京都三大祭「葵祭」のみどころ、穴場、アクセスなどをご紹介します♪

京都三大祭「葵祭」のみどころ、穴場、アクセスなどをご紹介します♪

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毎年5月上旬に京都で開催される「葵祭」は京都三大祭りの一つです。平安装束に身を包んだ人々の行列は迫力満点。2023年は3年ぶりの行列巡行で大いに賑わいました。葵祭のアクセスやおすすめ見学場所など、2023年の取材レポートを今年の見学プランの参考にしてください♪

Summary

葵祭ってどんなお祭り?

写真提供:上賀茂神社
写真提供:上賀茂神社

葵祭とは、賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭で、「祇園祭」「時代祭」と並んで、京都三大祭りのひとつに数えられる祭りです。

その始まりはなんと1500年以上前。古代の欽明天皇(きんめいてんのう)の時代に凶作に見舞われ飢餓疫病が流行したため、天皇が勅使をつかわし「賀茂の神」の祭礼を行ったのが起源。朝廷の行事として貴族中心にすすめてきたことから、貴族の伝統が色濃く残るお祭りでもあります。

二葉葵(ふたばあおい)

葵祭という名前の通り、さまざまな装飾に葵の葉がモチーフとして見られます。「二葉葵(ふたばあおい)」とよばれる葵の葉は上賀茂神社・下鴨神社の神紋で、神様が力を宿されると考えられています。ちなみに「葵」は「あふひ」と書き、「あふ」=「神様に“逢う”」という意味もあるのだとか。

葵祭のヒロインである「斎王代(さいおうだい)」写真提供:下鴨神社
写真提供:下鴨神社

毎年4月になると、葵祭のヒロインである「斎王代(さいおうだい)」が京都にゆかりのある一般女性から選ばれます。昔、伊勢神宮に奉仕した内親王を「斎宮」と呼ぶのに対し、賀茂社に奉仕した内親王を「斎王」とよびました。当初は「斎王」が葵祭のヒロインでしたが、鎌倉時代に「斎王」の制度が無くなってから、「斎王」の「代理」である「斎王代」がその役を務めるようになりました。

葵祭当日の路頭の儀とさまざまな前儀

葵祭 写真提供:上賀茂神社
写真提供:上賀茂神社

祭りは、行列「路頭の儀」が行われる5月15日に先立ち、5月1日からさまざまな行事が行われます。

流鏑馬神事 写真提供:下鴨神社
写真提供:下鴨神社

代表的な行事のひとつは5月3日の流鏑馬神事で、下鴨神社の境内にある糺の森で行われます。馬を走らせながら正確に的を射抜く高度な技術が必要なため、人気行事の一つです。

競馬会神事 写真提供:上賀茂神社
写真提供:上賀茂神社

5月5日に上賀茂神社で行われるのが「競馬会神事」。乗尻が舞楽装束をつけ、右方(うかた)と左方(さかた)が一対となって馬を走らせ、早さを競います。1馬身の差をつけて2頭の馬を走らせ、その差が広がれば前の馬、縮まれば後の馬の勝利。トータルで左方の勝ち数が多い年は豊作になると言われています。京都市の無形民俗文化財に登録されているこの行事は、鎌倉末期の随筆「徒然草」にも記されていて、昔から人気の行事だったのがわかります。

そのほかにも、4日に行われる、斎王代が身を清める「斎王代御禊の儀」や、5日に行われる葵祭の沿道を弓矢を使って清める魔除けの神事「歩射神事(ぶしゃしんじ)」などが有名です。

葵祭の路頭の儀

路頭の儀は5月15日、祭り当日に平安装束を身にまとった人々が約8キロの道のりを練り歩く華やかな行列です。平安装束を身にまとった人々が練り歩く行列は、さながら現代によみがえった平安絵巻。総勢500余名、馬36頭、牛4頭、牛車2基、輿1台による王朝行列が、およそ8キロの道のりを巡行します。

