【おとなのソロ部】上野の老舗高級喫茶「喫茶 古城」でひとり喫茶!豪華絢爛な内装に酔いしれる

【おとなのソロ部】上野の老舗高級喫茶「喫茶 古城」でひとり喫茶!豪華絢爛な内装に酔いしれる

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昭和レトロブームの流れで、昭和から続く老舗の喫茶店も人気スポットとなっています。カフェでお茶をするのとはまた違う趣を感じられる、喫茶店でのひととき。今回訪れたのは、喫茶店発祥の地といわれる上野にある老舗高級喫茶「喫茶 古城(きっさ こじょう)」。店名のとおり古いお城に迷い込んだかのような豪華絢爛な雰囲気の中で、時間も時代も忘れてひとりの時間に没頭できる場所です。

Summary

階段を降りると広がる別世界!着席前から豪華な装飾にワクワク

JR上野駅を上野公園と反対側に出て、歩くこと約2分。雑居ビルの一角にひっそりとたたずむのが、昭和38年(1963)創業の「喫茶 古城」です。思わず素通りしてしまいそうなほどのさりげない入り口とは裏腹に、階下には店名の「古城」の名に恥じない昭和レトロのゴージャスな空間が待ち構えています。

通りに面した扉を開けると、地下へと続く階段が。早くもゴージャスなムードが漂っています!中世の騎士を描いたという荘厳なステンドグラスと照明が、雰囲気満点。見惚れて階段を踏み外さないように、注意しながら降りていきます。階段を降りるにつれ、都会の喧騒からだんだんと遠ざかっていくような、不思議な感覚に。

階段を下まで降りると、今度は中世の貴婦人の姿がシャンデリアに描かれています。美しい…!思わずスマホを取り出して撮影です。ただならぬ豪華な雰囲気に魅了されながら、店内へ。

地下へと降りる階段の両側にいる金色のライオンもゴージャス
地下へと降りる階段の両側にいる金色のライオンもゴージャス
店内には時計や灯りなど豪華な装飾品がずらりと並ぶ
店内には時計や灯りなど豪華な装飾品がずらりと並ぶ
キッチンカウンター向かいには懐かしのダイヤル式の黒電話を発見
キッチンカウンター向かいには懐かしのダイヤル式の黒電話を発見

豪華な装飾品や昭和の時代を刻んできたであろう品々に目を奪われつつ下に目を向けてみると、床もなんとも個性的で素敵。「KOJYO」と店の名前が彫られているなど場所によって微妙に柄が違います。こちらは真鍮の縁取りにモザイク状の大理石がはめ込まれているもので、創業当時にかなりお金をかけて製作されたとか。だからこそ60年以上が経過した今でもその輝きは色褪せず、多くの人から愛されるお店のアイコンの一つとなっています。

ソロおすすめPoint
とにかく内装のひとつひとつが、豪華絢爛。ひとりで訪れるからこそ、この雰囲気を存分に味わうことができます。地下にあると店内の様子が分からないため「場違いだったらどうしよう…」などと入る前はドキドキですが、店内はとても開放的なので安心してひとりでゆっくりと過ごすことができます。


どの席にしよう。場所ごとに違う趣があり、席選びも楽しみの一つ

どの席に座るかによって見える風景がまったく違うものに。最高のひとり喫茶時間を満喫するためには、どこに座るかはじっくりと吟味して選びたいですよね。こちらは入り口近くの席。写真右奥にある白い本棚に並んでいる本や漫画は、手にとって読むことができます。それをお目当てに来た場合は、本を選びやすいこちらの席がおすすめです。

ゆったりと座れるベロア生地のソファに、60年以上の年月が経った今もなお、ピカピカに磨き上げられている低めのテーブル。これぞ、昭和の趣が感じられる喫茶店です。BGMには荘厳なクラシックが流れ、さらに気持ちが高ぶります。

本棚の左奥の席は、また違った雰囲気。つるりとした大理石の壁が照明でピカピカと輝き、まるで王宮のロビーでくつろいでいるかのような錯覚に。こちらには、おひとりさまにもうれしい、1人掛けのソファもあります。

