「京都文化博物館」の楽しみ方。1200年を巡るタイムトリップへ
京都市の中心部、洋風の近代建築が立ち並ぶ三条高倉エリアにある京都文化博物館。京都の歴史と文化を見渡せる博物館として1988年に開館し、「ぶんぱく」とよばれ親しまれています。そんな「ぶんぱく」へ、平安京から1200余年の時を巡る旅に出かけてみましょう!
いつ来ても驚きに出合える企画展
つるつるとしたタイル張りのグレーの建物と、どっしりとした赤レンガの建物。仲良く並ぶ2つの建物が京都文化博物館の本館と別館。総合案内のある本館エントランスをくぐると、楽しげなミュージアムショップが出迎えてくれます。
さっそくお買い物欲が刺激されますが、開放感ある吹き抜けのロビーを進み、エスカレーターに乗ってまずは2階総合展示フロアへ。
展示室へと続く大きな自動ドアの先では、スッと空気が変わりました。なんだか背筋が伸びるような凛としたたたずまいを感じながら、ひとつ息を吸って中へ。
由緒ある掛け軸や古銭、平安時代に使われていたと考えられる大きな甕...。平安から現代にいたるまでの、京の都にまつわる品々がゆったりとしたスペースに展示されています。これらの展示品はすべて京都府が所蔵するもの。常設の展示に続くのは、およそ2ヶ月のサイクルで入れ替わる企画展。常時、2つ〜3つのテーマで展示が行われています。
そのテーマは、桃山時代の陶器にフォーカスしたもの、戦国時代を駆けた足利将軍の軌跡、京で華ひらいた「いけばな」の歴史、1930年代のシュルレアリスムと京都の芸術など、ジャンルも時代もボーダレス。その幅の広さに驚かされます。
「歴史や芸術に詳しくないと楽しめないんじゃない?」そんな心配もご無用。ボランティアガイドが常駐しているので、どんな疑問も気軽に聞いちゃいましょう。ガイドは日本語だけでなく英語にも対応しているので、海外からのゲストを案内するのにも◎。
モダンながら和の風情を感じる展示室では、いつ、誰と来ても楽しめる。そんな感動に出合うことができます。
京都府所蔵の名作映画を博物館で
展示は3階へと続き、このフロアにはフィルムシアターとよばれるエリアも。京都府が所蔵する名作映画を、上質な環境で楽しめます。こちらも時期ごとにテーマを設け、さまざまなタイトルがスタンバイ。一度は観ておきたい名作が総合展示の料金で鑑賞できる太っ腹ぶり。
総合展示のほかに、多彩なテーマで開催される特別展示(別途料金が必要)もお見逃しなく!取材時は猫好きの浮世絵師として人気が高い歌川国芳の作品を中心とした「もしも猫展」が開催されていて、大盛況!今後は、京都を中心に活動する若手作家の展示や、ジュエリーの展示が予定されているそう。最新の展覧会情報は公式WEBサイトをチェックして。
ショッピングやランチも館内で楽しめます
1200年もの時を駆け抜けたら、そろそろお腹が空く頃では?1階にはミュージアムショップだけでなく、喫茶店やお食事処も。和食、スイーツなどの各店のほか、亀岡の造り酒屋のアンテナショップ、おみやげにもぴったりな和紙小物を扱うショップなどが江戸時代末期の町並みを再現した「ろうじ店舗」に並びます。
エントランスで出迎えてくれたミュージアムショップのチェックも忘れずに。ここでしか買えないオリジナルマスキングテープやノートなどの文具やアパレルグッズ、お菓子など充実のラインアップ。
重要文化財の建物をリノベしたカフェが中庭に
本館の北側に立つ別館も、ぜひ見学を。赤レンガに白い花崗岩の装飾が美しい建物は、旧日本銀行京都支店。日本近代建築の父とよばれる辰野金吾氏とそのお弟子さんが設計し、1906年に完成しました。
銀行時代に営業室だった場所が、現在はホールとしてイベント等に利用されています。イベントがない日は中をゆっくり見学することが可能。重要文化財に指定されている貴重な建造物からは、工業発展を遂げた明治日本の熱気が感じられるようです。
別館と本館の間にある中庭には元金庫室を改装した、分厚い扉が目をひく喫茶店が。京都で愛される前田珈琲が手がけるスペシャリティコーヒーのほか、カレーやパスタなどのしっかりした食事、サンドイッチ類、パフェやフロートと目移りしてしまうメニューがずらり。
【京都】元銀行金庫をリノベ!レトロ喫茶 「前田珈琲 文博店」でノスタルジックな時間を
「前田珈琲 文博店」の記事はコチラをチェック!
展覧会もショッピングも、映画もグルメも。1日過ごせる博物館で、長い長い歴史を巡るタイムトリップをぜひ楽しんでみませんか。
■京都文化博物館(きょうとぶんかはくぶつかん)住所:京都市中京区三条高倉
TEL:075-222-0888
開館時間:特別展は10~18時(金曜日は~19時30分、入場は閉場の30分前まで)、総合展示は10時〜19時30分(入場は19時まで)、別館は10時〜19時30分(催事により変更の場合あり)、ろうじ店舗は店により異なる
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金:一般500円、大学生400円、高校生以下無料(特別展は別途料金が必要)
アクセス:地下鉄烏丸線烏丸御池駅5番出口から徒歩3分
Photo:鈴木 誠一
Text: 脈 脈子
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