【埼玉・川越】いま注目のリノベスポット・喜多町弁天長屋へ!
歴史の街・川越で、新しい街づくりムーブメントが生まれています。廃れていた路地裏の長屋をおしゃれにリノベーションし、カフェやショップ、作家の工房などに活用。地元の人と観光客の両方が集うクリエイティブな空間として注目を集めています。
レトロな長屋がモノづくり発信基地に
川越観光の中心・一番街からほんの少し北側へ。わずか100mほどの細い路地が通称「弁天横丁」です。大正時代から戦後にかけて花街があった通りで、路地に面して立つ数棟の長屋は芸者さんの住まいや置屋として利用されていたとのこと。近年では空き家となって荒れていた長屋を、川越の商店主や青年会議所、各分野の専門家などから成る市民有志団体「川越蔵の会」が中心となってリノベーションし、「喜多町弁天長屋」が誕生しました。
喜多町弁天長屋は弁天横丁に残る4棟の長屋のひとつで、明治時代に埼玉県重要物産陳列所として建てられたと推測されています。川越蔵の会による改装工事を経た後、革製の靴やカバンの修理を行う職人さんが工房を構えたのを皮切りに、作家やアーティストの工房・ギャラリー、食堂などが次々と入居。モノづくりやアートの発信拠点として賑わいを見せています。
トモリ食堂で味わう“カフェの定食”
喜多町弁天長屋で営業をする店舗のひとつが「トモリ食堂」。もともと東京・護国寺で「トモリCafe」を7年間経営していた店主・田代さんが2021年7月に移転オープンしたお店です。大部分をセルフリノベーションで仕上げたという店内は、モルタル風に塗られたグレーのしっくい壁、アンティークテイストの調度や照明が相まってレトロ可愛い空間に。
店主の田代さんがこだわるランチは、カフェ飯のようなおしゃれな盛り付けながら、しっかりとした満足感が得られる“カフェの定食”です。人気の「ごはんセット」は和食系のおかず(日替わり)4種類から1つを選び、雑穀ごはん、味噌汁、副菜、サラダが付くというもの。埼玉県産の卵と北海道牛乳を使った「ちょっといい卵のプリン」をはじめ、自家製スイーツやこだわりのドリンク類も揃い、カフェとしてもおすすめです。
■トモリ食堂(ともりしょくどう)
住所:川越市喜多町2-1
TEL:非公開
営業時間:11時30分~15時(土・日曜は~16時30分)
定休日:月・火・金曜
bero弁天長屋でアイアン家具と北欧食器を
東京・板橋区でロートアイアンの制作を行う鉄工房bero iron works中井貴史さんと、グラフィックデザイナーの小林チエさんが2022年4月にオープンしたショップ。椅子やテーブルといったオリジナル家具は、シンプルで美しく、さらに使うほどに暮らしに馴染むデザインが魅力です。家具やアイアン雑貨の販売のほか、オーダーメイドの発注も可能です。
店内で目を引くのは、フィンランドのARABIAを中心に北欧で直接買い付けてきたビンテージのカップ&ソーサーやプレート。人気の定番デザインからレアアイテムまで揃っています。また、木工や紙モノ、ガラス、アイアンなど、各地のクラフトマンによる作品の企画展示・販売コーナーもあるので、気になるモノがないかぜひチェックしてみてください。
■bero弁天長屋(べろべんてんながや)
住所:川越市喜多町2-1
TEL:非公開
営業時間:11~18時
定休日:月・火曜(祝日の場合は営業)
喜多町弁天長屋には2024年3月現在、ご紹介した2軒のほか染色家、画家、和竿作りの職人など計9つのテナントが入っています。現代版の長屋文化を感じながら、いつもと少し違う川越を楽しんでみましょう。
Text&Photo:岩田衣織
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