【おとなのソロ部】「PAYSAGE代官山本店」のひとり用アフタヌーンティーで至福のときを
忙しい日常にひと区切りつけて、自分へのご褒美時間。そんなときにぜひ楽しみたいのが、こだわり抜いた繊細な味付けのセイボリーや旬のフルーツをふんだんに使ったスイーツのひとつひとつを、目や舌でゆっくりと味わえる、「PAYSAGE代官山本店(ぺいさーじゅだいかんやまほんてん)」のアフタヌーンティー。数々の名店でシェフパティシエを歴任してきた江藤英樹(えとうひでき)さんのスイーツブランド「PAYSAGE(ぺいさーじゅ)」の待望の旗艦店で味わえるアフタヌーンティーで、至福のひとり時間を過ごしましょう。
幸せを感じる!焼き菓子の香りと洗練されたインテリア
これまでは実店舗を持たず、ポップアップなどを中心に展開してきた江藤英樹さんのスイーツブランド「PAYSAGE」。ついに2024年2月「フォレストゲート代官山」に、初となる旗艦店「PAYSAGE代官山本店」をオープンさせました。「フォレストゲート代官山」は、東急東横線代官山駅から徒歩1分ほどの場所にある、建築家・隈研吾(くまけんご)さんが建築デザインを手がける注目のスポットです。
店内は、広々とした2階建ての造り。1階は、生菓子や焼き菓子をテイクアウトできるブティックと、それらをイートインできるカフェ「サロン・ド・テ」。2階は、目の前でシェフがデザートを仕上げる様子が見られる「シェフズテーブル」という構成です。今回の目的である人気のアフタヌーンティーは、1階の「サロン・ド・テ」で味わうことができます。
1階のカフェ「サロン・ド・テ」は、天井が高く白を基調とした空間で、明るく開放的な雰囲気。サーモンピンクの椅子とモスグリーンのソファが差し色となって、洗練された空間にやわらかに映えています。
落ち着いたなかにもかわいらしさが宿る「大人ガーリー」なインテリアに、ほんのり香る焼き菓子の香り。すでに気持ちが高ぶります。
ひとり客は、店内に入って左側の窓際の席に通されます。全面が窓で、晴れた日は自然光がさんさんと降り注ぐ、なんとも気持ちのいい席。窓の外に置かれたグリーンが、癒やしの空間を演出しています。窓は「フォレストゲート代官山」の通路に面しており、代官山という土地柄もあり、都会的な雰囲気が漂います。オープンしてすぐの時間帯は、人通りが少なく、静かな雰囲気を味わえそうです。
かわいい見た目に、繊細な味。五感で愛でるひとり用アフタヌーンティー
アフターヌーンティーのコースは、公式サイトからの予約制。11時、13時、16時の枠があり1枠2時間制なので、時間のなかでゆっくりと楽しむことができますよ。毎月1日に次月の予約枠が開放されるシステムで、土日など人気枠はすぐに埋まってしまうそう。予定が分かり次第、予約をしたほうが安心です。
今回紹介するのは、7月のメニュー「PAYSAGE AFTERNOON TEA~été~」。桃やマンゴーなど、夏に旬を迎えるフルーツが、ふんだんに使われています。内容は、旬のフルーツや食材を中心に構成されるため、1・2ヵ月ごとに入れ替わります(価格は一律7500円)。
真鍮のスタンドに、真っ白なお皿。ミニマルで洗練されたたたずまいが素敵です。スタンドの下段にはセイボリー、上段にはスイーツが、それぞれ4種類ずつのっています。季節のスコーンとコンフィチュールが付き、ドリンクはフリーというのも、ぜいたく。セイボリーやスイーツは、ひと口で食べるにはやや大ぶりなサイズ感ですが、「ひとりで食べられるかな……」という心配はご無用。「PAYSAGE代官山本店」のアフタヌーンティーはすべてひとり用として作られており、何よりもそのおいしさで、ぺろりと完食できてしまうはず。
上段のスイーツは、トップシェフによる自信の一品がずらり。小さなエディブルフラワーや金箔が使われるなど、見た目にも美しく、まるでアートのようです。