壁に飾られた黄金のツタンカーメンのオブジェが空間の雰囲気を盛り上げている
壁に飾られた黄金のツタンカーメンのオブジェが空間の雰囲気を盛り上げている

そして「喫茶 古城」の名物ともいえるのが、店内正面奥の壁沿いに施された見事なステンドグラスの装飾です。入り口の階段部分にもあったステンドグラスとはまた趣が違い、直線が多く描かれており、洗練された印象です。こちらはロシアのエルミタージュ美術館の階段をデザインしたものだとか。すべてオーダーメイドで作られた繊細な作品を、ぜひ自分の目でじっくり鑑賞してみて。

手前に見える豪華なシャンデリアとのコントラストが素敵
手前に見える豪華なシャンデリアとのコントラストが素敵

ステンドグラスの手前にある電子オルガンにも注目です。創業当時は電子オルガンではなく、グランドピアノが置かれていたそうです。「当時は、近くの音大生が夜演奏してくれていたこともあったんですよ」とオーナーの松井京子さんは言います。グランドピアノが撤去され、その代わりに電子オルガンが置かれてからは20年ほど経つとか。こちらの電子オルガンは鍵盤の一部が壊れてしまって音が鳴らないそうですが、「その状態で弾くのもまた味がある」というファンの声もあるそうです。

「喫茶 古城」に来たらぜひ座ってみたいのが、こちらの「ロマンスシート」。特急列車のような2人掛けの席で、昭和初期頃に流行していた座席スタイルだそうです。その昔はカップル客に人気だったようですが、現在ではゆっくりひとり時間を過ごす人が座ることも多いとか。

店内の左側にある2人掛けのロマンスシートは、4シートあります(一番奥は向かいにも席があります)。こちらのロマンスシートの横の壁にも注目。一見、レンガ造りのようなこちらの壁は、実はすべて大理石。色の異なる大理石をカットして埋め込んでいます。

一枚一枚が大理石の壁。触るとひんやりと気持ちがいい感触がある
一枚一枚が大理石の壁。触るとひんやりと気持ちがいい感触がある

ロマンスシートに座ってみました。ソファは固すぎず柔らかすぎず、ちょうどいいあんばいの座り心地です。腰を深くうずめもたれかかると、ゆったりとくつろげそう!レトロな雰囲気のレースカバーにも、心が躍ります。

店内の奥右側の席も、また違った趣です。こちらは壁が大理石ではなく、ゴツゴツとした石造り。観葉植物のグリーンと相まって無骨ながらも少しリゾート感のある雰囲気が漂います。

取材時は午前中でしたが、地下で採光がないため時間の感覚がなくなります。照明はほの暗く、どの席でも落ち着いて過ごすことができますよ。

ソロおすすめPoint
お店のオープンは9時。11時まではモーニングの時間帯で比較的空いているため、好きな席を選ぶことができそうです。69席もあるという座席は、座る場所によって見える景色が違うので、何度かリピートしてお気に入りの場所を探してみるのもいいですね。


ミックスサンドにパフェ。スマホは置いて本を片手に憩いの時間を

『純喫茶の時間』という、今日をこの場所で過ごすのにぴったりの本を見つけた
『純喫茶の空間』という、今日をこの場所で過ごすのにぴったりの本を見つけた

席を確保したら、店内の本棚から読む本を選んでみるのもおすすめ。手持ちの読みかけの文庫本を読んで過ごすのもいいですが、出先で新しい本に出合うのもいいですよね。

メニューファイルには、過去のメディア掲載情報などもファイリングされている
メニューファイルには、過去のメディア掲載情報などもファイリングされている

メニューは、ビニールファイルにファイリングされています。こういった何気ないところにも、昭和レトロな趣が感じられます。店主・松井さんにおすすめを聞くと「一番出るのは創業当時からあるミックスサンドですよ」とのこと。

メニューの種類も豊富で、11時まではモーニングメニュー800円~、11時30分からは「日替わりランチセット」1300円などのランチメニュー(1000円〜)も。目移りしつつも「やっぱり最初はミックスサンドかなあ」と注文。次来たときは何を食べようかと考えつつ選ぶのもいいですね。

