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「#ワインペアリング部」イベント開催!ワインと料理とソムリエのお話でとっておきの体験【るるぶ&more.部活動レポート】

「#ワインペアリング部」イベント開催!ワインと料理とソムリエのお話でとっておきの体験【るるぶ&more.部活動レポート】

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読者イベント「るるぶ&more.部活動」の第3弾、「#ワインペアリング部」イベントが3月16日に三軒茶屋にある「NUPURI(ぬぷり)」で開催されました。おいしい料理とナチュラルワインのペアリングを満喫できたのはもちろん、ワインやペアリングについてのお話もたっぷり聞くことができ、充実した時間に。おいしくて、ためになった「#ワインペアリング部」イベントの様子をレポートします。

Summary

旬の食材で作る料理とナチュラルワインのペアリング♪

再始動した「るるぶ&more.部活動」の第3弾は、ワインと料理を組み合わせて、その味わいを楽しむペアリングです。イベントの会場となったのは、2023年5月にオープンした三軒茶屋のレストラン「NUPURI」。旬の食材を使った料理とナチュラルワインが楽しめるお店で、オープンキッチンの店内はカウンターが16席。今回のイベントでも料理ができあがる様子が見られるのも楽しみの一つです。

店内中央には、今回お招きしたソムリエの牧友寛さんがオーナーを務めるナチュラルワイン専門店「THE WINE SHOP.TOKYO」がショップ・イン・ショップとして設置されています。海外からセレクトしたナチュラルワインが豊富に揃っていて、思わず目を引くインパクト大なラベルのワインなども。

料理とワインを楽しむペアリングコースのスタート!

ペアリングコースの説明をするシェフの小渕卓也さん
ペアリングコースの説明をするシェフの小淵卓也さん

まず、ワインに合う料理を作ってくださるシェフの小淵卓也さんから、本日のコースについて説明をしていただきました。今回のイベントのための特別なペアリングコースとのこと。料理に使われている食材や調理法、ポイントなど、聞いているだけで期待感が高まってきました!

アミューズ×白スパークリングワイン

一品目のアミューズは「キタアカリの冷製スープ」。北八ヶ岳の農家から仕入れたキタアカリというジャガイモを昆布だしと生クリームを合わせてスープ仕立てにし、バジルソースをかけたもの。紫色のジャガイモのチップスが添えられていて、スープと一緒に味わうのもおすすめとのこと。合わせるのは白スパークリングの「ペットナット2022」(ヴァイングート・ヴァイガント/ドイツ)です。

「NUPURI」内のナチュラルワイン専門店「THE WINE SHOP.TOKYO」のオーナーでソムリエの牧友寛さん
「NUPURI」内のナチュラルワイン専門店「THE WINE SHOP.TOKYO」のオーナーでソムリエの牧友寛さん

参加者のみなさんに1杯目のワインが行き届いたところで、ソムリエの牧友寛さんが登場。今回は「#ワインペアリング部」ということで、まずペアリングとは何かというお話から。

「地域性、香り、味わいなど、料理とワインのそれぞれの要素を合わせることがペアリングです。マリアージュと勘違いしやすいのですが、マリアージュはフランス語で結婚という意味で、料理とワインの要素を掛け合わせて、新たなおいしさが生まれることを指します」とのこと。このお話を頭に入れて、コースを楽しむことに。

1杯目の「ペットナット2022」は、澱(おり)が特徴の微発泡ワイン。コクや酵母感がかなり強めなのが特徴とのこと。「スパークリングを用意する予定でしたが、発泡が強すぎるとジャガイモのコクを飛ばしてしまうので、あえて微発泡のものにしました」と牧さん。料理のコクとワインのコクでペアリングしているとのことでした。

前菜①×ロゼスパークリングワイン

2品目は「レバームースと焼きナスのタルティーヌ」。合わせるワインはロゼスパークリングの「EASY-ヴィーノ・ロザート・フリッツアンテ2022」(テヌータ・ラルモニア/イタリア)です。こちらのワインのコンセプトは「気軽に飲んで!」。料理のタルティーヌも手でつまんで食べるような気軽なメニューなので、カジュアルさを共通項にペアリングしたとのことでした。

こちらの「EASY-ヴィーノ・ロザート・フリッツアンテ2022」に使用されているブドウ品種はモナークといって、牧さんいわく「カビに耐性のあるブドウ品種で、ドイツやオーストリアで増え始めています。ブドウ栽培にカビは大敵。そのカビに対して耐性があるということは、ブドウを育てる際に農薬などを極力使わずに済むので、ナチュラルワインの造り手たちに注目されているようです」

左は1杯目の「ペットナット2022」、右が「EASY」
左は1杯目の「ペットナット2022」、右が「EASY」

さらにもうひとつ、「EASY」のラベル(右)は、ヒップホップファンにはお馴染みのケンドリック・ラマーのアルバムをサンプリングした、日本限定のものなのだそう。

前菜②×ロゼワイン

3品目の「ホタテのグリルとビーツ」は、焼き目を香ばしくづけたホタテの下にローストした甘いビーツ、上にビネガーで和えた生のビーツをのせた一品。甘みと酸味のバランスがとれたビーツと、ホタテのプリッとした食感とジューシー感がたまりません!

