
奥多摩の沿線まるごとホテル「Satologue」2025年5月に宿泊棟がオープン!
2025年5月25日、JR青梅線鳩ノ巣駅近くの沿線まるごとホテル「Satologue(さとローグ)」に宿泊棟がオープンしました。昨年先行オープンしたレストランとサウナとともに、奥多摩ステイを楽しめます。先日行われた内覧会の様子をご紹介します!
Summary
川べりの古民家を素敵にリノベーション
東京都奥多摩町に位置する「Satologue」は、JR青梅線沿線をホテルに見立てた地域活性化プロジェクト「沿線まるごとホテル」の拠点施設。JR東日本や、地方創生事業プロデュース会社の「さとゆめ」が、JR青梅線沿線の自治体や地域住民・事業者とともに取り組んでいるプロジェクトの一環です。
「Satologue」は、JR青梅線の古里(こり)駅と鳩ノ巣駅の間に位置し、深い緑と清らかな水が流れ、昔ながらの里山の風情が残るロケーション。建物は養魚場の跡地と古民家をリノベーションしたもので、入り口のある2階がレストラン、1階がラウンジになっています。また、すぐ隣にはコンクリートの倉庫を改修した薪サウナがあります。
2階から入ると、シックな外観からは想像もつかない空間に思わず歓声が上がります。カウンター席では、目の前に広がる奥多摩の山々とビオトープ、その下を流れる多摩川の清流を見ながら食事が楽しめます。室内は杉、桧(ひのき)、椹(さわら)、栗など木材をふんだんに使用し、リラックスできます。設計は瀬戸内のラグジュアリー客船「guntû(がんつう)」などを手がける堀部安嗣(ほりべやすし)さんによるもの。
テラスから眺める緑と川のせせらぎに癒やされる
今回オープンした宿泊棟は、レストラン棟の隣にあり、こちらも民家の建物をリノベーションしています。デザイン・設計はレストラン棟も手掛けた堀部安嗣さん。
客室は4室で、すべてツインルーム。広さと仕様は全室同じで、左右対称に配置されています。客室の名前は、レストラン棟に近い位置から「柳」、「杉」、「欅(けやき)」、「桜」と、いずれも部屋の窓から見える木々の名前が付けられています。
部屋は主に杉と椹を使った木の温かみにあふれるデザイン。漆喰の壁で仕上げられています。そしてなんといっても柔らかな繭に包まれるようなボールト天井が特徴的。かつてこのあたりや近隣の八王子で養蚕が盛んだったことに由来しています。
シンプルでミニマムなつくりですが、Wi-Fi完備、コンセントも便利な場所に配置するなど細かな工夫が取り入れられています。
滞在着(館内、館外利用可)は野良着と部屋着を掛け合わせた麻100%のオリジナルウェア。青梅線の始まりである立川駅周辺のアパレル会社(タチカワファッションラボ)が、Satologue用に制作しており、肌触りのよさが魅力です。靴下も用意されています。
コーヒーはJR奥多摩駅2階にあるカフェ「ガタコーヒー(Gotta Coffee)」のオリジナルブレンド。ひと口サイズの四角いスコーンも地元のお店で作られたものです。
また、冷蔵庫に入っている地酒「澤乃井」、奥多摩のクラフトビール「バテレ(VERTERE)」なども料金に含まれています。
窓を開けると多摩川のせせらぎが聞こえてきます。テラスの外側に網戸が付いているので、テラスまでがリビングのような感覚です。画像は庭から撮った「杉」の部屋。
バスルームは洗面台、トイレと水回りがまとまっています。バスタブからも外の景色が楽しめます。
別棟にあるプライベートサウナへは、水着に着替え、ポンチョを羽織ってから出かけます。冷蔵庫には、持ち運びできるボトルに入った冷水、お茶が用意されているのでこちらもお忘れなく。
チェックイン後にスタッフと庭を散歩して、養魚場跡を活用した畑での野菜収穫体験をすることもできます。土は青梅市から運んできたものを使用しているそう。取材時は枝豆の栽培が始まっていました。夏に向けて枝豆やナスなどを育てています。
庭で収穫した野菜が素敵なひと皿に!
