「TORAYA GINZA」できたて和菓子をカウンターでいただく。職人の技と味を堪能!

「TORAYA GINZA」できたて和菓子をカウンターでいただく。職人の技と味を堪能!

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1947年(昭和22)に開店した「とらや」の銀座店が、「TORAYA GINZA」と名前を改め2024年4月にリニューアルオープン。喫茶を中心とした店舗では「一菓との出会い」をテーマに、作りたての和菓子を提供。長い歴史をもつ「とらや」で初となるカウンター席や、さまざまな素材を使った和菓子が話題です。

Summary

ゆったりと和菓子を味わうためのこだわりの店内

「TORAYA GINZA」は、東京メトロ銀座線・日比谷線・丸の内線銀座駅から徒歩5分、複合ビルとして建て替えられた「TORAYA Ginza Building」の4階にあります。エントランスは、中央通り沿いではなく、1本入った「すずらん通り」にあり、通りから見える白い壁と奥に広がる朱色の左官壁が特徴です。

エレベーターで4階へ上がると、「とらや」ののれんが迎えてくれます。

内装デザインを担当したのは、「とらや 京都一条店」や「とらや 赤坂店」などを手がけた建築家の内藤廣(ないとうひろし)氏。「時を忘れてゆっくり過ごしていただきたい」という「とらや」の思いを軸にそれぞれの店の特性を考慮し、「TORAYA GINZA」は「素材の確かさと豊かな静寂」がコンセプト。素材をひとつひとつ吟味して、さまざまな素材を場所ごとに取り入れているといいます。

静かな空間でお菓子を楽しみながら過ごしてほしいと、壁、天井、カーペットには吸音素材を使用。テーブルもゆとりのある配置で、ゆっくりできるようテーブルの高さや広さにまでこだわってオリジナルで作られたそうです。

4・5階が吹き抜けになった開放感抜群のテラス席は、銀座にいながら自然を感じてほしいとさまざまな工夫が。銀座中央通り側には水盤が配置され、陽の光が当たるとキラキラと反射。プラントハンターの西畠清順(にしはたせいじゅん)氏が選定した樹齢約100年という大きな羅漢槇(ラカンマキ)の植栽も印象的です。

壁には、「瓦タイル」とよばれる燻銀のタイルを使用。あえて目地を不揃いに配置することで、陽の光の当たり方によってさまざまな表情を見せてくれます。ウッドデッキや窓枠、椅子など、木材をふんだんに使うことで、都会的ながら温かみのある空間になっていますね。

奥座敷のような個室もあります(予約制)。6人用と4人用の2室あり、女子会や家族の記念日などに利用する人も多いそうです。

予約制のカウンター席で作りたて和菓子を

※通常はマスクと手袋を着用しています。

「TORAYA GINZA」の最大の特徴が、目の前で職人が和菓子を作る様子を眺めることができる4席のカウンター席(予約制)。背もたれが高いハイバックソファなので囲われているようなプライベート感があり、広めのカウンターテーブルは近すぎず遠すぎずという職人との適度な距離感。職人の作業スペースが少し下がって造られているので、目線の高さにも配慮されています。

カウンター席では、「TORAYA GINZA」でのみ味わえる限定メニューを提供しています。その一つができたてでしか味わえない生菓子です。取材時のメニューは、マスカルポーネチーズと白餡のそぼろ餡を御膳餡(こし餡)の餡玉に付けたきんとん「陽の香(ひのか)」でした。

全国各地から「とらや」の餡との相性のいいチーズを探し、さまざまな試作を重ね、すっきりとした味わいのマスカルポーネチーズにたどり着いたのだそう。

TORAYA GINZA

まずは、マスカルポーネチーズを混ぜた白餡にレモン果汁を加え、こし網でそぼろ餡(あん)に。

TORAYA GINZA

細かいそぼろ餡は目を生かしながら、手早く餡玉にまとわせていきます。

TORAYA GINZA

最後に擦ったレモンの皮を散らしてでき上がり。和菓子を作る過程を見られるのはもちろん、擦ったレモンから立つ香りを感じられるのもカウンター席ならでは。職人の説明を聞けたり、会話を楽しめたりするのも醍醐味です。

