パリ観光の定番! オペラ・ガルニエ(オペラ座)を自由見学! 予約方法もご紹介【フランス 2024年最新】
パリ観光の必見スポットのひとつ、豪華絢爛な建築で有名なオペラ・ガルニエ。劇場内を見てみたいけど、舞台鑑賞する時間はないし…。そんなときは、自由見学に参加してみましょう。劇場ホールの上に広がるシャガールの天井画や煌びやかなロビーなど、みどころ満載です!
オペラ・ガルニエの歴史や建築の特徴は?
19世紀後半のパリ都市改造計画の一環として、ナポレオン3世の命で建設が始まり、1875年に完成したネオ・バロック様式の「オペラ・ガルニエOpéra Garnier」。建築デザインはコンペ形式で行われ、171の公募のなかから、当時無名だった35歳のシャルル・ガルニエが選ばれました。このオペラ座は、フランスが誇るオペラとバレエの名門「国立パリ・オペラ座」の劇場であり、現在は主にバレエ公演が行われています。オペラは1989年に建てられた「オペラ・バスチーユL'Opéra de la Bastille」で鑑賞できます。
ギリシャ神殿を思わせるファサードは、古代ギリシャの建築手法であるコリント式の柱が並んでいます。その頂上には彫刻家、エメ・ミレーによるブロンズ像『アポロン、詩と音楽』、両サイドにはギュメリーによる金の彫刻『ハーモニー』と『詩』、円柱の下には、モーツァルトやベートーヴェン、ロッシーニなど作曲家の胸像、さらに彫刻家のジャン・バティスト・カルポー作『ダンス』も見られます。
「オペラ・ガルニエ」は2023年からファサードの改修工事を行っていて、外から見ることはできません。完成は2024年末から2025年初めを予定しています。その間、広告で覆われるほか、工事を活かしたインスタレーションが行われることもあります。
自由見学の予約から当日までの流れを確認
自由見学は当日でも現地で購入できますが、事前購入の方がスムーズに入場できるのでおすすめです。公式サイトの場合、トップページ(英語表示)からアカウントを作成します(あとからでも作成可能)。登録完了したら、「Visit」をクリックし、「Palais Garnier」の「Individual visits」を選択します。
下にスクロールして「SELF-GUIDED TOUR」の「BOOK」をクリックすると、カレンダーが表示されるので、希望の日付を選択し、時間を指定します。「Full Price」の欄に必要枚数を入力し、「ADD TO CART」をクリックして購入画面へ。支払いはクレジットカードのみで、完了したら「FOLLOW YOUR ORDER」を選択するとモバイル用「MOBILE TICKET」とプリントアウト用「PRINTABLE TICKET」が表示されるので、どちらかを当日提示できるようにします。公式以外でも、さまざまなチケット購入サイトで販売していて、日本語で予約できるサイトもあります。
見学の入場口は建物正面の左側、「オペラ・ガルニエ」を設計したシャルル・ガルニエの銅像が置かれたところ。チケットを持っている人は「ENTRANCE WITH TICKET」、持っていない人は「ENTRANCE WITH OUT RESERVATION」の看板がある方へ並びます。
チケットを持っていない人は、館内の「BILLETTERIE」と書かれた窓口、または自動券売機で購入します。自由見学は人気が高く、混雑しているので、購入するのに時間がかかることも。
セキュリティチェックを受けたあと、館内奥へ進むと、「円形ロビーRotonde des abonnés」に出ます。ここでチケットを提示して見学エリアへ。館内には日本語の無料パンフレットが置かれ、またスマートフォンで二次元コードを読み取ることもできます。自由見学には必須なので要チェック。タブレットのガイドも有料で貸出しています。
劇場内部のみどころはココ!
ピュティアの泉
円形ロビーの先、階段の間にあるのは「ピュティアの泉 Bassin de la Pythie」。中央には彫刻家のマルチェロによるピトニス像が立ちます。
大階段
階段を上がると、そこは高さ30mにもおよぶ吹き抜けの中央広間と「大階段(グラン・エスカリエGand Escalier)」に出ます。
大階段下の両側には光のブーケを持つ2体の彫刻があります。彫刻に照明を持たせる演出で、完成当時はこの彫刻を含め、「オペラ・ガルニエ」全体でガス灯を使用していたため、何度も火災が発生しました。そのため、彫刻の下には防火のシンボル、火を食べるサラマンダー(火トカゲ)をお守りとして置いているそう。
見上げると、白亜の円柱が並び、その間にいくつものバルコニー、そして天井には音楽の神・アポロンをテーマにしたフレスコ画が描かれています。この吹き抜け空間だけでも息を呑む美しさ!
