おでかけ
2024.06.25
絶景、天然水…富士山の恵みを体感する！フィンランド式サウナ「CYCL」で、フルーツたっぷりサウナ後パフェも【清水みさとのあちこちサウナ旅VOL.05】
富士山に一番近い湖、山中湖。東京都内から車でわずか90分ほどにあり、ダイヤモンド富士の撮影スポットとしても有名な静かな山中湖畔に、2024年4月にオープンした「CYCL（さいくる）」。フィンランドのサウナ文化にならって、男女一緒に会話も楽しめるサウナ施設です。広々とした高温サウナでセルフロウリュ、ジャポーンと頭まで潜ってOKな天然水かけ流し水風呂、富士山を眺めながら外気浴。ととのい後は、絶景展望ラウンジでフルーツたっぷりの絶品パフェも。美しい自然に抱かれて、五感が研ぎ澄まされていく絶景サウナで癒やされてみて。
世界に誇る“ベスト絶景サウナ”に推したい！「CYCL」って？
世界的グルメガイドの「ベスト50」みたいな感じで、「世界のベスト絶景サウナ50」がもしあれば、ぜひとも推薦したい場所があります。ハイ、挙手！
山中湖のほとりにたたずみ、立派な富士山が目の前に横たわる「CYCL」。
今年の4月末、「the 508」というキャンプ場の敷地内にオープンしたサウナ施設で、すぐ近くにはオートキャンプサイトやセンターハウスなどの宿泊施設とカフェやショップもあります。
面白いのは、このサウナをつくったのが、フルーツ屋さんということなんですが、またそれは追々。
まず、この洗練された建築。二階部分がガラスの壁で、屋根が浮かんでいるみたい。「うわぁ」と思わず感嘆の声、だだ漏れ状態。富士山の笠雲をモチーフにしているんだそうです。
美術館と間違える人もいるんじゃないかといらぬ心配をしたくなるほど美しくて、入り口に向かう前に、いったん、見惚れる時間を要します。
砂利の上を歩いていくと、黒い壁に溶け込んだ扉をみつけ、早くその扉を開けたくて、思わず小走りするわたし。
中に入り、受付で最初に目にしたのは「会話を楽しんでいただける施設です」と書かれた案内。
新型コロナウィルスが流行して以降、サウナでのおしゃべりを禁止する施設が増えました。それがちょっぴり寂しくもあったわたしにとって、公に「フィンランドのサウナ文化に倣い、会話を楽しんでいただける施設です」と書かれていたのを見つけて、ちょっぴり感動。もちろん、サウナにいる人みんなが心地よく過ごせるよう思いやりありきです。
ではさっそく、サウナへ。
頭からジャポーン！「CYCL」の飲める水風呂付きサウナって？
男女別々のロッカールームで着替えてシャワールームを通り抜けたら、サウナ前の内気浴スペースが合流地点。水着を着て、男女一緒に楽しめるサウナ。
サウナ室は、20人ほど入れる広々とした美しい空間が広がります。富士山の最深部にあるマグマをイメージした赤いサウナ室。セルフロウリュも楽しめるHARVIA製サウナストーブが設置されています。
円錐の天井はでこぼことした形状で、ロウリュしたときの蒸気があちこちに踊り、舞い、どこに座っても気持ちいいし、かっこいいし、なんだか宇宙船にいるみたい。気持ちよさも相まって、このまま浮いても不思議に思わないかも。
でも、美しいからって舐めちゃいけないこの熱さ。富士山のマグマのように、しっかり熱い。取材時は83℃ほど。どんどんいい汗が滴って、あっという間に水風呂のとき。
水風呂は、富士山系天然地下水かけ流しの飲める水風呂。このおいしい水風呂に、頭のてっぺんまで潜っていいんです。
なんてったって、深さ120cmですから！
もう、もう、うれしくて、思いっきりドボン。
じゃばじゃばのオーバーフロー！
毎分90L湧き出る天然水の本気！
年間通して12℃ほどに保たれた冷え冷えのおいしい水風呂から打ち上がり、
際立った温冷に息を切らして、
ととのい椅子に行く前に、もうととのいが始まっちゃって、いったん水風呂の淵でととのわせてください。
外気浴前に体がふわふわしちゃって、ふわふわとした足取りのわたしは、なんとか水風呂横の扉を開けて外へ。
