【葉山・江の島】葉山マリーナと江の島を結ぶ話題の海上タクシーに乗船!ストレスフリーな旅へ
2024年3月28日、“葉山マリーナ”と“江の島”を結ぶ新たな海上交通「海上タクシー」が運航を開始しました。交通手段を“船”に変えてみることで、移動時間にも旅の思い出を。いつもとは違う特別な体験をしに、編集部神奈川担当の筆者が乗船してきました!
大注目の海上タクシー。その理由とは?
海上タクシーとは、決められた複数地点を小型の船舶で結ぶ海上交通のことです。今回新たに就航した海上タクシーは、葉山マリーナとSHONAN江の島桟橋を結んでおり、約30分の航海を楽しむことができます。葉山マリーナから3便(10:30、12:30、14:30)、江の島から3便(11:30、13:30、15:30)、合計1日6便が海上を疾走しています。
葉山と江の島は合わせて年間約1760万人が訪れる県内有数の観光地です。インバウンドを含めた多くの方々がこの地を訪れるため、発生するのが“大渋滞”。繁忙期には、逗子から鎌倉まで車で約1時間かかることもあるとか。目的地が目と鼻の先にあるのに、なかなかたどり着けない…!そんな地域の課題を海上タクシーは解決してくれると注目されています。
そしてこの海上タクシーの合言葉は「移動時間を楽しく」。渋滞のストレスを感じることのない爽快な旅とは?この後詳しく見ていきます。
乗船までの流れを伝授!実はお手軽に乗れちゃいます
ご利用の前日までに、公式サイトから電話で予約する必要があります。予約は1カ月前から可能で、運行状況により当日申込が可能な場合もあります。最少運航人数は2名~ですのでご注意を。
気になる服装についてです。乗船中水に濡れたり、汚れたりすることは基本的にはありませんので、好きな服装で海上タクシーを利用することができます。私はスカートでしたが、問題なく乗船できました。ただ乗降や乗船中、上り下りする機会もあるので、ズボンがベストです。
海上タクシーの受付があるのは、葉山マリーナの入口を通って左側です。ここで受付をして案内を待ちます。船上にトイレはないので、乗船前に済ませておくのがよいでしょう。葉山マリーナ内に利用できるトイレがありました。
ここからは主に葉山マリーナから江の島に向かう流れをご説明していきます。
キャプテンズルームとよばれる、葉山マリーナに船舶を所有するオーナーの専用スペースを通りながら発着所へ。間近に大小さまざまな船が何十隻も見られ圧巻です。船が陸にずらっと並んでいる姿はなかなか見ることができないので貴重な体験ですね。またよく見ると、どの船にもそれぞれ個性豊かな船の名前が刻まれています。オーナーの船を思う気持ちを垣間見ることができますよ。
船までの桟橋は少し揺れやすいので、持ち物などを落とさないように注意しましょう。乗り込む船はFALCON。全長32フィート、10人乗りの小型ボートです。
ベルト型のライフジャケットを装着してクルーズ船に乗り込みます。クルーの方が乗降など、細かくサポートしてくれるので、初めての方も安心して利用できます。
小型ボートとはいえ設備は豪華。ボートは2階建てです。1階はデッキ(椅子あり)と、落ち着いた室内空間が広がっています。室内空間にはエアコンが設置してあるので、夏や冬も快適に過ごせます。デッキは海を最大限感じたい方に、室内空間は日差しをあまり浴びたくないけど海を楽しみたい方、休憩しながら目的地に向かいたい方…におすすめです。もちろん自由に移動できるので、気分に合わせてお好きな場所を見つけてみてくださいね!