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劇場ホール内
イタリア式の馬蹄形をした劇場ホールは5階まであり、客席数はおよそ1950席。赤いビロード張りの客席、柱など装飾部分は金メッキで施され、なんともゴージャス。中央には重さ7tものクリスタルのシャンデリアが煌めき、その上には20世紀を代表する画家、マルク・シャガールによる『夢の花束』の天井画があります。1964年に描かれた大作は、モーツァルトが作曲したオペラ『魔笛』や、チャイコフスキーのバレエ音楽『白鳥の湖』など14人の著名な作曲家とその作品を題材にして描いたとされます。そのほかにも、凱旋門やエッフェル塔、オペラ・ガルニエもあるのでじっくり観察してみてください。
劇場ホールを見学できるのはボックス席からのみ。観客席を間近で見学したい、シャガールの天井画を客席の真下から鑑賞したいなら、ガイドツアーに参加する必要があります。
舞台中央には太陽王ルイ14世の紋章と「国立パリ・オペラ座」の前身となる「王立音楽アカデミー」の創立年“1669”の数字も見られます。
舞台向かって左側、2階1番ボックス席はナポレオン3世のために作られましたが、「オペラ・ガルニエ」が完成したのはナポレオン3世の死後のため、一度も座ることはありませんでした。この席の正面(舞台向かって右側)はウジェニー皇妃のボックス席です。
「オペラ・ガルニエ」はミュージカルでも有名な『オペラ座の怪人』の舞台となった場所。劇中で怪人は、マネージャーに毎月の給料と、ある席を常に空けておくことを要求。それが舞台向かって左横の「5番ボックス席」でした。残念ながら入ることはできないので、扉中央から覗いてみましょう。
グラシエの間
劇場ホールを出て左側へ行くと円形広間「グラシエの間Galerie du Glacier」。画家ジョルジュ・クレラン作、お酒と豊穣の神・バッカスを描いた天井画、壁にはワイン、紅茶などを表した8枚のタピストリーが飾られています。「オペラ・ガルニエ」の完成後に作られた広間で、資金不足のため、ほかの部分よりも質素な装飾なんだそう。
アヴァン・フォアイエ
グラシエの間からグラン・グラシエを歩き、右へ進むと「アヴォン・フォアイエAvant-Foyer」です。観劇時は休憩所として使われるロビーで、イタリアから職人を呼び寄せて作った色彩豊かなモザイク装飾が特徴。
グラン・フォアイエ
「アヴォン・フォアイエ」の隣にはオペラ・ガルニエ内で最も絢爛豪華な装飾を施した「グラン・フォアイエGrand Foyer」があります。古典様式のロビーで、鏡と窓の効果で空間の広がりを演出しています。天井や壁に描かれた装飾画は画家のポール・ボードリーが音楽史の寓話をモチーフに創作しました。10年もの歳月を費やして描いた装飾画は、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を彷彿とさせる美の殿堂です。
「グラン・フォアイエ」はバルコニーへ出ることができ、オペラ大通りを見渡すこともできますが、改修工事のため閉鎖されています。また、ファサードをシートで覆っているので「グラン・フォアイエ」内部は通常よりも暗い印象かも知れません。
見学後にオリジナルのオペラグッズを探そう
出口は「円形ロビー」や「ピュティアの泉」がある階で、オペラグッズを販売するギフトショップ「ラ・ギャラリー・ドゥ・ロペラ・ドゥ・パリLa Galerie de l’Opéra de Paris」を通ります。オリジナルグッズから書籍、DVDなど幅広くセレクトしているので、時間があれば見て回るのもおすすめ。
「オペラ・ガルニエ」では屋上養蜂を行っていて、毎年瓶詰めにしたハチミツを販売しています。口当たりのよさと上品な甘さが評判で、いまでは人気アイテムのひとつとして定着しています。購入できるのは「ラ・ギャラリー・ドゥ・ロペラ・ドゥ・パリ」だけ、さらに数量限定なので見つけた人はラッキー!
古典から新古典までさまざまな建築要素を取り入れた、ネオ・バロック様式の「オペラ・ガルニエ」。19世紀後半のパリを代表する豪奢な造りはぜひとも見てみたいですね。じっくり見学すると1時間ほどかかります。また、楽譜や絵画、舞台装飾など、3世紀にわたる「オペラ・ガルニエ」のコレクションを展示する「オペラ図書館・博物館」も併設していて、見学者は無料で入場可能です。時間があればこちらもぜひ!
■オペラ・ガルニエ(Opéra Garnier)
住所:Pl. de l'Opéra 9e
TEL:08 92 89 90 90
営業時間:劇場見学10〜17時(最終入場は16時15分)
料金:€15、タブレットのガイド貸出€8(オンライン事前予約は€7)
定休日:昼公演日と休演日。ほか、見学不可の日もあるので、詳細は公式サイト(www.operadeparis.fr/en)で確認
■ラ・ギャラリー・ドゥ・ロペラ・ドゥ・パリ(La Galerie de l’Opéra de Paris)
TEL:01 53 43 03 97
営業時間:10時30分〜18時
定休日:なし
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:yoko、菊田真奈、木村秋子、Opéra national de Paris.
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