【おとなのソロ部】予約制「湯河原温泉 おふろcafé HITOMA」でソロ温泉デビュー! 名湯に浸かり、自由にくつろぐ、日帰り温泉旅へ。
神奈川県を代表する温泉地の一つ、湯河原温泉にある「湯河原温泉 おふろcafé HITOMA(ゆがわらおんせん おふろ かふぇ ひとま)」は、ひとりひとりの時間や空間を大切にした予約制の日帰り温泉施設です。天然温泉に浸かり、くつろぎ空間でぼーっと過ごしたり、読書や創作活動に没頭したりして、旅と温泉を満喫するひとり時間を堪能できます。東京から電車で約1時間30分とアクセスも良好ですよ。
Summary
温泉街の高台にある旅館×日帰り温泉施設
「湯河原温泉 おふろcafé HITOMA」は温泉旅館「The Ryokan Tokyo YUGAWARA」の一部をリニューアルして2023年12月にオープンしました。さまざまなコンセプトで日本各地に展開する「おふろcafé」のなかでも、唯一の予約制です。日帰り利用には、「湯治コース(温泉+館内滞在)」と「湯治と体験コース(温泉+インク調色体験+館内滞在)」のふたつがあり、それぞれ午前(11〜15時)と午後(15〜18時)の部から選べます。どちらのコースにも温泉入浴、浴衣やタオル、備品のレンタル、フリードリンクがセットになっています。
アクセスは、新宿駅から電車に乗って約1時間30分で湯河原温泉の玄関口・湯河原駅へ到着します。湯河原駅からは、午前の部利用者のみを対象とした送迎バス(10時20分発、帰りは15時30分発。要予約)が運行されています。午後の部利用者は、タクシーで約10分、または、箱根登山バスでバス停公園入口まで約10分、坂道を上ること徒歩約15分で行くことができます。
エントランスに入ると、目の前にカラフルな瓶が配され、その横にはインクが置かれています。なんとも不思議な光景ですが、これは“日帰り湯治とコンセプチュアルな体験”をコンセプトに、インクを使った創作体験を行っていることから飾られているそうです。
湯河原温泉は、万葉集にも詠まれた古湯であり、明治以降には芥川龍之介や与謝野晶子など多くの文豪が訪れ、小説の執筆活動を行った創作の地。執筆(書く)を新しい目線で体験できる、インクを使った創作体験にも期待がもてますね。
シューズロッカーに靴をしまい、室内履きに履き替えたらフロントへ向かいます。公式サイトから温泉と館内滞在の「湯治コース 午前の部」を予約しているので、当日は館内情報やレンタルについて説明を受けるだけ。
エントランスと共有スペースは建物4階、温泉浴場は2階にあります。ロッカーはないので、各自で荷物を管理します。
ソロ温泉にちょうどいい広さのくつろぎ空間
まずは館内をチェックしながら休憩しましょう。温泉街から少し離れた高台に位置することもあり、館内も静かで落ち着いた雰囲気。フロントの後ろには共有スペースがあり、窓際にカウンターテーブルが並び、手前の小上がりには、体験スペース「色ノ間」と和の休憩室「苔 茶ノ間」があります。
カウンター席って隣との距離が気になりませんか? 「湯河原温泉 おふろcafé HITOMA」では“一人一人の一日の「日」と「間」を大切に過ごす”をテーマに掲げ、創作やソロ活に最適な温泉施設を目指しているため、十分なスペースとパーテーションが設けられています。窓の外には湯河原の豊かな自然が広がり、植物の緑に癒やされそう。
小上がりには「苔 茶ノ間」とよばれる小さな苔庭を飾る和室がふたつ。扉を閉めて、苔の緑を横目にビーズソファに身を委ねて横になると、究極のリラックス&ひとり時間が完成。畳敷きなので、素足でくつろげますよ。
共有スペースの奥には食事と喫茶メニューを提供するカウンターキッチンがあります。お風呂上がりの1杯や食事、スイーツはここでオーダーできます。
小上がりにある窓際の席にはビーズソファやリクライニングシートが置かれ、2席ごとにパーテーションが設けられています。ちなみに、食事や喫茶メニューは共有スペース内であればどこ食べてもOKなので、居心地のいい場所を見つけていただきましょう。
書籍や雑誌も多彩なセレクトで、およそ1000冊が置かれています。選書はスタッフによって行われるだけでなく、クラウドファンディング支援者や施設利用者からのリクエストも積極的に取り入れられています。文豪作品が並ぶコーナーは湯河原温泉ならでは。
ふたつのコース(湯治コース、湯治と体験コース)料金にはフリードリンクもセットになっています。カモミール、ダージリン、ほうじ茶など9種類のお茶に加えて、ホットとアイスコーヒーも用意されています。滞在中、いつでも自由に利用できるのはうれしいですね。
木漏れ日が気持ちいいテーブルカウンターでティータイム。コンセントはテーブルにひとつ完備され、フリーWi-Fiはもちろん、PCスタンドやキーボード、マウス、タッチペン、卓上ライトなど、便利アイテムの貸し出しも行っています。レンタル場所はフロントの先、温泉浴場へ向かう階段の手前にあります。
富士山×桜が華やかな浴場へ。天然温泉でリフレッシュ!