2階に上がってみましょう。上がるとすぐそこには操縦席が。車とも電車とも雰囲気の違う操縦席は見るだけでワクワクします。出航がどんどん楽しみになりますね。2階は全方位に窓(または風よけ)がついており、椅子もあります。海風を直接感じながら、葉山の海をその目で見ることができます。
いざ出航!ここでしかできない体験が続々
それではいよいよ出航です!船はゆったりと進んでいきます。
葉山マリーナの敷地を出ると、一気に開けた海が広がります。奥に見える島が目的地、江の島です。葉山マリーナから江の島までは、実は船なら直線で約15分で到着することができますが、葉山でしか見ることのできない絶景スポットを回りながら向かうので、前述の通り約30分の航海となっています。そう、この船は「移動時間を楽しく」がコンセプトの海上タクシーなのです。
海から見ると改めて、葉山・逗子・鎌倉の大自然に気づきます。緑がいっぱい!乗船中はクルーが葉山の海の魅力をたくさん教えてくれます。
出航から5分ほど、船はクルーも大絶賛の絶景ポイントに到着しました。ここでは葉山灯台と富士山、赤い鳥居のコラボを堪能することができます。船は減速してくれるので、しばらくこの絶景を楽しめます。
残念ながらこの日は、富士山は霞んでしまって見ることは叶いませんでしたが、海上に浮かぶ灯台と鳥居のコラボにはテンションが上がります♪
葉山灯台とは、葉山の海を愛した昭和の大スター・石原裕次郎氏を偲び、3回忌にあたる平成元年(1989)、兄である石原慎太郎氏が建造したものです。また森戸海岸から約700mの沖合に建っているため、歩いて見にいくことはできません。海上タクシーだからこそ見られる大迫力の眺望と言えるでしょう。
赤い鳥居は、名島とよばれる、森戸神社裏手の岩礁地帯にある小島に立っており、ここには龍神が祀られています。葉山を代表する景色の一つです。ちなみに森戸神社は約850年前に源頼朝によって創建された歴史のある神社です。
葉山灯台を抜けると、船は一気にギアを上げて加速します。揺れは激しくないので、船酔いなどの心配はあまり必要ないかと思います。ゴーといった大迫力の走行音を聞きながら江の島を目指します。
進行方向から少し振り返って、海の中を覗いてみましょう。端に寄りすぎると波しぶきを浴びることがあるので、注意して覗いてみてくださいね。小型ボートなので、海面との距離は思っているよりも近く感じられるはずですよ!
また葉山の海は浅く、海が透き通って見えるのが特徴です。上記の赤い鳥居の立つ岩礁地帯のような場所がたくさんあるため、船が座礁しないように、葉山灯台の間を航行しなければならないなど、航路に関しては細かいルールが定められているとか。このように安全性はしっかりと管理されているので、安心して乗船できますね。
葉山周辺の海には、我々の船以外にも大小さまざまな船が海上を走行しています。多くは漁船だそうで、このあたりではマルイカやキス、さらにはワラサなど、豊かな魚介類がたくさん釣れるとのこと。土日になると平日の約20倍の船が海上に出るそうです。譲り合って走行する中で、漁師さんと仲良くなることもしばしば、だそう。
江の島から稲村ヶ崎までは波が立つので、サーフィンに適したエリア。一方で、稲村ケ崎から逗子までのエリアは波が立たないので、ウインドサーフィンに適したエリアだそうです。一見すると全く同じエリアの海でも、場所によってガラッと様相を変える海みたいですよ。驚きです。
鎌倉の海にやってきました。山と海を眺めていると、海からの山の近さなど、このあたり一帯の地形が特徴的なことに気づきます。源頼朝がかつて難攻不落の要塞都市として、鎌倉を選んだのもうなずけますね!
そうこうしているうちに、江の島が近づいてきました。そろそろ到着のようです。
この海上タクシーが向かう先はSHONAN江の島桟橋。今年の3月に完成したばかりの桟橋なので、非常に新しく頑丈で、手すりが付いているなど、利用しやすい造りとなっています。葉山マリーナから江の島に向かう方々はこちらで下船後、解散となります。江の島の玄関口は、SHONAN江の島桟橋からヨットハーバーを半周、5分ほど歩いたあたりになります。
江の島から葉山マリーナに向かう方の乗船場所も、このSHONAN江の島桟橋です。待機場所の決まりは特にないとのことですが、多くの方はこちらの広場(下記の写真)で待機しているそうです。時間になったらクルーの案内があるので、聞き逃さないように注意しながら乗船を待ちましょう。
ここまで海上タクシーについて、葉山マリーナから江の島までを中心に詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたか?電車と同じくらいのお手軽さと、車と同じくらいの快適さがあることが“船旅”の魅力かと思います。
葉山/江の島までの道のりを車か電車か、その選択肢の中にぜひ“船”を入れてみませんか?爽快感あふれる旅に彩ってくれること間違いなしです!
■海上タクシー(かいじょうたくしー)
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内50-2
TEL:046-875-0002(9:00~17:00)
出港時間:葉山マリーナから江の島行きは10:30、12:30、14:30、江の島から葉山マリーナ行きは11:30、13:30、15:30
運行時間:30分
料金:片道大人 3000円、小人 1500円
URL:https://hayamamarina.com/sea-taxi/
Text(&Photo):るるぶ情報版編集部(佐藤伶香)
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