【北海道・東北】スモールラグジュアリーな隠れ宿が集結!「日本 味の宿」4選
北海道、東北エリアは雄大な自然と豊かな食材、名湯の宝庫。独特の文化や歴史を持つ場所だからこそ、宿にもそれぞれの個性が光ります。贅を尽くしたスイートや特別客室から、露天風呂付きの離れの客室まで、プライベートな雰囲気を堪能できる施設が充実しています。今回は、JTBのムック『日本 味の宿』から、北海道と東北の厳選された名宿を4軒ご紹介します。
Summary
支笏湖ブルーに染まるラグジュアリースイート「しこつ湖 鶴雅別荘 碧の座」/北海道・支笏湖温泉
新千歳空港から車で約1時間の場所にある、国内屈指の水質と透明度を誇る支笏湖。「しこつ湖 鶴雅別荘 碧の座(しこつこ つるがべっそう あおのざ)」は、湖畔の自然に溶け込むシンプルなたたずまいですが、エントランスを入ると目の前に開ける吹き抜けの空間に圧倒されます。三内丸山遺跡の掘立柱を彷彿させる柱や梁、地層を思わせる漆喰の壁、アイヌの祈りの文様などは、北の大地で積み重ねられた歴史や、縄文やアイヌ文化への敬意が込められているそう。壮大な世界観に一気に引き込まれます。
食事は朝夕とも完全個室の「料理屋 水白(みずしろ)」でいただきます。コンセプトは‶素にして贅沢“。極上の旬の素材だけが持つ色や質感が、シンプルな器の上で一段と鮮やかに映えます。料理に合うお酒やワインの品揃えも豊富です。朝食は炊きたてのご飯、味噌汁、漬物などごく定番な献立だからこそ、素材の上質さが際立ちます。
4タイプ、全25室の客室はすべて支笏湖に面したレイクビュー。すべての客室に、湖を眺めながらゆっくり手足を伸ばしてもまだ余裕のある大きな露天風呂が付いているのが、なんといっても魅力です。オリジナルの香り「しこつ湖の森の香り」がほのかに漂う客室のインテリアのベースカラーは青。広々としたウォークインクローゼット内には、アイヌ文様が刺繍された藍色の美しい部屋着も備えられています。
さまざまな体験ができるカルチャーラウンジや、オリジナルカクテルはじめ希少なワインやウイスキーを揃えた「BAR青藍」など、パブリックスペースが充実していますが、チェックイン後はひたすら贅沢な客室空間を楽しみたい人にうれしいのが、充実したルームサービスです。しかもエステ、売店、一部の希少なお酒などを除き、そのほとんどが宿泊料金に含まれたオールインクルーシブなので、気兼ねなく楽しめます。
■しこつ湖 鶴雅別荘 碧の座(しこつこ つるがべっそう あおのざ)
住所:北海道千歳市支笏湖温泉
TEL:0123-25-6006 (受付9~19時)
チェックイン/アウト:14時/11時
料金:1泊2食付8万8000円~(別途入湯税150円)
食もアートも風景も。ダイナミックな北海道を体感する「あかん鶴雅別荘 鄙の座」/北海道・阿寒湖温泉
神秘的なマリモや北海道最大のアイヌのコタン(集落)があることで名高い阿寒湖のほとり、豊かな木立に包まれている宿が「あかん鶴雅別荘 鄙の座(あかんつるがべっそう ひなのざ)」です。扉を開けると最初に出迎えてくれるのは、大きく羽ばたくシマフクロウの木彫。続いて頭上に太い梁が張り巡らされた吹き抜けのフロントを抜けると、思わず息をのむ阿寒湖の眺望が目の前に広がります。本州とはスケールの異なる力強い北海道の文化や自然に温かく迎え入れられるような気持ちになります。
桁違いな力強さを最も感じさせてくれるのは、なんといっても食事です。夕食は毛ガニやホタテ、道東らしく幻の魚イトウまで、選び抜かれた最高級の食材を多彩な調理方法で提供。極めて繊細なあるいは大胆素朴な調理法で展開していきます。どれも渾身の一品で、料理を説明してくれるスタッフの言葉からも道産食材や宿の料理への誇りが感じられます。食事は個室スタイルの「料理茶屋 ひな」でリラックスして味わえます。
すべての客室が温泉露天風呂付きのスイートルーム。阿寒湖を眺めながら、あるいは湖畔の森のそよぎを感じながら、気が向いたときにいつでも温泉に浸かることができます。25ある客室は大きく5つのタイプに分けられますが、ひとつとして同じデザインの部屋がないのも、この宿の魅力です。6階と7階にある展望のよい大浴場や、1階の足湯へもぜひ。
館内を彩るクラフトや調度品すべてが“本物”であることも、宿の空間を上質なものにしています。ラウンジや喫煙室などにさりげなく置かれた木彫品は、阿寒に生きた藤戸竹喜氏、瀧口政満氏といった作家の手によるオリジナルの一点ものです。ぜいたくな客室があるのに、ついパブリックスペースでも過ごしたくなるのは、ぬくもりと懐かしさに満ちたしつらえと、ふるさとにも似た心地よさに、もてなしの心が息づいているからかもしれません。
■あかん鶴雅別荘 鄙の座(あかんつるがべっそう ひなのざ)
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉2-8-1
TEL:0154-67-5500(受付9~18時)
チェックイン/アウト:14時/11時
料金:1泊2食付4万7300円~(別途入湯税250円)
蔵王連峰を見晴らす高台にたたずむ上質なリゾート空間「名月荘」/山形県・かみのやま温泉
