【おとなのソロ部】本の読める店「fuzkue 下北沢」で過ごす、ノーストレスなひとり読書時間

【おとなのソロ部】本の読める店「fuzkue 下北沢」で過ごす、ノーストレスなひとり読書時間

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いつの時代もカルチャーの発信地として注目を集める東京・下北沢。ここ数年は、独立系書店が点在する“本の街”としても知られています。今回訪ねた本の読める店「fuzkue 下北沢」は、書店ではなく、“読書”に特化したユニークな一軒。店がある緑豊かな複合施設「BONUS TRACK」の散策も楽しみながら、本と読書ざんまいのソロ時間を満喫してきました。

Summary

“読書”にフォーカスした本の読める店「fuzkue」

小田急線、京王井の頭線の下北沢駅から世田谷代田駅方面へ徒歩5分。「fuzkue 下北沢」(以下、フヅクエ)は、複合施設「BONUS TRACK(ぼーなす とらっく)」の一店舗として、2020年にオープンしました。店名は、読書や書き物をする和風の机、“文机”が由来。

飲食店や書店、展示スペースなどを併設する「ボーナス トラック」。毎月さまざまなイベントなども行われている
飲食店や書店、展示スペースなどを併設する「BONUS TRACK」。毎月さまざまなイベントなども行われている

まるで公園の広場のように緑あふれる敷地内には、目当ての飲食店を目指して来る人もいれば、ご近所の人が犬と散歩をしていたり、近隣で働く人がベンチでひと休みしていたりと、自由でリラックスした雰囲気が漂っています。

そんな空間にひときわ溶け込むような店構えのフヅクエは、“本の読める店”をテーマにした、全5席のカフェを備えた小さなお店。

店に入ると、壁面にはさまざまなジャンルの本がずらり。どの本も自由に手に取って読むことができます。もちろん、自分で読みたい本を持ち込むのもOK。控えめにBGMが流れる店内は、心地い静けさと落ち着きを感じる空間です。

客席はすべて1名席。店内にある本はすべてオーナーやスタッフの私物
客席はすべて1名席。店内にある本はすべてオーナーやスタッフの私物

好きな席に着くとまず渡されるのが、メニュー表を兼ねた「案内書き」。ここには、オーナーの阿久津隆(あくつ たかし)さんが「気兼ねすることなく、ゆっくり過ごしたいと思うすべての人にとっての心地よさ」を考え抜いて生み出した、お店での過ごし方が丁寧に綴られています。

小冊子のように読みごたえのある案内書き。
小冊子のように読みごたえのある案内書き。

まず、大前提として店内は「おしゃべり禁止」。ひとりでも、同伴者がいても、コソコソ話も然り。それだけ聞くと、「え、ルールがたくさんあるのかな…緊張しそう」と思う方がいるかもしれませんが、心配は無用です。

例えば、カフェで読書を楽しもうと思っていたのに、「隣の人の声や作業音が気になって集中できない」という経験がある人も少なくないのではないでしょうか。フヅクエでは、訪れる人が互いにそうしたモヤモヤを感じない・感じさせないために、独自の仕組みでひとりひとりの時間を守る工夫を凝らしています。

ソロおすすめPoint
「案内書き」には、おしゃべり以外にもペンの取り扱いや携帯電話での写真撮影といった音を伴う動作や作業などについても表記があります。周囲のノイズに邪魔されず、読書に没頭したい人には、もっていこいの設計です。


サクッと派も、ゆっくり派も◎。選べる独自の料金体系

そんな独自の仕組みは、料金体系にも反映されています。フヅクエでは、利用料金のベースとして「席料」がかかります。ただし、その席料は、店で過ごす「時間」と食べ物や飲み物の「オーダー内容」によって安くなっていく“変動性”が特徴です。

過ごし方は、大きく分けて2通り。時間を気にせず読書に没頭したい人向けの「ゆっくりゆっくり過ごす」(1時間以上滞在)か、気分転換や仕事帰りにサクッと読書を楽しみたい人向けの「1時間フヅクエ」です。

1時間以上ゆっくり過ごす場合のベースとなる席料は1650円、1時間フヅクエの席料は990円。例えば前者の場合、ドリンクを1杯(770円~)注文すると、席料は1650円→990円に。さらにドリンクに加えておつまみやケーキなどを一品注文すると、席料は990円→660円に、といったように、オーダーごとに席料が減っていきます。(※土・日曜、祝日は席料300円アップ)

座り心地のいい椅子は「TRUCK FURNITURE」。リラックスできるようスリッパに履き替えることもできる
座り心地のいい椅子は「TRUCK FURNITURE」。リラックスできるようスリッパに履き替えることもできる
読書に集中したい!という人向けに、スマートフォンの預かりサービスも
読書に集中したい!という人向けに、スマートフォンの預かりサービスも

