【日光】西参道~西町さんぽでレトロな雰囲気と絶景を満喫♪
日光東照宮をはじめ世界遺産の社寺を参拝した後は、西参道から西町へおさんぽにでかけるのはいかが?西町とは、二社一寺のある日光山内の西側に広がるエリアのこと。歴史ある建物や自然が多く、思わず写真に収めたくなるフォトスポットもたくさん。歩いてめぐれば、知らなかった日光の魅力が見つかるかもしれません。
Summary
日光名物グルメが集結!「西参道茶屋」でひと休み
「西参道茶屋」は、地元の飲食店が4店舗集結したグルメスポット。昔ながらの参道の茶屋をイメージした木造平屋建ての建物で、各店こだわりのメニューを提供しています。
二荒山神社から西参道を歩いて7分ほどの場所にあり、社寺の参拝後の休憩にも最適です。
「日光珈琲 西参道(にっこうこーひー にしさんどう)」は、テイクアウトスタイルで自家焙煎のコーヒー500円などを提供。ほっと一息つきたい時にぴったりです。日光天然氷のかき氷800円も好評。栃木や全国からセレクトした雑貨も販売しています。
「茶寮 日りん(さりょう にちりん)」は、日光珈琲が手掛ける日本茶専門のカフェ。各種日本茶や和風パフェ、日光名物の湯波を練り込んだうどん1100円などを提供しています。併設の「ニッコーラスタンド」ではクラフトコーラ500円などのドリンクをテイクアウトできます。
ガッツリ食べたい方には「Manten chicken grill nikko(まんてん ちきん ぐりる にっこう)」がおすすめ。日光醤油と麹をベースにした特製ソースに漬け込み、炭火で焼き上げるマンテンチキン780円は香ばしくてジューシー。チキンと相性抜群のレモネード590円のほか、生ビール700円などアルコールの提供もしています。
散策の疲れを癒やすあまーい名物スイーツも。「日光ドラバタさん」では、どら焼きにバタークリームを挟んだドラバタさん330円~や、ジェラートを挟んだドラジェラさん380円~を販売。ドラジェラさんに挟むイチゴジェラートには、自家農園で栽培したとちおとめを使用しています。
■西参道茶屋(にしさんどうちゃや)
住所:栃木県日光市安川町10-20
TEL:03-5962-0102(東武鉄道お客さまセンター)
営業時間:10〜17時
定休日:店舗により異なる
駐車場:なし
アクセス:バス停西参道茶屋下車すぐ
江戸時代の建築様式を残す侍屋敷「金谷ホテル歴史館」
西参道茶屋から徒歩6分ほどの場所にある「金谷ホテル歴史館」。江戸時代に建てられた武家屋敷で、明治6年(1873) に金谷ホテルの前身「金谷カテッジイン」として開業しました。現在は金谷ホテルの歴史を紹介する資料館として公開されています。
日光東照宮の雅楽師を勤めた金谷善一郎が、アメリカ人宣教医・ヘボン博士の勧めで、自宅である武家屋敷を外国人専用の民宿として改造。日光を訪れた多くの外国人が宿泊しました。英国人旅行家のイザベラ・バードも宿泊したことを旅行記に綴っています。
外国人客が親しみを込めて「サムライハウス」と呼んだこの「金谷侍屋敷」は、宿泊施設としての役目を終えてからも大切に保存され、2014年に国の登録有形文化財に。現存する日本最古の西洋式リゾートホテルの発祥地という文化的遺産として、武家屋敷の様式を残す建築遺産として、2つの歴史的価値を併せ持っています。
建物内では、実際に使われていた客室や道具などを見ることができます。囲炉裏やかまどを備えた台所などに往時の雰囲気が漂います。イザベラ・バードが滞在した客室も見学できますよ。
侍屋敷の外には趣のある庭園が広がります。資料展示室や、金谷ホテルベーカリー、レストランなどもあり、創業150年の歴史と伝統を誇る金谷ホテルの創業時の面影を存分に感じられます。
クラシックな名建築を優雅に見学「日光田母沢御用邸記念公園」
「日光田母沢御用邸記念公園」では、明治から昭和大正まで天皇・皇太子の静養地として使われた建物内の一部と荘厳な庭園を見学できます。金谷ホテル歴史館から徒歩4分ほど。
明治32年(1899)、当時皇太子だった大正天皇の夏の静養地として造営されました。金谷ホテルの開業も支援した銀行家・小林年保の別邸に、赤坂離宮などに使われていた旧紀州徳川家江戸中屋敷の一部を移築、その他を新築したもの。大正時代に入り大規模な増改築が行われ、江戸時代後期から明治、大正と三時代の異なる建築様式が共存しています。
公式な来客時に使用された謁見所。格式ある書院造でありながら、天井にシャンデリア、畳にイギリス製じゅうたんを敷いた和洋折衷様式の空間です。最高級の木材と技を尽くした建築で、木材の宝石箱とも呼ばれているのだそう。
天皇の書斎として使用された御学問所は、旧紀州徳川家中屋敷から移築。丸窓からのぞく庭園の景色に風情を感じます。梅の間と称され、壁や照明のかさなどさまざまなところに梅のモチーフが使われています。
襖の引き手や釘隠しに付いている錺(かざり)金物は、建築時期や部屋によって意匠が異なります。各部屋をめぐりながら、お気に入りのデザインを探してみては?
建物内を見学した後は庭の散策や、別邸の「御用邸 茶寮」で甘味を味わうのも楽しみ。御用邸金つばや季節の和菓子とお抹茶をたしなめば、優雅な気持ちで過ごせそうです。
お地蔵さんが並ぶ渓谷沿いを散策「憾満ヶ淵・化け地蔵」
日光田母沢御用邸記念公園から15分ほど歩いたところにある「憾満ヶ淵・化け地蔵」。憾満ヶ淵は、男体山から流れ出た溶岩が、大谷川に浸食されてできた渓谷です。清々しい木々の緑に、白い水しぶきが美しく映えています。
かつて上流に不動明王の石像が安置されており、その台座だった岩壁に不動明王の真言の最終句「カンマン」の梵字が刻まれています。川の流れの響く音が「カンマン」と聞こえることから憾満ヶ淵と呼ばれるようになったのだそう。
不動明王像の対岸にあたる位置には「霊庇閣(れいひかく)」があります。不動明王像に向かって天下泰平を祈る護摩供養が行われた場所で、明治時代の大洪水で流出したのち復元されました。
渓谷沿いの散策路には、天海の弟子約100人が寄進したという地蔵群が並びます。当時は100体ほどありましたが、大洪水で流され現在の数は70体ほど。小さくなったものや顔がないものもあり、数えるたびに数か異なるといわれることから「化け地蔵」の呼び名がつきました。
苔むした並び地蔵と、渓谷美のコラボレーションは壮観で神秘的な雰囲気。新緑や紅葉はもちろん、地蔵の頭が白く染まる雪景色など四季折々の彩りを楽しむことができます。
Text:小室茉穂(MOVE)
Photo:宮地工・泉田真人
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