【2024ノルウェー最新情報】サウナーなら一度は行きたい!完全個室のフローティング・サウナ「コック・オスロ・サウナ」で本場のサ活
健康維持という観点だけでなく、仲間との社交場のような意味合いが強い北欧のサウナ。日本でいう、銭湯の「裸の付き合い」に近いイメージですが、ノルウェーでも若い世代を中心にじわじわサウナブームが浸透中。本場のサ活はどんな感じなのか、話題の貸し切り「フローティング・サウナ」を、体をはってリポートします!
洋上に浮かぶ!? いかだの上のサウナ
北欧でサウナと聞くと発祥の地フィンランドを真っ先に思い浮かべますが、ノルウェーも本場に負けじとサウナ熱が上昇中。特に今、首都オスロで注目を浴びているのが、オスロ・フィヨルドに浮かぶ「フローティング・サウナ」です。ここを貸し切って個室サウナパーティーをするのが、若者層のトレンドなのだとか。
今回、取材した「KOK Oslo Sauna(コック・オスロ・サウナ)」(以下KOK)はオスロ・オペラハウス前とアーケル・ブリッゲ前の2カ所に拠点を持つサウナ。いかだひとつに8~10人ほど収容できるサウナ小屋が設置されています。
施設はすべて係留された状態ですが、なかには船のようにクルージングできるいかだもあり、ユニークな造りが特徴的です。
いかだにサウナ小屋が立っているだけの、実にシンプルな造りですが、しっかり係留されているので揺れはほとんど感じません。小屋の中にはサウナ室とは別に、更衣室兼休憩スペースが備わっていて、持ってきた荷物や上着、貴重品はすべて小屋の中で保管できます。1室丸ごと貸し切りにしてしまえば、セキュリティ面も安心!
【準備編】何を持っていけばいい?
とびきりのサウナ体験をするには準備が肝心です。必要なものはタオル2枚(体を拭く用とサウナで座るときに使う用)とたっぷりの飲み水、そして水着。KOKでははだかでの利用を認めておらず、水着のレンタルはないので必ず準備しましょう。なお、乗船から下船までが利用時間に含まれるので、水着はあらかじめ着用してくるのがおすすめです。
休憩スペースはBluetoothで接続できるスピーカーを搭載しているので、スマホなどのデバイスも忘れずに。同期して、お気に入りの音楽を流しながらサウナタイムを楽しめます。筋金入りのサウナーなら、外気浴のときに羽織るポンチョがあるといいですね。
さあ、本場のサウナを楽しもう!
準備が整ったらお待ちかねのサウナタイム。サウナと聞くと、カラッカラの乾燥した室内を想像しがちですが、ここは北欧スタイル。おしゃべりしながら入れるくらいがちょうどよく、「温度は85~90℃、湿度は50~60%が目安」だそう。
明るい色の木材を使ったサウナ室には白樺の薪ストーブが置かれていて、パチパチとはぜる音を聞き、木の香りの中でゆっくり深呼吸するだけでも、たちまちリラックスできます。上段と下段では熱さの感じ方が違うので、自分にいい場所を見つけて、じっくり汗をかきましょう。
共用サウナでは気を使う温度調節も、自分のタイミングで自由にできるのが貸し切りサウナのいいところ。身体が熱さに慣れてきたら、ぜひロウリュにトライしましょう。
ロウリュとは、ストーブの上でのった石(サウナストーン)に水をかけて蒸気を発生させること。専用のバケツと柄杓を使って少しずつ水をかけていくと、温度・湿度ともに上昇、サウナ室が熱い空気に包まれます。
白樺の薪ストーブというだけでも贅沢なのに、スタッフにリクエストすればロウリュの水にアロマオイルを数滴入れてくれます。いい香りの蒸気がたちまち広がり、リラックス度が爆上がり!
さらに、アロマロウリュの後「アウフグース、プリーズ」と頼めば、スタッフが熱波師にもなってくれます。気づけば室温は100度近くまで上昇……なんてことも。
サウナ初心者はくれぐれも無理をせず、初回は下段でじっくり温まることに専念しましょう。10分もすれば全身の汗腺が開き、滝のような汗がガンガン出てきますよ。
ノルウェーらしい水風呂体験!
身体が十分に温まったら、お待ちかねのクールダウン。外に出て風に当たったり、水シャワーを浴びたりするのも最高なのですが、おすすめは水風呂……ではなく、海。外扉を開けて、わずか数歩でオスロ・フィヨルドに飛び込めます。
KOKは洋上に浮かぶサウナなので、海へ飛び込むのがお決まり。 ちなみに3月下旬の取材時で、水温は4℃。スタッフ曰く「外気温とそれほど変わらず、水質条件もバッチリ!」。ここは覚悟を決めて、一気にダイブするしかありません。
飛び込んでからいかだに上がるまで、体感5秒くらいでしょうか。一気に整います。オープンウォーターですから、頭まで浸かろうが周りに文句は言われませんし、何よりこの上ない爽快感!KOKへきたら、ぜひ意を決して飛び込んでみましょう!
さらに高いレベルでチャレンジしたい勇者はサウナ小屋の上、2階からのダイブも可能です(ただし自己責任で)。
なお、泳力に自信のない人や真水できちんと汗を流したい人、海の塩気を完全に落としたい人のために、共用シャワーも完備しています(お湯は出ません!)。ただし、直接海へ流れるためシャンプーや石けんの利用はNG。ササッと短時間で済ませます。
海へダイブって、正直どうなの?【筆者の感想】
皆さんが一番気になるのは、「海に飛び込んで本当に整うの?」「塩水でべたつかないの?」という点でしょう。
筆者が体験した3月下旬のオスロは、春目前だけれどまだ雪の残る時季。海水温が低くプランクトンがほとんどいないのもあり、とにかく海から上がったときの肌の感触が心地よかったのが好印象でした。磯臭さもないので、不快感ゼロ。ほどよいミネラルが髪や肌にいい影響をもたらしている感じすらありました。
ただし、水温が20~22℃まで上がる夏場はクラゲが発生することもあるそうで、そうなると海へのダイブが禁止になります。また、雨の降った後も水質が悪くなるのでダイブはNG。海へ飛び込むまでのサウナ体験をフルコンプしたい人は、季節と時間帯を選ぶのが肝心といえそう。
ちなみに、KOKがおすすめするシーズンは水温が10℃以下になる9~4月ごろ。やはり寒い時期が格別なようです。また、暗い海へ飛び込む勇気がない人は、日中の予約がおすすめ。朝イチと夕方は込み合うので、お昼前後が比較的予約がとりやすいでしょう。
KOKの貸し切りサウナは、着替え時間を含めて2時間。サウナ+休憩(海へダイブまたは外気浴込み)を3セット繰り返しても十分なくらいです。サウナーはもちろん、本場のリラックス体験を楽しみたい人は、ぜひ渡航前に公式サイトから予約を入れていきましょう!
■KOK Oslo Sauna, Langkaia(コック・オスロ・サウナ )
交通:オスロ中央駅から徒歩5分
所在地:Langkaia 1
時間:7時~19時15分最終(金曜は~21時最終、土・日曜は8時45分~21時最終)。貸し切りは7時15分~20時45分最終(土・日曜は9時30分~)
休み:なし
料金:貸し切り2時間1700Nok.~(最大10名)。シェアサウナもあり(90分270Nok.・最大8名)
予約:公式サイトから(https://koknorge.no/en/)
※トイレはないので近隣施設で済ませる
text: 森本有紀
photo: 井田純代
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