開拓の歴史とともに北海道民の心のよりどころとなってきた北海道総鎮守、北海道神宮/北海道神宮
おでかけ
2023.12.13
【札幌 初詣】2024年の始まりは、北海道随一のパワースポット「北海道神宮」へ
開拓の時代から、北海道の人たちにとって大切な心のよりどころとして慕われる北海道神宮。周囲は手つかずの原生林がそのまま残る円山公園があり、春のお花見、初夏の北海道神宮祭、秋の紅葉など、季節ごとに賑わいをみせています。境内には、北海道を代表する菓子メーカー六花亭の「神宮茶屋店」などがあり、ここでしか味わえない銘菓も!初詣は、北海道随一のパワースポットといわれる北海道神宮へお参りしましょう。
北海道開拓の歴史とともに歩み、北の大地を見守ってきた北海道総鎮守
地下鉄東西線円山公園駅から徒歩10分ほどの場所にある北海道神宮。境内には4つの鳥居があり、どの鳥居も一歩足を踏み入れれば清浄な空気に包まれるような清々しさが感じられます。
北海道神宮創建のルーツは明治2年(1869)。この年、それまで蝦夷と呼ばれていた地が「北海道」と命名され、本格的な開拓が始まることとなりました。開拓にあたって明治天皇は、大国魂神(おおくにたまのかみ)、大那無牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)という三神を開拓の守り神として開拓使に託したのです。これを開拓三神とよびます。
開拓三神を自ら背負って北海道に赴いたのが、開拓判官・島義勇(しまよしたけ)。札幌の街は碁盤の目のように整然とした街並みで知られますが、これも札幌の街づくりの命を受けた島が京都を参考に整備していったものです。
現在の位置に社殿が建ち「札幌神社」の社名が定められたのは明治4年(1871)で、以来、長い年月にわたり開拓者たちの心のよりどころとなってきました。なお、札幌神社が北海道神宮と改称したのは昭和39年(1964)。この時、当初の開拓三神に加えて明治天皇を増祀しています。
北海道の礎を築いた先人たちへの感謝とともに手を合わせて
そんな開拓の歴史を思い描きつつ、参拝の前にはまず手水で手や口を清めましょう。案内板に正しい手順が説明されているので、参考にしてください。
現在の社殿は昭和53年(1983)に再建されたもので「神明造」とよばれる造り。華美な飾りを施さない堅実な美しさがその特徴です。
安産祈願やお宮参り、七五三、神前結婚式など人生の節目ごとに訪れる市民も多いほか、車祓いや合格祈願などの祈祷も行われ、北海道の人たちの心のよりどころになっていることがよく分かりますね。
境内には、北海道神宮のほかに三つの境内社があります。その一つ、開拓神社で祀っているのは「北海道」という地名を考えた松浦武四郎や函館の豪商・高田屋嘉兵衛をはじめ、北海道開拓に力を尽した37人の方たち。「北海道の厳しい自然条件を克服しての開拓は、先人の艱難辛苦の足跡ぬきには考えられません」と記す、神社の前にある案内板に書かれた言葉に胸を打たれます。開拓神社のおみくじは特によく当たると評判。こちらの御朱印は北海道神宮の祈祷受付所でいただけます。
開拓神社と並んで立つ鉱礦業の殉職者を慰霊する鉱霊神社、北海道拓殖銀行に永年勤務功労のあった物故役職員を祀る穂多木神社にも、先人への感謝を込めて手を合わせましょう。
種類豊富なおみくじに可愛い絵馬やお守り、境内の桜や梅を使った桜湯茶や梅酒も
拝殿向かいの授与所ではさまざまな種類のおみくじや授与品を用意。神札のほか、健康や学業、交通安全、縁結びなどの願いに合わせたお守りも種類豊富に揃います。可愛らしいデザインの品も多く、自分用のほか旅のおみやげとしてもおすすめです。
絵馬は干支絵馬のほか、「叶」の文字が入った祈願絵馬、合格祈願の絵馬などもあります。座って願い事を記入できるスペースがあり、落ち着いて願いを込められるのも嬉しい心配りですね。
おみくじはスタンダードなもの以外に、恋みくじや縁起物が入った幸福みくじなども。英語や台湾語もあり、世界各国から参拝者が訪れる神社であることが感じられます。
御朱印は拝殿西側の祈祷受付所でいただけます。オリジナルの御朱印帳には「白」「緑」の2種類があり、いずれも北海道らしさを感じさせる清らかなデザインとなっています。
交通アクセス良好ながらも円山は野生動物の楽園。あの「雪の妖精」にも出合える?
