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国宝「迎賓館赤坂離宮」が開館50周年!2024年を通して限定公開される各エリアを解説【#編集部のおでかけキロク】

国宝「迎賓館赤坂離宮」が開館50周年!2024年を通して限定公開される各エリアを解説【#編集部のおでかけキロク】

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豪華絢爛なこちらの建物、どこだと思いますか?東京・港区にある「迎賓館赤坂離宮」(げいひんかんあかさかりきゅう)です。こんな部屋見たことないよ!と思った人は大正解。なんと2024年は迎賓館の開館50周年を記念して、1年を通して未公開エリアが期間限定で見られたり、いつもは撮影厳禁の部屋で写真が撮れたりと、特別な企画を多数開催予定なんです。今回は、そんな特別企画の内容・スケジュールや、各部屋の注目ポイントをまとめて紹介します。

Summary

2024年で開館50周年!国宝の宮殿「迎賓館赤坂離宮」

明治42(1909)年に東宮御所として誕生し、日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築物「迎賓館赤坂離宮」。西洋建築の美しさを取り入れつつも、ところどころにちりばめられた和の意匠が見られます。また、2009年には本館、正門、噴水などが国宝に指定されています。

そんな「迎賓館赤坂離宮」は、迎賓館として開館して今年で50周年。1年を通してさまざまな特別企画が催されることになったんです。注目の企画と迎賓館のみどころをこの記事でおさえて、気になる催しに合わせて訪れてみてくださいね。

限定公開されるエリアのみどころを紹介!

西の間(2024年4月11~26日限定公開)

まずはメディアもほとんど初公開、2024年4月限定公開の西の間から。まるで立派なミュージアムのような見た目ですが、こちらは建設当初「御書房」とよばれ、当時の皇太子殿下のための図書室のような場所だったのだそう。

全国の都道府県から寄贈された、102品もの代表的な民芸品・工芸品が保管されています。自分の出身地の都道府県のものを探してみるのも楽しいかも。

天井には明かり取りとしてのガラスの天窓が。細かい色彩模様にも注目
天井には明かり採りとしてのガラスの天窓が。色彩模様が細かい…

また、注目はこの螺旋階段。ここから上の階に移動でき、上部の書棚が見られるという素敵な造りになっています。ほかにも、部屋の四隅には両開きのガラス戸付きの書棚が取り付けられていたり、床を除き内装の木材をすべてイギリスから調達したチーク材で統一していたりと、細かくじっくり見たいポイントがたくさん。

東の間(2024年9月ごろ限定公開)

今年度限定公開されるエリアで筆者の一番のお気に入りは、こちらの東の間。東の間は今までは特別なガイドツアーでのみ公開されていた部屋だったのだそう。

フランスの瓦市が焼いた彩色タイルにもきゅん
フランスの瓦師が焼いた彩色タイルにもきゅん!
天井まで文字通りピカピカで、口を開けて見てしまいます
天井までピカピカで、口を開けて見入ってしまいます

アルハンブラ宮殿が有名なイスラム様式のひとつ、ムーリッシュ様式の部屋になっており、ここだけとってもエキゾチックな雰囲気。なんとここは喫煙室として造られた部屋なんです…!
部屋にある28本の円柱は、フランス産のエスカレットという薄桃色の大理石が使われています。

かつては「エジプトの間」とよばれていたこともあり、洋画家の和田英作氏によってピラミッドやモスク、ヤシの木など、カイロの風景を思わせる壁画が見られます。

サロン(2024年5月・10~11月ごろ公開)

くしゅくしゅのカーテンがかわいらしくも気品あふれる空間

サロンは、迎賓館を訪れた賓客の随員の休息・団らんの場として設けられた部屋。ここでは迎賓館にある美術品として2024年5月ごろには花器が、10月中旬~11月中旬ごろには絵画がまとめて見られるそう。

西玄関に飾られている『犬を抱く女性と楽士』
西玄関に飾られている『犬を抱く女性と楽士』

また、サロンと東西玄関では、2024年11月中旬~12月中旬ごろに、藤田嗣治氏の天井画が6年ぶり3度目の特別公開予定です。

期間限定で撮影OKになる部屋も!通常公開エリアの魅力をおさらい

羽衣の間(2024年7月ごろ、期間限定で撮影解禁)

部屋の奥にはオーケストラボックスが
部屋の奥にはオーケストラボックスが…!

