【おとなのソロ部】世界に一つのファブリックミスト作り!原宿の隠れ家サロン「ann fragrance」で調合師と作るひとり時間に寄り添う香り
好きな香りに囲まれて生活するのって、幸せですよね。とはいえ「これだ!」という香りには、なかなか出合えないという人もいるのではないでしょうか。それなら、自分で作ってみるのはいかがでしょうか?JR原宿駅から徒歩約12分のヴィンテージマンションの1室にある隠れ家サロン「ann fragrance(あん ふれぐらんす)」では、35種類の香りを自分好みに調香し、世界に一つだけのファブリックミストを作ることができます。リラックスするひとときに寄り添う香りを、早速見つけに行きましょう。
圧巻!35種類ものオリジナルの香りがずらり。まずは好きな香りを選ぶ
「ann fragrance」は、JR原宿駅から12分ほど歩いた場所にある白壁のヴィンテージマンションの一室にあります。街ゆく人のおしゃれなファッションや気になるお店をチェックをしつつ原宿さんぽをしていると、あっという間に到着です。
お店があるのは1階。外から店の様子を見ることはできないので中に入る前は少しドキドキしますが、店内は開放的で明るい雰囲気。安心して青い扉を開けましょう。
内装は、ヴィンテージ感がありつつもモノクロのタイルなどがポップな印象。置かれているインテリアは、部屋のサイズにぴったりとはまるようにオリジナルで作られたものだとか。おしゃれで洗練された空間に、テンションが上がります。
今回挑戦するのは、50mlの「ファブリックミスト作り」4950円、所要時間50分。ファブリックミストは香水とは違い地肌に直接使うことはできませんが、洋服、寝具、カーテンなどの布類に吹きかけて香りを楽しむことができるアイテムです。予約は、公式サイトで2週間前から受け付けています。土・日曜、祝日は埋まりがちので、早めに予約するのがおすすめです。当日でも空いていれば、体験が可能。当日の空き確認は、公式SNSのダイレクトメ―ルから行うことができます。
早速、香り選びから。ずらりと並ぶ35種類のオリジナルの香りからお気に入りの香りを5種類選んでいきます。この35種類の香りは「エヴァリュエーター」とよばれる、調合師とタッグを組んで香水を作り上げるプロによって、何十という原料を混ぜ合わせ緻密な計算によって作り出されたものだそう。フルーティー、フローラル、ウッディ、オリエンタルなどのさまざまな香りがあり、どう調合しても相性がよくなるように作られています。35種類のベースの香りは、公式サイトでオンライン販売もされています。
調合師から、こちらのビンゴカードを手渡されました。このビンゴカードを使いながらひとつひとつ香りを嗅いでいき、いいと思った香りの番号をすべて折り曲げていきます。
香りをたくさん嗅いでいくと、自分はどの香りが好きなのか分からなくなってくることも。だからこそ直感で「好き!」と思った香りは、すべてチェックしていきます。
香りだけに集中して選んでいく時間は、とてもぜいたく。どれもいい香りなのですが、「これ好き!」と感じた香りをどんどんセレクトしていきました。
フルーティー、フローラル、ウッディ、オリエンタルなどたくさんの香りがありますが、すべて日本人の好みの香り。なかでも人気は、5番「FLOWER SHOWER」・28番「THE HOTEL LOUNGE」・35番「PHANTOM MUSK」だそう。共通してムスクが入っています。
いろいろな香りを嗅いでいるうちに香りが混ざってよく分からなくなってきたら、コーヒー豆が入っている瓶の香りを嗅いででリセット。香りを試している間も「どんな香りが好みですか?」と、スタッフがアドバイスをくれます。リラックスする香りがいい…といったような、抽象的な希望でも大丈夫。希望を伝えると、それに合った香りを提案してくれますよ。
35種類の香りをすべて嗅いだ1周目の結果がこちら。5つ以上チェックしているので、これらの香りをもう一度嗅いで、さらにここから好きな香りを5つに絞っていきます。「次は少し心を鬼にして、少しでもこの香りは違うと思ったらチェックを外してくださいね」というアドバイスを受け、再チャレンジ。
なんとか5つに絞りました!これが、結構迷う作業でした。とはいえ、ゆっくり選んでも大丈夫。ここで20分くらいかけて選ぶという人もいるようです。さらに、この5つのなかから「絶対にこの香りを入れたい」という2つの香りを選びます。そうして、選んだ2つの香りをベースに、5つの香りを混ぜて、自分だけの香りを作っていきます。5つ全部を混ぜても、2つだけを混ぜるのてもOK。どんな香りになるか、とても楽しみです!
