【箱根・宮ノ下】「斎縁」でお坊さんが作る精進料理の朝ごはんを

【箱根・宮ノ下】「斎縁」でお坊さんが作る精進料理の朝ごはんを

神奈川県 朝食 精進料理 ヴィーガン るるぶ情報版(国内)編集部
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レトロな街並みが広がる箱根の宮ノ下エリアに、2023年8月、現役僧侶が腕を振るう食事処「斎縁(さいえん)」が誕生しました。朝8時から精進料理の朝ごはんを、心静かに堪能しましょう。

Summary

禅寺「常泉寺」の「朝粥の会」をきっかけに開店

国道1号から1本入ってすぐの場所にある
国道1号から1本入ってすぐの場所にある

「斎縁」は、宮ノ下で約450年の歴史をもつ禅寺「常泉寺(じょうせんじ)」の副住職が手がける精進料理の店です。お寺の斜め向かいにあり、箱根を代表する名宿「富士屋ホテル」の裏手にあたります。

築約80年の古民家を改装
畳敷きの店内にテーブル席が並ぶ

「常泉寺」では、毎月1日、御祈祷のあとに精進料理をいただける「朝粥の会」が開かれています。当初は檀家向けだったそうですが、評判をよび、一般参加もできるように。そこから、「精進料理の朝ごはん」をいつでも味わえる「斎縁」がオープンしました。箱根には朝早い時間から開いているお店が少ないことも、開店の理由の一つだそうです。

ジャンルにとらわれない斬新な精進料理

精進料理では珍しい先附から提供
精進料理では珍しい先附から提供

「精進料理」といえば、動物性の食材を使わない質素な料理を思い浮かべる方が多いかもしれません。実は、食材の制限こそあるものの、調理法に定義はないのだそうです。
副住職の折橋さんは、曹洞宗の大本山「總持寺(そうじじ)」での修業時代に精進料理を学び、さらに仙石原のオーベルジュ「グリーンヒルズ草庵」でも腕を磨いたそう。その経験を生かして作られる精進料理には、イメージを覆すワールドワイドな調理法が取り入れられています。
例えば、取材日の先附に登場した「焼き芋とラムレーズンのサモサ」(写真左)。「サモサ」とは、具材を皮で包んで揚げたインド料理の一種。香ばしい皮が焼き芋、ラムレーズンの甘さを引きたて、おやつ感覚で味わえます。

種から作るがんもどきは定番の一品
精進料理で使うお椀「応量器(おうりょうき)」で提供

続いて、お膳にのせた精進料理が運ばれてきます。この日のメニューは、「ショウガの炊き込みご飯」「がんもどき 豆板醤と練胡麻のソース」「炊いたシメジとナスの揚げびたし」「味噌汁」。季節の食材を使うため内容は変動しますが、種から作るがんもどきは定番だそう。今回は、揚げたがんもどきに豆板醤のソースを合わせたエスニックな一品です。

お茶とデザート
お茶とデザート

うれしいことに、最後はデザートまで登場します。この日は「豆乳クリームのイチゴ大福」。豆乳で作られた甘さ控えめのクリームとイチゴを、求肥でふわっと包んだもの。もちろん、これも副住職の手作りです。

メニューは「精進朝ごはんコース」3300円の一種類のみ。食材の無駄を出さないという考えから、前日20時までの完全予約制です。公式サイトで予約をするのをお忘れなく。

地元との「縁」を大切にする憩いの場に

手入れの
手入れの行き届いた庭を望む

お店を営む築80年ほどの古民家は、元々は檀家の持ち家。10年以上前に寺が譲り受け、開店を機にリノベーションしたそうです。

ひょうたんは「奈良屋旅館」の象徴
ひょうたんは「奈良屋旅館」の象徴

料理を提供するときに使用する膳は、1700年代に創業したとされる宮ノ下の名旅館「奈良屋旅館」のものを活用しています。閉館する際にお寺が預かり、長い間大切に保管されてきました。ほかにも、さまざまな縁で集まった器や調度品が使われているそうです。

「朝粥の会」だけでなく、さまざまな行事や取り組みで、地域とのつながりを大切にしている副住職。「斎縁」の精進料理を通して、お寺や仏教を身近に感じてみてはいかがでしょうか。

■斎縁(さいえん)
住所:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下310
TEL:なし
営業時間:8時~食事が終了次第閉店(公式HPで要予約)
定休日:火曜、毎月1日、ほか不定休あり
HP:https://hakonesaien.com/

text&photo:ウランティア

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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