【愛媛・松山】道後温泉のシンボル!道後温泉本館の魅力を徹底レポート!
日本三古湯のひとつとされる道後温泉。そのシンボルともいえる存在が道後温泉本館です。国の重要文化財でありながら今も公衆浴場として使われている、日本で唯一の貴重な施設なのです。営業しながら6年にわたる保存修理工事を行い、2024年に全館営業再開しました。そんな道後温泉本館の魅力を徹底レポートします!
道後温泉本館ってどんなところ?
約3000年の歴史を持ち、日本最古の湯ともいわれる温泉地・道後温泉。その中心にある道後温泉本館は、歴史的建築と名湯を楽しめる日帰りの温泉施設です。
2019年から、耐震補強などのため一部で営業を続けながら保存修理工事が行われていましたが、2024年に全館で営業再開!
男女それぞれにある「神の湯」と「霊(たま)の湯」という2つの浴室、さまざまなタイプの休憩室、さらに「又新殿」などの見学施設や売店など、すべて利用可能になりました。天下の名湯に浸かり、建築美を堪能し、本館ならではの温泉情緒を余すところなく味わうことができます。
本館では、無加温・無加水の“源泉かけ流し”で名湯を楽しめるのも大きな魅力です。泉質はアルカリ性単純泉で、複数の源泉から20~55℃の湯をくみあげており、季節・時間帯に応じて温度が異なる温泉をブレンドすることで、加温も加水もせずに42℃程度の適温に調整しています。
道後温泉本館でおすすめの楽しみ方は、入浴と休憩室、お茶菓子などのサービスを組み合わせてレトロな温泉情緒を満喫することです。
入浴にプラスして、湯上がりのリラックスタイムや施設見学など、すべての時間でまるでミュージアムを観覧しているようなワクワク感が味わえるのが本館ならではの魅力です。
まるで迷宮!館内はどうなっているの?
道後温泉本館は、大正・昭和の時代に幾度も増改築を繰り返したため、まるで迷路のように複雑な構造をしています。浴室は男女ともに「神の湯」と「霊の湯」の2つがあり、「神の湯」は休憩室を利用せずに入浴だけ楽しむこともできます。
休憩室は、2024年に新設された「霊の湯三階貸切室」に加え、「神の湯二階席」「霊の湯二階席」と「霊の湯三階個室」があります。休憩室を利用するとオリジナルの浴衣を借りて着用できるほか、お茶とお茶菓子のおもてなしを受けられます。
2階にある、明治32年(1899)に造られた国内唯一の皇室専用浴室「又新殿」は、事前予約をすれば見学可能です。天皇だけが使用できる「玉座の間」や、皇室専用の「御湯殿」など、豪華絢爛な様相が楽しめます。
■又新殿(ゆうしんでん)
営業時間:9~17時(最終受付16時30分)
※定員10名の事前予約制
料金:500円
「飛翔の間」入浴コースを体験!
本館では、休憩室の利用の有無や種類によって6つの入浴コースが用意されています。今回は、2024年の全館営業再開を機に誕生した「霊の湯三階貸切室コース」のなかでも「飛翔の間」を利用する入浴コースを実際に体験してみました!こちらは予約が必要なので、事前のプランニングをお忘れなく。
まずは、にぎやかな商店街「道後ハイカラ通り」の入口向かいに位置する「西側」から入館! 札場(チケット売り場)で入浴券を改札してもらい、スタッフさんの案内に従って休憩室へ。こちらのコースは貸浴衣・貸タオル・貸バスタオルが付くので、手ぶらでもOKなのがうれしいポイントです。
貸切利用できる休憩室「飛翔の間」は、定員10名、広さ12畳半の広々とした空間が特徴です。二間続きで趣があり、のんびりとくつろげる座卓もあります。もちろん冷暖房機器も設置されています。
窓際の戸を開けると、3階大屋根の上にある塔屋「振鷺閣」(しんろかく)の屋根に立つ白鷺(しらさぎ)も見えます。
休憩室で浴衣を受け取ったら、さっそく歴史ある名湯を堪能しましょう♪ このコースでは、「霊の湯」「神の湯」のどちらにも入浴できます。「霊の湯」の女子浴室は、浴槽中央に“湯釜(ゆがま)”とよばれる湯口が鎮座する開放的な空間。壁には、道後温泉ゆかりの神である大国主命と少彦名命が描かれた陶板が飾られており、歴史と風情を感じられます。
続いては、巨大な湯釜が目を引く「神の湯」へ!「神の湯」の女子浴室は、以前は「神の湯」男子浴室として利用されていた場所です。2024年の全館営業再開の後からは、かつて男子浴室でしか見られなかった、夏目漱石の小説『坊つちやん』の一節で登場する「坊っちゃん泳ぐべからず」という注意書きの木札が女子浴室でも見られるようになりました。
2種類の浴室で名湯を堪能したら、「飛翔の間」に戻って湯上がりのリラックスタイムを楽しみましょう。「霊の湯 三階貸切室コース」では、お茶とともに、全館営業再開にあわせて新たに提供が始まったお茶菓子「道後 湯上がり乃しらさぎ」をいただけるのも大きなポイント!
