【京都】10粒のイチゴ×甘くない透明なクリームソーダとラベンダーのチーズケーキにきゅんっ!
「透明なクリームソーダ」や「白いクリームソーダ」で注目を集める「and C cocktail & clothing(あんど しー かくてる あんど くろうじんぐ)」。魁(さきがけ)桜で有名な京都・平野神社からすぐの場所にあるとっておきの隠れ家カフェにご案内します。
Summary
あら、びっくり。おしゃれなカフェの奥に潜む「and C cocktail & clothing」
地図を片手に平野神社を西に曲がると、目的地に表示された場所には違う名前のカフェが。「あれ?」と戸惑いますが、建物の奥に目指すお店「and C cocktail & clothing」は、ちゃんとあります。
何気なく歩いていたら、このぽっかりと開いた暗がりの奥にお店が2軒もあるなんて思いませんよね。
頭上に電球がデコレーションされた通路を進むと小さな2軒のお店が並んでいます。手前が「and C cocktail & clothing」、奥はアンティークショップです。通りには面していないため、SNSで興味を持った人だけが訪れることができる半分クローズドな雰囲気が魅力的。
コンパクトだけれども奥行きのある店内は、2つの空間にゆるく仕切られていて、手前がカフェスペース。カウンターにハイスツールが4脚と2人掛けのテーブルが1卓あります。
「and C」の「C」はカクテルの「C」と、衣類の「C」。ご主人が手前のカフェでドリンクとスイーツづくりを、奥さまが奥で古着屋さんとスイーツメニューの企画を担当。ご夫婦で個々に好きなことをしながら一緒の空間で働くのっていいですよね。
甘くないのがうれしい、バーテンダーが作るノンアルコールカクテル
ご主人はもともとブリティッシュパブのバーテンダー。このお店もオープン当初はアルコールメニューがメインだったのですが、昼の営業をスタートしてからはおしゃれなノンアルコールメニューにシフト。「金木犀のレモネード」「葡萄とレモングラスのソーダ」「桃と白ぶどうのフィズ」……とまるで詩のタイトルのような美しい名前のノンアルコールカクテルがメニューに並びます。
そんなノンアルコールドリンクのなかでも一番人気なのが、イチゴの季節に登場する「透明な苺のクリームソーダ」です。ベースになっているのは、「NEMA」のノンアルコールジン。ジンにノンアルコールなんてあるんだ? と思って調べると、日本初のノンアルコールジンで、無農薬で栽培された2種類のバラとスパイスと2種類のハーブ(ジュニパーベリーとラベンダー)、そして天然の湧水で作られているそう。
ステアやシェイクなどバーテンダーの技術を使って作るのが、「and C」のドリンクの特長。材料選びも、味の計算も緻密です。通常、クリームソーダの上にのるのはバニラアイスですが、こちらはジンとの相性で選んだヨーグルトジェラート。イチゴも惜しみなくたっぷりと使ってあって、数えてみると10粒入っていました。
そんなのあり⁉︎ ノンアルコールカクテルとケーキのマリアージュ
もうひとつ驚いたのが、ノンアルコールカクテルとケーキのペアリング。聞いたことのないペアリングです。「透明なクリームソーダ」に合わせているのは「ラベンダーのチーズケーキ」。勘のいい人なら気づいたかもしれませんが、ジンの原材料に含まれているラベンダーとケーキのラベンダーが繋がって、すっきりと口の中で溶け合います。
メニューの片隅にはドリンクとケーキの相性のよさが0~5の星で評価してあります。合わないものは「お互いの香りが消えてしまい、味がわからなくなるためおすすめしていません」と正直に書いてあるところが好印象。
小麦粉を使わないグルテンフリーのお菓子たち
そして、提供されているケーキはすべてグルテンフリー。美容や健康への意識が高い方たちが注目している小麦粉を使わないケーキです。ケーキの土台になっている部分はこだわって大豆の粉を使っているのだとか。
口に運ぶとほんのりとラベンダーの香り。ひんやり冷たいチーズケーキの舌ざわりと爽やかなラベンダーの香りが、たしかにジンベースのすっきりとしたノンアルコールカクテルによく合います。土台のクッキー部分も大豆粉で作っているだけあって、ほろほろと軽いのに、ざくっとした歯ざわりもあっておいしい。とても繊細な大人のデザートです。
お持ち帰りできるマドレーヌもグルテンフリー。味は「カモミールとアールグレイ」「涼みお濃茶」「山椒キャラメルとほうじ茶」の3種類。手みやげやちょっとしたプレゼントにもおすすめです!
日常のワードローブに取り入れたいシンプルでひとくせある古着たち
カフェの向こう側、アーチ状にくり抜かれた壁の先には古着屋さんがあります。扱うのは主にヨーロッパの古着。セレクトの基準にしているのは「らしさの透ける、日常の古着。」気をてらわず、その人の個性がさりげなく透けて見えるような普段使いのアイテムを選んで置いているそう。
ベーシックなようでいて、ひとくせある。さりげないデザインや襟口の始末などに愛着が湧いて手放せなくなるような、温かい気持ちになれるアイテムが揃っています。商品の多くは1万円前後。手にしやすい価格帯です。
ちょっとした繕い物は、店内の一角で。ほとんどが一点ものの古着だからこそ、大切に扱われているのがうれしいですね。
京都では「ここの桜が咲きだすとお花見が始まる」と言われる早咲き桜で有名な平野神社から歩いて3分ほど。でも、きっと知っている人しかたどり着けない「and C cocktail & clothing」。花見のあとのうきうきした気分のまま訪れたい、おすすめのお店です。
■and C cocktail & clothing(あんど しー かくてる あんど くろうじんぐ)
住所:京都府京都市北区平野上八丁柳町30 HOTEL102 EAT LIVES
TEL:075-285-1884
営業時間: 11~19時
定休日:火曜、不定休
アクセス:京福電車北野白梅町駅から徒歩10分
Photo:photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子
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