いざ実食! となると、何から食べるか迷ってしまうのは、アフタヌーンティーあるある。下段のセイボリーを食事感覚で楽しみながら、合間にスコーンや紅茶で箸休めをしつつ、締めにスイーツで満足。という楽しみ方をしている人が多いようです。できたてのうちに食べるのがおすすめなものについては、シェフから説明があります。
「揚げたてを食べてほしい」と説明があったのが、「とうもろこしのアランチーニ」。アランチーニは、イタリアのライスコロッケのこと。上にはポップコーンの飾りがのっています。見た目もかわいらしい。
早速、いただきます! 目で楽しみながら食べたいので、ひと口でいきたいところをグッとこらえて、フォークとナイフで丁寧に2つに割って。中には、トウモロコシのリゾット入り。口にすると、トウモロコシの風味がふんわりと鼻を抜けます。おいしい! 衣はサクサクで、すっと口で溶けてなくなります。繊細に移り変わる味を敏感に感じられるのも、ひとりアフタヌーンティーならではの醍醐味です。
次にシェフに早めに食べるようにすすめられたのが、こちらの「エスニックシュリンプ」。海老に片栗粉をまぶして揚げ、マヨネーズやケチャップなどで味付けしています。上には、香りのアクセントでディルがのっています。素揚げにしたライスペーパーが器代わり。時間が経つとしんなりしてしまうため、こちらもできたてをいただきましょう。
セイボリーの定番の一つ、カプレーゼ。7月の内容は、マンゴー、モッツァレラチーズ、生ハム。オリーブオイルと塩胡椒という最小限な味付けで、素材の味を楽しめるメニューです。味がぎゅっとしまっていて、3つの味のハーモニーが絶妙に口の中に広がります。そして、マンゴーの軟らかさといったら! 季節によって、旬の食材を使ったいろいろなカプレーゼが楽しめるのはうれしいですね。
薄く繊細に切られたバケットにのっているのは、ズッキーニ、黄色パプリカ、チョリソー、フレッシュトマト。それぞれにほんのり味付けをしながら焼き色をつけ、その上に、すりおろしたグラナパダーノというチーズがたっぷりとトッピングされています。
プレートには、「PAYSAGE」のアイコンでもあるボタニカル模様がさりげなくデザインされています。食べ進めていくうちにちらりと見えると、かわいらしくてほっこり。こちらのプレートは、佐賀県の窯元・李荘窯にて製作された有田焼食器。スイーツはもちろん、プレートにも「PAYSAGE」らしさを垣間見ることができます。
スコーンは内容としては定番であるものの、味が季節によって変わります。自然な甘みがおいしいスコーンは2つ。今回は、「アールグレイスコーン」と「メープルバタースコーン」。
コンフィチュールも、季節によって内容が変わります。今回は、桃のコンフィチュールとレモンのマーマレード。新鮮なフルーツの甘酸っぱさとスコーンのやさしい甘みが、口いっぱいに広がります。こちらはブティックで売られているコンフィチュールとは、また別のものだそうです。
こちらのスコーンもとても好評で、販売を希望する声も多いとか。それ、分かります。
ドリンクはフリー。6種類のティーセレクション、コーヒー、ジュースなどから選ぶことができます。「PAYSAGE」で取り扱うのは、日本の紅茶ブランド「フィーユ・ブルー」の紅茶。日本の軟水で入れたときに、バランスのよい味わいとなるようにブレンドされています。
フリードリンクですが、最初に提供されるのは「PAYSAGE」のためにオリジナルで作られたという、ブレンドフレーバーティー「Garden(ガーデン)」。江藤シェフが幼少期に過ごしたイギリスの庭園をイメージして作られたそうで、「PAYSAGE」のスイーツに合うように特別にブレンドされたものです。アフタヌーンティー後のおみやげとして、買っていく人も多いそうですよ。
セイボリーを目で楽しみつつ、じっくりと味わった後は、お待ちかねのスイーツ。まず目に飛び込んできたのは、このシュークリーム!