合わせるワインはロゼの「チャプ・スイ2022」(クアンタム・ワイナリー/オーストリア)。「生のビーツを和えたビネガーの酸味に合わせて、酸味が強めのワインを選びました。食べながら、飲みながら味わっていただくと、徐々に酸味が和らいでいくのを感じていただけるかと思います」と牧さん。

ただし、「酸味+酸味=酸味が和らぐ」となるのは、ビネガーのようなダイレクトな酸味の場合とのこと。酸味の分類はとても細かく、ビネガーのほかに、レモンのような柑橘系、リンゴのような甘さも感じるものなど、酸味の要素によって選ぶワインの方向性は変わってくるそう…ペアリングって奥深い!!

メイン魚×白ワイン

4品目はメインの魚料理「サワラのミキュイと日向夏」です。「ミキュイといって半生の状態で提供します。魚のおいしさを引き出すのはもちろんですが、生魚はワインと合わせづらいので、魚にちょっと火を入れてワインに寄り添うように仕上げました」と小淵シェフ。サワラのしっとり、軟らか、そしてホロホロとしたさまざまな食感が絶妙でした。

合わせたのは白ワインの「ピノ・グリ2022」(ローラン・バルツ/フランス)。

「酸味を抑えた甘めの白ワインを選びました。というのも料理に日向夏の酸味がすでに入っていて、柑橘系は酸味のあるワインと合わせると酸っぱさが強調されてしまうからです」と牧さん。4品目は酸味と甘みのペアリングです。さらに、甘い白ワインを選んだもうひとつの理由は、コースの流れを考えてのこと。「酸味が続いたので、甘いワインをもってきて、いったん落ち着かせるため」とのことでした。

メイン肉×赤ワイン

5品目はメインの肉料理「北海道仔牛ソテー」。脂身が少ない仔牛は豚の網脂を巻いて焼いてあり、軟らかな口当たりでとってもジューシー。赤ワインや自家製ベーコンなどで作った濃厚なソースで味わいます。

合わせたのは赤ワインの「パス・ミュライユ2020」(ズ―ル/フランス)。「仔牛ソテーは脂身が少なく、重い料理ではないので、ワインもミディアムボディぐらいのものを選びました」と牧さん。サシが入った牛肉なら、もう少し甘みのある赤ワインが合いやすいそうです。

デザート×ロゼワイン

最後、6品目はデザートの「ヴァローナチョコテリーヌと苺」です。フランス「ヴァローナ社」のチョコレートで作ったクラシックスタイルのチョコテリーヌはなめらかな仕上がり。イチゴを発酵させたソースと、フレッシュなイチゴと一緒にいただきます。

合わせるワインはロゼの「ハルイチヴァン・ロゼ2022」(クリストフ・パカレ/フランス)。ガメイというフレッシュさがポイントのブドウ品種を使用していて「イチゴの甘酸っぱさを出しつつ、チョコレートに合わせるということで、ちょっとしっかり目の味わいのものを選んでいます」とのこと。イチゴとイチゴの春らしいペアリングでコースは締めくくりとなりました。

ちなみに「ハルイチヴァン」は、“ナチュラルワインの父”とよばれた造り手の甥が日本のためだけに造ったワインとのこと。日本の桜にちなんだラベルもステキです!

おうちでワインと料理を楽しむポイントがいろいろ

今回のイベントでは、料理と一緒に提供されたナチュラルワインやペアリングのポイントのほかに、ワインについての素朴な疑問や飲み方など、簡単に実践できそうなワインの楽しみ方のコツを牧さんからたくさん教えてもらいました。

例えば、ワインを飲む時に気を付けることの一つ、温度については、どんな風に味わいたいかで温度を変えるのがベストだそう。「フルーティーなほうがよければ温度はちょっと高めの10~12度がおすすめで、冷蔵庫で1時間ほど冷やしてから出すイメージです。白ワインなどスッキリとした味わいで楽しみたいなら、冷蔵庫で3時間ほど冷やしてもらえれば柑橘感が出てきます」とのこと。

好みのワインの探し方は、自分が「好きだな」と思ったワインのラベルを写真に撮っておいて、地域、ブドウ品種、造り手など、共通項を探していくと、好きなワインが見つけやすいといったアドバイスも。

ほかにも、ワインを注ぐ時はラベルを上に向ける、ワインショップで購入する時はどんなシチュエーションで飲むのかを伝えるのが大切、ソムリエナイフはコルクを引っ掛ける場所が2つあるほうが開けやすく高級なものほど扱いづらい…などなど。

ちなみに、牧さんがナチュラルワインにハマッたきっかけは、開栓して1週間目のワインがとてつもなくおいしくて、ご自身の固定概念が覆り、そのワインがナチュラルワインだったからなのだとか。固定概念が時に通用しないのがナチュラルワインのおもしろさでもあるそうです。

「ワインが身近になりました!」と参加者の感想も

参加者のみなさんには、デイリー飲みにぴったりなロゼワイン「ワン・ハーベスト・イブニング」のおみやげも。

イベント終了後は、ショップでさらにワインについて質問されている参加者の姿も。「なんとなく敷居が高い感じがしていたのですが、今日の話を聞いて少しワインが身近になりました!」といった感想が。

アミューズからデザートまで全6品と、それぞれに合わせたナチュラルワインを堪能し尽くした、あっという間の2時間は、料理とワインのおいしさに満足し、さらに知識も深まるスペシャルなひと時でした!

今後もるるぶ&more.編集部ではさまざまなイベントを企画していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

Text&Photo:粟屋千春



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