好きな香りをベースに、調合師に相談しブレンド
いよいよブレンドです!奥の調香スペースへと移動します。こちらでは、調合師とマンツーマンで香りを確認しながら、自分だけの香りを作っていきます。大理石造りのこちらのカウンターは長さ6mもあるのだそう。洗練された空間で自分だけの香りを作ってもらえるなんて、なんともぜいたくです。
ここで説明を受けます。注意点として、液体の調合は一度、香料を入れると元に戻すことができない、ということを教えてもらいました。とはいえ、調合師と相談をしながら細かく調整した香りを、調合前に紙の上でチェックしてから進めるので、ご安心を。
「ann fragrance」では、香りの名前も自分で考えることができます。自分で考えた香りの名前をラベルに印字してもらえるなんて素敵!文字数の制限はなく、2行にすることも可能。ギフトで渡す場合はメッセージにすることもできます。使える文字は英語と韓国語で、記号もパソコン上にあるものであれば使うことができます。フォントは2種類。
さらに、ファブリックミストに色を付けることもできます。カラーは、クリア・ピンク・オレンジ・イエロー・グリーン・ブルー・パープルの7種類。キャップは、ゴールドかシルバーから選ぶことができます。色を付けてももちろん香りには影響せず、布にプッシュした場合も色移りすることはありません。
今回選んだベースとなる2つの香りは、28番「THE HOTEL LOUNGE」と34番「PURPLE WOOD」。選ぶときに添えてあったカードに香りの丁寧な説明がありましたが、ここで調合師からも香りについての説明を丁寧にしてもらえます。
「THE HOTEL LOUNGE」は、ムスクが中心となった深みと甘みのあるとても高級感のある香り。「PURPLE WOOD」はウッドベースにピンクペッパー・ジンジャー・コリアンダースパイスを入れた、スパイシーですっきりとした香り。あらためて、自分の好きな香りの傾向が分かります。
調合は、すべて調合師が行ってくれます。提案してもらえる香りを嗅ぎながら「もう少しすっきりしたほうがいい」など好みを伝えていくと、調合を変えてさらに提案してもらえます。ここでは遠慮せずに、何度もリクエストして大丈夫だそう。
吹きかけてから40~50秒でメインの香りに移り変わります。コーヒー豆を使い、リセットしながら、自分の嗅覚に正直に感想を述べてみるのがポイント。嗅いでみたところ「思ったより甘いな…」と感じたので、それを素直に伝えてみました。「ムスクの甘みが強く出ているのかもしれませんね。今のは等倍で混ぜただけなので、調合を変えてみますね」と調整してしくれます。
2つのベースの香りの調合を変えることはもちろん、ほかに選んだ3つの香りを混ぜたらどうなるのかも試してもらえます。数種類の香りを嗅ぎ、「これはイメージと違う」というものを外していきます。それを見て調合師が、好みの傾向からより自分の好みにあったものを提案してくれます。「試してみたい場合は、いくらでもおっしゃっていただければ。ゆっくりで大丈夫ですよ」。気軽に話せるので、こちらもリクエストを伝えやすい雰囲気です。香りを嗅いでいる間も、その香りに対するアドバイスを丁寧にしてもらえます。
何種類か嗅いでいるうちに「好みだ!」という香りがありました。それが確定して初めて、変性アルコールとろ過した精製水を混ぜた基材に香料を混ぜていきます。それから微調整をし、香りの完成です。
ベースの香りが全部で35種類あるので、大体32万通り以上もの香りを作ることができるそう。さらに同じ組み合わせでも配合率が変わることで、まったく印象が変わります。そうなると、香りの種類は無限に。完全にオーダーメイドの香りとなるのです。
一番好きな香りが完成!色付けの様子は動画がマスト
香りが完成したら、次は色付けの作業。写真映え、動画映えが抜群なので、ほとんどの人が撮影をするそうです。今回はパープルを選んだので、赤い着色料と青い着色料を混ぜていきます。
変性アルコールとろ過した精製水に油分である香料を混ぜたため、それを攪拌して混ざりやすいような基材を入れます。そうなるとシュッと泡立つんです。ここも、動画撮影がマストです!
これで、世界で一つだけの自分だけの香りが完成です。所要時間は約50分ですが、筆者の場合は好きな香りの方向性が割と定まっていたので、35分ほどで作ることができました。自分の好きな香りがよく分からず悩んでしまうという場合は、好きな香りのイメージをある程度もって、臨んでみるといいかもしれません。
巾着に最初に選んだ5つの香りから一番好きな香りを付けて渡してもらえます。香りの好みが分かっている友人へなら、プレゼントにも喜ばれそう!今回の体験で何をどの割合で混ぜたかのレシピカードも同梱されているので、また同じものが欲しいと思った場合はSNSのダイレクトメールで連絡すれば注文可能。
会計後は、アトリエ内で自由に撮影することができます。こうしてミラーのところで写真を撮るのが人気だそう。鏡には35種類のベースとなる香り名が書かれているので自分の一番好きな香りが書かれた場所で撮るのもいいかもしれません。
今回の取材は原宿店でしたが、2024年2月には浅草店もオープン。浅草店は原宿店とは少し趣が異なり、映画監督であるウェス・アンダーソン氏の世界観を彷彿とさせる絶妙なカラーバランスで彩色されたアトリエとなっています。イタリアンミッドセンチュリーで統一されたまた違った趣の空間です。オープン当初から観光客をはじめ多くの人が訪れているそうですよ。
自分の好きが詰まった自分だけの香りを作れるなんて、なんだか素敵です。好きな香りに囲まれた生活は、さらに充実したものになりそうですね。
■おすすめの利用シーン:自分だけの香りが欲しいとき、集中して自分の香り選びをしたいとき、原宿さんぽのついでにどこかに立ち寄りたいとき
Text:松崎愛香
Photo:yoko
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