話題の「古都体験」で鎌倉らしさを体感する1日を
最近、旅の新しいスタイルとして注目されているのが、その土地ならではの体験。鎌倉でも古都らしい体験が人気を集めていて、体験の内容も増加中なんです。今回は、古民家で和菓子を作りお抹茶と一緒に味わったり、日本茶の奥深さを体感できるお店など、日本の伝統的な文化を感じられる体験をご紹介します。
Summary
北鎌倉駅から閑静な住宅街のなかを歩くこと6分ほど。白いのれんがかかった古民家が見えてきます。ここが、お茶の体験施設「kominka.」です。ここでは、和菓子のねりきり細工づくりだけでなく、お抹茶を点てる点茶を自分で行い、和の時間を過ごすことができます。
以前は民泊用の施設として利用されていた古民家は、体験施設として使いやすいようにオーナーの三ツ木さんが手を加え、洗練された和モダン空間に。北鎌倉の落ち着いた雰囲気のなかで若い人にも日本文化を体験してもらいたいと、この場所を選んだそう。
玄関を入ると体験スペースは、個室を含めた3部屋に分かれており、ひと席ひと席がゆったりとスペースが確保されています。体験は、時間をずらして1グループずつ個別でレクチャーを受けられるので、周りを気にせず集中することができるのもうれしいところ。
まずはねりきり細工作りからスタート
最初は、作りたいねりきりのデザインを3種類のなかから選びます。季節に合わせた素敵なデザインが並び迷うところですが今回は、三ツ木さんおすすめの秋仕様の「手毬」を作ることにしました。1個目はスタッフの方のレクチャー受けながら、2個目は自分だけでねりきり作りに挑戦します。
まずは手毬となる外側のあんを作ります。見本を見ながら、あんを同じ色味の順番になるように円形に並べ、手で軽く押さえて伸ばし、隙間のないように色の違うあんをくっつけます。
外側ができたら中に入る白あんをやさしく包み、きれいな球になるように形を整えます。この整える作業が少しコツのいる作業で、あまり力を入れすぎると、外側のあんの色が混ざってしまい、きれいな手毬にならないのだとか。やさしく、丁寧に形を整えていきましょう。
形が整ったら最後の仕上げ。三角ベラという木の道具を使って手毬の模様を入れていきます。キレイに等分になるように下から上へと三角ベラを動かしていくのですが、力を入れすぎないように均等にラインを入れていくのがなかなか難しく、とても繊細な作業なんです。模様を入れ終わったら最後に銀箔を乗せてねりきり細工の完成です。
自分好みの茶器を選んで
ねりきりを2個作り終わったら次はお茶の準備です。棚に並んでいる器のなかからねりきりを乗せるためのお皿と、お抹茶用の茶碗を選びましょう。ここに並ぶ器は三ツ木さんのご家族から譲ってもらったものや、自ら各産地から揃えてきたものだそうで素敵なものばかり。選ぶ器の組み合わせによって雰囲気も変わってきますよ。
点茶に挑戦
器を選んだら、最後はお抹茶点てに挑戦。スタッフの方が点て方を丁寧に教えてくれます。最初は前後に素早く動かすように、最後は「の」の字を描くように点てていくのが上手に点てるコツだそう。キレイな泡がたったらお抹茶の完成です。
のんびり和菓子&お抹茶タイムを楽しむ
さあ、ついにお待ちかねの撮影&試食タイム。作ったねりきり細工は友人や家族と交換して楽しむのもおすすめです。畳のスペースや庭など、お気に入りの場所でのんびりと過ごせますよ。
鎌倉には、レンタル着物店も多数あるので思い切って着物を着て体験するのもおすすめです。古都の風情を感じられる北鎌倉の古民家で、非日常のひとときを過ごしてみてくださいね。
■kominka.(こみんか)
住所:神奈川県鎌倉市台1936
TEL:なし
営業時間:10~18時(最終受付は16時30分)
定休日:火・金曜
料金:ねりきり細工とお抹茶体験3700円(英語オプションは+500円)
日本茶の新しい世界を体験!日本茶講座/CHABAKKA TEA PARKS(チャバッカ ティー パークス)
