四国カルストから、“雲の上の町”梼原の建築巡りへ

四国カルストから、“雲の上の町”梼原の建築巡りへ

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高知県と愛媛県の県境、標高1000〜1500mのカルスト台地「四国カルスト」。その東端に位置する天狗高原で注目したいのが、星空をテーマにリニューアルオープンした宿泊施設「星ふるヴィレッジTENGU」です。満天の星を眺める宿泊体験の後は、麓の梼原(ゆすはら)町へ。世界的建築家・隈研吾氏設計の建築物巡りが楽しめます。

Summary

星空観察&プラネタリウムで天狗高原に広がる満天の星を満喫

四国カルストの絶景スポットとして知られる天狗高原は、白い岩肌の石灰岩が大草原に点在するカルスト特有の風景が眺められる場所。標高が高く、平地と比べて空気量が少ないことから、美しい星空が眺められることでも知られています。
四国カルストが初めてなら、天狗高原にある観光拠点「カルストテラス」へ。2022年にリニューアルした施設内の展示を通して天狗高原や四国カルストの自然について学べるほか、晴れた日は室戸岬や足摺半島まで見渡せるテラスやカフェも併設しています。
 
■カルストテラス(かるすとてらす)
住所:高知県高岡郡津野町芳生野乙4921-48
TEL:0889-62-3371
開館時間:9〜17時
休館日:月曜(祝日の場合は振替)
料金:入館無料
今回のお目当て、「星ふるヴィレッジTENGU」はカルストテラスのすぐそば。2021年、星空をテーマにリニューアルオープンしました。

夜空を見上げることができるメゾネットタイプの星空客室のほか、天狗高原の眺めが楽しめるデッキツインの客室も備えています。
また、四国カルストの星空や周辺の雄大な自然などをさまざまなプログラムで投影するプラネタリウムを併設しているのも特徴の一つ。クッションも置かれた直径11.2m全天周型プラネタリウムは17時以降宿泊者専用に。滞在中はカルストの風景はもちろん、星空観察やプラネタリウムで、夜は満天の星をゆっくりと眺めることができます。日中のプログラムは一般利用(800円)もOKですよ。
 
■星ふるヴィレッジTENGU(ほしふるゔぃれっじてんぐ)
住所:高知県高岡郡津野町芳生野乙4921-22
TEL:0889-62-3188
チェックイン: 15時〜
チェックアウト:〜10時
定休日:水曜
料金:1泊2食付1万2320円〜(大人2名1室利用時、サービス料・税込)※2024年7月から1泊2食付1万4040円〜

“雲の上の町”梼原は隈研吾氏の建築物がみどころ

「雲の上のギャラリー」
「雲の上のギャラリー」
四国カルストを後にして向かうのは、南麓に位置する梼原町です。梼原町は町面積の91%を森林が占め、標高の高さから、“雲の上の町”ともよばれています。梼原町は建築家の隈研吾氏との縁が深く、町内には隈研吾氏設計の建物が点在しています。
 
まず訪れたのは、国道197号線沿いの太郎川公園の一角で存在感を放つ「雲の上のギャラリー」。梼原の森林に溶け込むような建築物をテーマに、隈研吾氏が設計。軒を支える日本建築の伝統的な斗栱(ときょう)をモチーフに、刎木(はねぎ)を何本も重ねながら桁を乗せていく「やじろべえ型刎橋(はねばし)」は世界でも類を見ない架構形式で、その大胆な構造と外観は町のシンボル的存在です。
ギャラリー内では隈研吾氏の設計思想や梼原町との関わりも紹介しています。

■雲の上のギャラリー(くものうえのぎゃらりー)
住所:高知県高岡郡梼原町太郎川3799-3太郎川公園内
TEL:0889-65-1250(梼原町産業振興課)
開館時間:9〜17時
休館日:無休
料金:入館無料

雲の上のギャラリーから車で約5分で梼原町総合庁舎が立つ梼原町の中心部へ。隈研吾氏は昭和62年(1987)、町内の芝居小屋「梼原公民館(現ゆすはら座)」の保存活動に参加したことを契機に、ホテルや総合庁舎など、町内のさまざまな施設の設計を担当するようになりました。梼原町は隈研吾氏にとって「自分の原点」と話す場所だといいます。和洋折衷様式で県内唯一の木造芝居小屋でもある「ゆすはら座」は、内部の見学もできます。
 
