や階段数、斜面の傾度なども異なるため、体力に自信がある人はぜひ挑戦してみましょう。

ほかにJR竹田駅や「山城の郷」からタクシーで向かうのも便利ですが、竹田城跡付近は一方通行のため、往路と復路で料金が異なるので注意が必要です。

山城の郷
山城の郷

バスやマイカーなどで向かう道中には「山城の郷」という施設があります。自然豊かな山並みを展望できるスポットや、郷土料理などが味わえるレストランやみやげ物の販売店などもあるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。

■山城の郷(やまじろのさと)
住所:兵庫県朝来市和田山町殿字新井土13-1
TEL:079-670-6518
営業時間:売店10~16時(土・日曜、祝日は~17時)、レストラン11~15時(14時30分LO、土・日曜、祝日は15時30分LO)
定休日:1・2月の火曜 ※祝日は営業

竹田城のみどころ

竹田城跡に入るための入口はひとつで、「竹田城跡料金収受棟」で観覧料を支払って入城しましょう。

「竹田城跡料金収受棟」からは段差の大きな石段が続きますが、城跡内は一方通行なのでゆっくり上がりましょう。

石段を上がっていくと、迫力ある竹田城跡の石垣が目の前に広がります。竹田城跡の石垣は自然石をあまり加工せずに積み上げた「野面積み(のづらづみ)」で築かれていて、築造から400年以上経った今でも、当時の威容を感じることができます。

山頂まで登ると本丸と天守台、そこから三方向の尾根上に羽を広げるように「北千畳」「南千畳」「花屋敷」などの縄張(お城の敷地)があります。

どこの景色からも絶景を望めますが、特にオススメなのが天守台から「南千畳」を望む景色。背景に雲海があれば、まさに「天空の城」そのもの。石垣と山々が織りなす風景は「日本のマチュピチュ」とよばれるのも納得です。

天空に浮かぶ竹田城跡を見るなら立雲峡へ

画像提供:兵庫県朝来市
画像提供:兵庫県朝来市

雲海に浮かぶ竹田城跡をワイドな視点で観たいなら、麓をはさんだ対岸にある「立雲峡」にある展望台へ向かいましょう。

「立雲峡」は竹田城からは直線距離で約2.2km、標高757mの朝来山の中腹にある県立自然公園にあります。和田山インターから車で10分ほどの場所にあり、専用の無料駐車場が開放されていますが、雲海シーズンは満車になる時間が非常に早いのでご注意を。「立雲峡」までの公共機関はタクシーのみなので、JR竹田駅などから利用するといいですね。

展望台とテラスは標高の高い順に4カ所あります。「第一展望台」までは徒歩約40分、「第二展望台」までは約15分、「第三展望台」までは約5分。「第一展望台」までは急な階段や勾配なども多く、道程に少し険しさがありますが、そこから見える「竹田城跡」の景色は圧巻です。

「第一展望台」からさらに先にある「立雲峡テラス」には、「光の道天望所」というモニュメントが設置されています。ガラス板の視覚効果で、向かいにある「竹田城跡」に「光の道」が延びたように見えて、記念撮影にもぴったり。

■立雲峡(りつうんきょう)
住所:兵庫県朝来市和田山町竹田
TEL:079-674-2120(情報館 天空の城)
料金:環境整備協力金大人300円(高校生以上)

JR竹田駅前にはホテルもいくつかあるので、早朝から雲海を楽しみたいという人は宿泊して、早朝に向かうのもオススメです。駅周辺には城下町の面影を残す町並みが広がり、ご当地グルメが楽しめるカフェやみやげ物店などが軒を連ねています。歴史浪漫を感じる絶景や城下町を楽しみに、ぜひ訪れてみてください。

■竹田城跡(たけだじょうせき)
住所:兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169
TEL:079-674-2120(情報館 天空の城)
料金:大人500円(高校生以上)
営業時間:3~5月は8~18時、6~8月は6~18時、9~11月は4~17時、12月~1月3日10~14時(最終登城は30分前、12月~1月3日は1時間前)
定休日:1月4日~2月末

Text:黒田奈保子
Photo:田村和成

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