ミックスサンド(ドリンク付き)1300円
「ミックスサンド」(ドリンク付き)1300円

ハム・玉子・野菜サンドが一度に味わえる「ミックスサンド」は、開店当時から変わらないメニューの一つ。セットの飲み物は、コーヒー(ホット・アイス)か紅茶(ホット・アイス)から選べます。

喫茶店ではついスマホを触ってしまいがちですが、今日はスマホは置いて…
喫茶店ではついスマホを触ってしまいがちですが、今日はスマホは置いて…

ハム・玉子・野菜サンドが4つずつあるため、ひとりだと少し多いかな?と思いきや、ひとつひとつがコンパクトなサイズ、そして懐かしい味も手伝って、パクパクと食べられてしまいます。

サンドイッチに付く塩に、コーヒー豆が入っていました。これは塩が湿気るのを防ぐ目的だそう。「おばあちゃんの知恵袋」のような小さな発見ができるのもいいですね。

味変で塩を振っていただく
味変で塩を振っていただく

「喫茶 古城」の定番の「ブレンドコーヒー」は、ブルーマウンテンを使用。現在は単品で600円ですが、創業当時は150円で出していたとか。時代に合わせて少しずつ変えているというその味は、酸味と苦みにこだわった一杯。深煎りの珈琲の香りと豪華絢爛な内装が相まって、さらにお店の世界観に没入できます。

ブレンドに生クリームがのった「ウィンナーコーヒー」700円、上質なカカオでリッチな味わいの「古城特製ココア」750円、創業時からの伝統メニューミルクセーキ」750円など、ほかにも気になるメニューがたくさん。時間帯によっては、「ビール」800円をいただきながらのひとり時間を楽しむのもいいなあ。

店で使っているカップ&ソーサーは、「NIKKO」の山水シリーズ。このクラシカルなデザインも、気分を盛り上げてくれます。

まるでお城のような夢みたいな空間で、今日出合った本に興ずるひととき。片手には香り高いブルーマウンテンに、ミックスサンド。至福の時間です。

バナナパフェ(900円)
「バナナパフェ」900円

「せっかく来たのなら食後のデザートもいただきたい!」ということで、バナナパフェを注文。こちらも創業当時から変わらないメニューだそう。「チョコレートパフェ」900円、「コーヒーゼリー」800円、各種ケーキ(500円~)などもあります。

パフェにスプーンを入れる瞬間は、何歳になってもわくわくします。バナナにミカン、パイナップルにチェリー。缶詰のミカンが、味わい深い!

最後はストローでメロンソーダーをひと思いに飲む。グリーンがきれい!
最後はストローでメロンソーダーをひと思いに飲む。グリーンがきれい!

ゆっくりと時間が流れ、おいしいコーヒーをいただく幸せな時間。忙しい毎日の束の間に、ゆったりとひとり時間を過ごせました。会計表には「皆様の憩いのサロン古城」の文字が。本当にそのとおりでしたよ!

ソロおすすめPoint
ひとり客も多く、騒がしさは皆無。適度な音量でクラシック音楽がBGMとして流れ、気持ちが落ち着きます。懐かしい味のサンドイッチをほおばったり、メロンソーダの入ったパフェにきゅんとしたり。物思いにふけったり、読書をしたり。そのときの気持ちに正直に、自由に過ごすことができます。


家の近くではなくても、わざわざ訪れたいお気に入りの場所になりそうな「喫茶 古城」。昭和にタイムスリップしたかのような空間に身を置いて、スマホを見ずにデジタルデトックス。心もすっきり、リセットされました!

■喫茶 古城(きっさ こじょう)
住所:東京都台東区東上野3-39-10 光和ビルB1
TEL:03-3832-5675
営業時間:9~20時
定休日:日曜、祝日

ソロMemo
■取材時のソロ率:60%(金曜の午前)
■おすすめの利用シーン:レトロな空間でひとり時間を満喫したいとき、昔ながらの喫茶店メニューを味わいたいとき

Text:松崎愛香
Photo:yoko

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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