【静岡・島田】蓬莱橋のみどころは?蓬莱橋897.4茶屋も徹底レポ!
静岡県中部を流れ、旧東海道では随一の難所と詠われた大井川。蓬莱橋(ほうらいばし)は、そんな大井川の中流に架けられた、素朴ながらあることで世界一に認定されている木の橋です。橋のたもとの茶屋でお茶を飲みながら昔ながらの橋景色を眺め、のんびりとした時間を過ごしてみませんか。
「蓬莱橋」ってこんなところ
蓬莱橋は、静岡県島田市にある全長897.4m、通行幅2.4mの木造歩道橋。江戸時代、大井川は東海道最大の難所と言われ、川越人足が旅人を渡していましたが、明治時代に入ってから大井川右岸にある有名な茶産地・牧之原台地を開墾するためにこの橋が架けられました。
数々の時代劇や映画のロケ地としても有名な蓬莱橋。橋の周辺にはお休み処や広場も整備され、ちょっとした観光スポットになっています。
1997年には「世界一の長さを誇る木造歩道橋」として、ギネスに認定されました。認定の石碑が、橋番小屋の前に設置されています。
その横で牧之原台地を眺めるように立っているのは、幕末の偉人・勝海舟。勝海舟は、渡米した際に、お茶が世界的な商品価値を秘めていることを知り、旧幕臣たちにこの地でお茶を生産することを指示しました。そして物心両面で支えたのだとか。このことが現在、島田市のお茶生産に繋がっていると思うと、感慨深いものがあります。
「蓬莱橋」へのアクセス
蓬莱橋は、東名高速道路吉田ICから車で15分ほどの場所にあります。吉田ICを下りたら島田駅方向へ進み、一旦大井川を渡ります。渡ってすぐの交差点を左折し、大井川を左に眺めながら車を走らせていると、勝海舟の像が見えてきます。
JR島田駅からは歩いて20分ほど。1日に数本、バスも運行しています。
「蓬莱橋」の楽しみ方は?
実は蓬莱橋は、国内でも珍しい「賃取り橋」で、通行料の支払いが必要です。橋番小屋に橋番がいればそこで支払い、いなければ橋の入り口にある料金箱にお金を入れましょう。
橋の表面には無垢の木がそのまま使われているので、その質感を間近に見ることができます。歩くたびに軋む音も新鮮。眼下には大井川がとうとうと流れていて、なかなか迫力があります。強風が吹いていることも多いので、落ちないようにご注意を。
しばらく進むと、晴れていれば進行方向の左に富士山が見えてきます。橋の真ん中くらいまでが富士山の撮影ポイントです。
どのくらい歩いたかな、と思っていたら、足元に「ど真ん中」の文字が!
ドキドキしながら渡ると、思ったより時間がかかるかもしれません。しかしここまで来たら、ぜひ最後まで渡り切りましょう。
蓬莱橋は、「長い木の橋=長生きの橋」と「全長897.4m=やくなし=厄無し」の語呂合わせで、縁起のいい橋としても人気があります。24時間通行可能で、夜はグリーンにライトアップされ、幻想的な雰囲気になりますが、昼間以上に足元には気をつけて。
対岸まで渡ると、周辺には森林が広がり、散策路になっています。ここから牧之原台地へと繋がっているんです。
「蓬莱の島台」という小高い丘へ登ると、歩いてきた蓬莱橋と対岸を見渡せます。余計な建物が写らないように設置されたフォトブースもナイス!ぜひこの素敵な景色を見て・撮っていってください。
橋のたもとのお休み処「蓬莱橋897.4茶屋」でひと息
折り返して橋の入り口まで戻ったら、「蓬莱橋897.4(やくなし)茶屋」に立ち寄りましょう。こちらは観光協会が運営するショップで、ドリンクやスイーツのほか、島田の物産品やおみやげなどを販売しています。
一番人気のメニューは冷たいお茶。理由は2つあり、1つ目は橋の往復で2km近くを歩くと喉が乾くから。冬でもコールドが断然人気なのだそう。
人気の理由2つ目は、茶処・島田市のおいしいお茶が飲めるから。冷たいお茶は、コーヒーの水出しに使われるスロードロップ式を採用し、氷で1時間ほどかけて1滴ずつ抽出しているんです。
冷たいお茶は、浅蒸しと深蒸し、火香の強め・弱めの違いで4種類あるうち1種類を、日替わりで提供。取材日は特別に、浅蒸し×火香弱めの「No.1」(写真左)と深蒸し×火香弱めの「No.3」(写真右)の2種類を用意していただきました。
浅蒸し×火香弱めの「No.1」は、透明感のある見た目とは裏腹に、飲んでみると茶葉のうま味を濃く感じられます。一方深蒸し×火香弱めの「No.3」は、スッキリとしていながらも、凝縮されたお茶の甘みが感じられます。
スイーツでは、冬でもソフトクリームが人気。なかでも人気ナンバー1は「煎茶ソフト」。抹茶のソフトクリームはよく見かけますが、煎茶というのが珍しい!すっきりとした甘さで、さわやかな味わいです。
入口の横には畳席があり、そこに座って橋を眺めるのもいい時間です。お茶を飲みながら古い木の橋を眺めていると、昔の旅人になったような気分に。
おみやげに買って帰りたい「蓬莱橋897.4茶屋」のお茶とお茶菓子
店内には島田市の名産品が勢揃い。お茶はもちろん、さまざまなお茶アイテムも売っているので、宝探し気分でお気に入りを見つけてみて。
おすすめは、島田市のシティプロモーション活動の1つ「島田市緑茶化計画」のオリジナルアイテムであるGreen Ci-Teaシリーズ。島田産の茶葉で、浅蒸・深蒸、火香強め・弱め、芽・茎・粉の違いで7種類が揃います。
売店で販売しているお茶も、このシリーズのNo.1〜4を使用。温かいお茶はどれでも注文できるので、試してみるのもおすすめです。
Green Ci-Teaのお茶を使ったお菓子もあります。「緑茶の急須もなか」は、浅蒸し×火香強めの「No.2」を使った緑茶餡(あん)を、急須の形の皮に詰めたかわいい最中で、島田市にある菓子処叶家が手掛けた商品です。
油性ペンにそっくりな見た目の「茶ッキー」も大人気。ペンの中には粉末のお茶が入っているので、カップにサッと振り入れてお湯を注げば、お茶のできあがり。本当にペンと間違えてしまうほどのクオリティです。オフィスのデスクに1本忍ばせておいてはいかが?
タイムトリップしたような昔ながらの風景と、橋がもたらした島田市の特産品・お茶を楽しめる蓬莱橋と蓬莱橋897.4茶屋。世界一の景色を眺めに足を運んでみてはいかがでしょうか。
Text:小長井真由子(FIKA)
Photo:森島吉直(しずおかオンライン)
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