食・グルメ
2024.02.10
【台湾現地レポ】台湾ソウルフード、牛肉麺はココで！「時寓。」で食べたいおすすめ3選
台湾レトロあふれる店内で、台湾定番グルメの「牛肉麵（ニォゥロウミェン）」はいかがですか？ノスタルジックな空間が広がる「時寓。（シーユィ。）」なら、ちょっと特別な時間も味わえます。台湾ならではの美酒も勢揃い。さあ、扉を開けて台湾旅行の物語を紡ぎましょう。
Summary
古アパートの隠れ家で、レトロ台湾へタイムスリップ
MRT「松江南京」駅からおよそ8分、住宅街を抜けた先に「時寓。」はあります。目印は小さな看板。気を付けて見ていないと通り過ぎてしまいそうなほど街に溶け込み、ひっそりとたたずんでいます。
古いアパートの階段を上がり2階へ。扉を開けると、正面の壁にはたくさんの時計が異なる時を告げ、まるで時間を巻き戻されたかのような気分に陥ります。
年代物の漢方薬の棚や古い本棚、かつて大家さん家族が囲む食卓だったテーブルと椅子まで置かれています。食器棚にはおばあちゃんから譲り受けたヴィンテージのコップも。どれも昔のものですが大切に受け継がれ、今、この空間で新たな客人を迎え入れます。
初めて訪れるのに懐かしい気分になるのは、そんなレトロなインテリアのせいかもしれません。家族・知人から受け継いだ以外にも、日本の蚤の市で見つけたものなどさまざま。なかでも日本のアンティーク店の店主から「日台友好の証」として譲り受けた時計は、壁のすみっこの特等席に陣取っています。
「この時計はね……」「あの本棚はね……」おかみさんは、あれこれうれしそうに「もの」たちの話を聞かせてくれます。これまで紡いできた「時」、今ここで刻んでいる「時」……すべてのものにはそれぞれ異なるストーリーがあって、ここで１つになり存在しているのです。あたかも「時寓。」という名の1冊の本のように。
そんな素敵なものたちに囲まれた店内のテーブルにつけば、おばあちゃんの家に来たような、古い親しい友人の家に招かれたような気持ちになって、なんだか一気にくつろぎモードになってしまう不思議。そして、それはお腹いっぱい食べる合図でもあります。
さっそく自慢の料理をいただきましょう。
ピリリ＆ガツン、しびれる辛さのスパイシーな「香麻牛肉麺」
古いものを大切にする精神は料理にも表れています。自然由来のもの、手作りのものだけを食べていた昔と同じ安全・安心で身体によいものを、家族の食卓に出す気持ちで振る舞いたい――そんな思いで作られています。
人気メニュー、ピリ辛味の「香麻牛肉麵（シャンマァニォゥロゥミェン）」はガツンとくる辛さ。ピリリとしびれる刺激的な味に魅了される日本人も多いといいます。牛骨と野菜、ナツメやクコの実など10種類以上の漢方食材で取ったスープは、ただ辛いだけでなく深い味わい。鼻をつく香りも食欲をそそります。
使用するのはニュージーランド産の牧草牛。チンゲン菜や湯葉、押し豆腐もたっぷり載ってボリュームいっぱいの1品です。
心にも沁み入る、おふくろの味「來金清燉牛肉麵」
「來金清燉牛肉麵（ライジンチンドゥンニォゥロウミェン）」はあっさり味の牛肉麺で、ご主人が受け継いだおふくろの味がレシピの元になっています。「香麻牛肉麵」と同じく漢方食材で取ったスープは、ほんのりとした甘みも感じられるやさしい味わい。噛みしめるほどにうま味があふれ出す牛肉と一緒に楽しみましょう。
聞けばご親戚は三代続く漢方薬店を営み、ご主人にとっても漢方食材は身近な存在なんだとか。昔ながらの食材とレシピ……古き良きものを伝承したおいしさがここにあります。
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台湾の美酒と共に。手間暇惜しまず煮込んだ「時寓滷味拼盤」
「時寓。」で外せないのが台湾風煮込みの盛り合わせ「時寓滷味拼盤（シーユィルーウェイピンパン）」です。7種類の具材が1つになったボリューム満点のひと皿で、本日はミミガー・ハチノス・エリンギ・豆干・昆布・煮卵・枝豆が食卓を賑わせます。
口に運ぶと、それぞれ違った味わいが。それは食材ごとに使う漢方や調味料を替え、別々に調理しているから。1つ1つ丁寧に手間暇かけて、じっくりと煮込まれているのです。
そんな煮込みをさらにおいしくするのが、豊富なアルコールの数々です。台湾のクラフトビールをはじめ、カウンターの棚には珍しい台湾産の果実酒も並びます。
イチオシの「杜島梅酒（ドゥダォメイジゥ）」は、産地として名高い南投・信義鄉の梅を使って昔ながらの製法で作られた梅酒。おばあちゃんがおうちで漬けたみたいな懐かしい風味が味わえます。ほかにも台湾フルーツをコーリャン酒で漬けた台湾らしい果実酒もおすすめです。豚レバー焼き「私房醬燒嫩豬肝（スーファンシャォヌンジューガン）」と一緒に楽しめば、ますますお酒が進みそう！
「時寓。」で綴る、台湾旅行の物語
どこかで暮らす誰かのために役立ててもらおうと、メニューの価格には恵まれない人々を支援するための寄付金（10元）が含まれています。これまで台湾22か所の辺地に暮らす団体・病院に届けてきました。
おいしくいただき、その上知らない誰かの助けになるのはうれしいこと。きっとそこから新たな物語が紡がれることでしょう。
ノスタルジックな空間広がる「時寓。」で、おいしい牛肉麺とお酒と共にあなたの台湾旅行の思い出を刻んでみてはいかがですか？
■時寓。（シーユィ）
住所：建國北路一段68號2樓
TEL：02‐2506‐9209
営業時間：18～21時
定休日：日～火曜
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Text：林綾子（台北ナビ）
Photo：張哲倫
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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