浅草寺のお隣「浅草神社」のかわいい「鯛みくじ」で運だめし!

浅草寺のお隣「浅草神社」のかわいい「鯛みくじ」で運だめし!

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「浅草神社」は、浅草寺本堂の左隣に鎮座する神社。場所も近いため浅草寺と混同されがちですが、実は浅草神社と浅草寺は別物。読み方も「あさくさじんじゃ」と「せんそうじ」と異なっています。浅草神社は、大勢で威勢よく神輿を担ぐ江戸三大祭の一つ「三社祭(さんじゃまつり)」が行われることでも有名。釣り針で釣り上げるかわいい「鯛みくじ」にも注目です。

Summary

浅草神社の歴史・ご利益は?5月の「三社祭」って?

国の重要文化財である浅草寺の二天門をくぐった場所に浅草神社がある
国の重要文化財である浅草寺の二天門をくぐった場所に浅草神社がある

世界的に有名な観光名所としても知られる浅草寺の左隣に位置する「浅草神社」。創建は、平安末期から鎌倉初期以降と考えられています。浅草神社と浅草寺は別物ですが、深い関係性があります。浅草神社の主祭神は、浅草寺の創建に関わった檜前浜成・武成(ひのくまのはまなり・たけなり)兄弟と、土師真中知(はじのまなかち)。これら三人を神様として祭っていることから浅草神社の旧名は「三社権現社」といわれ、現在では「三社様」として親しまれています。

浅草神社創建の由来となる言い伝えは、推古天皇の時代に遡ります。檜前兄弟が浅草浦(現在の隅田川)で漁をしていたところまったく魚が釣れず、人型の像ばかりが網に引っかかっていました。それを不思議に思った兄弟が地元の文化人であった土師真中知に尋ねると、「その人型の像は聖観世音菩薩の仏像である」と告げられました。それを聞いた兄弟が祈願したところ、翌日から大漁に恵まれたといいます。

その後、土師真中知の子孫がその言い伝えをもって檜前浜成・竹成兄弟と土師真中知を神として祭るようにお告げを受け、「三社様」として祭ったのが浅草神社のはじまり。その後に明治政府が発した神仏分離令で浅草寺と分離し「三社明神社」と改められ、明治6年(1873)に浅草郷の総鎮守として、現在の「浅草神社」の名に定められました。


浅草神社の主なご利益は、家内安全・商売繁盛・心願成就。境内の「夫婦狛犬」には夫婦円満や縁結び、御神木の「槐(えんじゅ)」には長寿、安産のご利益があるとされています。また、本殿裏にある「被官稲荷神社(ひかんいなりじんじゃ)」は、出世開運・仕事運上昇・玉の輿のご利益があります。

そして浅草神社を語る上で忘れてはならないのが「三社祭」。その歴史は700年以上で、起源は正和元年(1312)に行われた「船祭」であるとされています。三社祭は毎年5月の第3金・土・日曜の3日間で行われる大規模なお祭りで、約180万人の人が浅草の町を訪れます。初日はお囃子屋台をはじめとした浅草の各舞などで編成された大行列が街を練り歩き、2日目は約100基の神輿が浅草神社の境内に集合し1基ずつお祓いを受けて町内へと繰り出します。メインの3日目は、浅草神社の本社神輿である「一之宮」「二之宮」「三之宮」の3基の神輿が町内に繰り出します。約100人ずつが交代で神輿を担ぐ威勢のいい様子は一年で最も浅草が賑わう初夏の風物詩として、地元の人々のみならず全国の注目を集めています。

浅草神社の本殿は慶安2年(1649)に建立されたもので、徳川三代将軍・家光公からの多額の寄付により建てられたといわれています。江戸の大火や大正の関東大震災、昭和の東京大空襲などの被災を奇跡的に免れたそうで、柱や壁など各所に用いられている漆塗りや鮮やかな色がそのまま残っている姿はお見事。江戸時代初期を代表する貴重な木造建築物として、国の重要文化財に指定されています。東日本大震災復興祈願の「がんばろう日本!」の力強い文字にもみられるように、歴史を刻み続けているのを感じてとれます。

まずお参りを…
まずお参りを…

本殿の各所をよく見ると、漆塗りと鮮やかな色で数多くの霊獣が描かれています。ほとんどが架空の動物ですが、いずれも平和の象徴で、人々の幸福を願う存在。こちらの写真の霊獣は、飛龍(ひりゅう)という霊獣。水を司る霊獣で、体が魚で翼をもち、胴が短く尾びれがあります。

写真右に描かれているのが、麒麟(きりん)という霊獣。中国の古代思想における四神のひとつで、鹿の体、狼の頭、牛の尾、馬の足に角が付いた姿。虫も踏まず草も折らず、優れた王が出現したときに現れるといわれます。

みどころたくさん!『こち亀』にまつわる石碑も

鳥居をくぐり本殿へ向かう参道の右側奥には、「夫婦狛犬」の姿が。その名のとおり夫婦である狛犬で、全国的にも珍しいとされています。

石段と砂利の道を進むと現れる、傘に入った夫婦仲睦まじい狛犬の姿
石段と砂利の道を進むと現れる、傘に入った夫婦仲睦まじい狛犬の姿

尾はハート型をしており対で寄り添っていることから、良縁や恋愛成就のご利益があるとか。

本殿へ向かう参道の左側には、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』にまつわる両津勘吉の石碑があります。こちらは、浅草育ちの主人公・両津勘吉が少年時代に浅草神社の境内にタイムカプセルを埋めた漫画のなかの「浅草物語」という話に由来し、コミックス発行部数が累計1億3000万部を突破したことを記念して建てられました。「友情はいつも宝物」の文字と漫画のワンシーンが刻まれています。