「陽の香」2090円(飲み物付き)
「陽の香」2090円(飲み物付き)

口の中に入れると、ふわふわの食感に驚き。網でこす際に空気をまとうからだそう。マスカルポーネチーズの風味、レモンのさわやかさを感じた後に餡の味が続き、ひと口の中でさまざまな味を楽しむことができます。

また、和菓子は味だけでなく、見た目、香り、舌触り、そして、菓銘(菓子の名前)を聴いて楽しむことから「五感の芸術」ともいわれます。「陽の香」という菓銘を聴くと、白いきんとんに映えるレモンの明るい色から、降り注ぐ夏の太陽の光のイメージが浮かんでくるのではないでしょうか。

ドリンクは「抹茶」「煎茶」「ほうじ茶」「コーヒー」などから選べますが、ペアリングのおすすめは「紅茶」。華やかな香りと渋みのあるスリランカ産のディンブラはフルーツとの相性がよく、レモンを使った「陽の香」にぴったりです。

オーダーを受けてから焼く熱々の焼き菓子をほおばる

もう一品作りたてを楽しめるのが、曇り空にうっすらと浮かぶ満月をイメージした「焼きたて 夜半の月(よわのつき)」。1994年(平成6)に「とらや パリ店」で誕生した焼き菓子です。

カウンター席以外でも、オーダーごとに一枚ずつ銅板で皮を焼いた作りたてを提供していて、生地を銅板に流した瞬間に甘い香りが広がります。そのため、カウンター席で生菓子を食べていても、香りに誘われて追加でオーダーする人も多いのだとか。

弾力のある生地に仕上げるために、風味豊かな国産小麦2種類をブレンド。縁をバーナーで炙ることで、より香ばしさと食感のよさを引き立たせています。

熱伝導率のいい銅板は焼きムラができず、こんがりとしたきつね色に。

手早く餡を挟んだら完成です。

「焼きたて 夜半の月」1958円(飲み物付き)
「焼きたて 夜半の月」1958円(飲み物付き)

生地は、もっちり、ふわり、そして、パリッとした食感。小麦の風味とキャラメリゼのほろ苦さも感じられ、ほどよい甘さの餡とのバランスも抜群です。ペアリングには、香ばしいほうじ茶をどうぞ。

おみやげには限定品のひと口羊羹を

入り口付近のショーケースには、「とらや」の代表商品である羊羹や夏季限定の水羊羹、半月ごとに変わる季節の生菓子などが並びます。

「ちぐさかん」2484円。左から、山椒、抹茶、あずき。専用ショッパー付き。
「ちぐさかん」2484円。左から、山椒、抹茶、あずき。専用ショッパー付き。

なかでも「TORAYA GINZA」限定の「ちぐさかん」はおみやげとして人気の品。ちぐさ(千種)とは種類が多い様子を表す古語で、「ちぐさかん」はさまざまな味を楽しめるひと口サイズの羊羹。伝統的な和菓子の素材のほか、果物やスパイスなどを使用し、まぶした砂糖のシャリッとした食感も特徴です。

3種の味が詰め合わされ、写真はあずき、抹茶、山椒の通年販売タイプ。期間限定タイプもあり、7月上旬からはバナナ、カシス、レモンの3種を発売する予定だそうです。

伝統の技術と「とらや」の味を守りながらも、さまざまな素材を組み合わせることで、和菓子や餡になじみのない人にも興味をもってもらいたいという思いで、さまざまな味わいを探求する「TORAYA GINZA」。和菓子の入口になるような新しい味や、ここにしかない作りたてという最もおいしい瞬間を体験しに出かけてみませんか?

■TORAYA GINZA(とらや ぎんざ)
住所:東京都中央区銀座7-8-17虎屋銀座ビル4F
TEL:03-6264-5200
営業時間:11~19時(18時30分LO)
定休日:第2月曜(祝日の場合は第3月曜)


Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:斉藤純平

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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