金沢【to-an(とうあん)】が2024年4月20日にオープン!新しい陶芸体験に挑戦♪
2024年4月20日(土)、石川県金沢市に新しい陶芸体験ができる「to-an(とうあん)」がオープンします。金沢市で年間約5000人の来場人数を誇る人気の体験型アートカフェ「金沢茶寮」を手掛ける株式会社ensoが、歴史ある陶芸工房「陶庵(とうあん)」を全面リニューアルして店名を「to-an」としてグランドオープン。一足お先に編集部員が新しい陶芸体験をしてきました♪
「to-an」ってどんなところ?
「to-an」は、石川県の人気体験型アートカフェ「金沢茶寮」を手掛けている株式会社ensoが、陶芸工房「陶庵(とうあん)」を全面リニューアルしてオープンする陶芸スタジオ。陶庵は、金沢を拠点に世界中で活躍する陶芸作家・吉岡正義さんが2003年に開設した陶芸教室で、地元の方を対象にした「陶芸教室」のみならず、電動ろくろを回して「九谷焼」がつくれる予約の絶えない体験スポットとして愛されてきました。
そして陶庵の創業21年を迎える2024年に、江戸時代から400年以上続く「九谷焼」の伝統文化を次世代へ伝えていくことを目指して、クリエケーション(クリエイト+コミュニケーション)を軸に、新感覚陶芸スタジオへと生まれ変わりました。to-anの陶芸体験は吉岡さんが監修しており、若い世代の方でも九谷焼の良さを知ってもらい、楽しい思い出になる場所になるよう、工夫されていますよ。
そんなto-anは金沢駅から車で約15分、バスだと金沢駅西口の北陸鉄道バスの51または54番線安原行きに乗り、入江(バス停)で降りて徒歩約2分の場所にあります。
ブルーが印象的な外観で、入口にはかわいらしく「to-an」とお店の名前が。
店内に入ると、見てください!香り豊かなドライフラワーが天井一面に広がっています。
なんと500本くらいもあるそう。素敵な空間で、来ただけで癒やされますね。
それでは早速、to-anの新感覚な陶芸体験に挑戦します!
まるで図工の時間!? リラックスしながら新しい陶芸体験を
体験はこれからご紹介する1プランが基本。約75分間で、1日18名限定、各回6名まで。料金は税込み6600円です。九谷焼の電動ろくろ体験ができるだけでなく、九谷焼を作るすべてのプロセスを学ぶことができたり、コミュニケーションを大事にして作ることができたりするのが、このto-anでの新感覚な陶芸体験。さらにこの後ご紹介しますが、届いたあとにも嬉しいポイントがあるので、最後までチェックしてみて。
体験は予約制なので、事前に予約をしたうえでお店に入り、受付を済ませます。そしてエプロンを装着!これでもう準備はバッチリです。
まずは席に座ります。ここで注目ポイント!
座席が半円になっており、同じ時間帯に参加した皆さんが一つのクラスになって、約75分間、まるで図工の時間のようにリラックスしながら楽しめます。
以前の「陶庵」では、このように向かい合って体験するのではなく、窓側に向かってもくもくと体験する厳かなシアタ―形式でした。しかし、コミュニケーションを取りながら作る体験、「クリエケーション」を大切にしたto-anでは、先生を囲むように半円になっているので、気軽にコミュニケーションがとれますよ。クラスが一緒になった方とコミュニケーションをとれば、旅先で新たな発見に繋がるかもしれませんね♪
そしてこの円形の座席で、最初に先生から「九谷焼」についての歴史や、このあと取り組む九谷焼体験の完成までのプロセスを教わります。
いざ実践!作りやすい土の量が400~450gで、その量を大きな土のかたまりから自分でカットします。400g~450gの土は、「お茶碗」「おちょこ」「湯のみ」「中皿」などが作れます(作る作品の種類は、予約時ではなく当日決めます)。店内を見渡すとすでに体験された方が作った作品があるので、それらを眺めながら、自分の使う土がここからどんな形になるのか期待を膨らませます。
ちなみに、このように土を切る体験からスタートするところは珍しいです。この段階から自分で体験できるのが嬉しい!
大きな粘土のかたまりからゆっくり糸で切り出しますが、うまく切れるかなんだかドキドキ。それでも、先生がサポートしてくれたので安心して切れましたよ。
切り出した土は、パンをこねるように練ったり、土を丸めたり、空気を抜いたりします。
先生のやり方をよーく見ながら真似します。電動ろくろを使う前に、このように事前準備をすることで土のちぎれや器のヒビを防ぐことができますよ。
いよいよ電動ろくろに土をのせて、成型作業へ!はじめての電動ろくろ体験だったので緊張していたのですが、焦る気持ちをおさえながら、なめらかな土に触れて心を落ち着かせます。先生も笑顔で優しく教えてくれました。
水をつけてしっかり土が電動ろくろにつきました。これがいわゆる「つちごろし」といった状態です。
ここで電動ろくろのスイッチオン!
