築100年以上の建物をリノベーション!東京の今と昔をつなぐ「HOTEL K5」で非日常体験を【すみずみ 宿泊ルポ】

築100年以上の建物をリノベーション!東京の今と昔をつなぐ「HOTEL K5」で非日常体験を【すみずみ 宿泊ルポ】

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日本橋・兜町にある「HOTEL K5(ほてる けーふぁいぶ)」は、1万円札の肖像に選ばれたことでも話題の渋沢栄一氏が創設した「第一国立銀行」の別館だった建物をリノベーションして造られたデザインホテル。歴史ある建物を生かした荘厳な外観で、施設内はストックホルムを拠点とする「CLAESSON KOIVISTO RUNE(くらーそん こいゔぃすと るーね)」率いるデザインチームが監修。おしゃれな空間で、ゆったりとした時の流れを楽しみながら、東京ステイを満喫できます。

Summary

歴史ある街にたたずむデザイナーズホテル

東京・日本橋の兜町は、証券会社などが多く立ち並び、「東京のウォール街」ともよばれている街。そのなかで、日本経済の父とよばれる渋沢栄一氏が創設した日本最古の銀行「第一国立銀行」の別館をリノベーションして造られたのが、ホテルやレストランが一体となった複合施設「K5」です。

歴史ある建物をそのまま使用した外観は、なんと築100年以上。荘厳かつクラシックな雰囲気に、入る前から魅了されます。

エントランスの階段を上って、おしゃれなロビーにあるフロントでチェックインを。「K5」は、2〜4階が宿泊施設(20部屋)で、地下1階1階にはバーやカフェ、レストランなどが入る複合施設となっています。

宿泊施設である「HOTEL K5」は、ストックホルムを拠点として活躍する3人の建築家のユニット「CLAESSON KOIVISTO RUNE」が率いるデザインチームが監修。「都市における自然との共存」をテーマに、五感に訴えかけるシンプルで上質なデザインを目指しているのだとか。

客室へ向かう廊下や階段など、施設内部は洗練された空間が広がっています。たくさんのグリーンと床のタイルが印象的な廊下に、これから向かう客室への期待が高まります。

壁には杉の木が使用されていて、客室に入る前から、どこか落ち着いた気持ちに。日本の伝統的な技術を用いた曲がり角のなめらかなカーブには、職人の魂が感じられます。

窓は、さまざまな模様の擦りガラスにカラーフィルムを貼り、美しい色合いに。日の光がグリーンやブルー、イエローに織り混ざり、なんともいえない美しい空間を造っています。

床に貼られたタイルにも、工夫がちらり。少しずつパターンの違うタイルは、客室タイプと連動しているそう。客室とタイルの模様を統一することで、客室と廊下の境目をあいまいにして、ひとつの空間としてつながっているような感覚を味わえるように計算されています。

歴史ある建物を長く楽しむ工夫も。経年変化などでタイルが割れることを想定して、タイルのヒビ部分には金継ぎが施されています。

時が織りなす変化にひと足しして新たな魅力を加えているところにも、日本の伝統を大切にする心意気が垣間見えます。

ハイセンスな客室で特別な宿泊体験を

おしゃれな天蓋つきベッドが人気の「High Ceiling Junior Suite」

High Ceiling Junior Suite 1泊11万6000円〜(税込・サ別、食事別)

今回宿泊したのは、人気の客室のひとつである「High Ceiling Junior Suite」1泊10万円〜(税込・サービス料込、食事別)。天井高4.5m、43㎡の広々としたワンルームです。

あえてしっかりと区切りや扉を作らず、“あいまいさ”を表現したワンルームは、生活の境界線をきっちり分けないからこそ、宿泊者がそれぞれリラックスしやすいかたちで自由に過ごせます。

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「HOTEL K5」の客室には、ゆったりとした時の流れを楽しんでほしいという思いから、テレビがありません。その代わりに、それぞれの客室イメージに合わせてセレクトされたレコードと本が用意されています。

忙しい毎日から解き放たれて、おしゃれな空間でくつろぎながらゆっくり音楽を聴いたり、読書をしたりすることができる、まさに”非日常空間”なんです。

入って右手には、和の素材やモチーフをイメージしたおしゃれなリビングが。折り紙のデザインから着想を得たひとりがけソファや、脚に竹を使用したロングソファ、丸みのあるシルエットが印象的な赤いソファなどはどれも魅力的で、畳をイメージしたラグもどこか落ち着きを感じます。

なお、これらの家具はK5オリジナルなんだそう。どこまでもこだわり尽くした空間造りにワクワクします!