中はパッションフルーツのクリームで、さっぱりとした味わい。上にのったクリームは、マスカルポーネと生クリームをあわせたリッチな味わい。パッションフルーツのさわやかさと、濃厚なクリームの絶妙なバランス感がたまりません。ああ、これを食べる時間が終わってほしくない……。ゆっくり、ゆっくり、いただきます。
次は、ピンク色がかわいらしい「桃のムース」。下のスポンジ生地にはアールグレイを、ムースには旬の桃を使用しています。上にのっているのは、桃のコンフィチュール。「PAYSAGE」のスイーツには、繊細なエディブルフラワーやキラリと小さく輝く金箔が使われているのも、特徴の一つ。これには、スイーツを味わっているときにも素敵な風景が浮かぶように、というシェフの思いが込められています。
紅茶は、毎回期間限定のフレーバーがラインアップしているので、ぜひ飲んでみたい。7月のシーズナルティーは、「シャンパンローズ」フレーバー。バラの香りが広がります。
色鮮やかなオレンジが食欲をそそるアップルマンゴーのタルトは、下のタルト生地にダマンドが使われ、まわりにはココナッツがまぶされています。真上から写真を撮っても、文句なしのかわいらしさです。
アフタヌーンティーの最後には、やっぱり一番気になるものを。こちらの「フィナンシェピーチティー」は、上に季節のサクランボがのっている、なんともかわいらしいビジュアル。中にはドライピーチが入っており、表面はアーモンドのクランブルでコーティングされ、味だけでなく食感も楽しめるようになっています。サクランボにあしらわれた金箔が、まるでアートのよう。最後の締めにふさわしい、しっかりとした味わいで、大満足のアフタヌーンティーでした。
ちょっとずつ、味わうように食べるのもいい。アフタヌーンティーの楽しみ方は、自由です。
デザートコースは次回のご褒美へ。おみやげを買って家で楽しむ
「PAYSAGE代官山本店」では、2階のフロアでデザートコースを楽しむこともできます。こちらで楽しめるのは、シェフが目の前で仕上げるのを目で楽しみつつ、季節の旬素材を味わえるデザートコース。アフタヌーンティー同様、「PAYSAGE」のアイコンでもあるボタニカル模様のプレートもかわいい! ちなみに壁の押し花は、スタッフ自らの手により施されたものだそうですよ。
デセールコースは木~土曜の提供で、木・金曜が12時のみ、土曜は12時と15時の枠があります(2時間制、公式サイトからの予約制)。プライベートな空間で食事をせずにデザートコースのみを楽しめるとは、なんというぜいたくさ。日曜限定で、パフェのコースも開催しています(11時、12時30分、14時、15時30分、17時の枠があり75分制)。
デザートコースでは、センターのテーブルでデザートの仕上げをする様子は圧巻で、ほとんどの人が動画を撮るといいます。目の前で完成した美しいデザートを、できたてほやほやの状態でいただけるとは幸せです。今日はアフタヌーンティーでしたが、次回の自分へのご褒美候補として、ぜひこちらのデザートコースも頭に入れておきたいですね。
アフタヌーンティーを楽しんだら、1階のブティックにて、おみやげに「PAYSAGE」名物のケーキを買っていくという人も多いとか。人気は、5カ国の茶葉とベリーなどをブレンドしたオリジナル紅茶「Garden」を煮出して、ミルクティームースに仕上げたスイーツ。生地にも茶葉が入っています。つるりとしたムースの上にのった小花と金箔が美しすぎて、うっとり。
ほかのケーキも、どれも見た目がかわいらしくて迷ってしまいます。まるで宝石箱のようなショーケースをひとつひとつ眺めつつ、家で食べるデザートを選ぶのも楽しい時間。丸っこいフォルムは、「PAYSAGE」らしさのひとつ。甘すぎずサイズ感もほどよくて、おいしさがずっと口に残ります。
入り口には、焼き菓子もずらり。気軽におもたせできる人気の品です。せっかくだから、とこちらも購入して帰るという人が多数。全部食べてみたいけれど、さすがにそれは無理……。次は何を狙おうかなと考えながら、またひとりでデザートを満喫しに、訪れる楽しみを残しておくのもいいですね。
こちらの「サブレクラシック」は、「PAYSAGE」の人気定番商品。シンプルでいて、素材の味をしっかりと感じられる、食べごたえのあるクッキーです。メープル、チョコチップ、アールグレイ、クランベリーといった、味のラインアップも魅力。ギフトとしても最適です。自分用に買って、毎日ひとつひとつ、ていねいに食べるのもいいですね。
自分へのご褒美として、おいしいアフタヌーンティーに舌鼓を打つ。ずっと読みたかった小説や絵画集などを片手に、優雅なひとときを過ごすのも素敵です。帰りがてら、ふらりと代官山散歩をするのもいいですね。とっておきのひとり時間のためのアドレスとして、ぜひピックアップしておいてはいかがでしょうか。
■PAYSAGE 代官山本店(ぺいさーじゅ だいかんやまほんてん)
住所:東京都渋谷区代官山町20-23 フォレストゲート代官山
TEL:03-6455-2515
営業時間:11~19時
定休日:月曜
■おすすめの利用シーン:自分へのご褒美として最高のアフタヌーンティーをじっくり味わいたいとき、優雅な気分にひたりたいとき、旬のフルーツを使ったスイーツを堪能したいとき
Text:松崎愛香
Photo:yoko
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