見晴らしのよい高台に広がる約4000坪の敷地の中に、それぞれ趣の異なる離れ風の客室が20室、中庭を囲んでゆったりと配されています。どの客室も間取りやインテリアは異なりますが、本間とは別にダイニングルームがあり、多くは露天または半露天風呂付き。テラスから庭に出ることもできて、まるで一軒家に滞在しているような気分です。客室タイプはA~Gまで7種類、ベッドルームを備えた和洋室タイプもあります。
客室は蔵王ビューとガーデンビューに分かれ、それぞれのお風呂は千差万別。蔵王の石をくり抜いた岩風呂(「縹」)、檜の内風呂と露天風呂(「扇」)など趣向を凝らした造りです。また、夕食はもちろん朝食もリビングに運ばれるので、朝食の準備のために客室係が和室やベッドルームに入ってくることはありません。朝食後にもう一度入浴、なんなら二度寝もできるくらい、チェックアウトまでのんびりとぜいたくな時間を過ごせます。
山菜やキノコ、山形牛、そして米どころとして知られる山形ですが、少し足を延ばせば三陸海岸や日本海といった海の幸にも恵まれた土地。旬の食材を毎日料理長が選んで作る会席料理はファンも多く、季節ごとに訪れるリピーターも珍しくありません。膳に置かれた「御献立」にはメニュー名のほかに食材の由来や調理法、味わい方なども記載されています。
また、旅館では珍しく本格的なヴィーガン料理のコースの用意もあります。
広い館内にはさまざまな施設が点在しています。温泉だけでも露天風呂と内風呂を備えた男女別大浴場、蔵王連峰が一望できる貸切露天風呂、テラスのある家族風呂、さらに別棟に温泉付きのプライベートサウナがあるという充実ぶり。広々とした湯上がり処にはコーヒーやお茶が終日用意され、書斎のようなライブラリーでは読書タイムを。お酒が好きな方は無料見学できる酒蔵で、地酒や山形ワインをじっくり選んでみては。
■名月荘(めいげつそう)
住所:山形県上山市葉山5-50
TEL:0120-72-0330
チェックイン/アウト:15時/11時
料金:1泊2食付4万150円~(別途入湯税150円)
ぬくもりの宿で味わう、福島の滋味と美肌の湯「お宿 花かんざし」/福島県・岳温泉
安達太良山の麓、標高約600mの高原に位置する岳(だけ)温泉。平安時代からその存在を知られていたという歴史ある湯です。小ぢんまりとした温泉街の中ほどにある「お宿 花かんざし(おやど はなかんざし)」は、大正から昭和にかけて建てられた木造建築のぬくもりを生かした全8室の宿。玄関を入るとカフェとストアがあり、15時以降は宿泊者専用になるティーラウンジでは、地元の銘酒や女将いちおしの日本酒のテイスティングが楽しめます(21時30分まで)。大きな窓の向こうに広がる中庭では四季折々の眺めが楽しめ、一幅の絵のようです。
山の源泉から温泉街まで約8km、地元の湯守に見守られ、長い時間をかけて引かれてくる温泉は、酸性泉でありながらまろやかな肌触り。湯の花が舞う温泉は美肌の湯としても知られ、日によって乳白色になることも。館内には内湯と露天風呂を備えた男女別大浴場があり、1階の特別客室「宵待草」「片栗」「撫子」は露天風呂付き。大浴場も客室露天風呂も、もちろん源泉100%のかけ流し。心ゆくまで山の湯を味わえます。
特別客室「片栗」は床の間や細工障子など、伝統的な和の意匠が生かされた造り。「宵待草」は庭に面してツインベッドが置かれた寝室と和室があり、「撫子」は無垢材を生かした和モダンタイプというように、それぞれ異なる雰囲気が味わえます。この3室には自然派コスメ「オムニサンス」をアメニティとして用意。また「旅館でもベッドでくつろぎたい」という人には2階の「都忘れ」「二人静」もおすすめです。
福島県大玉村の有機野菜、会津産そば粉の蓮根餅、限定生産される麓山高原豚や二本松の郷土料理「ざくざく」など、「花かんざし」の夕食は地元の豊かな食材が目白押し。「御献立」を見ながら次はどんな料理が運ばれてくるのかワクワクしてきます。そして朝食のコンセプトはズバリ「郷土料理」。凍み餅、じゅうねん味噌、一升漬けなどが花かんざし風に食べやすくアレンジされ、伝統食や保存食など、今ではなかなか食べられない味も楽しめます。
■お宿 花かんざし(おやど はなかんざし)
住所:福島県二本松市岳温泉1-104
TEL:0243-24-2110(受付9~21時)
チェックイン/アウト:15時/11時
料金:1泊2食付2万2550円~(別途入湯税150円)
※宿泊は11歳以上
いかがでしたか?北海道、東北エリアのみならず、日本全国から厳選の宿を集めたムック『日本 味の宿』が発売予定。次の旅行の計画にぜひご活用ください!
ムック『日本 味の宿』は、「あじわい深く」「地元に根付いた」「野にあるごとく大らかな」「宿とは何かを問い続ける」「どこにもない」そんな条件を満たした、ニッポンならではの「味わい」を提供する上質で個性ゆたかな名宿32軒を1冊にまとめました。宿こだわりの味、朝ごはん、おすすめ&注目ポイントをステキな写真と共に楽しんでください。
Text:松尾裕美/高田京子
Photo:村岡栄治/中田浩資
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