目の前に広がる景色はさておき、ととのいに無我夢中。インフィニティチェアという宇宙船に乗って、心の宇宙へ。
実は、この外気浴エリア、天気がいいと目の前に富士山が現れます。
この日はあいにくの曇り空で、富士山の麓しか見えなかったけど、ととのいは絶好調。絶景があってもなくても、いいものはいいから、いい。
でも富士山、晴れたらまた元気な姿を見せてね。
もう1セットする前に水分補給。
この水は、さっき入った水風呂と同じ水。やわらかくて圧倒的においしい天然水を飲みました。
2セット目は、水風呂に入って、給水口から直で湧き出る水風呂、いただきます。体のすべてが、おいしいって叫んでる。
ととのって骨抜きになったわたしは、なんとかサウナ終了のタイミングを見つけて、館内着に着替えて2階へ。
富士山を望む展望ラウンジで、フルーツパフェを堪能
柱がひとつもない2階に、景色を遮るものはひとつもなくて、山中湖を独り占め。
雲がなかったら、絵画のような富士山が目の前に。
実はこの取材より前に、プライベートで「CYCL」に来たんです。そのときみたガラス越しに映る山中湖と富士山があまりに美しくて、わたしがもしも画家だったら、絶対ここで一枚描いてます。
そんな大絶景のもと、入館料に含まれているデザートをいただきます。サウナ飯をしょっぱいものだけだと思うのは、いかんせんナンセンス。
食後のデザートのように、サウナ後のデザート。
フルーツのみずみずしさと、いい塩梅の控えめな甘さに、罪悪感なんてこれっぽっちもない不思議。
甘いは、最強。甘いは、やさしい。
別料金で、旬のフルーツを使ったパフェもあり、この日は「プレミアムマスクメロンパフェ」。
サウナ後にパフェを食べる夢が、さらっと叶ってしまいました。しあわせ。
最初にちらっと書きましたが、「CYCL」のオーナーは、「MARUTOME the Juicery」という果実店が母体のフルーツパフェ店をやっていて、フルーツパフェを一番おいしく食べられる場所は？という発想から、サウナ施設を開業するに至ったそう。計画するからには、クリエイティブディレクターから建築家、マーケターに至るまですべて、サウナが大好きな人たちが集って実行。
そして、店長の山辻晴奈さんは、建築場所が決まる前の構想段階から携わってきたんだそう。携わる人みんながサウナを愛してやまないなんて、最高。
サウナで五感が研ぎ澄まされたわたしは、凪いでいる穏やかな山中湖を眺めながら食べて、飲む。
なんて幸せなんだろう。ここにあるすべてが調味料になっていく。
山中湖と富士山が目と鼻の先だなんて、やりすぎなくらい完璧な景色で、絶景に頼れば確かにどんなものも感動的になるかもしれないけれど、絶景に頼らず、そっとたたずむ「CYCL」。
山中湖と富士山と「CYCL」が仲良く肩を並べて、互いを輝かせあっているように見えました。
いいものはきっと、どこにあってもいいものだけど、この絶景にあるべくしてあるようにしか思えない「CYCL」という存在そのものに感動が止まりませんでした。
「CYCL」と山中湖と富士山が引っ剥がしてくれた忙しない日常のリズムをもう少し忘れて、東京に帰ります。
あぁ、すごかったなぁ。
■CYCL（さいくる）
住所：山梨県南都留郡山中湖村平野479-107
TEL：0555-28-7224
営業時間：10～19時（最終入館16時30分）、金・土曜は～21時30分（最終入館19時）
定休日：水曜
料金：2時間30分3960円、30分延長ごと770円
※予約優先。定員制、2時間30分ずつの利用枠あり。
※料金には、タオルセット（バスタオル、フェイスタオル、サウナマット）とスイーツ1品、フリードリンクを含む
※一部有料メニューあり。水着・館内着レンタル可（ともに550円）
Text：清水みさと
Photo：添田康平、CYCL
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
この記事を書いた人