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客室の照明は、バスルームからリビング・ベッドルームまですべてのライトの明暗レベルが調節可能。
ほのかな光でリラックスしたいとき、読書やちょっとした作業でしっかり明るさがほしいときなど、シーンに合わせて調整できるのはうれしいポイントです。

左手に構える大きなベッドは、「HOTEL K5」を象徴するデザインのひとつ。天蓋はやわらかな素材の麻布で、非日常感たっぷりの空間になっています。

夜はきれいな藍色のカーテンに包まれて眠りにつき、朝はカーテンから差す日の光で目が覚めるという、普段あまり体験することのない至福の時間が過ごせます!

Suiteタイプのみの仕様となる、バスタブ付きのシャワールームも魅力的。

おしゃれなタイル×ウッドの落ち着いた空間で、バスソルトも付いているので、ゆっくりお湯に浸かって優雅なバスタイムを楽しめます。

アメニティには、シャンプー・コンディショナー・スキンケアキットのほか、歯ブラシやコットン、ヘアブラシ、ドライヤーも用意されています。

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ケアアイテムは、イタリア・トスカーナ発のオーガニックブランド「NATURAL FOUNDATION(なちゅらる ふぁんでーしょん)」のもの。

ベッド裏には、大きな鏡とワードロープが。しっかりスペースがあるので、ロングステイにもうってつけです!

なお、鏡は扉になっていて、開けると中にミニバーがあります。4階の客室はすべて無料で、客室内でも、ちょっとした晩酌ができるようになっているんです。

同施設内のカフェ「Switch Coffee(すいっち こーひー)」のオリジナルローストコーヒーや、バー「Ao(あお)」のオリジナルブレンド茶から、クラフトジン、ハイボール、ビールなどのアルコールドリンク、こだわりの厳選スナックがずらり。
※2〜3階の客室はすべて有料。料金はチェックアウト時に支払い

ルームサービスも充実していて、「Ao」「Switch Coffee」のほか、こちらも同施設内のビアバー「B by The Brooklyn Brewery (びー ばい ざ ぶるっくりん ぶるわりー)」の一部メニューを、客室で楽しめます。

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ルームサービスの朝食では、近くの人気ベーカリー「Bakery BANK(べーかりー ばんく)」のパンを使用したサンドイッチが味わえます。都内でも屈指の人気ベーカリーのサンドイッチを朝から食べられるなんて、幸せ!

ホテル着には、ナイトウェアと浴衣の2パターンが用意されています。
ナイトウェアはやわらかく肌ざわりのいい着心地で、寝るときもとてもリラックスできます!

浴衣はシンプルな色味で、性別や年代を問わず着用可能。着用方法の説明書もあるので、初心者でも簡単に挑戦できますよ。ホテル滞在中は館内での着用がOKなので、日本らしいステイ体験が楽しめます。

客室のパンフレットには、都内の観光名所を示す二次元コードマップが入っていて、おすすめ観光スポットを案内してくれます。

自転車の貸出しサービスも行っているので、日本橋の名所をサイクリングしながら観光するのもいいかもしれません!

時間貸しのサービスも!スイートルーム「K5 Suite」

今回併せてご紹介したいのが、ホテル最上級スイートの「K5 Suite」。広さ80㎡で、大きなダイニングテーブルやリビングルームのある広々とした空間です。

実はこの客室、宿泊プランのほかに、パーティールームとして時間貸しも行っているんです。
※パーティー利用はメールで別途問い合わせ

こちらももちろんベッドは天蓋付き。大きなワイドキングサイズで、手足を広げてぐっすり眠れそうです!

ほかにも、バスタブ付きのシャワールームや、大きなワードロープも付いていて、まさにラグジュアリーな空間となっています

さらにミニキッチンもあり、アメニティのドリンク・フードのほかに、パーティー用の食器やカトラリーも用意されています。

ぜいたくな空間で、友人たちと特別なひとときを過ごせば、素敵な思い出になること間違いなしです!

複合施設ならでは!魅力いっぱいのレストランやカフェにも注目

1階コーヒースタンド「Switch Coffee」でこだわりの1杯を

1階にある「Switch Coffee」は、目黒、代々木八幡に店舗を構えるコーヒーショップの日本橋店。
エスプレッソやカフェラテなどのほか、シングルオリジンのドリップコーヒーが楽しめます。朝から夕方までいつ立ち寄っても手軽に質の高いコーヒーが味わえるとして人気です。

「カフェラテ」 650円

人気ドリンクの「カフェラテ」650円でカフェタイムを。フルーティーな酸味と苦みのバランスが絶妙なコーヒーに、まろやかなミルクがマッチする味わいです。

出発前の一杯や、ホテルに着いてから一杯、何度も立ち寄りたくなります。

1階サロン&バー「Ao」で本を読みながらお酒をたしなむ

こちらも1階にある「Ao」は、図書館とバーが一体化したサロン。夜はバー、昼は宿泊者限定のサロンとして楽しめる施設となっています。この部屋は、銀行の別館だった当時、渋沢栄一氏の書斎だったという話もあるのだとか。

「Ao」という店名も、渋沢栄一氏のペンネームから付けられたもの。兜町にいた渋沢栄一という人間の見た世界を、兜町、東京、日本などのカテゴリーごとに分け、その時代を知ることができるよう本棚が構成されています。