共有スペースでほっとひと息ついたら、温泉でリフレッシュしましょう! 2階まで降りる階段の手前には浴衣の貸し出しもあるので、温泉気分を堪能したい人はぜひ。カラフルなジャージも気になりますが、こちらは宿泊者専用でした。タオルのレンタルは浴場の入り口にあります。
温泉浴場は男女共に内風呂がひとつずつあり、同じ造り。壁には大迫力の富士山と桜の写真が貼られていて、温泉気分をさらに高めてくれそう。
湯河原温泉は5種類の泉質があり、「湯河原温泉 おふろcafé HITOMA」では弱アルカリ泉カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉ナトリウム・カルシウム塩化物泉が源泉かけ流し(加温なし、加水あり、ろ過循環なし)で楽しめます。湯触りは滑らかで、肌にやさしく、保湿効果にも優れています。
お風呂上がりは、地場食材を使っただし茶漬けをいただきます
湯河原温泉の湯にじっくり浸かったらお腹も空いてきたのでランチタイム。予約時にオプションで追加したオリジナルのだし茶漬け「ひとてま茶漬け」をいただきます。
「ひとてま茶漬け」は、5種類の具材とお茶漬けを味わえる、午前の部利用者限定のお昼メニューです。訪れた日は、湯河原の海でとれた鯛のゴマダレ、神奈川県のブランド牛・相州牛のしぐれ煮、釜揚げしらす、鯵のなめろう、筑前煮と、地場食材を使ったご飯に合うおかずがずらり。中央のお皿には、あごだし塩、伊豆山のたくあんなど、お茶漬けのお供もいろいろ揃っています。
まずは鯛のゴマダレ、釜揚げしらす、鯵のなめろうをのせて、ミニ海鮮丼を作ってみました。その後は、薬味と湯河原で削り節を販売する石倉商店の削り節でとっただしをかけてお茶漬けにしてあっという間に完食! どれも滋味深く、さっぱりとした味わいで、この後も温泉に入りたい人にはちょうどいい量。
銭湯では風呂上がりに瓶牛乳を飲むが昔からの定番ですが、「湯河原温泉 おふろcafé HITOMA」には湯河原産のミカンとイチゴをミルククリームで混ぜ合わせた「湯河原果実牛乳 みかん&いちご」があります。濃厚なフルーツ牛乳は温泉入浴後のちょっとした贅沢気分を味わうのに最適です。
湯上がりはビール一択!という人は、クラフトビールはいかがでしょうか。きめ細かい泡立ちと、喉越しのよさが魅力の伊豆の「碧い海」、そして富士山の湧水を使った「琥珀富士」。温泉のリラックスした雰囲気と相まって、味わい深いビールがより一層、身体に染みわたります。
なお、施設内は完全キャッシュレスとなっているため、現金は使用できないのでご注意を。
次回はオリジナルインク作りを体験したい!宿泊もいいな♪
もうひとつの日帰りコース「湯治と体験コース」には、900色以上のインクが作れる、オリジナルインク作り体験がセットになっています。9色の原料から好きな色を4色まで選び、好きな割合で混ぜ合わせて、ガラスペンを使って試し書き。完成したインクは持ち帰ることもできます。普段手にすることが少ないインクを“作る”という、新しい体験に大注目です。
また、ひとりで旅館に宿泊してみたいけど、おひとりさま用プランのある旅館はあまりないから、気が引ける…。と悩んでいる人には、日帰り温泉の「湯治コース」に夕食と朝食が付いた宿泊コース「ソロ湯治パック」も用意されています。部屋はおひとりさま専用客室のほか、8畳と10畳の和室もあります。
一人用のカウンター席や畳敷きの茶の間など、共有スペースはソロ温泉を満喫できる心地よい空間でした。源泉かけ流しの湯に浸かり、静かにゆったりと自分だけの時間を過ごせる『湯河原温泉 おふろcafé HITOMA』。文豪のように何度も訪れたくなる、日帰り温泉施設でした。
■おすすめの利用シーン:ひとりでおでかけしたいとき、温泉でのんびりしたとき、読書や創作活動に集中したとき
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:日高奈々子、湯河原温泉 おふろcafé HITOMA
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