毎年4月に古い扇子をお焚き上げする行事にちなんで扇の形をした石碑も
毎年4月に古い扇子をお焚き上げする行事にちなんで扇の形をした石碑も

本殿の裏には、「被官稲荷神社」が鎮座します。こちらは伏見稲荷神社の分社であり、浅草神社の末社として境内に祭られています。杉皮葺の社殿は小さいながらも、浅草神社同様、江戸の大火や大正の関東大震災、昭和の東京大空襲などの被災を奇跡的に免れた大変貴重な建築物です。

境内横には、かわいらしい親子狐の姿が。狐という動物は、私たちの先祖が生活のなかで接することの多かった親しい動物として言い伝えられ、稲荷神社の使いとして信仰が定まったといわれます。神社の名前にもなっている「被官=官を被る」から、出世や就職のご利益があるとされています。

かわいい「鯛みくじ」で運試しを

本殿の手前左側には、おみくじコーナーがあります。無人でひっそりとたたずんでいますが、じつはこちらには、かわいらしくユニークなさまざまな種類のおみくじが設置されています。参拝の後に、ぜひ立ち寄ってみてください。

「鯛みくじ」初穂料300円
「鯛みくじ」初穂料300円

おみくじのなかでも人気なのが、「鯛みくじ」。浅草神社の三社様は3人の神様で、豊作・豊漁・疫病退散のご利益があります。三社様の二社が漁をしていたことや、左手に鯛を抱えている恵比寿様をお祭りしていることから、浅草神社でも鯛みくじを楽しむことができます。

竿で釣るのは、普通におみくじをひくよりもなんだかエンタメ性があって楽しい!鯛のかわいらしい表情にも注目です。
鯛が背負っているおみくじはなんだか縁起がよさそう!
鯛が背負っているおみくじはなんだか縁起がよさそう!
背中には「一年安“鯛”」の文字が
背中には「一年安“鯛”」の文字が
おみくじにかかれた言葉がすっと心に入ってくる
おみくじにかかれた言葉がすっと心に入ってくる
おみくじは結び、鯛は持ち帰りができる
おみくじは結び、鯛は持ち帰りができる

浅草神社には、ほかにも「恋文みくじ」「狐みくじ」「金運みくじ」「陽のおみくじ」「月のおみくじ」「天然石おみくじ」「日本の神話おみくじ」「浅草神社おみくじ」など、ユニークなおみくじがさまざま。荘厳な境内で心身を清めた後は、おみくじを引くのも一つの楽しみです。初穂料として電子マネーの使用も可能です。

季節に応じた御朱印や「大丈夫」お守りも

「浅草神社」御朱印 初穂料1500円
「浅草神社」御朱印 初穂料1500円

浅草神社の御朱印は、季節に応じて特別な御朱印を頒布されることでも有名です。こちらは通常いただける御朱印で、「浅草」の文字が旧字体で書かれているのが特徴的。ほかにも、末社である恵比寿社や被官稲荷神社の御朱印もいただけます。

「神社参拝の証」初穂料1000円
「神社参拝の証」初穂料1000円

浅草神社でいただけるお守りなかで人気のものを伺いました。こちらは、精巧な作の紙細工で作られた振興が飛び出すカード式のもの(御朱印ではないので御朱印帳への貼り付けは不可)。

「お姿」初穂料1500円
「お姿」初穂料1500円

被官稲荷神社のお供え物である、狐の形をした焼き物。お守りとして飾っておいてもかわいらしいですね。

「大丈夫守」初穂料各550円
「大丈夫守」初穂料各550円

「大丈夫」と書かれた縦4.5cm×横2.5cmほどの小さなお守り。「三社様のお力により あらゆる悩みや心配事が無くなり 心安らかに 過ごせますように」という願いが込められたものです。紐の色は黒・紫・緑・黄緑・紺・桃の全6色で、各色によって生地の模様が異なります(ご利益は共通)。

「はにわ守」初穂料500円
「はにわ守」初穂料500円

おみくじの付いたはにわのお守り。素朴で愛嬌のある顔をしたはにわの表情がなんともいえません。

「金運守・招福守・長寿守」初穂料各1000円
「金運守・招福守・長寿守」初穂料各1000円

四角い形の「招福」お守りは、福を沢山集められる升の形。銀色には、清らかに光り輝く人生が送れるようにの意味が込められています。三角の形の「長寿」お守りは、時間経過で色が変わっても存在し続ける銅の性質を長寿に見立てており、三角の形が末広がりであることから、子孫繁栄のご利益が。丸い形の「金運」お守りは、金色で球体が貨幣を表すことから金運向上のご利益が。丸は角が無いことから、物事がすべて円満に進むという意味が込められています。

物静かにゆっくりと参拝できる浅草神社。その由来や三社祭に思いを馳せつつ心を清め、ユニークなおみくじやお守りを楽しむのもいいでしょう。浅草観光の際には、ぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。


Text:松崎愛香
Photo:日高奈々子

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