読書に没頭するあまり、経過時間や金額の変動がからなくなったときは、スタッフの方が教えてくれるのでご安心を。ちなみに、利用客の平均滞在時間は約2.5時間だとか。空間づくり、料金、利用のルールまで、心地く過ごすための工夫や配慮がなされているので、あっという間に時間が経ってしまうのも納得です。

さらに、フヅクエでは利用途中の軽い外出がOKなので、ボーナストラック内を散歩しながら体を動かすもよし、敷地内にある「本屋B&B」「日記屋 月日」というふたつの書店で本を探したり買ったりすることもできます。本探しやロケーションも含めて楽しみたい人は、時間に余裕をもって訪れるのがよさそうです。

■本屋B&B(ほんや びーあんどびー)
住所:東京都世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F
営業時間:12~21時(土・日曜、祝日は11時〜) ※イベントや貸切などで変更になる場合あり(公式サイトで要確認)
定休日:不定休

■日記屋 月日(にっきや つきひ)
住所:東京都世田谷区代田2-36-12 BONUS TRACK内
営業時間:8~19時(ドリンク18時45分LO
定休日:無休

フヅクエ×参加書店で行う企画「今日は、本の読める日」では、該当書店で1500円以上購入すると、フヅクエ3店舗(初台・下北沢・西荻窪)のお会計が15%オフに!

フヅクエ×参加書店(上記2店も対象店)で行う企画「今日は、本の読める日」では、該当書店で1500円以上の本を購入すると、フヅクエ3店舗(初台・下北沢・西荻窪)のお会計が15%オフに!

ソロおすすめPoint
目安としては、1時間以上過ごす場合は2000円以上〜、1時間の場合は1000円台前半〜といったイメージ。店内の「案内書き」はもちろん、公式サイト上でも丁寧に解説されているので、事前にチェックしておくのがおすすめです。じっくり読書に没頭したり、BONUS TRACK内を散歩したり、滞在時間や過ごし方を自由に設計できるのは、ソロならではの醍醐味。


軽食からお酒まで。こだわりのフード&ドリンクが充実

「ごぼうときのこの和風キーマカレー おばんざい3種盛り」(1200円)
「ごぼうときのこの和風キーマカレー おばんざい3種盛り」1320円
「ベイクドチーズケーキ」(600円)と「フヅクエ時間ブレンド」(750円)
「ベイクドチーズケーキ」660円と「フヅクエ時間ブレンド」825円

こだわりのフードやドリンクメニューの充実ぶりも魅力のひとつ。フードは、オリジナルのカレーやサンドイッチなどの軽食から、ナッツやオリーブなどのおつまみ、手作りのチーズケーキなどの一品があり、しっかり食べたい人にも小腹を満たしたい人にもうれしいラインアップ。

「とってもおいしいジントニック」(1150円)
「とってもおいしいジントニック」1265円

ドリンクは、オリジナルブレンドのコーヒーをはじめ、ポットで提供される紅茶、ほうじ茶、ビールや本格的なカクテルなどのアルコール類まで揃い、そのときの気分や訪れる時間帯によって選べます。

ドリンク類はテイクアウトも可能です。

注文すると、番号札がわりの文庫本が!注文を待つ束の間にも本との出合いを、という粋なはからいにも読書愛が垣間見えます。

ソロおすすめPoint
手作りの食事やドリンクは、カフェ利用だけでも通いたくなるほどのおいしさ! 特にお酒の種類が豊富なのは小さなブックカフェとして珍しい特徴。小説やエッセイにはお酒にまつわるシーンが描かれていることも多いので、物語に出てくるものと同じメニューを頼んでその世界観にひとり浸ってみるといった読書体験も楽しめそうです。

小さな空間を共有しながらも、ひとりひとりの独立した時間が保たれているフヅクエは、ソロスポットとしてありそうでなかった貴重な存在。下北沢店ならでは店内・店外への行き来も自在に楽しみながら、読書ざんまいの1日を過ごしてみませんか。


■fuzkue 下北沢(ふづくえ しもきたざわ)
住所:東京都世田谷区代田2-36-14 BONUS TRACK内
TEL:なし
営業時間:12~22時(21時30分LO
定休日:無休 ※公式サイト要確認

ソロおすすめPoint
■ソロ率:95%(平日の12時
■おすすめの利用シーン:読書をしたいとき、本と出合いたいとき、集中したいとき、デジタルデトックスしたいとき


Text:木下美和
Photo:菅井淳子

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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