写真提供:下鴨神社
写真提供:下鴨神社

午前中に京都御所から出発した行列は下鴨神社へ。下鴨神社で祭事を行います。下鴨神社での祭事「社頭の儀」では勅使の御祭文奏上や、舞の奉納があります。

写真提供:上賀茂神社
写真提供:上賀茂神社

その後は上賀茂神社へ出発し、最後は上賀茂神社にて祭事を執り行います。そもそも葵祭は勅使が賀茂神社へ進物を奉ることがルーツ。両神社で行われる「社頭の儀」は祭の最重要部分であるといえます。勅使の御祭文奉上、奉幣(ほうべい)(神様へ御幣物を捧げること)、舞楽では、大勢の参列者の視線が注がれます。雨で「路頭の儀」が中止となった場合でも、「社頭の儀」は上賀茂・下鴨両神社で執り行われます。

見学エリアはどこ?スポット別にレポート!

路頭の儀が行われる5月15日は混雑必至。とにかく人が多いので、いったいどこで見学したらいいの?と思われる方も多いのではないでしょうか。祭り当日、代表的な観覧ポイントを取材したので、混み具合や注意点などご紹介します。

葵祭の路頭の儀 京都御所周辺

京都御所

京都御所は行列の出発地点。10時30分ごろ、御所の正門にあたる建礼門から、京都御苑を南へ直進し、堺町御門から丸太町通りに出て西へ進みます。特に、建礼門から堺町御門までのまっすぐな道をしずしずと進む様子は、路頭の儀のハイライトの一つ。多くの人が詰めかけるポイントですから、希望の位置で見ることはなかなか難しいかもしれません。

ストレスなく見たいなら2時間ほど前から場所取りをしておくか、御所内の有料観覧席を予約するのがベターです。丸太町通の沿道も混雑しやすいスポット。特に堺町御門付近には、行列が門を出てくる様子を見ようと多くの観覧者が集まります。ここで無理に見ようとするより、行列に先回りして河原町通や下鴨神社を目指すほうが良いかもしれません。

葵祭の路頭の儀 河原町通周辺

河原町通

京都御所の周辺よりは混雑が少なく、じっくり観覧したり写真を撮ったりしたいなら穴場!行列は10時50分ごろから車道の西側車線を北上して下鴨神社へ向かうので、西側の歩道で待っていればかなり間近から見ることができますよ。丸太町通・今出川通との交差点付近は混雑しやすいので、中間地点で観覧するのがおすすめです。

下鴨神社

下鴨神社へ向かう出町橋の上では、立ち止まっての撮影が禁止されているので注意!誘導に従ってスムーズに渡るようにしましょう。葵橋の東詰めに撮影スペースがありますが、混雑していてほとんど見ることができませんでした。

神社境内の糺の森には、10時40分ごろから到着。参道の両側に有料観覧席が設置されています。「今通った人は○○です」などと、放送で解説が入るので楽しそうでしたよ。有料観覧席の後ろには無料で見られるスペースもありますが、人が多く木も繁っているため、前の方に立てなければなかなか視界は厳しいです。無料スペースで確実に見たいなら早めに行って場所を確保しておくのがおすすめですよ。

各見学スポットへのアクセスは?

葵祭の行列は京都御所→下鴨神社→上賀茂神社と進んでいきます。ここでは、京都駅から各スポットへのアクセスをご紹介します。

まずスタートの京都御所へのアクセスですが、京都駅から市営地下鉄烏丸線に乗車、丸太町駅で下車すると、京都御苑の南西に着きます。行列がスタートする建礼門までは徒歩15分、堺町御門までは徒歩10分程度です。

写真提供:下鴨神社
写真提供:下鴨神社

下鴨神社へはいくつかの行き方がありますが、一番早いのは、地下鉄とバスを組み合わせる方法。京都駅から市営地下鉄烏丸線に乗車し、北大路駅で下車。北大路バスターミナル(北大路駅)から市バス1番・205番系統に乗り約25分、下鴨神社前で下車してください。

