【おとなのソロ部】こだわりスイーツに癒やされる、おひとりさま専用喫茶「自分時間」
昭和初期の町並みの面影が残る大阪市東成区の商店街に2024年3月にオープンした、おひとりさま専用喫茶「自分時間(じぶんじかん)」をご紹介。味わい深いヴィンテージ家具が並べられたこぢんまりとしたお店で、もう一つの自分の部屋のいるようにくつろげる時間を提供しています。
ヴィンテージの椅子が並ぶ大正ロマンな空間
「自分時間」があるのは、Osaka Metro今里筋線の今里駅で、なんばからなら千日前線で約8分。6つの商店街が連なる長い一本道のアーケード「東成しんみちロード」沿いに立っています。周辺には昔ながらの鮮魚店や青果店、洋品店などが並び、どこか懐かしい雰囲気です。
カフェ開業のために土地・物件を探しまわりこの場所に決定。大正・昭和ロマンをコンセプトに店舗をデザインしています。木の扉や窓枠、腰壁タイルがおしゃれで、コンパクトながら愛らしい店構えです。
入店し、扉を閉じた瞬間、商店街の賑わいは遠くへ。とっても静かな空間です。「自分時間」は、「ひとりで静かに過ごす、おとなの休憩所」がコンセプト。お話しなくても、友達同士やカップル、ご夫婦などでの入店もNGにしています。心の安らぎを求めるおひとりさま専用のカフェです。
席は全部で7席で、カウンターテーブルに3席と、ひとりがけの椅子とサイドテーブルの席が4セットあります。
椅子はほぼ一点もので、1930年~40年代のイギリス製のものを中心にセレクトしています。オーナーがアンティークショップに通いながら、一目惚れしたものを買い集めたそう。ロッキングチェアやカーペット仕様のエレガントな椅子など、一期一会の出合いで選ばれた椅子はそれぞれ個性的で、席を選ぶ楽しさもあります。
木の艶が深く、経てきた時間が感じられるヴィンテージチェアは古いだけでなく、座り心地の良さも魅力です。座面が体を受け止めてくれるようで、長時間座っていられそうな快適な椅子ばかり。
彫刻のデザインや座面の生地の模様や風合い、時代を感じるサイドテーブルのガラス天板など、席を決めてから自分が使う椅子やテーブルを観察するのもおすすめです。
メニューは月替わりのスイーツ1種のみ
「自分時間」で提供しているスイーツは現在、抹茶系とチーズ系がメイン。パティシエールの松尾栄里さんが店内工房でケーキを作りながら接客も兼ねており、スイーツのクオリティーを追求したいという思いからメニューは月替わりの1種のみに限定しています。ドリンクとセットのイートインメニューがメインで、スイーツはテイクアウト用もスタンバイ。
この日は6月のスイーツ「まるで生チョコのような抹茶とホワイトチョコのガトーショコラ(基本サイズ)Aセット」を注文しました。宇治抹茶がしっかりと香る、ホワイトチョコをたっぷり配合したガトーショコラです。
ドリンクはゴールデンチップとよばれる茶色の葉が時折混じっているアッサム茶葉を使用。営業日の朝に茶液を煮だし、低温殺菌牛乳と合わせた自家製のロイヤルミルクティーをセレクト。1日4杯限定の自信の一杯です。ほかにはオーダーを受けてから本格宇治抹茶を点てて入れる抹茶ラテ+300円などもあります。
スイーツが半分量のサイズで、790円とお得に味わえるドリンクセットも調度いいサイズと人気。
※価格は月替わりのメニューによって異なります。
※スイーツによって半分量サイズメニューがない場合があります。
スイーツの甘さに気持ちをほぐされながらゆったりと過ごす時間は、心のデトックスにも最適。映えメニューなどを楽しむグループ向けのカフェが多いなか、「1人専用の場所が増えてもいいのではないか」とお店をオープン。「日々に疲れている人が気持ちをリセットできるような店にしたいです。最初は入りずらいかもしれませんが、これから必要とされてくる場所だと思ってます」と松尾さん。
シンプルながら唯一無二の個性派ケーキを提供
元々料理教室の先生だったというパティシエールの松尾さん。スイーツ作りに本腰を入れたのは、趣味程度に作っていた手作りのケーキを贈った知り合いが、苦手なチョコレートを好きになったことがきっかけ。松尾さんは「本当においしいものを提供できたら、苦手なものを克服できたり、食べ物に対しての楽しみが増えるのではと思って」と、ケーキを独学で学びお店をオープンさせました。
洋菓子のほかに和食、中華、フレンチ、イタリアンも改めて学んだ松尾さん。いろんな知識や調味料の組み合わせをスイーツ作りにも生かし、シンプルながらもほかでは味わえない味わいや食感を追求したスイーツを研究・開発しています。
食材は国内外問わず、できるだけ添加物の少ない高品質なものを選んでいるため、安心安全に食べられることも魅力です。オープンからこれまでに提供してきたスイーツは、京都宇治抹茶を100%使用し、カスタードを空洞なしで詰め込んだ抹茶シュークリーム、全体の60%がチーズというチーズケーキなど。日々試行錯誤とトライ&エラーを繰り返しながら、定番ながら特徴のあるケーキを生み出しています。
7月は「バスク風焦がしチーズケーキ」を提供中、8月は「レアチーズ」ケーキを提供予定です。歴代スイーツも今後登場する可能性はありとのこと!以降のラインアップも楽しみですね。
本格的な手作りスイーツを味わいながら、ちょっとひと休み。休日はもちろん、仕事帰りや空き時間に利用するお客さんも多いとのことです。思いの詰まったこだわりスイーツと、自分だけの“いい時間”を提供してくれるこの場所で過ごしてみませんか?
■自分時間(じぶんじかん)
住所:大阪府大阪市東成区大今里3-5-4
TEL:090-8533-3929
営業時間:13時~17時30分
定休日:月・火・金曜
アクセス: Osaka Metro各線今里駅から徒歩7分
■おすすめの利用シーン:ひとりでゆっくり過ごしたいとき、個性的な手作りスイーツを食べたいとき、静かに本を読みたいとき、ちょっと疲れた仕事帰り、おさんぽの途中
Text:フジタイコ
Photo:沖本 明
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●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。