次に紹介をするのは、鎌倉駅西口の人気ストリートである御成通りに店を構える「CHABAKKA TEA PARKS」。「日本茶エンターテイメント」をコンセプトに日本茶の販売のほか、日本茶の楽しみ方を提案してくれる日本茶専門店なんです。
もともとはファッション業界で活躍をしていたというオーナーの三浦さん。独立後に鎌倉で事業をしたいと思っていたところ日本茶の世界と出合い、もっとたくさんの人に日本茶を楽しんでほしいとお店をオープンしたそう。そんな「CHABAKKA TEA PARKS」では、日本茶の奥深さや魅力を感じられるオリジナルの体験をすることができるんです。
日本茶のイロハを学ぶ
さまざまな角度から日本茶を楽しめる体験メニューが用意されているのですが、今回は~「日本茶基礎編」を体験することにしました。
まずは、三浦さんによる「日本茶のイロハ講座」からスタート。講座では、日本茶の種類や生産背景、産地の特徴など日本茶の基礎について30分ほどかけてしっかり学びます。一括りにしてしまいがちな日本茶ですが発酵具合や焙煎によって紅茶や緑茶、烏龍茶と分類され、種類はさまざま。ちょっと難しいかな、と思いつつ、実際の茶葉を見比べたり、香りを確かめながら三浦さんがわかりやすく日本茶の違いや奥深さ解説してくれるので楽しくお茶の世界の触れることができます。
ハンドドリップで入れる日本茶を体験
イロハ講座のあとは、気になったお茶を選んで実際に自分でお茶を入れます。日本茶と言えば急須で入れるイメージですが、なんとこのお店で使うのは陶器でできたドリッパーなんです。若い人にも気軽に楽しんでもらえるようにとオリジナルで開発したという特注品です。
お茶の入れ方はとても簡単でお湯を注いで蒸らしたら、ドリッパーについているボタンを押すとお茶が抽出されて下から出てきます。通常のドリッパーだとお湯を注ぐとお湯が貯まらずにそのまま下から抽出されますが、このドリッパーは蒸らし時間を考慮してお湯が貯まる仕組みになっているんです。底に貯まるお茶のうま味を逃さずに味わえるのもドリッパーの魅力です。
今回は、烏龍ほうじ茶の「香駿(こうしゅん)」を選んでみました。華やかさと香ばしい香りが調和したフルーティーな味わいにうっとり。お店で取り扱っている茶葉はすべてシングルオリジンとよばれる希少価値の高いもので、三浦さん自身がお茶の産地に出向いて厳選したこだわりの茶葉。普段なかなか味わえない香り高いお茶に一気に癒やされます。
サーバーから日本茶!?ドラフトティー体験
ハンドドリップティーを味わったあとは、お茶の進化系で、このお店名物の「ドラフトティー」を入れる体験へ。ビアサーバーを改良して作り上げた、日本茶専用のサーバーで抽出されるドラフトティーはなんと日本初とのこと。
ビールのようにサーバーからお茶を注ぐと、クリーミーな泡を含んだドラフトティーの出来上がり。まろやかな口当たりの独特の味わいが不思議ですがやさしい甘みと、のど越しの良さを実感することができます。
基礎編では、ティーバッグのおみやげも付いてくるので、自宅でも良質なお茶を楽しめますよ。
お店では、そのほかに「日本茶基礎編」にスイーツが付く「スイーツペアリング編」や「お茶漬けの素作り編」などの体験も実施しています。
好みの講座を選んで「CHABAKKA TEA PARKS」でちょっぴりユニークな新しい日本茶の世界を体感してみてはいかがでしょうか。
■CHABAKKA TEA PARKS(ちゃばっか てぃー ぱーくす)
住所:神奈川県鎌倉市御成町11-10
TEL:0467-84-7598
営業時間:11~18時
定休日:無休
料金:日本茶基礎編3500円~
鎌倉のおでかけ情報は『るるぶ』をチェック★
\最新版『るるぶ鎌倉 '25』発売中!/
Text:松井夏美(むしか)
Photo:氏家岳寛
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●この記事は『るるぶ鎌倉 '25』に掲載した記事をもとに作成しています。