基本的に館内は撮影NGなのですが、通常公開している部屋のなかには、今回期間限定で撮影ができる部屋が2つあるんです。そのうちの1つが羽衣の間。

7000個ものパーツでできたシャンデリア。鈴やマスカレードのモチーフが見られます
7000個ものパーツでできたシャンデリア。鈴やマスカレードのモチーフが見られます

かつて”舞踏室”といわれており、館内で最も大きなシャンデリア3基に照らされた室内では、あちこちに楽器やマスカレードのモチーフを見つけることができます。現在では、屋外で行う予定だった歓迎式典を雨の日に行うときの場などにも使われています。

オーケストラボックスの前には今でも高い人気を誇るエラールピアノがありますが、こちらは菊の紋章が入った特別製。2024年6月には演奏会が開かれるそうなので、気になる人は定期的に公式サイトをチェックしてみて。

花鳥の間(2024年8月ごろ、期間限定で撮影解禁)

晩さん会の会場となる花鳥の間。木曽の木材・シオジ材で板張りされた室内には、四季の草花と鳥を表現した七宝焼が30枚飾られています。この絵は明治大正を代表する日本画家の渡辺省亭(せいてい)氏の下絵を、七宝作家の濤川惣助(なみかわそうすけ)氏が焼き上げて作ったもの。

そのまま頭上を見ると、フランス人画家による花鳥の画が。和と洋でとらえ方の違う花鳥を見比べてみましょう。また、天井の画は現在進行形で修復中。よく見ると、修繕が終わったものとそうでないものが分かりますよ。

朝日の間・彩鸞の間・正面玄関(通常公開)

館内で最も格式の高い朝日の間。2年もの改修工事ののち、2019年に再公開された部屋です。

天井画の修復や新調されたカーテンなどはもちろんですが、特に注目なのが床に敷かれているこちらの緞通(だんつう)。47種の糸を使い分けることで繊細な桜花の色合いを表現していますが、これを再現するために、今回1万6時間が費やされたのだとか。1271人もの職人の手によって丁寧に織り上げられたまさに一級品です。

現在では首脳会談や条約調印式に使われることもある彩鸞(さいらん)の間。大鏡の上には、国が平和で栄えているときに現れるという古代中国の想像上の鳥で、この部屋の名前の由来でもある「鸞」のレリーフが飾られています。

ナポレオンの時代に発展した、アンピール様式でまとめられた室内。野戦テントの天幕をイメージさせる天井は、テントの布の質感を出すため、しわのような凹凸がついています…!

海外からの賓客を最初に迎える玄関ホールも圧巻。玄関ホール床の市松模様は、白がイタリア産の大理石ビアンコ・カララ、黒が宮城県産の玄昌石でできています。

玄関から続く中央階段。目線の先にある絵画は、朝日の画になっており、逆方向に飾られている夕日の画と組み合わせて見ると「朝日でお迎えし、夕日でお見送りする」という粋な計らいになっていますよ。

一般公開・見学の料金やアクセス情報まとめ

たくさんの特別企画が催される迎賓館ですが、なんと期間中の追加料金はなし!今回紹介した本館と庭園は、通常料金の大人1500円で見学することができます。事前予約も必要なく、公式サイトの「公開日程」が公開になっていれば見学可能です。このほかに和風別館を見学する場合は、事前予約制のガイドツアーの申し込みが必要になります。
アクセスは、JR・東京メトロ四ツ谷駅の赤坂口から徒歩7分です。

今年で開館50周年を迎える迎賓館をご紹介しました。すみずみまで美が宿る、明治の西洋風宮殿建築物を訪れてみてくださいね。

※20名以上の団体は要予約
※公開スケジュールは接遇等により変更となる可能性があります。詳しくは公式サイトをご参照ください。


Text&Photo:のじょ(中條望)

●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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