■ゆすはら座(ゆすはらざ)
住所:高知県高岡郡梼原町梼原1496-1
TEL:0889-65-1350(梼原町生涯学習課)
開館時間:9〜17時
休館日:無休

また、平成30年(2018)に開館した町の図書館も、梼原産木材を活用した隈研吾氏設計の建物。館内にはカフェも併設しています。
木組みの大胆な構造によって、森の中のような空間が広がる館内は、靴を脱いで入館するスタイル。建築美と読書のひとときを楽しみに、遠方から訪れる人も多いそうです。
 
■梼原町立図書館(雲の上の図書館)(ゆすはらちょうりつとしょかん くものうえのとしょかん)
住所:高知県高岡郡梼原町梼原1212-2
TEL:0889-65-1900
開館時間:9〜20時
休館日:火曜、最終金曜

梼原町でおみやげを探すなら、町の中心部の一角にある「まちの駅ゆすはら」へ。ここは梼原町周辺の特産品が集まる市場とホテルが融合した施設で、隈研吾氏が町内の茅葺きをヒントに、印象的な茅のファサードをもつ建物を設計しました。
館内は杉丸太を林立させ、「町の中にある森」のコンセプトを表現。1階には新鮮な農産物をはじめ、おみやげにもなる加工品、工芸品などがずらりと並んでいます。
 
■まちの駅ゆすはら(まちのえきゆすはら)
住所:高知県高岡郡梼原町梼原1196-1
TEL:0889-65-1117(市場)、0889-65-1288(ホテル)
営業時間:8時30分〜18時(市場)
定休日:無休

建築巡りの途中で立ち寄りたい梼原のスポット
「太郎川公園」内にある「雲の上の温泉」の露天風呂
「太郎川公園」内にある「雲の上の温泉」の露天風呂
町内には茅葺き古民家でのランチをはじめ、自家焙煎のコーヒーを味わえるカフェ、豊かな自然に囲まれた複合施設など、観光途中で立ち寄りたいスポットがあります。
 
国道197号線沿いの「太郎川公園」は、森林の中にあるキャンプ場をはじめ、道の駅 ゆすはら、日帰り入浴施設、室内型温水プールもある大型複合施設です。なかでも露天風呂なども備えた「雲の上の温泉」は地元でも人気。美人の湯とよばれる源泉掛け流しの湯を楽しめます。
 
■太郎川公園(たろうがわこうえん)
住所:高知県高岡郡梼原町太郎川3799-3
TEL:0889-65-1250(梼原町産業振興課)
営業時間:8時30分〜20時(施設により異なる)
定休日:無休
 
■雲の上の温泉(くものうえのおんせん)
営業時間:11時30分〜21時30分最終受付(月・火曜は15時〜、冬期は〜20時30分最終受付)
定休日:無休
料金:入浴500円※2024年4月から町民以外は入浴700円

ランチは太郎川公園内にある「農家レストラン くさぶき」がおすすめ。伝統的な茅葺き古民家の店内で、町内で飼育するキジ肉を使ったキジ飯や太めの梼原そばなどの郷土料理が味わえます。坂本龍馬が梼原町を通って脱藩したことにちなんだ「脱藩定食」900円は、梼原の味覚がぎゅっと詰まった人気メニューです。
 
■農家レストラン くさぶき(のうかれすとらん くさぶき)
TEL:0889-65-0500
営業時間:11時〜13時30分LO
定休日:無休

町の中心部で観光時にひと息つきたい時は、東京の名店でコーヒーを学んだオーナーが営むカフェ「COFFEE FLAG」へ。厳選した世界中の豆を焙煎し、丁寧に一杯ずつ入れるコーヒーは常時20種類以上。バタークリームケーキなど、コーヒーによく合う手作りのケーキも用意しています。
苦味と酸味のバランスがとれた「FLAGブレンド」530円と「バタークリームケーキ」450円
苦味と酸味のバランスがとれた「FLAGブレンド」530円と「バタークリームケーキ」450円
■COFFEE FLAG(こーひーふらっぐ)
住所:高知県高岡郡梼原町梼原1155-6
TEL:0889-65-0580
営業時間:8〜16時
定休日:木・金曜


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Text:mado.lab
Photo:畑中勝如

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●この記事は『大人の日帰り旅中国四国』に掲載した内容をもとに作成しています。
●掲載の内容は『大人の日帰り旅中国四国』取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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