ディナーは、古民家を改修したレストラン棟で。地元の食文化とフレンチのエッセンスを融合させた「沿線ガストロノミー」をいただきます。自家農園で収穫した新鮮な野菜や、地域の作り手から届けられる食材を使用しています。なかでも鹿のシンタマ(もも肉)のローストは、すりおろした奥多摩産のわさびと一緒に味わうと、コクのある肉のうま味と、わさびのさわやかな辛みの相性が抜群で至福のひととき。地元でとれる幻のじゃがいも「治助イモ(じすけいも)」など貴重な食材を使ったメニューも登場します。畑で自分が収穫した野菜が出てくるのも感動的!
※メニューは季節や材料の仕入れによって変わります。
朝食は、湧き水で炊いたご飯、清流で育ったヤマメ、季節の朝採れ野菜のサラダなど里山の恵みがたっぷり。桐箱で提供され、ふたを開けるワクワク感が味わえます。
レストラン棟1階のラウンジでひと息。バータイム(16~19時)は地元のお酒やおつまみ、お菓子などが用意されています。ラウンジで過ごす夕暮れの時間もまたロマンチック。
「サウナ 風木水(FUKISUI)」 の薪サウナと川から引いた水で「ととのう」
「サウナ 風木水(FUKISUI)」は宿泊棟開業に伴い、宿泊者専用のプライベートサウナとなりました。宿泊者は貸し切りで利用できます。
薪サウナは敷地内にあるコンクリートの倉庫を改修したもの。奥多摩は林業で栄えた歴史があり、今もその営みを続ける奥多摩の木材を薪として使っているため、木の香りも楽しめます。
水風呂はすぐ横を流れる川の水を引いたぜいたくな構造。川のせせらぎを聞き、森を眺めながら外気浴をすれば、自然と一体になった感覚でととのいそうです。
鳩ノ巣駅での「無人駅チェックイン」がおすすめ
最寄り駅は「東京アドベンチャーライン」ことJR青梅線の古里駅ですが、一駅先の鳩ノ巣駅から送迎を利用するのがおすすめ。古里駅~鳩ノ巣駅間では1日1本だけ列車内で「Satologue」の案内アナウンスを実施しているのです。
※対象列車:平日_青梅駅発[13:57]/土・日曜、祝日_青梅駅発[14:01]下り列車のみ1日1本、区間:古里~鳩ノ巣間、状況により放送が流れない場合があります。
新宿から青梅までは、2025年3月から新しく導入されたグリーン車を利用すれば快適な鉄道旅を味わうことができます。青梅駅で奥多摩行きの電車に乗り換えとなりますが、かわいいラッピング電車に乗ることができるかも。
駅に着くと「無人駅チェックイン」として、鉄道でやってきたゲストを地域の人とスタッフが出迎えてくれます。また、周辺地域で使用できるクーポンがついた旅のしおり「沿線まるごとパスポート」がもらえます。
※「無人駅チェックイン」は、基本的に平日[14:26]/土・日曜、祝日[14:33]下り列車で青梅線鳩ノ巣駅で下車する人限定。
かつての駅事務所は地域の情報発信などを行うラボになっています。
地元産の調味料やコーヒーなどちょっとしたおみやげも販売しています。
8月までは「開業記念特別プラン」を実施。都心から約1時間半で気軽に行ける奥多摩で、のんびり滞在を体験してみてはいかが。
■Satologue(さとローグ)
住所:東京都西多摩郡奥多摩町棚澤1
TEL:0428-85-9310
定休日:火・水曜(火曜が祝日の場合は木曜休館)
アクセス:JR 青梅線古里駅から徒歩約15分、JR青梅線鳩ノ巣駅から送迎あり (送迎車14時35分頃出発)
予約:https://satologue.com
駐車場:あり
■「開業記念特別プラン」
宿泊期間:2025年5月25日(日)~8月31日(日)
料金:ツイン1名 4万9500円~
※1室2名利用時/夕朝食・サウナ付き
Text:星 裕水
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。