高田馬場「虫二」の茶席で中国の味と文化を知る上質なひととき

高田馬場「虫二」の茶席で中国の味と文化を知る上質なひととき

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2024年4月、高田馬場にオープンした「虫二(ちゅうじ)」は、西早稲田にある中国カフェ「甘露(かんろ)」の姉妹店。一面がガラス張りの開放感のある空間では、中国茶や茶菓子のコースである茶席を優雅に楽しむことができます。メニューはどれも日本ではあまり堪能できない味わいや香り、深みのものばかり。中国文化を学びたい、ふれてみたい、そんな願いを気軽に叶えられるお店をご紹介します!

Summary

中国茶と茶菓子をコースで堪能!

高田馬場駅早稲田口から徒歩約3分、大通りから1本入ったところにある、グリーンに囲まれ絵本に出てきそうな雰囲気が漂う建物の1階が、今回紹介する「虫二」です。西早稲田にある中国カフェ「甘露」の姉妹店で、中国各地のおやつをアラカルトで楽しめる「甘露」と違い、中国茶や茶菓子をすべて茶席すなわちコース制でゆっくりと楽しめるのが魅力!

「虫二」のコースは1日あたり火・水・金曜には2枠、土曜には3枠の予約枠が設定されています。1枠2グループで計1〜10名までが楽しめ、所要時間は約2時間。応募はネット予約のみで、予約は30日前から開始します。

コース料金は当日セレクトする中国茶によって異なり、メニューに書かれたお茶の値段で、この後紹介する果籃や季節のお菓子などコースすべてを楽しめます。取材時は4000円台のものから9000円台のものまで、緑茶や紅茶など13種類の茶種が揃っていました。ラインナップは約3カ月に1度入れ替わります。

今回は緑茶「梅家塢龍井(ばいかうろんじん)」5940円をセレクト。
普段飲み慣れた日本緑茶との比較が楽しみです。

まずテーブルに運ばれてきたのは、2段になった専用の箱。
箱の中には果籃(からん)とよばれるフルーツやナッツ類、茶菓子の盛り合わせが入っています。

果籃は1品ずつ白く小さなお皿に盛られており、並べるとカラフルで華やかな印象です。

冬瓜を砂糖漬けにした「糖冬瓜(たんどんぐわー)」やサンザシの実を使った甘酸っぱい中国菓子「山楂餅(しゃんざーびん)」をはじめ、ブドウとオレンジ、中国ではフルーツとされているトマト、ヒマワリの種、ヘーゼルナッツなど全9品が入っていました。

果籃のなかでも、「蔓越莓奶棗(まんゆえめいないざお)」と「背徳核桃(べいどぅふぅたお)」はオリジナルレシピのお茶うけです。「蔓越莓奶棗」は、棗(なつめ)をマシュマロで包んだおやつ。ふわふわとコリコリが絶妙なバランスで感じられる不思議な食感が特徴です。表面にヨーグルトとクランベリーのパウダーをまぶしているのでさわやかな味わいに仕上がっています。

「背徳核桃」はキャラメリゼしたクルミに丁子(ちょうじ)という香辛料をくわえたひと品。キャラメルの甘さのあとに丁子の豊かな香りと塩気が感じられます。カリカリとした食感もたまりません!

すっきりとした味わいの中国茶でリラックス

続いて運ばれてきたのは、セレクトした「梅家塢龍井」の茶葉。日本の緑茶は大半が蒸して加熱するところを、中国の緑茶はほとんどが釜で炒る製法とのこと。その違いからか香ばしい香りがふわりと感じられます。

「虫二」ではお茶をスタッフに入れてもらえるのはもちろん、セルフで入れて楽しむこともできます。茶器には蓋碗(がいわん)とよばれる蓋付きの茶碗を使用します。入れる際に丁寧にレクチャーしてくれるのでセルフでも安心です。
茶の種類によって異なりますがおよそ3〜4煎、多いもので10煎楽しむことができるので、さまざまな茶菓子との組み合わせを試しながらゆっくりと楽しんでみて。

中国国内でも緑茶の代名詞として知られる龍井茶(ろんじんちゃ)。今回セレクトした「梅家塢龍井」は見た目が澄んだグリーンで美しいのがポイントです。ひと口飲んでみると日本緑茶と違って、渋みが極めて少なくすっきりとした味わいに驚き。甘みとうま味がよく引き立っており、とても飲みやすいためどんな人の口にも合いそうです。

夏らしいさわやかなお菓子で季節を感じる

果籃との組み合わせを楽しんでいると、運ばれてきたのは季節のお菓子。取材時に提供されていたのは「西瓜酪(しーぐわらお)」と「豌豆黄(わんどうほぁん)」でした。

「西瓜酪」は、平たくいうとスイカのゼリー。砂糖などは加えずにスイカ本来の味を生かしたみずみずしい味わいになっていて、スイカをそのまま食べているかのようなフルーティーさが魅力です。ゼリーにはハッカのシロップがかけられているためすっきりとした香りを感じられ、夏の暑い日にぴったり!

「豌豆黄(わんどうほぁん)」は、中国で古くから老若男女問わず多くの人々に愛されてきた黄エンドウ豆を使った伝統的なお菓子。黄エンドウ豆をペースト状にして固めた絶妙なやわらかさは、日本の芋ようかんに近い食感です。虫二の「豌豆黄」には、干し柿がトッピングされているためようかん自体の甘さといい香りにくわえて、濃厚かつフルーティーな甘さが楽しめます。

落ち着きのある開放空間で優雅に過ごす

「虫二」では空間にも注目。中国の伝統的な要素を現代風にアレンジしたデザイン「新中式」を採用していて、あまり見かけない空間様式から非日常が感じられます。中国菓子や茶葉、茶器などを購入できる物販と、靴を脱いであがるコース体験のための茶室の2つのスペースで構成。空間を仕切る棚には、茶缶が置かれていていい雰囲気です。

茶室の一面には大きな窓が設けられているため開放感たっぷり。グリーンであふれる外の庭を眺めながら茶とお菓子を食べて優雅に過ごすことができます。

物販で購入できる中国菓子のラインナップは、牛の舌に見立てて作った甘じょっぱいふわサク食感のお菓子「老北京牛舌餅」486円や、濃厚なバラのジャムをつかった香りのいいお菓子「宮廷鮮花餅」540円など、常時13〜15種類を揃えています。コースを体験しなくても購入することができるので自宅のおみやげにふらっと買って帰ることもできて◎

中国のお茶とおやつをより多くの人に知ってもらうために「虫二」をオープンした、と店主の向井さんはいいます。ぜひコースを通して中国の味だけでなく文化にもふれてみてはいかがでしょうか。

◼︎虫二(ちゅうじ)
住所:東京都新宿区高田馬場2-14-5 ROZZO 1階
TEL:03-6823-7588
営業時間:11〜18時
コース枠時間:火・水・金曜13時〜、16時〜/土曜11時〜、13時30分〜、16時〜
定休日:月、木曜
アクセス:高田馬場駅早稲田口から徒歩3分


Text&Photo:小杉環太(エフェクト)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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