ここからはもう、ひたすら形を整えていきます。
まずはてっぺんに少しくぼみをつけて…
親指がはいりました!
穴をどんどん広げていき…
穴が大きくなってきて、だんだん完成にも近づいてきました。
写真のように、ここまでくれば電動ろくろでの作業終了!この形だと、家に届く際の完成形はお茶碗になりますよ。
作品になっていく過程はワクワクで、滑らかな土に触れながら、ドライフラワーが広がる癒やしの空間で自由に楽しく作れるのはいいですね♪友達や家族、恋人などといったら、相手がどのように作るかの過程も気になると思いますし、一緒に共同で話しながら作れるので、思い出にも強く残りそう。もちろん、一緒のクラスとしてはじめて会った方にも気軽に声をかけてコミュニケーションをとるのも楽しそうですよね。
成型したのでこれで終わりかと思ったら、なんと体験は続きます。以前の陶庵や多くの陶芸体験店ではここで終わるのが一般的ですが、「九谷焼を学ぶ」という部分を重視しているto-anでは、施釉体験もできちゃいます。
施釉とは、器に釉薬をかけ、色を付けること。陶芸体験をした場合、陶芸体験店の方が数週間かけて乾かし、800度で12時間素焼きした器に釉薬をかけ、さらに1200度で16時間かけて焼き上げてくれるので私たちが体験することはめったにないのですが、ここではその作業も体験や見ることができて、九谷焼を生み出すプロセスを理解できますよ。
この施釉は全員体験するのではなく、そのクラスの誰が体験するかはその時々の会のお楽しみですが、成型だけで終わらないのが嬉しいです。
そして最後に、お店の奥に構えてある大きな窯の焼成の部分も見学や体験ができます。窯を見学する機会もなかなかないので、貴重な体験ですよね。
焼成中の場合は近くで窯の温度を感じたり、焼成していないときは写真のように施釉作業で釉薬したうつわを中に入れたりと、その時々の稼働状況で体験が変わります。一連の工程がわかるので、まるで「大人の社会科見学」のよう…!
そしてすべての工程を巡るツアーが終了したら、自分で作った作品に使用する釉薬を決めます。
to-anの釉薬は金沢の情景をイメージした現代風の「九谷五彩」カラーの5色と、ゴールド、ホワイトを合わせた全7色。
・ピンク…鼓門
・イエロー…千里浜
・ブルー…浅野川
・グレー…金沢城
・グリーン…兼六園
・ゴールド…百万石
・ホワイト…雪吊
上記のようにイメージをしっかり考えられていて、金沢らしさを詰め込んでいるのが素敵なポイント。どの色にしようか悩みますね!
そして最後にチェキで自分の作品を1枚パシャリ!1枚撮れるので、友達同士で撮り合っても良いですね。手元に届くまでには約2カ月と時間がかかりますが、先にチェキで写真が残るのは記念になって嬉しい♪
チェキ本体にとれたフィルムをはさんでドライフラワーとも撮ってみました、かわいい!
そして自分で作った作品は約2か月後、写真のように届きます。写真を見てわかるように、自分の作品だけではなく、おみやげまでついてくるんです。至れり尽くせり…!
このおみやげはスタッフの方がセレクトしてくれていて、何が届くか分からないのでさらに楽しみが募ります。一例としては、金沢で長い歴史をもつ純米蔵「福光屋」の日本酒をはじめとした石川の名産品や、写真にあるほうじ茶と和紅茶をブレンドしたto-anのオリジナルアイテムなど。作った作品を使ってほしいという気持ちが込められていて、体験後もワクワクが残りますね。
今後は石川の名産品だけではなく、北陸エリアのおみやげを増やすことなども計画しているそう。より使う喜びへと繋がるアイテムが増えるのが良いですね。
このto-anでは、九谷焼のプロセスを学び「つくる楽しさ」、さらに完成時の「つかう喜び」、つまり「つくる楽しさ、つかう喜び」がコンセプトになっており、実際に体験してみてそのコンセプトがとても伝わってきました。さらに伝統工芸「九谷焼」を次世代に継承するため、若い方にも楽しく知ってほしいという工夫や意思もしっかり伝わりました。
せっかく金沢に旅行した際は、石川の伝統工芸である「九谷焼」について学び、その工程を見て触って理解し、体験する。まさに子供の頃に心躍らせた社会見学のように、新しい発見ができる場所。陶芸体験がはじめてでも簡単にできたので、是非挑戦してみてくださいね♪
■to-an(とうあん)
住所:石川県金沢市入江2-401
TEL:076-291-2533
営業時間:10時30分~16時30分(要予約)
定休日:不定休
Text:るるぶ情報版編集部(土屋香奈)
Photo:田尻陽子
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