「札幌」という北海道随一の大都市にありながら、神社近くにある円山には手つかずの原生林が残り登山や遠足などで多くの市民が訪れる憩いの場となっています。エスコンフィールドの3倍以上、約18万平米という広大な神社境内には杉やヒノキ、オンコなどの大樹が生い茂り、野生のエゾリスやキタキツネの姿を見られることも。
アカゲラやキビタキ、ヒヨドリなど野鳥の姿も数多く見かけます。
神社隣接の円山公園ではシマエナガの目撃情報もあり、カメラ持参で撮影チャンスを狙う人の姿をよく見かけます。
境内にはエゾヤマザクラやソメイヨシノ、ヤエザクラを合わせて約1100本の桜の木があり、毎年4月下旬~5月上旬にかけて多くの市民が花見に訪れる名所。この桜は、札幌開拓に尽力したものの後に佐賀で非業の死を遂げた島義勇をしのび、島の従者が植えたのが始まりだと言われます。
境内には梅林もあり、桜とほぼ同じ時期に約120本の梅が香り高い花を開きます。桜と梅が同時に見られる風景は、本州の人にとってはあまり馴染みのないものかもしれませんね。
散策で疲れたら〝ここだけ〟の銘菓が味わえる2つの「神宮茶屋」でほっと一休み
広々とした境内を散策して歩き疲れたら、ぜひ立ち寄ってほしいお休み処も2か所用意されています。そのうちの一つが手水舎や島義勇像に近い場所にある神宮茶屋。
こちらの名物は大福を高温の鉄板ではさんで焼いた「焼きたて福レ餅(ふくれもち)」。北海道産もち米を使用した皮が外側はパリパリ、内側はもちもちとした食感に焼き上がり、お餅に練り込まれた白ゴマの香ばしさ、北海道産小豆と甜菜糖を使った優しい甘さのこし餡(あん)とのハーモニーが楽しめます。
おみやげ用には「神宮茶屋餅」もおすすめ。軟らかく軽やかなお餅とこちらも甘さ控えめのこし餡との組み合わせが絶妙。初詣期間中には特別パッケージの年賀用菓子の販売も行われる予定です。
このほか神社にふさわしく縁起のよい北海道銘菓、道産牛乳を使ったソフトクリーム、緑茶やココアなども用意され、一年を通じてほっと心休まるひと時が過ごせます。
そしてもう一軒、北海道を代表する菓子メーカー六花亭の「神宮茶屋店」も境内に。ここでは六花亭の代表的なお菓子各種を販売するほか、神宮茶屋店限定の「判官さま」が不動の人気を集めます。おみやげ用に購入することもできるほか、店内の鉄板でこんがり、アツアツに焼いたものをその場でいただくこともできるんです。
店内にはほうじ茶も用意され、心休まるひと時を過ごせます。
格式ある神社ならではの清々しさに加えて、豊かな自然、開拓の足跡を全身で感じられ、北海道らしさあふれる銘菓まで味わえる北海道神宮。ゆったりと心落ち着くひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
■神宮茶屋(じんぐうちゃや)TEL:なし
営業時間:11~2月は9~16時(12月31日~1月3日は9~17時)、3~10月は9~17時
定休日:なし
■六花亭神宮茶屋店(ろっかていじんぐうちゃやてん)TEL:0120-12-6666
営業時間:9~16時(季節によって変動あり)
定休日:なし
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
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