【沖縄】天然酵母パンの先駆者!滋味あふれる「宗像堂」のハード系パン
那覇空港から車で約30分。宜野湾市の静かな外国人住宅街にお店を構える「宗像堂(むなかたどう)」は、沖縄の“天然酵母パン”の先駆け的存在です。「え、こんなところに?」と思うような場所にありますが、パンマニアの間では知られた“パンの聖地”で、全国からパン好きが訪れます。
困難を乗り越えて今の宗像堂がある
大学院で微生物の研究をしていた宗像誉支夫(よしお)さんが宜野湾市に宗像堂をオープンしたのは、2003年のことでした。
今でこそ“知らない人はいない”ほどの人気店ですが、お店を構える前に委託販売をしていた頃は“ふわっとした柔らかいパン”が一般的だった時代。天然酵母独特の酸味や香り、噛みごたえのあるハード系パンはなかなか受け入れられず、売れ残ってしまうことも多かったそうです。
しかし「ヨーロッパで食べた硬くて酸っぱいパンがまた食べたくて」と訪れるお客さんが増えはじめ、宗像堂のパンのおいしさは徐々に口コミで広がり、その後機内誌で紹介され、全国のパンマニアにも名が知られるようになりました。
大学院卒業後から今日に至るまで数多くの苦難を乗り越えてきた宗像さんですが「人生に無駄はありません。目の前に来た課題に真摯に向き合えば、その時その時に扉が開かれていくという実感があります」と話します。
掛け継ぎの天然酵母を使用!自作の石窯で焼くのは週2回
宗像堂が使用する酵母は、りんご、にんじん、長芋、炊いたご飯を元種(酵母菌を培養した酵母液を小麦粉と合わせ、育てたもの)に加え、掛け継いできた天然酵母。
改良を加え、現在5代目の石窯で、木曜と土曜の週2回パンを焼きます。
土曜日に焼き上がるパンは、前日の朝方から仕込みを開始し、その間に石窯の準備を始めます。仕込みが終わる22時頃に一旦火を止め、土曜の朝方に再び窯を温め始め、灰や炭を掃除し、午前中いっぱいかけて焼いていく…という流れ。
石窯で焼くまでの行程にも手間と時間がかかるため、1回で2日分のパンを焼き、営業は木曜から日曜までの週4日。
購入したパンを気持ちの良いテラスで
そんな宗像堂のパンは、素朴ながらパワフル。表面はパリッ、中はもっちり。噛み締めるほどに滋味あふれる香りと味わいが広がります。
店内には食パン、バゲット、ライ麦カンパーニュ、フォカッチャ、シナモンロール、ピザなど50種類ほどのパンと焼き菓子が並び、目移り必至です。
黒糖生地にくるみとレーズンを練り込み、バナナをたっぷり使用した「バナナ・こくるれ」が宗像堂の人気No.1。
販売スタイルは「重みを感じてもらいたいから」と、トングではなく、ビニール袋を手にかぶせて手づかみで選ぶスタイルをとっています。
パニーニやジャンボブール、スープ、ドリンクの販売もあり、購入したパンもテラスで味わうことができるので、ちょっと遅めの朝ごはんやランチ、小腹が空いた時にも利用してみてはいかがでしょうか。
緑が広がる庭を眺めながら、のんびりとした時間を。
◾️宗像堂(むなかたどう)
住所:沖縄県宜野湾市嘉数1-20-2
TEL:098-898-1529
営業時間:10〜17時
定休日:月~水曜
アクセス:那覇空港から車で約30分
Photo &text:舘幸子
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