【おとなのソロ部】未来の自分へ手紙を送る、詩的喫茶で過ごすひとりの休日「封灯」
人生の節目や、せわしない日常のなかでひと息つきたいとき、手紙を書いてみてはいかがでしょうか? 2023年12月に蔵前にオープンした「封灯(ふうとう)」は、1年後の自分に手紙を送ることができる詩的喫茶。詩を読み、ドリンクやスイーツを味わいながら、じっくり自分と向き合うことができます。そんな心のデトックスにもなるスポットをご紹介します。
壁一面の手紙がおしゃれ!アンティーク空間に癒やされる
都営地下鉄大江戸線蔵前駅から徒歩約2分。路地の一角に、レトロなたたずまいの「封灯」があります。大きなウィンドウからアンティークな空間がのぞいていて、入る前からわくわく。
「封灯」は、同じく蔵前にある「自由丁(じゆうちょう)」の2号店で、1年後の自分に手紙を書く体験ができる喫茶店。「自由丁」は手紙を書くことに特化したアトリエですが、「封灯」はドリンクやスイーツも楽しめるお店です。基本は予約なしでもOKですが、混雑が予想される土・日曜、祝日に訪れるなら、公式サイトからの予約がおすすめです。
店内に入ると、壁一面に封筒がぎっしりと飾られていて、一気にお店の世界観に引き込まれます。
実はこの封筒、366枚あり、手紙を日付順に並べるための保管棚の役割りを果たしているんです。
手紙の封をしているシーリングスタンプのカラーはすべて暖色系で統一されていて、店名にもなっている「訪れた人の心を明るく照らす“灯り”」を表現しているのだそう。
1900年代初期のアンティークを中心としたテーブルと椅子からは、作り手のぬくもりが伝わってきます。お店自体もリノベーションをしているため、どこか懐かしさを感じ、落ち着いて手紙を書くことができそうです。
言葉やアートに触れてドリンク&スイーツを楽しむ
「封灯」では、「A CUP OF LETTER(あ かっぷ おぶ れたー)」平日770円〜/土・日曜、祝日990円〜と、「TOMOSHIBI LETTER(ともしび れたー)」2970円〜という、2つのコースが用意されています。
「A CUP OF LETTER」は、ドリンクとスイーツが楽しめる喫茶コースで、スイーツには、オーナーである詩人の小山将平さんが書いた詩が添えられています。「TOMOSHIBI LETTER」はドリンク+プチデザート付きで、1年後の自分に手紙を書くコースです。
今回は「TOMOSHIBI LETTER」コースで、自分への手紙を書くことに。
ドリンクは、「コーヒー」「お茶」「クラフトジンジャーエール」などから、プチデザートは「バナナブレッド」「フルーツローフ」から選べます。今回は、「お茶」と「フルーツローフ」をチョイス。
「お茶」は、有機煎茶をはじめとした味わい深い日本茶を提供する「白玄堂」のお茶を、日替わりで楽しめます。風味豊かでやさしい味わいで、体の内側からホッとほぐれていきます。
ひと口スイーツの「フルーツローフ」は、名古屋で人気の「守山ベーカリー」から取り寄せたもの。ドライフルーツの酸味がアクセントになった味わい深いパンで、小ぶりながら大満足の一品です。
スイーツは+660円〜で喫茶コースである「A CUP OF LETTER」と同じメニューを追加することもでき、「バナナブレッド」「フルーツローフ」「ガトーショコラ」「アイスクリームwith カカオニブ」から選べます。
今回は特別に、自家製の「ガトーショコラ」もいただくことに。チョコレートは、蔵前にお店を構える「ダンデライオン・チョコレート」のものを使用。ずっしりと濃厚な口あたりに感動しました。
デザートにはおしゃれな詩のプレートも添えられています。複数の詩の中から、スイーツやお客さんの雰囲気に合わせて、スタッフが毎回セレクトしているそう。どんな詩と出合えるか、訪れたときのお楽しみです。
心のデトックスに!自分に手紙を書く特別なひととき
スイーツを食べながら、手紙を書いていきます。レターセットにはテーマが3種類あり、書きたい内容のものを直感でひとつ選びます。
テーマはそれぞれ「新しい今日へ向かう曙の空と共に」「日々を眺める穏やかな日盛りの中で」「自分が滲む静かな宵にて」で、テーマによってリフレクションカードの内容や、ウェルカムカードの写真、詩の内容が異なります。
今回は、「新しい今日へ向かう曙の空と共に」をセレクト。曙のフォトカードの裏には、小山将平さんの詩が。心の琴線に触れるような美しい言葉を眺めていると、どこか緊張していた心が自然とほぐれていきます。
まずは、リフレクションカードの質問に答えていきます。質問内容は、その日のことや、最近思ったことなどについて。
質問についてじっくり考え、言葉や文字にすることで、忙しい日々の中で見落としていた気持ちや、自分が大事にしているものが自然と整理されていきます。
途中、質問の答えに迷ったり、ひと息つきたくなったら、アートや装飾を眺めたり、各机に1冊ずつ置いてある小山さんの詩集を読んでみるのもおすすめ。
書きたいことがまとまったら、1年後の自分に向けて手紙を書いていきます。
イラストが描かれたポストカードには、家族、友人、恋人など誰かへ向けた手紙を書いて、そのまま持ち帰ります。自分のことを振り返る中で、思い浮かんだ大切な人へ向けて手紙が書けるのはうれしいですね。
机には色鉛筆やクレヨンなども用意されているので、手紙にデコレーションしたり、イラストを書いたりしてもOK。心ゆくまで手紙を彩ってみましょう。
最後に、手紙を封筒へ入れ、シーリングスタンプを押します。スタンプに使う蝋は、豊富なカラー展開から4色をチョイス。
選んだ蝋を熱で溶かしたら、つまようじでかき混ぜます。混ぜ具合によってマーブル模様になったり単色に近づいたりするので、自分好みの色を表現しましょう。
封筒の上に円を描くようにして蝋を垂らしたら、上からやさしく置くイメージでスタンプ。そのまま30秒ほど待ってゆっくりと剥がすと、世界にひとつしかないスタンプが完成しました。
完成した手紙は、ポスト投函の前に撮影をしてもOK。お店の人にお願いすれば、手紙と一緒に記念写真を撮ってもらうこともできますよ。
撮影タイムを楽しんだら、店内にある専用のポストに投函します。記入した日付から1年後に手紙が届けられるので、それまでのお楽しみに!
今回は、未来の自分に手紙を送れる喫茶「封灯」をご紹介しました。人生の節目に、何でもない日に、自分と向き合うすてきな時間を過ごしに訪れてみてはいかがでしょうか?
■封灯(ふうとう)
住所:東京都台東区蔵前3-15-4 プチドール蔵前101
TEL:070-8957-1727
営業時間: 13〜21時(土曜は10時〜、日曜は10〜20時) ※LOは閉店30分前
定休日:火曜
■おすすめの利用シーン:物思いに耽りたくなったとき、癒やされたいとき、心の中を整理したいとき
Photo:鳥居まなみ(vivace)
Text:土井彩寧(vivace)
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