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サロンの本は、宿泊者なら客室に持ち込むことも可能。チェックイン前や昼間に立ち寄って、気になる本を借りるのもいいかもしれません。
(左から)「樽出しリアルレモンサワー」1100円、「リアルレモンウイスキーサワー」1430円

樽熟成の香りが広がる、黒糖焼酎ベースの「樽出しリアルレモンサワー」1100円(左)は、お店でも人気のメニュー。自家製レモンリキュールのさわやかな酸味と、黒糖焼酎のまろやかなコクがマッチしています。

「リアルレモンウイスキーサワー」1430円は、黒糖焼酎とバーボンを組み合わせ、アクセントにレモングラス・アールグレイの香りを使用したレモンティーのようなサワー。バーでおしゃれなサワーを楽しみながら、歴史ある街に思いをはせるのもいいかもしれません。

地下1階ビアホール「B by The Brooklyn Brewery」でビールの新たな魅力を発見!

地下1階には、アメリカ・ブルックリン発のクラフトブルワリー「Brooklyn Brewery」の世界初のフラッグシップ店「B by The Brooklyn Brewery(びー ばい ぶるっくりん ぶるわりー)」が入っています。

多種多様な「Brooklyn Brewery」のビールを楽しむのはもちろん、都内の人気店「北出食堂」監修のタコスを一緒に食べられます。

食事のほかに、定期的にアートや音楽などのイベントも開催しており、ビールを片手に食や文化を思う存分楽しめるスポットとなっています。

1階レストラン「caveman」で思い出になる食事を

1階には、目黒の人気レストラン「Kabi(かび)」の姉妹店としてオープンした「caveman(けいぶまん)」も。国籍にとらわれず、見たことのないような種類の料理を、こだわりのナチュラルワインやビールと合わせて食べることで、新たな食の扉を、選りすぐりのお酒と一緒に味わうことができます!

ディナーだけでなく、時間によってランチやブレックファストも提供しているので、宿泊の際には要チェックです!

ホテルからすぐ行ける、周辺のおすすめ観光スポット3選

「HOTEL K5」は、茅場町駅以外にも日本橋駅や三越前駅からもアクセスが可能。日本橋や東京駅、銀座、有楽町などは徒歩圏内なので、東京観光やショッピングも思う存分楽しめます。

【ホテルから徒歩11分】日本橋三越本店

創業300年以上の歴史を誇る百貨店。ファッションに加え、暮らしを彩る芸術や遊びを提案し、日本文化の精神に浸りながら、一日中ショッピングを楽しむことができるスポットです。平成28年(2016)には国の重要文化財指定を受けています。


【ホテルから徒歩11分】水天宮

安産や子授け、水難除けの神として名高い神社。久留米藩主有馬家の赤羽橋屋敷内にあったものが、明治5年(1872)に蛎殻町(かきがらちょう)に移されました。戌の日には安産を祈願する妊婦の姿が多く見られます。


【ホテルから徒歩12分】日本橋 木屋本店


寛政4年(1792)創業の老舗生活用品店。切れ味のよい包丁、美しい木のまな板など、日本が大切にしてきた職人技術を感じられる名品の数々に出合えるスポットです。ショップの奥には真っ白な壁一面のアートスペース「izutuki(いづつき)」があり、日本の伝統技術を発信するために、道具を丁寧に見せる場、道具の歴史・背景を伝えていく場として、伝承し続けるべき品々をディスプレイしています。


おすすめタイムスケジュール

【1日目】
11:00 東京駅に到着
11:30 ホテル到着。自転車をレンタルして都内観光
16:00 チェックイン&客室で荷物を広げてちょっと休憩
16:30 夜ご飯まで時間があるので、日本橋三越でショッピング
18:00 「caveman」でディナー
20:00 ビアホール、バー「Ao」でお酒を楽しむ
22:30 就寝

【2日目】
9:30 「Bakery BANK」のサンドイッチで朝ご飯を食べながらゆっくり準備
12:00 チェックアウト
12:15 チェックアウト後、荷物を預けて銀座を散策
17:00 ホテルに戻って荷物を受け取り、「Switch Coffee」でコーヒーを飲みつつ休憩

大都会の中心地で、荘厳な建物を再利用したデザインホテル「HOTEL K5」。歴史があっておしゃれなだけでなく、ゆったりくつろげるような工夫が凝らされたホテルは、旅をよりいっそう特別なものにしてくれるはずです。

■HOTEL K5(ほてる けーふぁいぶ)
住所:東京都中央区日本橋兜町3-5
TEL:03-5962-3485
チェックイン/アウト:15時/12時
料金:1泊 4万5000円〜(税込・サービス料込、食事別)
アクセス:東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町駅」10番出口より徒歩5分


Text:鳥居まなみ(vivace)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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