京都御所から下鴨神社へ向かう行列を追いかける場合、京都御所~下鴨神社間は徒歩16分と、歩いても移動が可能。バスを利用する場合は、京都御所の東側、市バス停荒神口から205系統に乗車し、バス停新葵橋で下車しましょう。新葵橋は無料の撮影スペースなので、バスを下車してすぐ撮影できますが、人が結構多いので撮影したい方は早めの移動がおすすめです。

写真提供:上賀茂神社

上賀茂神社へは、京都駅から市バス4番系統に乗車し約45分。市バス停上賀茂神社前で下車すると、神社は目の前です。

下鴨神社から上賀茂神社へ移動する際はバスがおすすめ。市バス停下鴨神社前から4系統に乗車し、上賀茂神社前で下車してください。約30分で到着します。

ただし、祭りの当日は交通規制が敷かれるので、一部のバスはルートを変更して運行します。バスを利用する場合は、事前に京都市交通局の公式Webサイトで運行情報をチェックしておくのが吉。地下鉄を活用したり、足に自信があるなら歩いて移動したりするのもよいでしょう。
例えば、御所で行列を見送ったあと地下鉄を使って上賀茂神社へ先回りし、無料の観覧スペースを確保しておくなど、見たいスポットを絞って効率的に移動できるとストレスが少ないですよ。

有料観覧席の種類は?購入方は?

混雑を気にせずゆったりと観覧したいなら、やっぱり有料観覧席がおすすめ。有料観覧席は京都御苑内の建礼門前南側と下鴨神社参道に設置され、例年4月上旬ごろから販売が始まります。
全席指定で、料金は最前列で4500円/1席、2列目以降で3500円/1席(2023年度)と、思ったよりリーズナブル。下鴨神社参道には、専属のガイドによる解説が聞ける「葵祭まなび席(最前列9500円/1席、2列目以降8500/1席 ※2023年度)」も設置されていました。

チケットはコンビニエンスストアなどで購入可能(例年4月上旬ごろ~)。詳細は京都市観光協会の公式Webサイト確認してみましょう。

日本三大祭の一つ「葵祭」は、まるで平安時代の時代絵巻を見ているようで、非日常を味わえるお祭りです。無料で楽しめるスポットもたくさんあるので、ぜひ見物に行ってみてくださいね。

■葵祭(あおいまつり)
日程:5月15日(※雨天翌日順延、当日判断)
場所:京都御所、下鴨神社、上賀茂神社
ルート:
・京都御所出発(10:30)→堺町御門→丸太町通(10:50頃)→河原町通→下鴨神社到着(11:40頃)
・下鴨神社出発(14:20)→下鴨本通→洛北高校前(14:40頃)→北大路通→北大路橋(14:55頃)→上賀茂神社到着(15:30頃)
料金:観覧自由 ※京都御苑、上賀茂神社、下鴨神社に有料観覧席あり(詳細は京都市観光協会の公式Webサイトを確認)


■京都御所(きょうとごしょ)
住所:京都市上京区京都御苑
TEL:075-211-1215(宮内庁京都事務所参観係)
公開時間:【4~8月】9時~16時20分(最終退出17時)【9月及び3月】9時~15時50分(最終退出16時30分)、【10月~2月】9時~15時20分(最終退出16時)
公開休止日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始※その他行事などの実施により公開休止日あり。詳細は宮内庁の公式Webサイトを確認
参観料:無料
駐車場:京都御苑駐車場を利用

■下鴨神社(しもがもじんじゃ)
住所:京都市左京区下鴨泉川町59
TEL:075-781-0010
拝観時間:6~17時
拝観料:無料
駐車場: 200台※葵祭当日は駐車不可

■上賀茂神社(かみがもじんじゃ)
住所:京都市北区上賀茂本山339
TEL:075-781-0011
拝観時間:5時30分~17時(二ノ島居内)
拝観料:無料
駐車場:あり(有料)

Photo:安岡遥
Text:安岡遥・西出まり絵(エディットプラス)

※祭りの時間や料金は2023年のものです。最新は各公式Webサイトでご確認ください。

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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