「道後 湯上がり乃しらさぎ」は、白鷺が羽ばたいていく様子をホワイトチョコのコーティングで表現した、美しい見た目も特徴。はだか麦や伯方の塩などを使った生地の中には、紅まどんなのジャムが入っており、さわやかな味わいです。お茶菓子はコースによって違い、こちらは「霊の湯三階貸切室コース」のみの提供です。
■霊の湯三階貸切室コース 飛翔の間
料金:1300円×人数 ※別途、1組につき3000円が必要
営業時間:8・11・14・17・20時の1日5部制
※要事前予約(90日前から電話または公式Webサイトにて受付)
※利用時間は1時間30分以内
貸出し品:貸タオル・貸バスタオル、貸浴衣
※「又新殿」自由観覧可
6つの入浴コースがあります
今回体験した「霊の湯三階貸切室コース 飛翔の間」など、本館では6つの入浴コースが用意されています。
温泉をシンプルに楽しみたいなら、入浴のみの「神の湯階下コース」を利用しましょう。
本館の醍醐味を味わうなら、休憩室を利用する入浴コースがおすすめ!
55畳の大広間で休憩できる「神の湯二階席コース」、大正時代に建てられた南棟にある休憩室が利用できる「霊の湯二階席コース」、3階の個室でくつろげる「霊の湯三階個室コース」、そして2024年より新設された「霊の湯三階貸切室コース 飛翔の間」「霊の湯三階貸切室コース しらさぎの間」があります。「神の湯階下コース」「神の湯二階席コース」以外は、神の湯・霊の湯どちらも入浴可能です。
利用できるおもてなしはコースによって異なります。
●神の湯階下コース:なし
●神の湯二階席コース:お茶・おせんべい、貸浴衣付き
●霊の湯二階席コース:お茶・おせんべい、貸浴衣・貸タオル・貸バスタオル付き、「又新殿」自由観覧可
●霊の湯三階個室コース:お茶・坊っちゃん団子、貸浴衣・貸タオル・貸バスタオル付き、「又新殿」自由観覧可
●霊の湯三階貸切室コース 飛翔の間・しらさぎの間:お茶・道後 湯上がり乃しらさぎ、貸浴衣・貸タオル・貸バスタオル付き、「又新殿」自由観覧可
浴室や休憩はどれを利用したいか、どのおもてなしを受けたいかを事前に確認しておくのが本館攻略のポイントです!
おみやげにほしい!オリジナル温泉グッズ
建物入口のすぐそばには売店があります。おみやげには「道後 湯上がり乃しらさぎ」がおすすめ。こちらは「霊の湯三階貸切室コース」のお茶菓子として提供されるので、実際に味わった後に購入できますよ。
ほかにも、うちわなどのオリジナルグッズもお見逃しなく! 歴史ある温泉に入浴した思い出をぜひ持ち帰ってくださいね。
みどころいっぱい、建築&歴史をチェック
本館には至るところに歴史的なみどころが点在しています。札場から浴室までをつなぐ中央廊下の壁面下部に目をやると、道後湯之町の初代町長であり、道後温泉繁栄の基礎を築いた伊佐庭如矢(いさにわゆきや)が文字を記したという建物の側石が見られます。
館内や建物外観の随所には、湯玉や白鷺が配されています。湯玉が何をモチーフにしたものなのかは諸説ありますが、湯が沸騰する際に湧き上がる温泉の泡をイメージしたという説、神社などで見かける宝珠がもとになっている説などが有名です。
白鷺は、道後温泉の発見に由来する伝説に登場することから、現在は道後温泉のシンボルとなっています。
最も有名なのは、3階大屋根の上にある塔屋である「振鷺閣」に立つ白鷺。「振鷺閣」は、中に太鼓が吊るされており、6・12・18時の1日3度打ち鳴らされます。※内部見学不可
道後温泉本館へのアクセスはこちら
松山空港からバスで約30分のJR松山駅から道後温泉本館へアクセスする場合、まずは徒歩すぐにある路面電車の停留場「JR松山駅前」へ移動します。そこから、伊予鉄道 市内電車(道後温泉行き)に乗って約25分の「道後温泉駅」で下車し、徒歩5分で本館に到着します。
車で訪れる場合は、松山自動車道松山ICから約7km・25分でアクセスできます。道後温泉本館の利用客は、本館の南側にある市営の「道後温泉駐車場」を利用すると、1時間無料となるうれしい特典も! 「道後温泉駐車場」の収容台数は100台、30分100円で利用できます。

2024年に改築130周年を迎えた道後温泉本館、長い歴史に彩られた公衆浴場の魅力の一端をご紹介しました。遠くからでもわざわざでかけたくなるような特別な施設であることがおわかりいただけたでしょうか?
道後温泉街は今回ご紹介した道後温泉本館を中心に、宿泊施設や食事処、カフェなども充実した活気あふれる場所です。道後温泉を訪れるならおすすめは1泊2日。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
■道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)
住所:愛媛県松山市道後湯之町5-6
TEL:089-921-5141(道後温泉コンソーシアム)
料金:神の湯階下コース 大人700円、子ども(2歳~12歳未満)350円
営業時間:6~23時(最終入館22時30分)
定休日:無休(12月に1日臨時休館あり)
※料金、営業時間はコースにより異なる
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Text:葉山ほのか(Clay)
Photo:能勢太郎(Clay)
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